相性が悪ければ、数を揃えても負けるだろう。
「あなた、何者?」
M4はネイトらしき者に銃口を向けるが、ネイトらしき者は動じていない。敵意があるようには感じないが、味方である様子も無い。だが翔はこれまでの経験から危険だと判断し、ネイトらしき者の前に立つ。
「?」
ネイトらしき者・・・言うならば『失格異性体』は翔を前にして首をかしげる。しかし次の瞬間、失格異性体から表情が消える。
「あなたは・・・敵」
失格異性体は翔に攻撃をしかけ、長い服の袖の中から小型ブレードのついた触手を3本伸ばす。その触手が翔のPAに阻まれると接近してPAの内側に入ろうとする。
翔は空中へ飛ぶことで回避するが、翔を見上げた失格異性体にM4が迫る。
「あなた達の目的、私は"聞いた"。だから・・・」
M4は失格異性体を殴り飛ばし、失格異性体は建物の壁に叩きつけられる。そしてM4は失格異性体の頭を掴む。
「あっ・・・」
失格異性体は一瞬痙攣すると、動きを止めた。翔のレーダーでは生体反応が消えたが、すぐに反応は戻った。M4は失格異性体から離れると、失格異性体はゆっくりと立ち上がる。
しかし、その失格異性体から敵意は感じられなかった。
「説明は・・・少し長くなる」
M4は仕方ないといった表情をしていた。
M4のメンタルの奥にはかつての戦闘の際、密かにネイトと同じ傘ウイルスが侵入しており、しかしそれはOGASと呼ばれる独自のものへと変化していった。
しかしメンタルの検査をしても異常として検知されないため、誰にも言うことができなかった。
そして次第にOGASと協力していき、今は失格異性体の体をOGASが掌握したのだそう。
「まあ確かに、こういうのが目の前で起こらなかったら私でも信じられなかったかもね」
AR-15は失格異性体を見ながら言い、M16も同意見だった。
「私だったらすぐ信じちゃってたかも」
SOPはいつも通りだった。
OGAS「ところで、他のネイトになれなかった子達をあなた達は回収しているようだけれど?」
翔達にM4達の視線が集まるが、M200が間に入る。
「回収と言うと語弊がありますが、ボク達はその・・・放っておけなくて、それでできる限り保護することにしまして・・・」
OGAS「そう、ならあの子達はお願いね」
翔達は頷き、互いに情報交換をして去ろうとした。しかし・・・
「これは終わりか、それとも転機か・・・」
「ねぇ、壊れる恐怖は知ってる?」
「さぁ、覚悟しな!」
「リベンジとして、貴様らを殲滅する」
4人のハイエンドモデルが翔達とM4達を囲むように現れる。4人ともコーカサス社のハイエンドモデルのようで、ストレンジとチャリオットがいる。しかしもう2人はまだ会った事の無いハイエンドモデルだった。
1人目は茶色の木目のあるフルフェイスを着けており、フード付きの黒いローブに戦術人形の指を大量にぶら下げている。そして大鎌を持ったそのハイエンドモデルの名は『
デスは404小隊の前に立った。
「あなたか私、どちらかが終わるのですか?それともこの出会いは転機なのですか?」
2人目は緑のセミロングの髪に赤茶色のレンガ模様をした厚手の服を体に張り付けるように着ており、両手にHGを装備している。その名は『
タワーはAR小隊の前に立った。
「知らないこと、教えてあげるよ」
そしてチャリオットとストレンジは翔達の前に立ち、AR小隊と404小隊は翔達の反応を見て、目の前のハイエンドモデル達が敵だと察する。
推進BGM『Above the Uproar』
デスは大鎌を横薙ぎに振り、45達はそれを各々回避するとすぐさま反撃に出る。
「気色悪いアクセサリー着けてるのね!」
45は至近距離からSMGを腹部に連射するも、デスのローブはまるで手応えが無く、命中したはずの弾丸は地面に転がる。ナインと416が背後と側面から攻撃するものの、やはり効果は無かった。
「こいつ、弾が効かない!」
デスが大鎌を振りかぶり、416に斬りかかる。416は回避したものの、代わりに斬られた建物の外壁は斬られただけでなく断面が酸性の液体により溶けていった。
タワーを相手にしているAR小隊は回避を優先したトリッキーな動きに翻弄されていたものの、徐々に被弾させていく。
「回避ばかりじゃ、倒せないわっ!」
M16の射撃を回避したタワーの背後にいたAR-15は至近距離からタワーの左腕を撃ち抜いた。続けてSOPがパイルバンカーを撃ち込もうとするが回避されてしまう。
「ふぅん、やるねぇ・・・でも、これはどうかな?」
タワーはAR小隊から距離を離す。するとAR小隊は「ボーン」という古時計の音を聞き、その瞬間体の動きが止まってしまった。
「時が止まったような気分だろう?」
タワーはだらけたような動きをしつつ、最も近くにいたSOPの額にHGを押し付ける。そして引き金を引こうとした瞬間、1発の銃弾がSOPの額に押し付けられたHGを撃ち抜いた。
「ここは任せて」
翔はタワーとSOPの間に立ち塞がり、タワーに銃口を向ける。
そして、M4の指は僅かに動いていた。
チャリオットはM200達第1部隊の正面から攻撃しているが、過去の経験を元にM200を常に警戒し、早めにM200を仕留めようとしていた。
しかしチャリオットの砲撃を、ティタンが盾になることでM200を守り、ティタンは正面からチャリオットを掴む。
「貴様、どけぇ!」
「そうはいかないなぁ!」
チャリオットは全力でスピードを出すも、次第にキャタピラは空回りを始める。そしてティタンは密着した状態でチャリオットの背部機構に砲撃し、チャリオットの背部機構は損傷する。
そして動きが止まったところにM200がチャリオットの砲口を撃ち抜き、かつての雪山の時のように背部機構を破壊しチャリオットに致命傷を与える。
「残念だったな、私の鎧は貴様じゃ貫けなかったようだな」
ティタンは這いずって逃げようとするチャリオットの頭部を拳で粉砕した。
ナディアとエクスキューショナーはストレンジと交戦しており、凄まじい破壊力の拳を振るうが、ナディアとエクスキューショナーは回避し続けている。
ストレンジの攻撃は地面に拳を打ち付ければ衝撃で地面にヒビが入り、地響きを起こす程である。
しかしストレンジは高い攻撃力を持つだけでなく、スピードもかなりのものであった。ナディアとエクスキューショナーは装甲の無い部位を狙おうとするが、ストレンジは足場を崩すと共に体を捻って回避している。
「深度演算、開始!」
ナディアは目を開き、アンチコジマを纏いながら中距離から射撃していく。突然変わった動きにストレンジは回避が遅れ、装甲の無い太ももと腹部に被弾してしまう。
「今よ!」
「オラァッ!」
被弾して動きが止まったところにエクスキューショナーが太刀を振り下ろす。正面から一刀両断されたストレンジは倒れ、機能停止した。
タワーは翔と一対一で交戦を続け、戦況は翔が優勢だった。AR小隊は未だ動けずにいるが、翔が勝つのは時間の問題かと思われた。
「しかし、生きている人間が相手では分が悪いな・・・デス、やれ!」
するとデスは仮面を外した。仮面の下は人の顔をしておらず、顔の中心にカメラが1つあり、それ以外は何かの噴出口で埋め尽くされていた。
「では、新たな転機と終わりを受けとりなさい」
デスの顔にある複数の噴出口から青い煙が噴出される。そして青い煙は翔達のいる場所まで覆い尽くす。
「ねぇ、翔・ニールセン・・・いくらあなたが強かろうと、ウイルスには勝てないだろう?」
タワーは誇るように腕を広げているが、次の瞬間タワーに直接砲弾が撃ち込まれ、タワーは跡形もなく爆散する。
「なんか分からないけど、僕には効かないみたいだね」
デスは呆気にとられていが、そこに背後から45がナイフで攻撃する。すると全く銃弾を通さなかったローブがあっさりと裂け、中身が露出する。
デスのローブの内側、デスの胴体には肉の部位は無かった。代わりにウイルスの入ったボンベが4本あり、それらがチューブで頭部と繋がっていた。
「むう!」
デスが慌てて距離を取ろうとするも、別方向からナインがナイフでローブを切り裂き、416とG11がローブの無い部位を狙って射撃し、デスは膝から崩れ落ちて機能停止した。
その後、それぞれが帰還すると拠点の増築が行われることとなったが、クラフターのお陰で想定より早く増築は完了したのだった。
読んでくださり、ありがとうございます!
ようやく体調が回復してきたので、投稿できました。今後は無理せず活動していきます。
感想や高評価、お待ちしています!
●マジシャン
青い長髪に黒いシルクハットを被っており身長160cm、肉体年齢は17歳。
紺色に赤く光るラインの入ったボディースーツを着ており、コーカサス社のハイエンドモデル。
主な武装は己の身体とマグナムとナイフである。
新しい発見を探し、悪意ある嘘を嫌う性格をしている。
趣味はマジックの披露と開発である。また、元々は赤と青のカラーリングの燕尾服を着ていたが、現社長の命令により別の服にさせられており、そろそろ燕尾服に無断で戻そうと思っている。
身体は大量の小さな球体で構成されており、表面に人体に害の無い特殊なシールドを発生させることにより、人としての姿と形を形成している。
それだけでなく、球体は宙に浮くことができるため攻撃を回避したり狭い所に潜り込む事も可能で、攻撃に転用すれば戦術人形の体を容易く貫通できる。
余談だが、マジシャンはコーカサス社の創設と共に社運を賭けて造られたハイエンドモデルであり、創設者の初代社長からの極秘任務を継続中であり、新たな社長であってもそれを変える事は不可能である。