鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

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 他者の理念や宗教を利用し、己の欲求を満たそうとするのは愚かだ。
 せめて、皆を照らす閃光でもあれば良かったのかもしれないが。




第24話 人形を忌む者

 翔達はすぐさま不穏な動きがあった場所の2ヶ所目へ向かい、ロイラとリサに報告を行いながら進む。

 

 1ヶ所目で2人の男性から聞き出したのは、人形排除を目的とする団体『ブレイク・ザ・ドールズ(BTD)』と密入国した中国人、ロシア人が手を組み、ここでテロを計画している事だった。

 しかも、その決行は今日だった。

 

《それはマズいわね・・・時間はかかるでしょうけど、アルケミストと部隊を送るわ。それに、テンペスタも呼び戻しておくわ》

 

 ロイラはすぐにアルケミストとテンペスタに連絡をし、リサも部隊を召集する。

 

《とりあえず避難勧告は出しておくわ。部隊の方は、今こちらが行かせられるのは・・・ノーマルは数が揃わないけど、アクアビットマンを向かわせるわ。それまでなんとか持ちこたえてください》

 

 翔達は2ヶ所目の場所である農場跡地を制圧すると、最後の場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が降り、出された避難勧告に従って民間人達はグラディウスに守られつつ、誘導用ロボットに誘導されて避難所へ向かっている。

 

 翔達は最後の場所になっている町外れの廃工場へと向かったが、そこはもぬけの殻であり、レーダーにも反応は無かった。翔達は急いで町に向かうが、町に着いた時には町には火の手が上がっていた。

 

 雨が降っているにも関わらず、火が消えていないのはおそらく水で消えにくいものを使っていると推測できる。

 

 翔は車の中にあった外骨格を装備し、外へ出る。

 BTDのマークを服に付けた者達が民間人達を銃撃し、時に手製の爆弾を投げている。

 

「人形を破壊しろぉ!」

 

「仕事を奪った人形達を壊せぇ!」

 

「神への冒涜である人形どもなんぞ、消えてしまぇぇぇ!」

 

「人形の恩恵を受ける人間を殺せぇ!」

 

「人形と手を組む人間を、皆殺しにしろぉぉぉ!」

 

 翔達3人はアイコンタクトをし、無言でテロリスト達に向かっていった。

 

 

 

 翔はテロリストの銃や手足を撃ち抜き、時に格闘で無力化していく。ジェリコはM200を援護しつつテロリストを無力化していき、M200は建物の上に登って狙撃していく。

 

 テロリスト達を相手にしている時、なぜかグラディエーター達か戦闘に参加していなかった。テロリストを無力化し、逃げ遅れた民間人を保護していると、グラディウスを見つける。

 しかし、そのグラディウスはフリーズしていた。

 

「これ・・・もしかして、ジャミング?」

 

 翔は保護した民間人を家屋の地下室に隠し、広場の近くへ向かう。するとそこではグラディウスを集めて火をつけているテロリスト達がいた。

 

「人形は人々の仕事を、生活を奪い、堕落させる!」

 

「この世界に、人形は不要だ!」

 

 テロリスト達はその主張を叫び、拳や銃を掲げている。それを聞く者達は自分達以外にいないというのに。

 すると、2人の民間人が引きずられて来た。

 

「この者達は、人形に魂を売った神への反逆者だ!よってここで処刑する!」

 

 翔は咄嗟に飛び出てテロリスト達に発砲する。それに合わせてM200とジェリコも攻撃し、無力化していく。

 

 

 

 

 

 広場のテロリスト達を無力化し、避難所の方向へ向かっていると旧式の装甲車とトラックが1台ずつ避難所の方向へ向かっていくのが見える。

 

「あれは・・・」

 

 あの装甲車とトラックはアクアビット製のものではなく、翔は急いで避難所へ向かう。そのスピードはジェリコやM200では追いつけず、2人はテロリスト達の無力化を優先する。

 

 避難所へ着いた頃には避難所はテロリスト達に包囲されており、民間人達の目の前でグラディウスが破壊される。

 そして、民間人達の前に他とは違う雰囲気の男性が現れた。

 

「これより、この町は我々BTDの管轄下に置かれる。貴様らは労働者として働いてもらう・・・子供も含めてな」

 

 その男性はリーダー格なのだろうと翔は考察しつつ、奇襲をしようとする。しかし、そこにアクアビットマンがテロリスト達の前に立ち塞がり、ポーズを決める。

 

「アクアビットマン、参上!皆、遅くなってごめんね!」

 

 民間人達から歓声が上がり、避難所の奥へと隠れていく。皆、アクアビットマンを信じており、だからこそ邪魔をしたくないからである。

 そしてアクアビットマンが戦闘を開始すると共に翔と攻撃を開始する。

 

 リーダー格の男性はその場から離れ、残ったテロリスト達は攻撃を続けていく。

 

「ヒーローを名乗る悪魔を倒せぇぇぇ!」

 

 どうやらアクアビットマンはBTDの人間にとっては悪魔の象徴らしく、集中的に狙われている。しかしアクアビットマンは銃撃を回避しつつSMGで手足を撃ち抜いていく。

 翔も別方向からテロリスト達に攻撃を続ける。

 

 するとそこにM200とジェリコも合流し、テロリスト達は瞬く間に数を減らし、後退し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テロリスト達のリーダーは巨大なコンテナを部下に開けさせ、中に入っていく。そしてコンテナの中から大型兵器が現れ、避難所の方向へ飛んでいく。

 

 

 

推奨BGM『Insurance Money』(ACVDより)

 

 

 

 翔達の前に降り立った大型兵器は、葡萄色のカラーリングをした4脚型の兵器であり、頭部と一体化している胴体から伸びる両腕は機銃となっており、背部には2つの多連装型ミサイルポッドがあった。

 

《人形は・・・この世界から駆逐せねばならない。仕事を奪い、神を冒涜し、堕落させる・・・人の形をした紛い物よ、消えるがいい!そして、この町はその大きな前進のための犠牲となるのだ!》

 

 テロリスト達のリーダーはそう叫び、大型兵器『トゥランプル』は機銃を連射する。翔達はすぐさま攻撃を仕掛けるが、トゥランプルが発生させた青色のバリアによって阻まれる。

 するとそれを見たジェリコが叫ぶ。

 

「バリアに攻撃を当てて、減衰させてください!」

 

 続いてM200も叫ぶ。

 

「減衰しないバリアなら長時間は発動できないはずです!」

 

 それを聞いた翔は単装砲と小型ミサイルを撃ち込み、アクアビットマンもSMGを連射していく。ジェリコもトゥランプルの側面に回りながら攻撃し、M200は場所を変えながら狙撃していく。

 

 しかし相手が大型な分バリアの耐久は高く、なかなか減衰させられない。すると・・・

 

「弾では難しいようだが、これはどうかな?」

 

 突然暴風が巻き起こり、倒壊した家屋がトゥランプルに降り注ぐ。それにより一気に減衰したバリアは消滅し、空からはテンペスタがゆっくりと翔の横に降り立った。

 

「遅くなってすまない」

 

「大丈夫、来てくれてありがとう」

 

 バリアの消滅したトゥランプルに攻撃を再開していく。

 翔は砲撃と小型ミサイルにより装甲に損傷を与え、ジェリコとアクアビットマンは関節を狙い、M200も関節や武器を狙う。

 テンペスタは石やテロリストの銃の弾を風で飛ばし、修正できる位置であれば味方の外した弾を修正して命中させている。

 

 トゥランプルの損傷は次第に増え、翔達も少しずつ傷が増えていく。そして、翔が左腕の小型チェーンソーで左前足を斬りつけ、翔が距離を取ると共にその傷口にM200が射撃をする。

 これによりトゥランプルの左前足は破壊され、トゥランプルは体勢を崩す。

 

 テロリストのリーダーはミサイルを発射しようとするが、弾切れとなっており、舌打ちする。

 

 続いて翔が撃ち込んだ砲弾が右後ろ足に命中し、そこも破壊される。更にテンペスタが集中的に放った弾丸は左腕の機銃を破壊する。

 

《貴様らぁぁぁ!》

 

 テロリストのリーダーはトゥランプルの残った右腕の機銃をめちゃくちゃに連射し、その1発がアクアビットマンの左腕を肩から破壊する。

 

 倒れたアクアビットマンは動力部の一部が損傷し、そこから緑色の粒子が漏れ出ていた・・・

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 緑色の粒子、なんなんでしょうかね?
 また、体調は回復してきているので、頻度は上がるかもしれません!
 感想や高評価、お待ちしています!

●ネルヴォ
 ブロンドの短髪で身長170cm。
 頭部、胸、関節、手以外は全てブレードとなっているROSのハイエンドモデル。

 全身がブレードであるため、被弾面積の削減と攻撃範囲の増加を得ており、機動力も高い。

 『神経』の名を持ち、ROS製のハイエンドモデルであることを誇りに思っており、血を流すことを極端に嫌っている。
 ちなみに、エネルギーはブレードの内部に極細のチューブを通すことで各部に送っている。

●ブレイク・ザ・ドールズ
 人形無き世界を掲げるテロ組織であり、人形と人形に関わる者達を悪とし、破壊及び殺害を行っている。

 仕事を奪われた者や宗教的な問題で受け入れられなかった者達が集まり、次第に過激化していった敬意がある。
 しかし現在は人形を受け入れる者達の増加により、勢力はかつてには遠く及ばない程に小さくなってしまっており、設立当初の理念は形骸化してしまっている。

 また、どうにかして国を復興したい中国人やロシア人の生き残りを多数入れたことにより、理念の形骸化は更に進んでしまっている。
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