それを確かめたいなら外すと良い、その勇気がなければ外すな。
白ネイトはすぐさま近くにいたスコーピオンに飛びかかり、スコーピオンは回避しきれずに左腕に傷を負ってしまう。
「痛ったぁぁぁい!」
翔は戦闘が起こっている隙にその場から離れ、ナディアは外部からシステムをハッキングして電力をシャットダウンさせる。
電力のシャットダウンにより動揺している警備員達は、工場内部に忍び込んだエクスキューショナーとIDWが無力化していく。
白ネイトは工場内部の異変に気づいたが、オストリッチ小隊による攻撃は続いており、ストレリツィ達はウロボロスのミサイルにより撃破されていく。
(明かりがほぼ無いこの状況で、どうやって位置を特定している?)
白ネイトはウロボロスのミサイルに疑問を持つが、実はM200が観測手となり、位置を教えているのだ。そして、M200の射撃タイミングはまだである。
翔がM200とは別の観測ポイントに着くと、M200は狙撃を開始する。
「サイレントキルぐらい、ボクにだってできますよ!」
ウロボロスの砲撃によりよろけた白ネイトの頭部をM200は撃ち抜き、白ネイトは倒れる。
工場内はエクスキューショナーとIDW、途中から入ったナディアによって制圧されており、床には気絶した警備員や従業員、撃破されたロデレロとストレリツィ達が横たわっており、ナディアが監視カメラを無力化した上で電力を復旧させる。
「で、ここからパラデウスの情報を集めるのよね?」
ナディアが翔に問うと、翔は頷く。
「ここから手分けしてパラデウスの情報をできる限り集めよう。ガリルとティスはここで警備員と従業員を監視して。スコーピオンは応急をしたらここで待機で」
「分かったで」
「ヤロウオブクラッシャー!(装置を外す)ようやくこの装置外せる」
一息ついたティスにガリルがツッコミを入れる。
「いやアンタが面白がって付けたんやろが!・・・まあ、こっちは任しとき」
翔達が工場内を捜索するが、あまり有用な情報は得られなかった。しかし翔は下に生体反応と機械の反応を同時に持つ反応と複数の生体反応を見つける。
「・・・下に行く道を探そう」
その後、ヨルムンガンドが隠し通路を発見する。隠し通路の奥にはエレベーターがあり、IDWとヨルムンガンドが先行して降りていく。レーダーの反応はエレベーターから降りた場所より少し離れていたため、翔とナディアも降りていく。
《ボク達は警戒を続けます》
M200とウロボロスは周囲の警戒を続けており、周囲に増援などの様子は無かった。
地下には様々な装置や器具が並んでおり、医療用のものから実験用の物まで様々だった。しかし実験に使う物の方が圧倒的に多く、女性の死体が入れられている箱もあった。
そして翔達が反応のある場所へ進んでいくと、1つの部屋の中に黒ネイトがおり、翔達にレーザー砲の砲口を向けていた。しかしよく見るとその背後に黒ネイトに近い服を着た幼い少女が何人かいた。
レーダーを確認すると、少女の数は5人である。
「・・・近づかないで」
翔は銃口を向けようとしたナディア達を制する。
様々な実験器具、機械と生体反応が混じったネイトの反応。そして黒ネイトが守るように背後に隠す少女達。ここから翔は何が行われていたかを悟る。
「僕達は、敵じゃない・・・君達を、助ける」
その空間に、しばしの静寂が訪れる。
アンジェの作戦も完了し、翔達も作戦完了の報告をして帰還する。その際、翔は1通のメールをアンジェに送ったが、アンジェはこめかみを押さえていた。
《"騒ぎ"の際にパラデウスの部隊と交戦し、制圧することになりました。その後工場の地下にあるパラデウスの研究施設を調査したところ、いくつかの資料を入手すると共にネイト(黒)と5人のネイト(幼体)を保護しました。
資料とネイトの件は依頼には含まれていませんが、資料のコピーを送ります。
添付:資料のコピー》
資料を送ってくれたのは良いとして、ネイトの件は調べたいことが山積みだったのだ。
「騒ぎどころかなに制圧してるのよ・・・」
その後、拠点にてアクアビットマンとティタン、テンペスタの3人が幼体ネイト達の相手をし、翔とジェリコは黒ネイトから話を聞くことにした。
黒ネイトは自身を『アデリン』と名乗り、幼体ネイト達と共にこれまでいたそうだ。いつからあの研究施設にいたのかは覚えておらず、最初はダンボール箱に入れられて連れてこられたという。
そして肉体を改造された後に成長し今の状態となっていた。
しかしダンボール箱に入れられていた時の事はトラウマとして残っており、それは他の幼体ネイトも同様だった。
翔はとりあえず、今は質問をそれぐらいで止めておき、その日と翌日は休みとすることにした。
2日後、とある戦場にて──
銀治達もアンジェと出会い、パラデウスの情報を集めていたところでパラデウスの部隊による襲撃を受ける。
銀治の指揮の元、M4達が戦っている様子を廃墟にある煙突の上から見ている者がいた・・・ガンナーである。
「良い腕をしているな・・・特にM4A1、どれだけの"可能性"があるのか、試させてもらおう」
ガンナーは煙突から飛び上がり、急降下する。そして下にいたストレリツィの頭部を左手に持ったセミオート式のRFで撃ち抜き、更に空中からパラデウスの部隊に攻撃を仕掛ける。
突如現れた"援護"にM4達は驚くが、次の瞬間には更に驚かされる。ガンナーは凄まじいスピードでストレリツィやロデレロを撃破していき、背部の装備でロデレロの体をバリアごと貫いた。
そして瞬く間にパラデウス部隊を殲滅したガンナーはゆっくりと降り立つ。
「あなたが何者かは判らないけれど、助けてくれてありがとうございま···」
M4がお礼を言い終わる前にSOPがM4の襟首を掴んでバックステップをする。すると、先程までM4の頭部があった場所にガンナーが右手に持つARから弾丸が放たれた。
「なんのつもりだ?」
M16がガンナーに銃口を向けながら問いただすが、ガンナーは動じていない。
「お前達がどれ程の力を持っているか・・・試させてもらおう。私は傭兵組織『バタフライムーン』、6番機。ガンナーだ」
随所BGM『Strive』(ACVより)
ガンナーは両手の銃を撃ちながら飛び上がり、空中を旋回するように攻撃を仕掛け、時折方向を変えたり緩急をつけたりして飛び回る。
更に、ガンナーは肩にある小型ブースターで左右に急加速することで回避しつつ、攻撃したりもする。そしてそのスピードはまるでワープしているかのような速さだった。
M4達は不規則かつ素早い動きに苦戦しながらも反撃していき、掠り傷を負わせることはできている。するとSOPがグレランを発射し、ガンナーは榴弾を撃ち抜いて爆破させる。そして爆煙から飛び出た瞬間、M16が空中に向かって投げた閃光手榴弾により、ガンナーは視界を奪われる。
「目がっ!」
地上に降りたガンナーにM4は射撃し、ガンナーは腹部と右腕に被弾し、ガンナーは空中に飛び上がると背部の武装を構える。
青白い電撃と共に放たれた砲弾は極めて速い弾速であり、狙いを誤ってしまったものの、廃棄された装甲車ごと複数の廃墟を貫いた。
「まさか・・・レールガン!?」
M4達は携行できるレールガンとしては破格の威力の武装に驚くが、視界が戻ったガンナーは冷静な様子である。
「これはレールガンではない、『レールキャノン』だ。正規軍やこの白い連中のものと一緒にしてもらっては困る」
ガンナーの右腕は被弾しているにも関わらず動くが、M4は指示を出しながら接近しようとし、SOPは攻め続ける。そして銀治がタイミングを告げる。
《今だっ!》
M16が複数の閃光手榴弾を別々の方向に投げ、ガンナーは腕で目を庇う。しかしその瞬間、M4は背負っていた長方形の箱を構え、箱は変形してレーザー砲となり、M4は引き金を引く。
放たれた赤いレーザーはガンナーの腹部を貫く・・・かと思われたが、赤いバリアによって阻まれる。
「IOPの人形相手に使うことになるとはな・・・覚えておくぞ、"イレギュラー"」
ガンナーは撤退していき、その場に静寂が訪れた。
《何だったんだ、アイツ・・・》
読んでくださり、ありがとうございます!
遂にM4がイレギュラー認定されましたが、どうだったでしょうか?
●アンジェリア
黒いポニーテールの髪で黒い服と黒い軍用ジャケットを羽織っており、左腕と右足が義肢である。
自他共に厳しく、我の強い性格で自分の意見を貫き通している。
また、謝ることは基本的に無く、自分でもそれを自覚している。
国家保安局のエージェントであり、反逆小隊の指揮官でもある。
ちなみに銀治とは接触済みであり、互いを信頼している。
●AN-94
銀のロングヘアと黒い戦闘服を着た国家保安局製の戦術人形。
冷静かつ繊細な性格であり、自分の事をAK-12の付属品と捉えている。
反逆小隊の副隊長を務めており、隊長であるAK-12のサポートを続けている。
ちなみに、ナディアとAK-12の区別はつくが2人が揃ってる状況には内心困惑していた。