頭の中で、抜けていたピースがまた1つはまった・・・翔にはそんな気がしていた。
推奨BGM『Galaxy Heavy Blow』(ACNXより)
ドレイクのドリルロケットをスルリと避け、ドレイクに接近しようとする。ドレイクは7機のドリルロケットを翔に集中させ、何がなんでも翔を仕留めようとする。
「よくも私のロケットを・・・!」
ドレイクのドリルロケットを操る精密さは極めて高く、ドリルロケットの背後を取られないよう、他のドリルロケットで援護している。そして数が多いため、翔はドリルロケットに攻撃できずにいる。
しかしエクスキューショナーやプリズムも援護できずにいる。
ヴェスピドが物陰から飛び出ると、ドレイクに向けて攻撃を仕掛ける。ヴェスピドの攻撃はドレイクに当たるかと思いきや、ドレイクの機動力は思いの外高く、ドレイクは物陰に隠れる。
ヴェスピドが接近し、ARを連射するがドレイクは胸のホルスターからマグナムを取り出し、ヴェスピドの頭部を撃ち抜いていく。しかしマグナムを撃ちながらもドリルロケットを操っている。
翔はどう避ければ良いか、それが感覚で感じられていた。
ドリルロケットの変則的かつ正確な動きを、翔は回避し続けていく。
翔が攻撃を回避していくうち、エクスキューショナーはあることに気づく。
気のせいだろうか、翔からほんの僅かに"赤い粒子"が舞っていることを・・・
しかしそれをよく考える暇も無く、ドリルロケットによる攻撃は止まない。そしてプリズムがドリルロケットにより右腕を肩ごと破壊されてしまう。
翔はドリルロケットを避けつつドレイクに向かっていくが、そのスピードはドレイクの想像を越えていた。そのため、翔はドレイクにようやく接近することに成功する。
そして翔はドレイクの鳩尾に、拳を抉り込むように打ち込む。
翔はドレイクの内部パーツが破壊される感触を感じ、ドレイクは壁に叩きつけられる。するとその一瞬だけドリルロケットの動きが止まり、その隙を見逃さなかったエクスキューショナーは周囲のドリルロケットを破壊する。
プリズムは火炎放射器で1つだけ破壊できた。
「よくもっ!」
ドレイクはマグナムを翔に向けるが、翔はドレイクのマグナムをRFで撃ち抜き、RFを捨てると共にドレイクの背後に回り込む。そしてHGを連射してドレイクの背部、つまりドリルロケットの発着部を破壊しようとする。
ドレイクは背部の制御装置を破壊され、うつ伏せに倒れる。しかしよろけながらも膝立ちになり、翔を恨めしそうに睨み付ける。
「殺しなさい・・・」
しかし翔は首を横に振り、ドレイクは困惑した表情を浮かべる。
「僕は殺したくない、だからあなたを・・・」
ドレイクの表情は怒りに染まり、翔を殴り飛ばす。
「殺さないですってぇ?この世界でねぇ、そんな優しさは通用しないし、いらないのよそんなもの!優しさをかけられる、くらいならぁ!」
ドレイクの傷口から光が出始め、エクスキューショナーは翔の襟首を掴んで引き離す。
次の瞬間・・・ドレイクは自爆し、周囲にドレイクの破片が飛び散る。
「あ、あ・・・」
翔は、ドレイクが自爆した場所に向けて弱々しく手を伸ばしていた・・・
「・・・こちらプリズム、作戦は成功。これより帰投するわ」
翔達の作戦が終わった直後──
ロシア西部では、ちょうど小さな町の中を銀髪のお下げをした少女がRFのマガジンを交換したところだった。また、その隣には金髪のツインテールの少女が壁にもたれ掛かっていた。ツインテールの少女の右足は破壊されており、包帯が巻かれていた。
2人とも戦術人形であり、銀髪の少女がツインテールの少女を引きずって家の中に入る。ツインテールの少女を2回にある寝室のクローゼットに隠すと、銀髪の少女は壁が破壊されている部屋で外の様子を伺う。
外にはELIDが数体歩いている。しかし徐々に数は増えてきており、脱出の難易度は上がってきている。残弾はもうこのマガジン1つしかないため、倒すべきELIDは限られる。
すると、突然銃声が聞こえてくる。重く、連続して聞こえる銃声は過去に1度だけ聞いたことがある。
「まさか、あの時の・・・」
そのまさかだった。気づけば壊れた壁から銃声の主が入ってきていた。
「あ!あの時にいた銀髪ちゃんだ!」
銀色の短髪で、両手にSGを持った女性は明るくニッコリと笑みを浮かべている。
「もしかして、アイツらがいたから出れなかったのかな?なら大丈夫だよ、私がやっつけたから!」
「え、えっと・・・」
銀髪の少女が困惑していると、女性は何かを思い出したようだ。
「そうだ!そういえば私名乗ってなかったね。私は『ジェノサイダー』、『ジェノ』って呼んで!・・・で、君の名前は?」
ジェノサイダーはそう言うと、銀髪の少女に手を差し伸べた。
鉄血本社に帰還した際、翔は酷く落ち込んでいた。それを見たアルケミストが何かを言おうとしたが、ヨルムンガンドは首を横に振って制する。
おそらく、翔は自身で解っている部分もあるだろう。だからこそ、今はそっとしておこうということだった。
翔が自室で休んでいる間、ロイラは各企業との会議を行うことにした。
「こちらはキサラギと共にBOCハイエンドモデル、ドレイク・タートルの撃破に成功したわ。これで、確認されているBOCのハイエンドモデルはあと2人・・・」
作戦の成功を称え合うと、アクアビットの社長(女性)は新たな情報を送信する。
《これは、有澤重工の補給基地を経由して行われた遠征の際に入手した映像です》
映像には黒い塔のようなものが映っており、塔の上からは空に向けて青いエネルギーが放出されている。
《おそらくこれが、日本を覆うバリアの装置かと思われます。次の作戦では、ここを破壊すれば日本を覆うバリアは消え、BOCの拠点も見つかるでしょう》
過去の調査により、BOCの拠点はバリアの外にある島にある可能性が高いことが判明しており、バリアの発生装置の発見は各員に希望を与えた。
すると、有澤重工の社長(男性)が口を開く。
《なるほど・・・バリアの発生装置となれば守りも堅く、ハイエンドモデルがいるのはほぼ確実だろう。それに、バリアの発生装置を破壊するとなれば・・・よし、こちらからハイエンドモデルを含めた部隊を送ろう》
アクアビット社長もハイエンドモデルを出撃させると言い、キサラギは現状の回復に専念せざるを得なかった。
「なら、鉄血からも部隊を出すわ」
その頃、BOC本拠地では──
「現状を報告。ティタンは捕獲され、ドレイク・タートルは自爆・・・残すハイエンドモデルはあと2体となりました」
BOC社長の秘書が淡々と報告すると、BOC社長はため息をつく。
「あのゴミ共が・・・硬いだけの巨人はともかく、ノロガメすらあの様か」
BOCの社長はノロガメと呼んだドレイクの写真に唾を吐き、ゴミ箱へ捨てる。秘書の持ってきたコーヒーを飲み干す。
「例の人形はどうなっている?」
「調整は済みました。後は出撃させるだけです」
BOCの社長は書類に目を通し、秘書に書類を手渡す。
BOC本拠地の周りでは、常に雷雲が空を覆っていた──
そして、翔はいつもと違う夢を見た・・・
読んでくださり、ありがとうございます!
ドレイクを撃破し、残るBOCのハイエンドモデルは2人となりましたが、無事にバリアの発生装置は破壊できるのでしょうか?
感想や高評価、お待ちしています。
それと、AC6の発売おめでとうございます!
(投稿が遅れてたのは単純に難航していただけです)
●グラディウス
灰色のヘルメットを被り、森林迷彩を施されているボディーアーマーを着ており、身長180cm。
キサラギ製ノーマルモデルであり、主力の1つ。
武装はドラムマガジンのSMG、グラディウス、小型の盾である。
初期に開発されたモデルだが、内部の改良を加え続けているため、現在でも第一線で活躍している。
●FG2
青いカラーリングの武骨な装甲を全身に纏っており、身長180cm。
キサラギ製ノーマルモデルであり、制圧を目的としている。
武装は腰だめに構えた
グラディウスから得られたデータを使い、制圧を目的として開発されているが、優秀な内装のおかげで見た目より動きは速い。
●ドレイク・タートル
髪は茶髪のふんわりとしたロングヘアで身長164cm、肉体年齢は20歳。
白いトレンチコートを着ている。
武装はマグナムとドリルロケットである。
BOC製ハイエンドモデルであり、妖艶な正確をしている。戦術はドリルロケットを使ったアウトレンジ攻撃を得意としている。
ドリルロケットは回転し続けているため、攻撃を受け流しつつ一方的に攻撃することが可能。しかし背部は非常に脆い。
また、ドレイクの背部にある発着部を破壊されるとその部位のドリルロケットは機能を停止する。
余談だが、ドレイクは過去にアクアビット社の管轄している地域から奇襲を仕掛け、アクアビットが他社への援助を行えない状況にした張本人でもある。