鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

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 その者は山の如く巨大な兵器を滅し者である。
 その者は全てを焼き尽くす者でもある。




第36話 鉄血工造

 翔達が正面、エクスキューショナー達とヨルムンガンド達が側面から攻め込んでおり、ヨルムンガンドとウロボロスはエクスキューショナー達と反対の方向にいた。

 

 そこにいたのは黒い短髪で露出の多い黒いレインコートのような服を着たハイエンドモデル『イントゥルーダー』であり、腰だめに構えたミニガンを連射している。

 

「さてと、退場してもらいましょうか」

 

 更にイントゥルーダーが呼んだ大量の小型の自律兵器『ダイナゲート』もいる。

 ダイナゲートは黒い台形に4つの足を付けた見た目をしており、頭頂部にある銃からレーザーを発射してくる。

 

 しかしダイナゲートの耐久は低く、ヨルムンガンドとウロボロスは簡単に薙ぎ払い、イントゥルーダーへ攻撃を仕掛ける。しかしヨルムンガンドの背後からロシア支部のアルケミストが奇襲してきた。

 

 そこをウロボロスが蹴りを入れて阻止し、ヨルムンガンドは最後のダイナゲート達を薙ぎ払った。しかしイントゥルーダーのミニガンの弾がヨルムンガンドの左腕を破壊してしまった。

 

「やるじゃないか」

 

 ヨルムンガンドは鉈形態の蛇腹剣でアルケミストに斬りかかり、ウロボロスはミサイルを発射しつつイントゥルーダーに接近していく。

 

 

 

 

 

 翔達はエリザがいると思われる場所へ向かっていたが、エリザのいる中枢区画まで来た所で、2人のハイエンドモデルが立ち塞がった。

 1人は小柄で黒い長髪をしており、服は露出が多いものの足にはブースター付きのハイヒールを装備しており、背部には機銃が装備されていた。

 

 そのハイエンドモデルの名は『ジャッジ』であり、エリザの侍衛を務める者で、もう1人のハイエンドモデルはロシア支部のエージェントだった。

 

更に、背後から銀のツインテールに露出を増やした黒いライダースーツのような服を着て、SGを持ったハイエンドモデル『ビーク』とその指揮下の部隊が現れる。

 

 その2人を前にして、翔とティタンはロイラの前に盾になるように出る。

 エリザは白い長髪に黒いレインコートを羽織り、背部には天井の機械と接続された金の装飾が施されたブラスターが接続されている。

 

「なるほどね・・・総員、戦闘開始!」

 

 翔はジャッジと、ティタンはロシア支部のエージェントと、M200達はビークとその指揮下の部隊と交戦を開始した。

 

 

 

 

 

 翔はブーストを吹かして時々ジャンプをしながらジャッジに接近していき、ジャッジは機銃を使いながら引き撃ちをし、翔の攻撃を2つのエネルギーシールドで防いでいく。

 

 ティタンはロシア支部のエージェントを相手に殴りかかり、時に砲撃しているが、機動力で大きく勝るエージェントに攻撃を当てられていない。

 しかしロシア支部のエージェントの攻撃はティタンに効いておらず、戦闘は泥沼化していた。

 

 ビークの部隊はロシア支部にて改良を施されたリッパーである『リッパーSWAP』を相手にしているため、M200とナディアはともかく、ジェリコは苦戦しつつも2人に指示を出して戦局を変えていく。

 

 

 

 そして、ロイラとエージェントはエリザに向かい合っている。エージェントは事前に本社で強化が施されているため、その1つであるバリアでエリザのブラスターを防ぐ。

 しかしエリザのブラスターは中枢と接続されているため火力が高く、一撃でバリアが破壊されてしまう。

 

 だがそれでも、ロイラは全く動じること無く仁王立ちしていた。

 

 

 

 翔は使っているARがセミオートであることから、エネルギーシールドの耐久を上手く減らせずにいる。しかしARと小型ミサイルを別々のエネルギーシールドに撃ち込んでいるため、ジャッジはその対処に追われている。

 

 すると翔は単装砲を小型ミサイルを撃ち込んだ直後に撃ち込む。しかしジャッジはその時に翔に向かって踏み込み、エネルギーシールドを使って格闘戦を仕掛けてきた。

 

 ジャッジはエネルギーシールドを使って翔の小型ミサイルを近距離で爆発させ、その爆発は翔にダメージを与える。

 

「ぐぅっ!」

 

 バランスを崩して着地しようとした翔に対し、ジャッジは脚部のブースターを吹かしてフライングキックをする。咄嗟の事に翔は回避が間に合わなかった。しかし直撃する瞬間にブースターを後ろに吹かしてダメージを軽減した。

 

 ・・・が、それでも床に叩きつけられた翔は吐血し、意識を失ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔は、赤と黒の機体に乗って広大な砂漠を駆け抜けていた。本来展開していたバリアのエネルギーをブースターに回し、最大出力で"何か"に接近しようとしている。

 

 すると突然、地平線の向こうから3点バーストで巨大な砲撃が放たれ、翔は右へ回避する。その時左肩にある2つの小型ブースターを使い、その出力を使って回避していた。

 そしてひたすら"何か"に接近しようと進んでいく。

 

 進んだ先にいたのはまさに山と言って良い大きさの巨大兵器であり、6本の足に6枚の飛行甲板、そして2つの巨大な3連装砲があった。

 

 あまりにも、あまりにも大きすぎる。しかしやらなければならない、そうしなければならない。

 

 だから翔は飛んだ。

 

 

 

 そして──

 

 

 

 ミサイルと機銃の嵐、それなり以上の驚異の砲撃、甲板にいる人型兵器の攻撃・・・それらを乗り越えて砲台を破壊していき、最後に3連装砲を一刀両断する。

 

 そして巨大兵器は崩れていき、爆発を起こす。

 それと共に翔はまた大きく記憶を取り戻す。

 

(そうか・・・僕は・・・)

 

 翔の乗る赤と黒の機体、その青い複眼が光を大きくする。

 

(僕が戦えば・・・その分悲劇を減らせる、その分助けられるし、守れる!だから・・・焼き尽くすよ、全部)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔は目を見開き、立ち上がる。その様子をジャッジは驚愕の顔で見ていた。

 

「そんな・・・あれを受けて、立てるのか!?」

 

 翔は口の中にある血を吐き捨てて口を拭い、ジャッジを見据える。そして胸、肩、太ももにそれぞれ床や壁の破片を2つずつ突き刺した。

 

「戦闘システム、起動・・・」

 

 翔の周りに赤い粒子が舞っており、それが球体を形成して翔を包む。それは翔の思い出した記憶の中で『プライマルアーマー(PA)』と呼ばれるものだった。

 

 しかもそれだけでなく、赤い粒子は翔のブースターに入り込む。

 そしてブースターを一瞬だけ吹かす。すると内部で粒子が小さな爆発を起こし、その爆発力と発せられたエネルギーによって一瞬でジャッジに接近する。

 

 それは思い出した記憶の中で『クイックブースト(QB)』と呼ばれるものだった。

 

 そして小型チェーンソーとARでジャッジの機銃を2つとも破壊し、ジャッジを蹴り飛ばす。翔はARを投げ捨て、小型チェーンソーを格納し、ジャッジにアッパーを決める。

 

 

 

 戦闘不能となったジャッジから他の場所に目を移すと、ロシア支部のエージェントが弾切れになったところでティタンがロシア支部のエージェントを殴り飛ばし、勝利していた。

 しかし泥沼化した戦闘によりティタンは疲労で膝を付いている。

 

 M200達は戦闘の末、M200がSGごとビークの左腕を破壊し、ナディアが左膝をナイフで突き刺し、倒れたところでジェリコがビークを取り押さえた。

 

 そして残るはエリザだが、エージェントは大破して戦闘不能となっている。しかしロイラは顔色1つ変えず仁王立ちしている。そこに翔は飛んでいき、エリザの背後に向かうと中枢と接続されている接続部を破壊し、エリザと中枢を引き剥がす。

 

「お前っ!」

 

 エリザが叫ぶが、翔は取り押さえる事無くロイラに目配せをする。

 

「良くやったわ皆。さてエリザちゃん、話してくれるかしら?どうして人類に反旗を翻したのか」

 

 ロイラの目は、怒りでも哀れみでもなく、優しい目をしていた。

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 翔の記憶がまた大きく戻りましたが、どうだったでしょうか?
 感想や高評価、お待ちしています。

●ゲーガー
 銀のロングヘアに黒いボディースーツを着たロシア支部の鉄血製ハイエンドモデル。

 武装は大型のボウガンを縦にしたような武器であり、レーザーを発射することが可能だが、弓のような部分はブレードとなっており接近戦も可能。

 性格は真面目で妥協を許さず、敵に対しても礼節を欠かない。
 また、作戦指揮や人員調整を担当しており、エージェントに次ぐ指揮権限を有している。

●アーキテクト
 黒髪のサイドテール(左)で、露出を増やしたセーラー服に近い服を着ているロシア支部の鉄血製ハイエンドモデル。

 武装はロケットランチャーとSMGが一体化した武器である。

 性格は活発で明るく、いつもハイテンション。
 武装の開発に秀でており、それだけでなく破壊活動をこよなく愛している。
 また、鉄血では遠距離破壊と火力支援を担当している。
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