ならば、戦うしかないのだ。
射出され、飛んでいくポッドを見届けた翔は走り出す。ティタンがまだ来ない内に、やるべき事をやるために。
ティタンは翔を探して歩いていたが、少し広くなっている場所に翔を発見する。翔は手に上下二連のSGを持っており、まるでティタンを待っているかのように立っていた。
ティタンは翔の前に立つと、翔を挑発する。
「お仲間はどうした?まさか死んだのか?」
翔は何も答えず、ティタンとは逆の方向へ走り出した。それを見たティタンは呆れている。
「また鬼ごっこか?物好きなものだ」
ティタンに追われている翔は、先程シーカーの砲撃で吹き飛んで頭部を打った際、2つの記憶を思い出していた。
その1つは──
『利用できるものは全て利用しろ。戦うためにも、逃げるためにも』
ティタンの足に細い糸が引っ掛かり、上に吊り下げられていた鉄柱と砂が落ちる。ティタンの装甲にダメージは無かったが、視界を塞ぐことはできた。
推奨BGM『Panther』(AC4より)
「どこへ行ったぁ!?」
ティタンは砂埃を何度も払い、翔を見つけると掌を突き出して砲撃する。しかしギリギリで当たらずに翔は駆け抜ける。
ティタンは舌打ちをして翔を追うが、翔は縦横無尽に走っており、ティタンは壁を壊しながら進む。
時に崩れている床を飛び越え、時に振り向いて瓦礫を倒し、とにかく翔は走り、逃げに徹する。
翔は階段を登り、その先にある角まで走る。そしてティタンが階段を登ったところで、角にあった廃油の入ったドラム缶をHGで撃ち抜く。
ドラム缶は爆発するが、ティタンが怯む様子は無い。
「効かないと・・・言っているだろう!」
ティタンは次第にイラつき、走るスピードを上げていく。それにより徐々に翔との距離は縮まるが、翔は先にあったドアを抜けると突然消え、ティタンはそのドアを壁ごと破壊して進む。
しかし、ドアの先にあったのは・・・既に稼働している溶鉱炉だった。
「なっ・・・!?」
ティタンは溶鉱炉の中へ落ち、黒い装甲は急激に熱を帯びていく。
(早く・・・早く登らねば!)
ティタンは溶鉱炉から脱出できる場所を探すも、装甲の温度は上がり続けていく。それどころか内部の温度も上昇していき、危険な状態となる。
溶鉱炉の中であるため、排熱機構が役に立たないのだ。
ティタンは坂のある場所を見つけ、すぐさま登ろうと坂に向かっていく。もう既に装甲は溶けてきており、今すぐにでも脱出しなければならない状態である。
ティタンは坂に出ると、すぐさま坂を駆け上がる。
しかし次の瞬間・・・上から大量の液体が降り注ぎ、ティタンの装甲は急激に冷やされる。
「まさか・・・液体窒素!?」
溶鉱炉から出た直後に大量の液体窒素を浴びせられ、ティタンの装甲に大量のヒビが入り、何か衝撃でもあればすぐに壊れてしまいそうである。
すると前方にSGを構えた翔が立っており、その背後には壊れた壁があり、外が見えていた。そして翔はSGの引き金を引き、9つの球体が発射される。
散弾は弾が散らばる性質上、全弾命中することは稀である。しかしティタンが巨体とはいえ、奇跡的に全弾命中する。そしてティタンの装甲は大きなダメージを受け、2発目の射撃でティタンの装甲は粉々に砕け散った。
砕けた装甲の中から、ティタンの本体が露となる。
灰色のベリーショートの髪に、黒いレオタードを着ている。そして紫の瞳の目が怒りに吊り上げる。
「貴様ァァァァァ!」
ティタンは翔に向かって駆けていく。翔の持っているSGは上下二連、2発とも撃った後はリロードが必要である。そのため、その間に接近して仕留めれば良い、そうティタンは考えた。
しかし次の瞬間、翔は胸のホルスターからHGを取り出し、ティタンの足元にある水溜まりに1発だけ撃ち込む。すると水溜まりは燃え、ティタンの体に火がつく。
「熱いぃ!このっ、貴様ぁぁぁ!」
火に気を取られたティタンは翔から目を逸らしてしまい、再び翔のいた場所を見ると翔は既におらず、代わりに外が見えた。
外から見えたのは、川である──
ティタンはすぐさま川へ走り、川へ飛び込む。水深は比較的浅く、濁ってはいなかった。ティタンはよろけつつ立ち上がった、その瞬間・・・
ティタンの目の前に水中から翔が現れ、至近距離からHGをティタンの右肘に向けて構える。
翔が思い出したもう1つの事、それは──
(僕は・・・殺さないために、殺さない戦いを選んだんだ!)
翔はティタンの右肘を撃ち抜き、続いて左肘も撃ち抜いた。更に両足も撃ち抜いて動きを封じ、ティタンを抱えて川原へ運ぶ。
「なぜ、殺さない?」
あの状況では、翔は間違い無くティタンを殺すことができた。しかし翔はティタンを殺さずにいる。
「僕は・・・誰も殺したくないから」
ティタンは呆れ果てるが、そこに残っていたスカル達が集まってくる。しかしそのスカル達は次々に榴弾を撃ち込まれていき、全滅する。
スカル達が全滅すると、橋の上に1人のハイエンドモデルが立っていた。
「鉄血工造のエリート、デストロイヤー。あなたを助けに来たわよ」
読んでくださり、ありがとうございます!
ハイエンドモデルを初陣で単独撃破をした翔、どうだったでしょうか?
感想や高評価、お待ちしています。
●アクアビット
2019年に起業した生活と軍需の産業を手掛ける企業。
現在の日本のライフラインを担っており、性能は世界トップの座に君臨している。
兵器に関しては、エネルギー兵器を得意としている。
現在は戦力の大半を北海道の防衛に回しており、BOCの戦力と睨み合いを続けている。
●ブルー・アリオール・コーポレーション
2015年に起業した兵器産業を主とする企業。
ロシアを拠点としていたが、兵器の開発や実験のためには手段を選ばないため、ロシアの内外では危険視されていた。
コーラップスによるパンデミックが発生すると日本に密入国し、状況が落ち着くと『人間は誰かが管理すべき』と掲げて民間人や組織に攻撃を仕掛けていった。
また、元々は持っていなかった技術をある日突然使うようになったため、技術の入手経路も調査すべき課題とされている。
【挿絵表示】
●アルケミスト
銀の長髪に右目に黒の眼帯をつけている、鉄血のハイエンドモデル。
尊大で残忍な性格をしているが、身内にはしっかりと対応している。
各種戦術を使い分けるマルチアタッカーだが、BOCのハイエンドモデルと交戦し、左足を破壊されている。
そのため現在はオペレーターとして活動している。
●モデルの違い
自律人形、戦術人形にはそれぞれモデル別に分けられており、それぞれ用途も違う。
モデルはノーマル、ローエンド、ハイエンドがあり、ノーマルは一般的な量産型であり、感情が無いものが多い。
ローエンドからは感情があり、ローエンドは少数精鋭での運用を得意としている。
ハイエンドは単体で強力な戦力を持ち、性能は最も高い。