帝国の旗を掲げよ   作:ドイツ軍ファルマート大陸軍集団

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思いを馳せる

 

 

碧海海上

 

潮風に吹かれながら、リィズはドイツで見た様々な物を思い出しながら、海を眺めて居た。

 

正直、自分が住むこの世界に帰って来てなお、いまだに夢見心地の中に居た、それ程にドイツで見た物は衝撃的な物だらけであった。

 

ドイツ首都ベルリン南方

 

ツォッセン

 

リィズらヴィザンツィア騎士団国の交渉団とドイツ政府との間での交渉が行われた次の日、ドイツ陸軍の地下総司令部が置かれるこの田舎町では、ドイツ軍による大規模演習が行われる事となっており、第1空中騎兵旅団スレイプニルの操る、ヘリコプターに搭乗させてもらい、彼女達も演習を観覧する為に、同地へと向かった。

 

「すごい…」

 

「なんと言う速度なんだ…」

 

「翼竜とはまた違ったスリルと、爽快感がありますね殿下!」

 

プロペラの音を響かせながら、ドイツの平地の上空を進むヘリコプターの編隊、そして機内から見えるドイツの平原の景色に、アンネリーゼ、ミラは圧倒され、リィズは、まるで遊園地のジェットコースターに乗る子供の様に、目を輝かせ楽しそうな様子で居た。

 

さらには

 

「アレは?」

 

「我が軍の、最新型主力戦闘機Me-335ドラッヘンです殿下。2年前に、わが国最大の航空機メーカーであ、るメッサーシュミット社が、総力を上げて作りあげたジェット戦闘機になり、現在大量生産ラインに乗り初めて、我が軍に次々と配備されつつあります」

 

轟音を上げ、自分達の頭上で編隊を組み、物凄いスピードで飛行機で飛ぶデルタ型のジェット戦闘機、その常識を超えた速度に、リィズは驚愕しながらそうミュラー大佐に聞くと、彼はそう説明した。

 

Me-335…

 

ドラッヘンの愛称で親しまれるこの戦闘機は、戦後、アルベルト・シュペーア軍需大臣が推し進めた、兵器の規格共通化政策の波に乗り、親ナチス的なメッサーシュミット社は、ドイツ国内の航空企業であるハインケルにフォッケウルフの戦闘機部門、さらにはフランスのダッソー社、スウェーデンのサーブ社など、イタリア系企業を除く、ヨーロッパの全ての戦闘機製造会社を次々に買収し、ではヨーロッパ最大手の戦闘機開発企業に成長して居た。

 

そして、現在上空を通ったMe-335は、1948年に開発され、着々と生産され、配備されている、メッサーシュミット社が抱えるすべての技術者達の力を結集した機体であり、最大の特徴は来るべきソ連との最後の決戦を想定し、高速道路や舗装された道路など、飛行場でなくてもある程度舗装された場所ならば環境を選ばず、離着陸を可能とする展開力を重視した機体である。

 

「それにしてもすごい速さ…」

 

「我が国にも、ドラゴンに跨り空から攻撃する飛行騎士なる兵器は存在しますが…アレと戦って、勝てる自信はありませんね…」

 

先ほど上空を通過したドイツ軍のドラッヘ戦闘機と自国のドラゴン、戦っても勝てる未来が、リィズとミア達には、想像できなかった。

 

「ドラゴン…貴国には、その様な生物が存在しているのですか?」

 

一方で、ジェット戦闘機に驚愕している三人と同様、先程ドラゴンと言う言葉を聞いたミュラー大佐は、興味津々の様子でそう聞いた。」

 

「はい、そちらの世界には居ないのですか、大佐?」

 

「御伽話や我が国に存在する神話…北欧神話の世界の中だけの存在ですね、ドラゴンが存在するのは」

 

「北欧…神話?」

 

「えぇ、我が国を含めたゲルマン系民族が、かつて信仰して居た宗教や世界観を記したお話でしてね…」

 

それから、ミュラー大佐は北欧神話の概要を、様々な神々に、その神が住まう世界、現実には存在しない伝説の生物、神秘的な力を持った伝説の武器などを、熱意を持って話した。

 

「北欧神話…我々の世界の神話に少し似てますね…特に、戦死者が赴く世界、ヴァルハラに関しては、我が国にも似た概念があります」

 

話を聞いていたリィズは、その中で語られた戦場で散った英雄達の魂が導かれる戦士死者の世界である、ヴァルハラに、興味を持った様子であった。

 

「と言うと?」

 

「死と断罪の神であり、一応我が国で信仰を認めている神の一人である、エムロイと言う神が居るのですが、その教えが、先ほどミュラー大佐が述べた、ヴァルハラの概念と酷似しているんです」

 

「なるほど」

 

クラウス・ミュラー大佐は、親衛隊の様に妄信的ではないが、あくまで一種の娯楽としては、大のファンタジーやオカルト、そして北欧神話など、神秘的な話に対して、大きな魅力と憧れを感じて居る人物である。

 

また彼は、フリードリヒ・ヴィルヘルム大学にて、文学部の教授であった祖父の影響で、幼少期には書斎に置いてあった本を読んで過ごしており、神話や冒険物語、考古学や歴史など、数々の本を読み漁り、その度に本の中の世界や書物に記載されている歴史の時代に対して憧れを抱いており、大人になりドイツ空軍の大佐になった今でも、カール・マイの冒険活劇を読んでいるなど、未知の世界や魔法などのファンタジー要素が強い冒険話に対する興味は、今でも健在であった。

 

その為

 

「もし時間があれば、訓練見学後のお茶の時にでも、殿下の世界の事をもっと教えていただけないでしょうか?」

 

ミュラー大佐は、思い切ってリィズにそう提案した。

 

「もちろん、その代わりミュラー大佐、大佐からは、この世界の事をもっと詳しく教えてください」

 

「私は軍人なので、軍事機密や国家機密に抵触しない事でよければ」

 

するとリィズは、微笑みながらそう言い、それに対してミュラー大佐も、同じように優しい笑みを浮かべながらそう述べた。

 

そうこうしている間に

 

「大佐、もうそろそろ到着します」

 

ツォッセンのドイツ軍の陸軍総司令部近くの練兵場に着陸した。

 

「殿下、お足下にご注意ください」

 

「えっ…あぁ、ありがとうございます大佐殿」

 

そして着陸すると、ミュラー大佐は先にヘリから降りると、同じようにヘリから降りようとしていたリィズに向かって手を差し出した。

 

「Achtung! Präsentiert Das Gewehr!」

 

そして着陸したヘリから、リィズ達が降りると、すぐそこにはドイツ陸軍のエリート部隊である、ブランデンブルク師団に属する連隊兵士達が整列しており、連隊長の号令と共に、一斉にドイツ軍の新型主力突撃銃である、StG-50ライフルを掲げた。

 

すると、兵士たちに敬礼をしながら、一人の初老の軍人に率いられた、何人かの軍人達が近づいて来た。

 

「ようこそお越しくださいました殿下、そしてヴィザンツィア騎士団国の特使の皆様、将官はドイツ陸軍総司令官を務めております、エーリヒ・フォン・マンシュタインです。ドイツ国防軍を代表して、皆様を歓迎いたします」

 

「陸軍参謀総長のギュンター・ブルーメントリットです」

 

「初めまして、マンシュタイン将軍殿、ブルーメントリット総参謀殿。私は、ヴィザンツィア騎士団国使節団、第10親衛騎士団エクェストリスの指揮官を務める、リィズ・フォン・コンスタンティヌスです」

 

「騎士団長副官の、ミア・ボーゼンフェルトです」

 

「同騎士団の騎兵部隊の、アンネリーゼ・フォン・ビッテンフェルトです。

 

リィズら、ヴィザンツィア騎士団国の特使達を迎えた、陸軍総司令官であるエーリッヒ・フォン・マンシュタイン元帥と、陸軍参謀総長であるギュンター・ブルーメントリット上級大将は、軍人として完璧な口調と対応と敬礼をし、それに対して三人も、その誠意ある対応にそう挨拶を返した。

 

一方で

 

(この将軍…名将だ)

 

リィズは、マンシュタイン元帥から滲み出る、歴戦、そして常勝の将とも言うべき、猛者のオーラを感じるていた。

 

エーリッヒ・フォン・マンシュタイン…

 

ゲーリングの為に用意された階級である国家元帥を除き、国防軍最高位である陸軍元帥の階級を有する彼は、栄光のドイツ陸軍において、名将と呼ばれるに相応しい、ドイツ陸軍の至宝とも言える軍人である。先の大戦期は、対フランス攻略作戦である黄色作戦、さらに独ソ戦末期に行われたクリミア攻略戦で、その辣腕を披露し、数々のドイツ軍の勝利に貢献して来た知将である。

 

しかし一方で、ナチ党に対して良い感情を抱いておらず、ヒトラー自身もその軍才を認めながらも、政治的に信用は出来ないと評する人物である。

 

だが、現在ドイツは空軍はゲーリング国家元帥、海軍はカール・デーニッツ元帥と、親衛隊を除き、ドイツの武装組織である国防軍の、まさに3分の2が、親ナチス派の軍人によって支配されており、その為、ドイツ、そしてその前身国であるプロイセン王国の時代から国を守って来た栄光の陸軍だけは、ナチスの完全な支配下に下るわけには行かないと言う、多くの陸軍軍人の感情的と政治的理由、そして何より圧倒的実績、マンシュタイン元帥がかつてフランスを降伏させたアルデンヌからの攻勢作戦の作成や、大戦末期に行われたクリミア攻略作戦の成功など、数々の功績を盾に、今は引退した国防軍の重鎮である、ゲルト・フォン・ルントシッテット元帥を中心とした、多くの陸軍将校たちも共にヒトラーを説得した結果、現在陸軍の総司令官の地位に就任している。

 

(これほどの名将は、久し振りにお目にかかる…)

 

(どうやら、兵器だけじゃなくて人的資源の質も、この国は高いみたい…ドイツ第三帝国…なんと言う恐ろしい国なんだ)

 

しかし、そのような背景はもちろんアンネリーゼとリィズ達は知る由もない、だがマンシュタイン元帥の放つ、歴戦の将のオーラと言うのを、ひしひしと感じ取っていた。

 

「それでは、これから皆様を演習場へとお連れいたします。どうぞこちらへ…」

 

そんな心情を知らず、ミュラー大佐はそう言い、迎えに寄越していた黒塗りのベンツ・タイプ300の方を指した。

 

「ありがとうございます」

 

そしてリィズはそう言うと、彼女達は車に乗り込み、マンシュタイン元帥と参謀総長のブルーメントリット上級大将を加えた一向は、そのまま陸軍の演習場へと向かった。

 

 

演習場

 

「Feuer!!(撃て)」

 

歩兵連隊の連隊長がそう叫ぶと同時に、兵士達が持つドイツ軍の標準アサルトライフル、StG-44から乾いた音共に銃弾が発射されると、射撃目標として置かれていた、ファルマート大陸では、軍隊の身につける鎧並に固い鉄板を、一瞬にして蜂の巣にした。

 

「こ…これが…ドイツ軍の…銃」

 

「我が国の新兵器の銃とは…精度も、射撃能力も…威力も…何もかもが桁外れだ…」

 

「…」

 

その光景を見たミア、アンネリーゼは、空いた口が塞がらない様子でそう言い、一方のリィズは、驚きのあまり何も言えなかった。

 

「如何ですか殿下、我が軍の主力装備であるStG-44は?」

 

「す、凄まじいの一言です…」

 

マンシュタイン元帥にそう聞かれたリィズは、ただ一言そう述べると。

 

「あの、マンシュタイン元帥閣下」

 

「なんですかな?」

 

「あの銃…StG-44と言いましたか、あの銃はどれほど配備されているのですか?」

 

どうしても気になったその質問、あれ程の破壊力と連射速度を持つ銃を、ドイツ軍ではどれほど配備しているのかを、リィズはマンシュタイン元帥に聞いた。

 

「勿論、全兵士に配備しており、予備役分も既に確保しております」

 

「全兵士…と言うと?」

 

「現在の我が軍の常備軍は、現在1師団あたり約1万人で構成された師団が総員200師団で、陸軍総兵力は約200万人に武装親衛隊総兵力50万人を合わせて計250万人、他にも海軍の歩兵部隊や空軍の降下猟兵をはじめとした陸戦部隊にも、この武器は配備されています」

 

「「に、250万人!!?」」

 

その数を聞き、思わずアンネリーゼとリィズは驚きのあまりそう叫んだ。

 

何故なら、リィズ達ファルマート大陸の人間にとって、大陸最大の国家である帝国ですら常備軍10万人前後、その帝国軍の25倍の戦力と高性能な兵器を配備するドイツ軍は、まさにリィズ達にとって常識を超えた国であった。

 

「軍事国家だから、それなりの戦力は持っているとは思ってたけど、250万人とは…」

 

「全国民のほとんどが予備役である、我が国の軍ですら、総動員で30万〜40万がせいぜいです。もしこの国と我が国が戦争になったら、有無も言えずに鏖殺されるのがオチです」

 

リィズとミアの二人が、自国の戦力を分析しながらそう話していると。

 

「では続いて、我が陸軍のE-75ティガーⅢ重戦車とE-50パンターⅢ中戦車、他にも駆逐戦車であるヤークトパンターご紹介します」

 

マンシュタイン元帥がそう言うと同時にキャタピラの音が響き渡り。

 

「な、なんじゃありゃあ!!!」

 

ドイツ陸軍を最強たらしめる、世界最強の重戦車と中戦車、ドイツの最大の宿敵であるソ連で実戦配備と量産が行われているT-54中戦車をも凌ぐと言われている二種類の戦車、E-50とE-75、そしてその後に続くヤークトパンターなどの駆逐戦車、総勢50両の戦車が演習場に現れ、その鉄に覆われた巨大な虎と豹に、アンネリーゼは、名家のお嬢様であると言うことを忘れて、思わずそう叫んだ。

 

「…ヘリも驚いたけど、戦車…これも中々に」

 

「鋼鉄の戦象…とでも言いましょうか、なんと言う凄まじい兵器…」

 

そしてそれは、リィズとミアも同じであり、二人はそう呟く事しかできなかった。

 

一方で、その様子を横目で見るミュラー大佐は、自分が所属している空軍とは違えど、彼女達異世界の人間に大きな衝撃を与えた、目の前の陸軍の戦車部隊を誇らしく思えた。

 

「それでは、これより攻撃演習に入ります」

 

「演習開始!」

 

「Jawohl、feuer!」

 

そして、いよいよ攻撃演習を行う時になり、マンシュタイン元帥、ブルーメントリット上級大将、そしてこの演習を行う、第502戦車大隊の隊長であるヨハネス・ベルター大佐の順に砲撃命令が伝達され、標的用に用意した2号戦車や3号戦車など、今もドイツ陸軍の一翼を担っているパンターやティーガー2と違い、他国に輸出する以外では、完全にお役御免にされた標的の戦車達に向かって砲撃が行われ、砲弾の集中砲撃を受けた標的用の戦車達はたちまち吹き飛ばされた。

 

「な…なんと言う破壊力…」

 

その光景を目にしたアンネリーゼはそう呟くと同時に三人の脳裏には、最初の接触に失敗し、ドイツと戦争になっていた際に、瞬く間に塵芥や肉片へとなって行く、自国の軍隊、そして次々と戦車のキャタピラや先ほど上空を飛んでいたMe-335などの航空兵器によって破壊されて行く街など、この世の地獄…いや地獄すらマシに思えるほどの光景が横切った。

 

だがそれと同時にリィズの脳裏には

 

(確かに恐ろしい…だけど、逆に言えば、この国を我が国の味方につけ、そしてこの戦力を我が国でも物に出来れば…勝てる…帝国にだって、我が国は勝てる…)

 

ドイツ軍と肩を並べるほどに近代化された、ヴィザンツィア騎士団国の機甲部隊が、健気にも弓や剣、槍で武装する帝国軍やその属国である諸王国の雑種軍を鏖殺し、帝都を陥落させ、青地にあしらわれた双頭の鷲の旗を高らかに掲げる光景、すなわち勝利の光景も、その脳裏に浮かんだ。

 

 

 

 

「そうだ…もしドイツと国交、そして最終的に軍事同盟を結ぶ事に成功すれば、我が国は大きく飛躍し、そして帝国との最終戦争に勝利して…そして…」

 

ドイツに滞在していた時に見た多くの出来事を思い出し、潮風に吹かれていたリィズは、騎士団国の栄光と勝利、そしてその先にあるであろう未来を思い浮かべ、そう呟いた。

 

すると

 

「考え事ですか、リィズ殿下?」

 

「ミア…まぁちょっとね」

 

 自分の右横に立ち、そう聞いて来た自分の副官であるミアに、リィズはそう答えると語り出した。

 

「この目で見たドイツという国、これからの我が国の事、つまり未来の事をね」

 

「未来…ですか?」

 

「うん、幸運にも我が国は彼の国と友好的に接触が出来た。今後は、このファルマート大陸に存在する手付かずの資源や市場など、あらゆる利益と引き換えにドイツの技術力を、軍事的にも民間的にも取り入れてゆけば、行く行く我が国は帝国を…いや、ドイツとすらも肩を並べられる日も、そう遠くはないかもしれないと…そんな事を考えていたんだ」

 

リィズは、自分の目に映る、このヴィザンツィア騎士団国の目指し歩む壮大なビジョンを思い浮かべながらそう話した。

 

すると

 

「なんだ、政治的な事ですか、考えていたのは」

 

「いけない?」

 

少し残念そうにそう言ったミアにそうリィズは聞いた。

 

するとミアは笑い、そしてこう言った。

 

「いいえ、てっきり彼の方の事を考えていたのかと思いまして」

 

「彼の方?」

 

誰の事を言っているんだ、そう思っているリィズにミアはこう言った。

 

「誰って、決まってるじゃないですか、ミュラー大佐の事ですよ」

 

「げっほっ!!な、何を言ってるの!!」

 

それを聞いたリィズは思わず咳き込み、そして顔を赤くしながらそう大声で叫んだ。

 

「だって殿下、強くて規律正しさを持ちながら、少し気さくで紳士的、そして優秀な部隊を率いる程のリーダーシップがある軍人がタイプだって、確か年越しの晩餐会で酔って実た時に言ってましたよね、そう考えるとミュラー大佐は、殿下のお眼鏡に叶うのではないでしょうか?」

 

「た、確かに大佐殿には良くしてもらったよ、降りようとした私にさりげなく手を差し出してくれたり、北欧神話とかドイツの歴史を教えてくれた上に本まで貸してもらったり、最後の日に行われた晩餐会でのダンスが上手かったり!何より訓練の時の姿が凛々しなとは少し思ったけど、だ、だけど別に特別な感情は!!」

 

悪戯好きな子供の様に笑いながらそう言うミアに対して、リィズは顔を赤らめながらそう言い訳をした。

 

するとその時

 

「首都に着くぞ!!」

 

見張の兵士のその声と共に、船に備え付けられていた鐘が鳴らされた。

 

「ようやく、ですね」

 

「うん…懐かしの首都、コンスタンティヌスブルクに…」

 

先ほどのふざけた態度はすぐに鳴りをひそめ、ミアとリィズの二人はすぐに前方に見える、首都コンスタンティヌスブルクを見つめながらそう言った。

 

門の調査の為、首都を離れてからそれほど立ってはいないが、ドイツで体験した出来事から、自分の故郷である首都を目にしたリィズは、数年ぶりに家に帰るような、そんな気分になっていた。

 

すると

 

「いよいよ首都ですか…」

 

ドイツから返礼と同盟締結に向けた交渉役として派遣された外交団のリーダーであるヴァルター・ヘーヴェルが、船上から見えるコンスタンティヌスブルクの街を見てそう言った。

 

「えぇ」

 

そしてへーヴェルに対してリィズはそう言うと、少しずつ近づいている首都を背に、へーヴェルの方を向きこう言った。

 

「ようこそへーヴェル特使、我が首都コンスタンティヌスブルクへ、ヴィザンツィア騎士団国の国民を代表して、ドイツ第三帝国の使節団を歓迎いたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





兵器解説

Me-335ドラッヘン戦闘機

ドイツの、戦闘機メーカー最大手である、メッサーシュミット社が開発したジェット戦闘機。

来るべきソ連との戦いを見据えて、離陸距離の短縮と、緊急時は道路からも離陸可能とするなどの、高い展開能力と汎用性が盛り込まれている機体である。

元ネタは、スウェーデンの戦闘機であるサーブ35ドラケン、そして仮装戦記の代名詞である"紺碧の艦隊"に登場する、後世ドイツで運用されていたシードラッヘンを元ネタとしている。

因みに、サーブ35がドイツ軍の機体として登場している理由としては、開発元のメッサーシュミット社が戦後、ドイツのハインケル社、フランスのダッソー社、そしてスウェーデンのサーブ社など、イタリア系企業を除くヨーロッパの航空機開発を行う企業のほとんど買収し、独占しており、ドイツのジェットエンジンの技術と、各国の航空会社の設計者達の頭脳やアイディア、そしてドイツ軍の場所を極力選ばずに離陸が可能なジェット機を必要としていると言う軍の方針から、この機体が生まれた。

StG-50アサルトライフル

ドイツ軍で配備され始めた、次世代の主力アサルトライフルであり、その性能と見た目は、7.92x33mm Kurz弾を弾丸として使用している以外は、H&K-G3そのものである。

主力武器ではあるが、未だドイツ軍全軍に行き渡ってはいないが、武装親衛隊や陸軍の精鋭部隊を中心に配備が進んでいる。

E-75重戦車

ティーガーⅢと名付けられた、現在のドイツ陸軍の主力重戦車。

1946年にアルベルト・シュペーアの指導の元行われた、部品共通化による生産力増強と、性能安定化と整備性強化を目指した、E型戦車開発計画により開発された重戦車であり、高い攻撃力と装甲の厚さという高性能を抱えながら、整備性が悪いと言う欠点を有しているティーガーⅡの後任として、ドイツ陸軍の主力戦車として採用されており、現在ドイツ陸軍が有する重戦車の30%はこの戦車が占めているなど、着々と配備が進んでいる。

ドイツ陸軍はソ連軍を最大の仮想敵国としている為、その性能はソ連の重戦車IS-3やT-10などのソ連製重戦車を倒せるだけの性能を有している。

E-50中戦車

パンターⅢと名付けられたドイツ陸軍の主力中戦車。

1946年にアルベルト・シュペーアの指導の元行われた、部品共通化による生産力増強と、性能安定化と整備性強化を目指した、E型戦車開発計画により開発された中戦車であり、その性能は、後の主力戦車に匹敵する物である。

現在のドイツ陸軍が保有する全中戦車の40%〜50%はこの戦車で占められ、改修型のパンター戦車と共に、ドイツ陸軍を支えている。




ちなみにドイツ軍の技術力ですが、1942年に本土が無傷のまま戦争を終えた上に、ソ連と言うドイツにとっての最大の仮想敵国が残った事による危機感から兵器再発へ予算が大きく投入され、その結果1944年末期を境に、ドイツ軍の兵器開発は、史実の5〜8年、場合のよっては10年近く技術が飛躍しています。

(因みにソ連もソ連で、英国とアメリカ、イタリアに潜ませている共産主義者のスパイの暗躍により、3〜4年は技術開発力が高まっている)
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