手を取れ、踊るように。
ヒドラの武装を撃ち抜き、脚部の細い部位を小型チェーンソーで斬り裂く者がいた。
翔である。
翔は赤い粒子を使って攻撃を防ぎつつ、敵を無力化していく。
(ちゃんとした正波装置じゃないから、PAの耐久は低いし回復も遅いけど、今はこれだけでも良い!)
ヒドラやキュクロープスなどは撃破を目標としているが、装甲の厚いヒドラは無力化せざるを得なくなっている。
戦闘を続けていくと、エクスキューショナーと合流することに成功する。
「翔!傷は大丈夫なのか!?」
「大丈夫!」
「・・・無理すんなよ、傷が開いたりしたらすぐ下がるぞ!」
翔はキュクロープスの頭部を撃ち抜き、キュクロープスが倒れる前に胴体を押し上げて投げ飛ばし、正規軍兵士の注意がそれた瞬間に正規軍兵士を無力化する。
エクスキューショナーはテュポーンの懐に潜り込むと共にコクピットを突き刺し、すぐに離れる。
テュポーンの爆発を他所に2人は背中を守り合う。するとそこにサンシャインも合流し、前線を押し上げるために奮闘する。
しかし、そこにM4達も合流したため一旦撤退する。
前線にいたSOPとM4を守ろうとしたM16は大破しており、戦闘続行は絶望的だった。更に、銀治から襲撃されていることを聞いてその場は騒然とする。
翔は深呼吸し、指示を出そうとしたところでSOPが修復しに行こうとするヴェスピドを止めて翔に頼みごとをする。
「ねぇ、翔君・・・ハイエンドモデルのパーツを使って私とM16を改造してよ」
「何言ってるのSOP!?」
M4がすかさず止めに入るが、消え入りそうな声でSOPは続ける。
「ここには私達のスペアパーツは無いでしょ?それに、このままじゃあ、負けちゃうよ・・・」
このままでは敗北してしまう可能性が極めて高い事は、翔も解っていた。いくら翔とエクスキューショナー達が頑張っても、"質の高い物量"が多すぎるのだ。
「色々考えたんだ・・・けど、やっぱり今のままじゃあダメだよ」
M16は無言でSOPの言葉を聞いている。
「だから、さ・・・お願い・・・」
すると、M16が口を開く。
「なら私からも頼む。だが、やるならやるで最高の出来にしてくれよ?」
翔は頷き、アーキテクトとゲーガーの方を見る。
「2人とも、お願い」
アーキテクトとゲーガーは真剣な表情で頷いた。
417は両手の銃をタイミングをずらして撃った。1発目は黒ネイトの胸から少しだけ右へずれた位置へ、2発目は避けると思われる左へ撃ち、黒ネイトはその策に嵌まり左腕に被弾する。
そこへ白ネイトが背後から迫るが、ストレリツィの数が減ったことで余裕ができたナガンとM14が攻撃して417を援護する。
「感謝するぞ!」
しかしナガンとM14の援護が入ってもなお、ネイト2人の攻撃に苦戦を余儀なくされている。すると・・・
「あらあら、随分苦戦してるみたいね」
突如撃ち込まれた弾丸により、黒ネイトは後方に回避する。見れば、404小隊が援護に来ていた。
45とナインが前衛、416とG11が後衛となり交戦を開始する。
「そうか、そういうことか・・・」
417は416の背後に迫ったストレリツィの頭部を撃ち抜き、その背を守る。
「話は後になるが・・・頼むぞ、姉さん!」
「誰がアンタの姉よ!?」
「詳しくは後で話す!」
2人はほぼ同じタイミングで引き金を引き、ストレリツィを撃破する。そして白ネイトの大鎌を回避し、反撃しようとするが黒ネイトのレーザーにより阻まれる。
更に黒ネイトはレーザーを撃とうとするが、M14がレーザー砲に攻撃することで狙いが逸れる。
銀治は指令室から戦場を眺め、指示を出し続ける。
「XM8、黒いやつに回り込め!スパス、負傷したやつの撤退を援護!」
思考を止めること無く、俯瞰して状況を判断し、考えられる最善の方法を指示していく。
(考えろ、考えろ!)
ナガンとラムを下がらせ、入れ替りでKSGを前に出して2人のリロードを援護させる。
白ネイトがKSGの左側面から攻撃しようとするが、M14とは違う方向から狙撃される。
見れば、銀の長髪に黒い帽子とコートを身に付けた戦術人形『
「誰1人として、死なせませんわ!」
翔は追加の応急処置を終えた後、再び戦場に赴いた。キュクロープスの頭部を撃ち抜き、そのまま駆け抜けてテュポーンの上部に単装砲を撃ち込んでキャタピラの車輪を複数撃ち抜く。
翔と共に出撃したサンシャインは空中から榴弾をキュクロープスの群れとヒドラに撃ち込み、別のヒドラにミサイルを1セット撃ち込んで撃破する。
「数は減ってきてる!畳み掛けて!」
2人の後方からドリーマーが狙撃して援護し、翔は小型チェーンソーでキュクロープスの首をはねる。しかしオペレーターとして支援しているエージェントから通信が入る。
《気をつけてください、ELIDの群れが接近しています!》
大規模な戦闘の音を聞き付けたのか、ELIDの群れが現れて正規軍と鉄血、双方の部隊に襲いかかっている。
推奨BGM『Vulture』(ACVより)
突如翔達の前にいるキュクロープスを踏み潰し、謎の人物が現れる。その者は頭部はカメラだけと言って良い形をしており、灰色の装甲と紫のボディースーツを着ているが、脚部は鳥のような逆関節型の足となっている。
「雑兵だらけかここは!?」
右手には榴弾砲、左手にはSG、右肩にはAR、左肩にはHGをカプリコルヌスと同様にマウントしていた。
そして翔を見ると突撃してくる。そのハイエンドモデルの名は『カンケル』である。
「どうなんだ、テメェは!?」
翔は引きながら射撃しつつ、敵の脚部を確認する。
(敵の足は逆関節、ということは・・・)
カンケルは踏み込み、大きくジャンプをする。人型の足ではできないジャンプ力であるが、翔は逆関節の特性を思い出した記憶の中に既に持っていた。
翔はカンケルの下をブースターを急加速させることで潜り抜け、1テンポ置いて背後に急加速してカンケルの背後を取る。
「なっ!?」
そしてカンケルの背部にあるブースターを撃ち抜き、カンケルは地面に落ちる。すぐにカンケルは立ち上がって反撃しようとするも、翔は榴弾砲を撃ち抜いて誘爆させる。更に、カンケルを蹴り飛ばしてSGも撃ち抜く。
「テメェ・・・!」
カンケルがなんとか立ち上がるが、翔はカンケルの上方に飛んでおり胴体の装甲の継ぎ目を撃ち抜き、降下すると共に別の継ぎ目を小型チェーンソーで斬る。
装甲が剥がれ、内部が露出する。
カンケルの胸には、管に繋がれた球体のガラスがあった。そしてそのガラスの中には管に繋がれた脳があった。
「やりやがったな・・・!」
翔はどういう事かを悟り、飛びかかるカンケルに対して静かに銃口を向ける。
「君も、色々あったんだね・・・」
翔は静かに引き金を引き、放たれた弾丸はカンケルの脳幹を正確に撃ち抜き、息絶えたカンケルはそのままの勢いで翔に激突するが、翔はカンケルを抱き止める。
カンケルの遺体をその場に下ろすと、迫り来るELID達を見据える。どうやらRFの残弾はさっきので最後だったようで、ミサイルと単装砲の弾も尽きている。
翔は小型チェーンソーを構えるが、ELID達に複数人分の弾丸が撃ち込まれ、ELID達は倒れる。
振り替えると、修復を終えたM200達とAR小隊がいた。
「お待たせしました」
「パワーアップの成果、見せてやる~!」
正規軍の方向を見ると、ELID達の乱入により混乱が生じている様子だった。
「なんですかこのめちゃくちゃな状況・・・」
ROのぼやきに翔は苦笑いするが、すぐに気を取り直す。
「さぁ行こう、反撃開始だ!」
読んでくださり、ありがとうございます!
テュポーンの武装に誤りがあったため修正しておきました、すいません。
●サンシャイン
金のロングヘアで身長165cm、肉体年齢は16歳。
黄土色のカラーリングの分厚い装甲を全身に纏っており、頭部にも装甲付きバイザーを装備している、有澤製ハイエンドモデル。
武装は両手の榴弾砲、背部には多連装ミサイルを2つ装備している。
明るく礼儀正しい性格をしており、ダンボール工作が趣味。
最近は「はいえんどもでる」と書いたダンボールに穴を開け、頭と腕を通した写真をネットにアップしたところ、なぜかバズっていた。
●キュクロープス
薄茶色のカラーリングをした武骨なフォルムでありの正規軍のノーマルモデル。
武装はグレラン付のARを装備。
正規軍に標準配備されており、量産性と攻撃性を重視しているため装甲は薄い。
●ヒドラ
濃い緑のカラーリングでマンティコアに似たフォルムであるものの、より厚い装甲と火力を有する正規軍の自律兵器。
武装は機銃と小型ミサイル。
マンティコアの改良型であり、小型榴弾をミサイルに変更して更に全体的な性能を上げている。
●テュポーン
濃い緑のカラーリングをした正規軍の標準戦車。
主な武装はレールガンである。
コクピット部分をコンパクトにし、キャタピラ間の部位を減らすことで軽量化し、その代わりに装甲を強化している。しかし懐に潜り込まれると攻撃できなくなるという欠点がある。