それはより困難なものへ、より平和なものへと変容していくだろう。
砂漠化が進行している森林を駆け、ARを持っている青いメッシュの入った桃色のロングヘアの戦術人形『AR-15』がいた。
数時間前──
ロシア支部の鉄血へ対抗するため、グリフィンの極秘会議が行われていた。しかしそこはロシア支部のデストロイヤーの指揮する部隊に襲撃された。
秘匿された場所での会議がなぜ襲撃されたのか?
それはロシア支部の鉄血が開発した『傘ウイルス』によるものだった。それは感染すると知らずの内に鉄血に情報を送ってしまうというものであり、それに感染した戦術人形が特定された。
それが、AR小隊に所属するAR-15だった。過去にロシア支部の鉄血のハイエンドモデルにより捕縛されていた際、植え付けられていた。
そして、このままでは仲間達に感染を広げると判断したAR-15はグリフィンから脱走したのだった。だがそれにより、拘束あるいは破壊の命令が下されてしまい、最悪の状況を回避するために銀治と銀治の部隊、AR小隊はデストロイヤーとAR-15を追跡するのだった。
《すまん・・・だがこっちでもどうにかできないかやってみる。クルーガーさんだって、これは不本意なはずだ》
銀治はクルーガーに掛け合い、M4達はAR小隊とXM8とナガンを率いて特定したポイントに向かって行った。
ポイント場所は砂漠化が進行している森林の中にある街・・・の外にある砂漠の方だった。そこへ向かうと、ロシア支部のデストロイヤーが叫んでいた。
「なんなのこいつ!?」
デストロイヤーの周囲には鉄血のノーマルモデルの残骸があちこちに転がっており、デストロイヤーは周囲を見渡す。すると突然、背後の砂中から灰色のポニーテールの髪の小柄な少女が飛び出て両手のSMGを連射する。
デストロイヤーの左のグレランを破壊した少女は、そのまま頭から砂中に潜っていく。
「こんのっ!」
デストロイヤーは周囲にグレランを連射するが、少女は飛び出て背部と腰にある計4つの小型ミサイルを撃ち込み、砂中に再び潜っていく。そしてそれを何度も別方向からやることで、デストロイヤーを翻弄しつつ損傷を与え、立っているのがやっとの状態まで追い込む。
「私・・・こんな、訳の分からない奴に・・・倒され・・・」
次の瞬間、デストロイヤーの背後から飛び出た少女はデストロイヤーを蹴り飛ばし、空中から小型ミサイルを撃ち込んでデストロイヤーを撃破する。
そして、その少女の背部にあるブースターからは、赤い粒子が迸っていた。
少女は着地するとM4達6人の方を見る。
少女は赤いラインの入ったセーラー服を着ており、瞳が紫色に数秒程光る。光が収まると僅かに重心を低くする。その表情から感情は感じとれず、冷たくすら感じた。
そして両手にはSMG、両背部と腰に計4つの小型ミサイルを装備していた。
「なるほど、それなりの経験は積んでいるようです。そして、人形を探してるです?」
AR-15を探していることを、なぜか知られたM4達は身構える。
「安心するです、私は探している人形に関わってはいないです。あくまで、覗かせてもらっただけです・・・そして、その位置は既に割り出してあるです」
すると、M4の横に立っていた戦術人形『M16』が少女に訪ねる。M16は黄色いメッシュの入った黒い三つ編みの長いお下げをし、右目に3本の傷を黒い眼帯で隠し、黄色の服を着てその上に黒いジャケットを羽織っていた。
「なら、その場所ってのを教えてくれないか?」
少女は無表情のまま答える。
「私に1発当てられたら、教えるです」
推奨BGM『Viper』(ACfaより)
少女は小さく飛び上がって頭から砂中に飛び込み、姿を眩ます。
「皆、止まらずに動いて!」
M4の指示が出た直後に全員で動き続ける。しかしそれを予測していたかのように、少女はXM8の背後から飛び出てM4に向けて蹴り飛ばす。
M4がXM8を受け止めた瞬間に少女はSMGを構えようとするが、すぐに砂中に潜っていく。
すると少女がいた所に複数の弾丸が通っていく。SOPが射撃したのだ。
次にM16の左側面から少女は飛び出るが、M4が射撃したため少女は「ドヒャアッ」という独特な音と共に左肩のブースターで急加速して回避し、その後すぐに砂中に潜っていく。
「なんだよあれ!?」
SOPは地面に向けてARを連射するが、当たっていない様子である。すると少女は少し離れた場所に飛び出て小型ミサイルを発射する。
M4達は小型ミサイルを回避していくが、避けきれずに少ないものの傷を負ってしまう。
周囲に遮蔽物は無く、足場は砂である。立地的には動きにくいものの、それでも思考を巡らせていく。
するとM4の移動先に少女が飛び出る。
「しまった!」
しかしSOPが少女の顔面にパイルバンカーを撃ち込み、1本の杭が射出される。少女は間一髪のところで回避するが、間近で見たパイルバンカーは少女が知るものだった。
(そのパイルバンカー、どこで!?)
再び砂中に潜った少女は止まっていたXM8の右側面に飛び出るが、XM8はARに取り付けていたグレランを地面に撃ち込んで爆発させる。
「どうだ!」
爆発によりバランスを崩した少女の頭にM16がARを連射し、弾丸は少女の右肩を掠める。
すると少女はSMGを腰にマウントし、手を払う。
「・・・お見事です」
そしてM4達の端末にAR-15の位置が送信され、少女は砂中に潜っていく。しかしその後少女は砂中から出てこなかった。
「急ぎましょう」
M4がそう言い、彼女らはすぐにAR-15を追っていった。
その後、悲劇が起こるとも知らずに・・・
砂中を進む少女にスライサーから通信が入る。
《『ダイバー』、こちらはポイントに到着しましたわ》
「了解です・・・今後、強くなりそうな人形を見つけたです」
スライサーは着陸している武装ヘリに寄りかかっており、周囲を見渡している。そこにダイバーが砂中から現れ、体の砂を払う。
「1つ、気がかりなことがあったです・・・」
スライサーが眉を潜めると、ダイバーは視覚情報を送信する。
「これはっ!?」
「キサラギ製のパイルバンカー・・・型番は『ENMA』です。なぜキサラギ製の武器がそのままの形で存在するのか、なぜあの戦術人形が持っていたのか、調べる必要があるです」
2人は武装ヘリに乗り込み、ヘリは飛び立っていく。
そのヘリには三日月と赤い蝶が描かれたエンブレムが貼られていた。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回はゲーム本番とは違いダイバーとの戦闘になり、翔からSOPに送られたパイルバンカーの名前が判明しましたが、どうだったでしょうか?
感想や高評価、お待ちしています。
●傘ウイルス
ロシア支部の鉄血が開発した対戦術人形用のウイルス。
感染すると、知らずの内に鉄血に情報を送ってしまうものであり、自覚症状や外見では判らないため発見が困難である。
●M16
黄色いメッシュの入った黒い三つ編みの長いお下げをし、右目に3本の傷を黒い眼帯で隠し、黄色の服を着てその上に黒いジャケットを羽織っている16Lab製の戦術人形。種別はAR。
がさつな性格だが場を盛り上げるのが得意であり、ジャックダニエル(酒)をこよなく愛している。
また、妹のM4A1の面倒見が良いものの、シスコンの域に達している。
AR小隊の中では精神的支柱であり、最も経験豊富なベテランでもある。
仲間を度々励まし、重大な場面では冷酷で果断な一面を見せてくれるため、仲間には深く信頼されている。
ちなみに、傷跡は修理によって消すことができるものの、なぜ残しているのかは不明である。