鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

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 所属や場所が違えば、物事が変わることもある。
 それはまるで、オセロのように。




第18話 オセロの裏表

 翔達がM4A1(以下M4)のいる地点へと進んでいると、偶然グリフィンの補給所のある場所へ着く。そのまま過ぎ去ろうとすると、1人の戦術人形に引き留められる。

 

「翔達じゃないか、久しぶりだな!」

 

 見れば、417だった。417は周囲の戦術人形に銃を下ろすよう伝えると、駆け寄ってくる。

 

「こんな所で会うなんて、奇遇だな。でもそのようすじゃ、なにあったのか?」

 

 417に事情を説明すると、417は複雑そうな顔をする。

 

「暴走した方のエクスキューショナー・・・いや、ロシア支部の鉄血が、M4A1とやらを追っているのか。実は先程、私に一時的にS09地区(銀治の担当地区)の指揮下に入り、M4A1の救出と暴走した方のエクスキューショナーの撃破が命じられている」

 

 翔達は顔を見合せ、417と少し話をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依頼主:HK417/トゥーハンドカスタム

 

目標:鉄血部隊による追撃の阻止

 

作戦開始時刻:10:00

 

報酬:7000ドル

 

 私はグリフィンからの命を受け、それを無下にはできない。そしてそちらは明確な依頼を受けていないため、最悪グリフィンとの関係を悪化させかねない。

 クルーガーは信頼できる人だが、念のためな。

 

 だから、M4A1の救出と暴走した方のエクスキューショナーの撃破はこちらに任せてほしい。しかし代わりに、エクスキューショナーと共にM4A1に追撃を行おうとしている部隊がある。

 ハイエンドモデルがいるかは不明だが、その部隊の撃破を頼む。

 

 少ないが、報酬は用意した・・・頼む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロシア支部の鉄血部隊が山の麓にある農村へと向かっており、その規模は大きく、中には暴走した方のアルケミストがいた。

 

「お前達、もうじきM4A1のいる場所へ着く。エクスキューショナーに遅れを取るなよ···ん?」

 

 突然暴風が吹き、木材が飛ばされてきて道を塞ぐ。すると空からゆっくりと浮遊しつつテンペスタと翔が舞い降りる。更に部隊の後方にはエクスキューショナーとヨルムンガンドが茂みから現れる。

 

「待ち伏せ、か・・・おいエクスキューショナー、裏切ったのか?いや、その腕と刀は・・・私の知ってるエクスキューショナーじゃないな?」

 

 テンペスタは手の周りに風を集めて構える。

 

「アルケミスト、貴様の相手は私だ。パルヴァライザー、雑魚の掃除は頼んだ」

 

 テンペスタはできるだけ翔に害が及ばぬよう、エクスキューショナーとヨルムンガンドに仲間を討たせぬよう、暴走アルケミストとの戦闘を担当することにしている。

 

 

 

 

 

 農村の家屋の中、M4は自身の銃を点検していたが暴走エクスキューショナーとその部隊の接近に気づく。もうこれ以上隠れることはできないと判断し、交戦を開始する。

 

 M4は緑のメッシュの入った黒に近い茶髪のロングヘア、牙が描かれた白いスカーフ、灰色のハイレグ型の服にベージュのコートを腰に巻いており、右腕は人型ではなく完全に機械となっている。

 

「私は・・・諦めない!」

 

 暴走エクスキューショナーは本社の日本仕様と違い、右腕が大型化しており武器も刀ではなく大型の剣となっている。そして剣から発せられる衝撃波により、M4は苦戦を強いられる。

 しかしそこに、崖上から417が現れる。

 

「お前がM4A1だな?グリフィンからの命により、救援に来た!」

 

 そう言って417は崖から飛び降りて着地し、M4の右隣に立つ。

 

 

 

推奨BGM『Rise In Arms』(ACSLより)

 

 

 

「数的不利は変わらんからな、倒してからでないと撤退はできない・・・行くぞ!」

 

 M4と417はほぼ同時に撃ち始め、417は弾薬を消耗しているM4を援護しつつ暴走したヴェスピドやリッパーの頭部をほぼ1発で撃ち抜いていく。

 M4も正確な狙いで敵を撃破していく。

 

 暴走エクスキューショナーがM4に狙いを定めると、417は両手の銃を同時に撃ち込む。しかし暴走エクスキューショナーは剣で2発とも防ぎ、417を睨み付ける。それに対し417は挑発するように笑みを浮かべる。

 

 暴走エクスキューショナーは左手に持ったHGを撃ちつつ417に向かっていくが、417は後ろに引きつつ攻撃していく。更に417は足元にあったリッパーの銃を蹴り飛ばし、暴走エクスキューショナーの目線はその銃へ向く。

 

 次の瞬間・・・417は暴走エクスキューショナーに接近し、腹部を蹴り飛ばしていた。

 

 

 

 M4は銃を連射しつつ家屋の陰に隠れ、暴走ヴェスピド達が近づいてきたところで姿勢を低くし、隠れた時より低い位置から攻撃することで暴走ヴェスピド達は反応しきれずに撃破されていく。

 そしてロシア支部の鉄血部隊のノーマル達を全滅させ、417に合流する。

 

「お待たせしました!」

 

「よし、やるぞ!」

 

 暴走エクスキューショナーは剣を横薙ぎに振るが、417は体を反らせて回避し、その隙にM4は暴走エクスキューショナーに向けて銃を連射する。

 暴走エクスキューショナーは横へのステップで回避し、次の攻撃へ移る。

 

 

 

 

 

 一方その頃、テンペスタは風を利用した空中からの攻撃により暴走アルケミストを翻弄し、翔はそれに合わせて攻撃していく。木の枝や石を、翔が暴走アルケミストに接近するのに合わせて撃ち出し、翔はパイルバンカーを構える。

 

 暴走アルケミストが接近した翔に対し、自身の持つ銃と剣の混成武器の引き金を引こうとした瞬間、ヨルムンガンドが鞭形態の蛇腹剣で暴走アルケミストの両腕を破壊する。

 

「貴様っ!」

 

 翔は暴走アルケミストの顔の横に杭を射出し、引き下がる。ロシア支部の鉄血部隊は壊滅しており、暴走アルケミストの勝率は絶望的だった。

 しかし翔は銃を下ろす。

 

「あなたを殺しはしませんし、確保もしません・・・ここから立ち去ってください」

 

 暴走アルケミストは呆気に取られ、次に笑いだす。

 

「ハハハハハ!とんだ甘ちゃんだな・・・パルヴァライザーと言ったな、覚えておくぞ」

 

 暴走アルケミストは去っていくが、翔に興味を持っていた。

 

 

 

 

 

 暴走エクスキューショナーは隙を突いて417の左手に持った方の銃を斬り、そのままの勢いで417を蹴り飛ばした。しかし417は受け身を取って膝撃ちの姿勢で反撃する。それに合わせてM4も攻撃していく。

 

 M4は弾切れになったマガジンを交換するが、それが最後のマガジンだと気づく。

 暴走エクスキューショナーはそれを知ってか知らずか、M4に向けて剣による衝撃波を放つ。

 

 M4は横に転げるように回避し、暴走エクスキューショナーの頭部に向けて射撃し、それに合わせて417も射撃する。2人の放った弾丸は暴走エクスキューショナーの頭部に命中し、暴走エクスキューショナーは仰向けに倒れる。

 

「もう終わりよ、エクスキューショナー・・・」

 

 しかし、下顎を残して頭部を失った暴走エクスキューショナーは笑っている。

 

「ハッハッハッ・・・オレ様が死んでも、別のオレ様や仲間がお前の仲間を探して(ノイズ)ろうさ・・・今頃、捕まって泣きわめ(ノイズ)るかもなぁ?」

 

 M4の顔が怒りに染まり、暴走エクスキューショナーの頭部に残りの残弾を撃ち尽くす。

 

「この・・・鉄血の、クズが!」

 

 本社のエクスキューショナーを知っている417はひっそりと目を反らした。しかしすぐに銀治から通信が入る。

 

《聞こえるか?君が、助けを求めていたM4A1か?》

 

「はい・・・助けてください、グリフィンの指揮官・・・」

 

 M4は仲間達、というより姉妹の事を思い、最後は涙声になっていた。

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 M4の登場回であると共に、M4と417の共闘回でもありましたがどうだったでしょうか?
 感想や高評価、お待ちしています。

●M14
 先端が赤みがかった茶色のツインテールに、薄茶色の学生服を着ている、IOPの戦術人形。種別はRF。

 明るく人懐っこい性格で、勝利のために真っ直ぐに努力している。

 銀治の部隊の狙撃手であり、前線を支えている。
 実は銀治と最初に出会った戦術人形であり、銀治の戦略をよく知る者の1人である。

●LWMMG
 先端が赤みがかった銀のツインテールに、白いシャツの上に赤いジャケットを羽織っている、IOPの戦術人形で種別はMG。

 強い責任感を持ち、倹約家な性格をしている。
 また、ラムの愛称で呼ばれている。

 銀治の部隊には最も遅く入隊し、最初は不器用さや迷惑をかけたくないという思いから「自分1人で良い」と言っていたが、今では打ち解けており、部隊の火力担当となっている。

●SPAS-12
 セミロングの銀髪に、黒と赤の服を着ているIOPの戦術人形で種別はSG。

 誠実で優しく、おっとりとした性格だが、同時に大食いでもある。

 部隊の前線を担っており、銀治がグリフィンに来る前に出会った戦術人形の1人で、銀治にだけは「サブリナ」と呼んでほしいと言っている。
(任務の無いときは呼んでくれているようである)
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