薙ぎ倒し、焼き尽くし、進みなさい。
依頼主:翔・ニールセン
目標:
パラデウスとの和平締結またはアヴェルヌス制圧
作戦開始時刻:14:00
添付〔今回の編成〕
パラデウスの本拠地、アヴェルヌスへ行ってパラデウスのトップであるウィリアムと話しに行きたい。
ウィリアムは、七刀会の1人だったけど今は敵対している。
でも何か理由があるんだと思う。
話し合いで終わるなら、それで良いけれど・・・
もしそうでないなら、制圧するしかない。
話し合いか、制圧か、どちらであっても、僕は真実を知りたいんだ。
皆、力を貸してほしい。
地中海にある、1つの島──
そこはブラックエリアと呼ばれており、コーラップス汚染が最も酷く、戦術人形であっても長時間の活動は困難となっている。
コーラップスによる結晶があちこちにあり、かつて川だった場所には液状のコーラップスが流れている。
生物はおらず、ELID達はネイト達によって掃討されているため、何もいない静かな島と化していた。
そんな島の中心に、1つの黒い円柱の塔があった。
そここそが、パラデウスの本拠地であるアヴェルヌスである。
そこへ向かって、出撃メンバーを乗せたストークが3機飛んでいった。
積まれているコンテナの下部が開き、メンバーが投下されていく。
最初に投下されたのは、ジェノ、エクスキューショナー、ランポルド、ナルシス、アデリンの5人。
「向こうはもう気づいてるだろうから、楽しみだねっ!」
次に投下されたのはルビー小隊と翔であり、ルビー小隊は腰の小型ブースターで落下スピードを落として着地した。
最後に降りてきた翔はアヴェルヌスを見上げた。
「あそこが、アヴェルヌス・・・」
翔はナルシスと戦った時と同様に、ライフルとバトライを装備してきていた。
そして最後はコンテナごと投下され、扉が開くと中からシーカーが現れ、その後大量のノーマルモデルがゾロゾロと現れた。
「さて・・・皆、しばらくは待機だよ」
シーカーに言われて、動きを周囲の警戒に留めるのは・・・
クラフターが開発した、戦闘型ノーマルモデル『ドレイク』。
ドレイクは紺色のショートボブの髪に、濃い青色の細身の装甲を全身に身に付けている。
右手には白く銃身の長い『アサルトライフル』を装備しており、左腕にはレザブレを装備している者とシールドを装備している者の2種類がいる。
ナルシスは端末を見てため息をついた。
「一応、一昨日から行くって連絡送ってあるけど・・・この様子だと、無視されてるか拒否のつもりか、どっちかだな」
シーカー達は後方で待機し、翔は他の部隊を連れてアヴェルヌスの前まで歩いていき、入り口へは翔だけで行き、入り口の前で翔は止まった。
すぐに黒ネイト達が銃口を向ける。
アヴェルヌスにいる黒ネイト達は、通常の黒ネイトより高い戦闘能力を持つため、白い仮面をつけている。
「僕は話をしに来たんだ、通してくれるかな?」
翔は通信チャンネルの1つをオープンにし、パラデウス側からの返答を待った。
すると少しして、通信が入ってきた。
《・・・帰ってくれ》
男性の声だが・・・絞り出すようで、震えたような声だった。
「帰るわけにはいかない。僕は、君と話をしなきゃいけないんだ」
翔が、1歩を踏み出す。
すると、黒ネイト達が警戒して銃を構え直した。
「ウィリアム・・・君は愛海が残した、最後の1人なんだ。だから、君がこれまでしてきた事とは別に、僕は君と、話さなきゃいけないんだ」
《帰れ!》
再び翔は1歩進み、黒ネイト達の銃口は全て翔に向けられていた。
「君がどれだけ悩み、何を選択し、ここまで来たのか、愛海と君が七刀会で関わっていた以上、僕には知る権利と義務がある。そして君には・・・」
《もういい黙れ!僕はお前と話す事など無い!今すぐ帰れ!》
翔の言葉を遮って怒鳴ったウィリアムの声を聞き、翔は塔の上を見上げた。
「・・・なら、押し通させてもらうよ」
翔はQBで黒ネイト達に一気に距離を詰めた。
川で激流が流れるように、翔達はアヴェルヌスに突入し、制圧していく。
仮面をつけた黒ネイトの中には、ハンマーを持つ部隊もいたが、すぐにドレイク達に制圧されてしまっていた。
盾でハンマーを受け流すか、レザブレでハンマーを斬られ、すぐに機械部分を撃ち抜かれていく。
ドレイクはブースターを使って移動しているため、その機動力で敵を翻弄し、無力化していく。
翔達は廊下、部屋、倉庫、工場・・・
あらゆる場所を制圧し、ウィリアムのいる部屋を探していく。
すると、翔の前に新たな最上級ネイトが現れた。
その目は、翔を見下ろしていた。
「また面倒な仕事が始まった」
銀のロングヘアで少し小柄な体躯にボディースーツを着ている。
本体には武装は無いものの、大型の人型兵器に登場しており、コクピット部分は剥き出しである。
白い人型兵器に乗る、そのネイトの名は『タレウス』。
そして、人型兵器の名は・・・
「『ミズ・イヴ』、砲撃開始!」
タレウスの乗るミズ・イヴは、右腕のレールガンと左腕の大型RF、左肩のチャージ砲で攻撃を開始した。
レールガンの大火力、正確に狙撃する大型RF、4秒のチャージを必要とするが高い火力を持つチャージ砲。
その全てが、凄まじい火力をしていた。
しかし、翔はQBとブーストを駆使し、時に体の向きを変え、緩急のある動きで確実に回避していき、そのままの勢いで接近していく。
全く当たらない攻撃に、タレウスは苛立っていく。
「畜生・・・ムカつく!ムカつく!」
翔はミズ・イヴの右肩関節に、ライフルを正面、上、後ろから1発ずつ命中させて動きを止め、ライフルをバトライに切り替えつつ、左肩関節をレザブレで斬り落とした。
そして残ったチャージ砲をバトライで撃ち抜き、そのままQTで振り向くと先へ向かった。
「ごめん、先へ行かせてもらうよ!」
武装が無くなったタレウスは奥へ向かう翔を見つめ、ため息をついた。
「なんなんだ、あやつは・・・」
先に進んだ翔の前に、今度はグリクが立ち塞がった。
しかし、直後にエクスキューショナーが到着し、グリクを見ると翔に向けてニヤッと笑った。
「オレが1番乗りか?・・・翔、ここはオレに任せろ」
しかしグリクの背後に道があるため、翔も構えようとする・・・が、グリクは道を開けた。
「グレイに過去の記憶を渡すよう、言ったのはお前だろう?なら、その借りがある」
「そっか・・・ありがとう」
翔は軽く頭を下げると先へ進み、グリクはエクスキューショナーと向かい合った。
「オレと戦えば、お前も少しは言い訳も立つだろうし・・・んじゃ、やるか」
最初に動いたのは、エクスキューショナーからだった。
エクスキューショナーはグリクに急接近して刀を振り下ろし、グリクは高周波ブレードを横にして受けようとした。
しかし、エクスキューショナーはガクッと姿勢を落とし、同時に刀を肩に担ぐようにして懐へ潜り込んだ。
エクスキューショナーはそのままの勢いでグリクの胸に柄頭を打ちつけた。
「ガッ!」
グリクはよろけたものの、すぐに右腕の鉤爪を振るう。
エクスキューショナーの頭部を狙った鉤爪を、エクスキューショナーは僅かに距離を取って回避する。
だが、グリクはすぐさま突きを放ち、エクスキューショナーの右腹部を抉った。
「へっ、やるじゃねぇか!」
グリクはそのスピードを活かしてエクスキューショナーに迫る。
スピードだけなら、2人は互角だった。
しかし、エクスキューショナーの体内にあるアンチコジマが活性化し、エクスキューショナーのスピードは段違いに跳ね上がった。
エクスキューショナーはグリクの高周波ブレードを受け流すと、自身の背中に這うようにして刀を振り、至近距離でグリクに袈裟斬りを見舞う。
グリクは回避しきれず、右腕に傷を負ってしまう。
だがそれでも左手に持った高周波ブレードで食らいつこうとする。
次の瞬間、グリクが振り下ろした刀をエクスキューショナーは踏みつけて床に刺させた。
グリクはすぐに高周波ブレードを手放そうとしたが、その前にエクスキューショナーがアッパーを打ち込んだ。
倒れたグリクに、エクスキューショナーは出血する腹部を抑えながら笑いかけた。
「良い腕してんじゃねぇか・・・これで、言い訳できるな」
「・・・そうだな」
天井を仰ぐグリクの元に、グレイが現れた。
読んでくださり、ありがとうございます!
毎度の事ながら、更新遅くてすいません・・・
また、ディギー、ダウンギャンブル、カルサワの身長と肉体年齢を書き忘れていたため、修正しておきました。すいません・・・
遂にアヴェルヌスでの戦闘が始まりましたが、どうだったでしょうか?
感想や高評価、お待ちしています!
●ダウンギャンブルのスキル
『扱いづらいパーツだって話だが』
攻撃手段を武器腕ブレードに切り替え、会心率を20%上昇させた後、最も近い敵に7735のダメージを与える。
会心が発生した場合、もう1度攻撃する。
追加の攻撃は最大2回まで発生する。
●カラサワのスキル
『レザスピヴェス四』
最も脅威度の高い敵に通常のダメージを2連続で与え、2発目には必ず会心が発生する。
更に1870のダメージを6発分与える。
●ドレイク
紺色のショートボブの髪で、身長160cm。肉体年齢は17歳。
濃い青色の細身の装甲を全身に身に付けている。
戦闘用ノーマルモデルで、開発者はクラフター。
主な武装はアサルトライフルで、左腕にはレザブレかシールドを装備している。
物静かだが、内面は熱血的な性格をしている。
戦闘では左腕の武装によって役割が違うものの、機動力を活かした戦闘を得意としている。
●アサルトライフル
ライフルより連射力を重視した■■用実弾兵器。
連射力はライフルより高いものの、単発の火力はライフルより低い。
しかしARやSMGのような連射力は無い。
それ故、ある程度の火力と連射力を両立したい場合に選ばれることが多く、近距離での瞬間火力は高め。