鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

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 誰かを落とすより、自らが上がる方がコスパが良い。
 それに、自らが上がる方が助けてくれる者も多い。




第11話 Over Kick

 アルケミストは引き続き、ブルー・フェザーの気を引くことに専念し、翔とデストロイヤーは左右へと回り込む。そしてデストロイヤーはレーザー砲に向けて攻撃し、翔はブルー・フェザーの足の関節にパイルバンカーを撃ち込む。

 

 パイルバンカーを撃ち込まれたブルー・フェザーは翔のいた方向に倒れ、翔はバックステップで回避する。しかしブルー・フェザーはなおもレーザー砲を撃とうとするため、翔はレーザー砲にパイルバンカーを撃ち込む。

 するとレーザー砲のエネルギーが暴走し、爆発しようとする。

 

「翔っ!」

 

 アルケミストが翔の所へ行こうとするが、ちょうどワープのリチャージが始まったところだった。

 しかし、アルケミストは見た・・・

 

 いつの間にか、翔の周囲に赤い粒子が舞っているのを。

 そして、その粒子が翔の周囲に爆発を起こし、レーザー砲の爆発を打ち消した。

 翔は尻餅を着き、何が起きたのか理解できずにいた。

 

 アルケミストは翔に駆け寄り、怪我がないか確認する。傷はこれまでの戦闘による擦り傷などだけであり、アルケミストは安堵する。

 デストロイヤーは翔の状態を理解すると、爆弾の起爆スイッチを押す。

 

 

 

 しかし爆破には成功したものの、内側にはバリア発生装置の本体があり、そこは空を覆っているものと同様のバリアによって守られていた。

 

 

 

 その状況に、雷電やロイラでさえも驚愕する。そんな彼らをバオシーは嘲笑う。

 

「残念だったわね。本体はちゃあんと守ってあったぞ」

 

 翔は拳を握り締め、俯く。しかしそんな中、アクアビットマンはバオシーに攻撃を行う。

 

「マネキン・・・この状況が解らないのか!?」

 

 アクアビットマンは最初の時とは別のポーズを取る。

 

「ヒーローたるもの、諦めません!それに・・・」

 

 アクアビットマンはバオシーを指差し、得意気な笑みを浮かべる。そこに風が吹き、アクアビットマンの水色の短髪をなびかせる。

 

 

 

「あなたはバリア発生装置とリンクしていて、エネルギーの供給所ともリンクしているのではないですか?」

 

 バオシーは息が詰まり、目を見開いている。

 

「やはりそうでしたか・・・おかしいと思ったんですよ。あなたの武装は青龍刀のみで、攻撃を当てても防がれ・・・しかもその時に見える色はあのバリアと同じ・・・そして発生装置の周囲にある不自然な地面の盛り上がり・・・つまり、そういうことです」

 

 すぐにロイラや有澤の指揮官はエネルギーの供給所への攻撃を指示する。

 バオシーが行かせまいと向かおうとするが、アクアビットマンが立ち塞がり、同様にスカル達の前にはアクアビット製ノーマル『ヘルカイト』達が立ち塞がる。

 

 ヘルカイトは水色のカラーリングの装甲とヘッドギアを装備しており、ヘッドギアには赤と黒のボーダーが塗られている。両腕にはSMGが装備されており、脚部はそれそのものが大型のブースターとなっている。

 

「ここは我々アクアビットに任せてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それぞれが向かった後、アクアビットマンとバオシーは対峙する。バオシーはこめかみにミミズが這っていると言わんばかりに、青筋を立てている。

 

「貴様らが・・・貴様らがいなければ・・・貴様ら、日本人がいなければぁ!」

 

バオシーが振り下ろした青龍刀をアクアビットマンは回避し、腹部を蹴り飛ばす。どうやら、蹴りなどの衝撃自体は受けるようである。

 

「今いる私達を憎むならまだしも、なぜ日本人を憎むのです?」

 

 立ち上がったバオシーは凄まじい勢いで青龍刀を振るが、アクアビットマンは機動力に勝るため、回避し続ける。そしてその間にも翔達は地面の盛り上がりを辿り、エネルギー供給所に迫っている。

 

「私達がどれだけ性能を上げても、貴様ら日本人は常に上を行く!上に立つのは、我々だけで良いというのに!」

 

 

 

 その頃、翔はエネルギー供給所に辿り着いた。そこですぐさま戦闘が始まり、翔はスカルの顔面にARを連射して撃破する。更に、側面から迫ったスカルを機材ごとデストロイヤーが破壊する。

 

 雷電も少し遅れてエネルギー供給所へと到着し、自慢の火力で一気に機材を破壊する。雷電の砲撃を生き延びたスカル達は、雷電が次弾を装填する前にサンフラワー達が撃破していく。

 

 

 

 エネルギー供給所が全て破壊され、バリア発生装置とバオシーのエネルギーは一気に減り、バオシーの体を覆うバリアは消滅する。しかしバオシーは攻撃をやめることは無く、アクアビットマンも応戦を続ける。

 

「他国の人間を羨むなら、なぜ自分達の技術を向上させるのではなく、妨害を行うのですか!?」

 

 バオシーの回し蹴りをアクアビットマンはしゃがんで回避し、SMGを撃とうとする。しかしバオシーは素早く身を翻し、青龍刀でSMGを一刀両断する。

 

「そんなこと・・・どうで良い!邪魔な奴らを蹴落とす事の、何が悪い!?世界など、所詮そんなものだ!」

 

 2人が戦い続け、雷電がその場に戻ってくる。そしてすぐさま砲撃を行うが、バリア発生装置は破壊できない。どうすれば良いか雷電は思考を巡らし、バオシーを注視する。

 すると、あることに気づく。

 

「そうか・・・アクアビットマン!そいつをどうにかしてバリア発生装置のエネルギーを送る所にぶつけろ!そうすれば奴の中のエネルギーと干渉し、破壊か無効化できるはずだ!」

 

 

 

 それを聞いたバオシーはすぐさま距離を取るが、雷電の砲撃により空中へ吹き飛ばされる。その際、両足が破壊される。

 そしてアクアビットマンは背部のブースターを使って飛び上がり、ブースターの出力を限界まで引き上げる。

 

 アクアビットマンはブースターが赤熱するほどに出されたスピードで、バオシーの腹部に蹴りを打ち込む。そしてその勢いのまま、バリア発生装置にバオシーを叩きつけ、バリア発生装置とバオシーは爆発を起こす。

 

 アクアビットマンはそのまま貫通して着地し、ブースターはオーバーヒートで機能を停止する。そこに崩れてきた瓦礫が振ってくるが、雷電の砲撃により守られる。

 その光景を見ていた司令部の面々は歓声をあげる。

 

「蹴落とせば蹴落とした分、己も落ちます。結局その差は縮まることは無く、一時的に同じ位になってもいずれは引き離されます・・・あれほどの技術があるなら、もっと上を目指せば良かったものを・・・」

 

 

 

 作戦は成功となり、バリアは消えていく。

 そしてそこから美しい空が露になり、ようやく青空を見れた事にデストロイヤーは涙目になっている。

 

「こちら雷電、作戦は完了だ・・・良い空だ」

 

 翔も青空を見上げると、記憶をまた1つ思い出す。

 

 

 

 

 

 荒廃した大地と空を飛ぶ巨大な黒い翼の塊のような"ゆりかご"。

 

 

 

 

 

 それがなんなのか、翔にはまだ思い出せなかったが、デストロイヤーに呼ばれて翔は輸送機へと駆けて行く。

 

 

 

 残るBOCのハイエンドモデルは1人であり、早速各企業による本拠地の捜索が行われ、本拠地と思われる場所が発見される。その場所は佐渡島(さどがしま)であり、BOCが攻勢を初めてから最初に通信が途絶した場所でもある。

 

 そこには常に雷雲が立ち込めており、何かの装置によるものだとの推測が出る。そのため有澤重工の保有する駆逐艦4隻を含めた戦力を最初に向かわせる事となった。

 

 翔は鉄血とキサラギが共同開発した外骨格を渡され、それはブースターによって空中を飛ぶことができ、キサラギが新開発したブースターは高い出力により、嵐の中でも飛ぶことができるという。

 

 そして、次の作戦が発令される前日に翔はいつもとは違う夢を見る。

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 無事、バリア発生装置は破壊できましたね。ということで、残るは佐渡島ですね。
 感想や高評価、お待ちしています。

●サンフラワー
 薄茶色の武骨なフォルムの装甲を見に纏っている有澤製ノーマルで、身長170cm。

 右手にAR、左腕に大型シールド、右肩にミニガンを装備している。

 弾幕を張ることによる防衛と面制圧を得意とし、装甲の硬さにも定評がある。

●ブルー・フェザー
 流線型のフォルムに薄花色のカラーリングをした、逆関節型の大型自律兵器。

 武装は機体両側のレーザー砲と背部の小型ミサイルである。

 レーザー砲による狙撃や照射による制圧を得意としているが、動きは決して速くはない。
 分厚い装甲により攻撃を通すのは難しいが、脚部の関節は装甲が薄いく問題点として挙げられていたが、無視されていた。

 かつては鉄血の部隊が避難民を誘導している際に奇襲を仕掛けた部隊の中核を担い、鉄血のハイエンドモデルを撃破している。なお、その際に民間人も殲滅していた。

●バオシー
 緑に染めた髪を後ろに纏めており、身長158cm。肉体年齢は16歳。

 武装は青龍刀のみであり、白いチャイナドレスを着ている。

 BOC所属以外の者を見下しており、基本的には落ち着いた口調であるが、少しでも気に入らない事があると豹変する。

 戦闘面では武装の少なさにより高い機動力を持つが、元々は大型のミサイルを発射する武装があった。しかしバリア発生装置を守るために外され、バリアによる防御力の向上が行われた。
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