前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8304字。

今回は会話多め...というか、しばらく戦闘はあんまりないかも。
何話かしたら戦闘ばっかの章に突入するんで、それまではのんびりな会話をしていきたいんじゃ。


転移の魔法使い

「よーっす、話まとまったか?」

 

勇者パーティーのところに戻ってくる。

 

「カリヤおかえりー、何話してたの?」

 

「まぁ色々とな。ステラ頑張れって話」

 

「そんな話してたの?ちょっと照れるねー」

 

「こほん、話始めていい?」

 

ニアがわざとらしい咳払いをして、話に入ろうとする。

 

「どうぞどうぞ」

 

「これからやることがあらかた纏まったわ。まず、カリスに寄る。この子が装備家に置いてきたらしいから、それを回収しにね。それのついでにご飯食べながら会議。そしたらカイスに行くわ」

 

なるほど、珍しく弓持ってないなステラって思ってたけど置いてきていたのか。

 

「了解した。それで行こうか」

 

ああは言ってたけど、ちゃんと纏められるやんけニアと思いながら了承する。

 

「よーしみんな。カリス向かうからさっさと山降りるぞ。早速俺の出番ってね」

 

「山走って降りるのはなかなかに怖くない?」

 

「絶対転ぶと思う。あとカリヤ、まだ山道は人多いから走ると迷惑になると思う」

 

「それじゃ直線的に行けばいい。道なりに行かなくともひとっ飛びだ。速度操作は安全だぞー」

 

「この山は決められた道を通らないと元の場所に戻されるわよ。あんた知らないの?」

 

「ありゃ、シレンの穴みたいになってるのね...それじゃあ普通に降りるしかないか」

 

「そういえばカリヤってどれくらい速く走れるようになったの?」

 

「秒速60メートル弱は出るようになった...って言われてもわかんないか。山降りたら体験させてやろう」

 

「わーい!」

 

「話がどんどんそれてる...自由すぎない?この人たち」

 

「しゃーない性格バラバラだし」

 

よくよく考えたら、大体が互いに知らない人なわけで、そんなすぐに連携取れるわけないんだよな。各々話しちゃってどんどんずれてくんだよな...あるあるだ。

 

「んで、何か言いたいことあるのか?ニア」

 

「調子狂うわね...歩いて下山する必要はないわ」

 

「走るもんな」

 

「そういうことじゃなくて...流石にそうじゃないことはわかってるわよね?わざわざ脱線させないでくれるかしら」

 

「すまんすまん。で、走りも歩きもしないってどういうことだ?飛ぶの?」

 

「飛ぶわ。ああ、飛行するわけじゃないけどね」

 

「ん?それってどういう...」

 

ニアが何もない場所に手のひらを向ける。

 

「行くわよ。準備しなさい」

 

「……あっ、そういや!」

 

そういえばフレアとミレアが、ニアは転移魔法が使えるとかそんなことを言っていたような...!

 

「開いたわ。ほら、入りなさい」

 

空間に白い裂け目が生じたかと思えば、真っ白なゲートのようなものが現れた。

 

「これに...入るのか?」

 

「そうよ。あまり長く開けていると魔力の無駄になるから、早く入ってちょうだい」

 

そうは言われても、得体の知れないゲートに入るのはたとえ安全が保証されてたとしても怖いというか...

 

「いーちばん乗り!」

 

ステラが楽しそうに飛び込んでいく...あっ、ちょ、俺が先に行って安全確認すればよかった転移先に何があるかわかんないから怖え!怪我してない大丈夫⁉︎

 

「じゃあクミさん二番手ー」

 

「……ハッ、僕一応守りに行かないとじゃ...?」

 

あっ、どんどん飛び込んでく。俺も行かないと...あっ。

 

「ライトも行くぞー、それ」

 

状況がよくわかってなさそうだったライトを引っ張って放り込み、俺もゲートの中に入る。

 

「ゲートを抜けるとその先は...ってなにこれ」

 

思ってたのと違う。てっきりカリスのすぐ前とかに出るのかと思ってたのだが、なんか謎の空間に出た。どこここ?

 

「ニアーここどこ?」

 

「流石の私でもゼロ時間移動はできないわ」

 

「流石って自分で言うなよ」

 

「でも、移動時間を短縮させることはできるわ」

 

あっ、無視された。

 

「この空間は、この世界を上から見た地図を模しているわ。何千分の一レベルに縮尺された地図よ」

 

「あーそういうことか。この空間を移動すれば、普通よりも何千倍も効率よく移動できるってわけか」

 

「理解が早いわね。それなりに頭回るのかしら」

 

「まぁ、似たようなのを知ってるからな...」

 

これアレだろ?マ○クラで、座標が元の世界の八分の一になってるネ○ーを移動して移動を楽にするアレ。果てしなくゲーム脳だけど、やってる人はめっちゃわかりやすいと思う。

 

「同じような魔法を見たことがあるの⁉︎」

 

「ああそういうわけじゃないからそんな目で見ないでくれ。気になるのはわかるけど、こんな魔法ニアくらいしか使えないから安心してくれお前が一番だ」

 

「今日初めてまともに会ったのに私の何を知ってんのよ」

 

なんとか落ち着かせようと煽てたら正論言われたんだけどどゆこと?

 

「話を戻すわよ...ああもう勝手に散らばらない!」

 

「すごい...正確な地図だ」

 

「こんな移動方法あるから走る必要ないね。移動が楽で助かるよ」

 

ほんとみんな自由だな...

 

「あんた、あいつらと知り合いなんでしょ?しっかり纏めなさいよ」

 

「そう言われてもねぇ...」

 

「ねぇねぇニアさんあれなーに?」

 

ステラが指差す先には、入ってきた時と同じようなゲートがあった。

 

「あれが出口よ。この空間からは、あらかじめ指定しておいた場所からしか出れないの。とりあえず各町に出口は用意してあるから、大抵の移動はこれでなんとかなるわ」

 

まだこの子はマシねと呟きながら、ステラの頭を撫でるニア...あら^〜

 

「ステラは誰とでもすぐに仲良くなれるな。羨ましいぜ...おーいレストにクミリアーどっか行ってないで戻ってこーい」

 

そう呼びかけると、すぐに二人は戻ってきた。

 

「よし、みんな戻ってきたな。カリスのゲートはこれで合ってるか?」

 

「ええ。入るわよ」

 

ゲートを一番乗りで抜ける。出口には...魔物はいないな。

 

「よーしみんな出てきていいぞー...って、出たら戻れないのか」

 

出口はあくまで出口。外に出たら戻ることはできないらしい。

 

そんなことを考えていると、残りのメンバーたちが一人ずつ出てくる。出る瞬間だけゲートが現れるとかもなく、何もないところから出てくるような感じだった。出る時にバレないのは利点だな。出る場所が固定されていることさえ知られなければ、魔族らに待ち伏せされることはほとんどないだろう。偶然鉢合わせする可能性はあるがな。

 

「よし揃ったな。それじゃあまずはステラの家行きますか」

 

「よーしいこー!私先頭〜」

 

たたーっと駆け出していくステラ。可愛いねぇ...

 

「何ニヤニヤしてるのカリヤ。大丈夫?」

 

「大丈夫だレスト。ちょっと懐かしくてな、久しぶりに子供の陽の気を浴びたわ...」

 

子供がこうやって元気にはしゃげる世界を守るってのもいいね。どんどん目的が増えていくな。

 

「というかカリス久しぶりだな。9...ヶ月ぶりくらいか。なっつかし」

 

俺の原点と言ってもいいんだよなここ。

 

「懐かしーなここ...あっ、あそこって」

 

「思い出に浸って立ち止まるんじゃないわよ邪魔」

 

「ひでぇ」

 

「ついたー私の家〜。装備取ってくるね!」

 

ドアを開けて家の中へと入っていく。

 

軽く談笑しながら待っていると、ものの数分でステラは帰ってきた。前に見たものとは違う弓と、前にも使っていた矢筒と矢、そして謎の直方体のバックパックを持って。

 

「その弓は...あれか、レストの盾みたいな伝統の弓みたいな感じ?」

 

「そうだよ。英雄になって、新しく貰ったんだ」

 

「んで、その背中のそれはなに...?」

 

「えーっと、これはねぇ...」

 

「それは後で纏めて話しましょ。ご飯食べながら会議をするって言ったの覚えてるかしら」

 

「おん」

 

「その会議ってのは、各々の戦力を知るためのもの。情報交換の場と言った方がわかりやすいかしらね」

 

「なるほど。確かに、誰が何を出来て、何をしてもらいたいのかを知ってた方が戦いやすいかってかそうじゃないと戦えないか。じゃあその時に教えてくれステラ」

 

「うんわかった!」

 

「さて、じゃあどこでご飯を食べようか」

 

「私に任せてー♪」

 

「そうだな、地元民に任せた方が早い。いい店を頼むぜステラ」

 

これまた、たたたーっと駆け出していくステラ。

 

「あの子元気ね」

 

「まぁ最年少だし、あんくらい元気な方が健全だろ。そしてお前はシャキッとしろライト。のんびりマイペースダウナーはレストだけで十分だ」

 

「あれ、僕ってそんな印象だったの...?」

 

「誰がどう見てもそうじゃね?まったく、戦闘中はめっちゃキビキビ動けるんだから普段もそれくらい動けばいいのに」

 

「無理だよ疲れる」

 

「どうしたお前俺と共に戦った日々の努力はどこいったんだ?」

 

「三ヶ月もすれば体力も戻っちゃうよ」

 

「貴様カイスで何やってたんだオイ」

 

「ここだよー!」

 

と、レストと話してたらもう着いたみたいだ。やっぱ、他の町と比べるとカリスは狭いね。

 

「何やってたかは会議中に話すよ」

 

「オーケー覚えとけよ」

 

店の中に入る。

 

「ハノさーん六人だよ!」

 

「いらっしゃいステラちゃん。六人なら...あそこの席に座ってちょうだい」

 

「わかった!」

 

六人で店の端の方のテーブル席に座る。

 

「ここハノさんの店か。懐かしーな〜」

 

「なに?知り合いの店?」

 

「カリスにいた頃によく来てた店だ」

 

「そう...なら、おすすめはあるかしら?」

 

「おすすめならステラに聞いた方がいいぞ」

 

「えーっと、おすすめはねぇ...」

 

ステラが、各々の好みを聞きながら注文を決めていく。

 

「カリヤは...いつものだよね。注文してくる!」

 

「頼んだ」

 

「ハノさーん!」

 

呼ぶよりも早いと思ったのか、椅子を降りて厨房の方までステラは歩いて行った。

 

「じゃあ、料理が来るまでの間に、できる限りやることやっておきましょうか。誰から話す?」

 

「まぁ待て。ステラが戻ってからにしような...あっ」

 

「なに?どうしたの?」

 

「いや、やらないといけないこと思い出してな...」

 

「やらないといけないことって何ー?」

 

ステラが戻ってきた。

 

「とりあえずみんな、適当にちっさい魔法使ってくれない?」

 

「私魔法使えないよ?」

 

ステラがそう言う。

 

「魔法じゃなくとも、魔力を少し消費するだけでいい」

 

「それならできるや」

 

「でも何のためにこんなことを?」

 

「それは...やってから説明するわ」

 

「あっ、もしかしてあのため?」

 

「そうだよクミリア。文句言いたくなる気持ちもわかるけど、頼むわ」

 

「しょうがないか...みんなもやってあげてね」

 

クミリアのその言葉もあって、各々小さな魔法を起動したり魔力を放出するなりして魔力を減らす。

 

「……よし、みんな本人だな。協力ありがとう」

 

「で、結局何のためだったわけ?」

 

「絶対気を悪くするだろうけど、しょうがないものだと思って聞いてくれ。これは、みんなが本人かを確認するために必要なことだったんだ」

 

「……どういうこと?」

 

「みんな、フロートって名前に聞き覚えはあるか?」

 

「フロート...なんか聞いたことあるような気がする」

 

「ギルドの報告書を読んだことあるわ」

 

「ルードに化けてた魔族の名前がそんなだったような...」

 

「そう、フロートは人間の姿をコピーできる固有能力を持った魔族だ。そして、コピーできるのは姿形だけでなく、記憶や魔法適性、スキル、魔力もだ。ほぼ完璧に真似できるから、本人がボロを出したり自分から正体を表すまでは、普通なら判別することはできない」

 

「普通なら...ということは、あんたならフロートかどうか見分けられるわけ?」

 

「ああ。いくらフロートでも、唯一真似できないものがある。それは、魔力回復。魔族であるフロートは、聖域の中では人間のように魔力を回復させることができない。魔力を複製することで回復自体はできるんだが、普通の回復とは違うから速度操作で魔力回復の速度を見れば見分けがつく」

 

「なるほど...つまり、私たちは疑われたわけね」

 

「まぁそう言われるのは分かり切っていた。色々言いたいことはあると思うが、これは信頼するためのものだ。この中にフロートが混ざっていて、裏切りの機会を虎視眈々と狙っているってのが一番まずい。その可能性を排除して、安心できるようにするのが最初にすべきことだろう?」

 

これから各々の情報を話すわけだからなおさらやるべきだったろう?と付け足して言っておく。

 

「それは...そうね。でも、あなたがフロートだという可能性は否めないのでは?」

 

「それはそう。そこは普通に信じてもらうしかないかな」

 

「抜け穴多すぎない...?」

 

「仕方ないよ。あいつが存在してるだけで疑心暗鬼にならざるを得ないし。まぁとりあえずこの場にはフロートはいないということで、話を進めていきましょうや」

 

「……そうね。話を始めましょうか」

 

ニアがそう言った瞬間、周囲に結界のようなものが貼られたのを速度探知で感じ取った。

 

「なんの結界だ?」

 

「よく気づいたわね。こっそり使ったのに...念の為の保険よ。魔族が人間に化けてそこら辺を彷徨いている可能性は普通にあるから、盗み聞き防止」

 

「あっ、そういうことね...よし、まず誰から話そうか。最初行きたい人いる?」

 

「とりあえず、カリヤは最後ね」

 

「えっ、なんで?」

 

「一番複雑だから、最後にしないとみんな混乱して後の人の話入ってこなくなる」

 

「それもそう...なのか?まぁレストが言うならそうなんだろう。誰から行く?」

 

「じゃあ私からー!」

 

「はいステラ。どうぞ」

 

ステラが話し始める。

 

「私が使うのはこの弓矢。英雄用の弓になって、今まで使ってた弓よりもちょっとデカくなっちゃったけど魔道具になってるらしくて、私の力でも簡単に引き絞れるようになってるよ。速射もできるから、遠くにいる魔物とか、飛んでる魔物への牽制は任せてね」

 

弓を出して指差しながら説明していく。

 

「属性の矢は、火装と氷装、あと雷装が使えるよ。魔法は使えないから、魔力はこれと後で説明する魔道具に使うことになるかな」

 

「魔法が使えないって?」

 

「私、魔法の適性がほぼゼロなんだって。弓矢に関することなら多少は使えるけど、それ以外は発動しようとしたらそれだけで魔力切れを起こしちゃうの」

 

そうだったのか...知らなかったぞ。

 

「魔道具とかは普通に使えるから、自分で詠唱したり魔法陣を描いたりってのが身体に合わないみたい」

 

「珍しい体質ね。たまにそういう体質の子が生まれることがあるという研究データを前に読んだことがあるわ」

 

「だけど魔法が使いたい気持ちもあって...ニアさん、時間がある時に少し魔法を教えてくれない?」

 

「いいわよ。でも、あまり期待はしないようにね」

 

「はい!それで、さっき言った魔道具なんですけど...この背中に背負うカバンです」

 

机の上にカバンを乗っける。

 

「これをつけて魔力を流すと、空を飛べるようになるの。だから、射線がどうとかはあまり気にしなくていいのです!」

 

「そりゃいいな。それに跳弾鏡射を合わせれば...」

 

「なに?それ」

 

「俺の番に話すから、ステラはプレゼンに集中してくれ」

 

「と言われても、もう大体言っちゃったからな〜もう言うことないよ?」

 

「そう、なら次の人に行きましょうか。ステラちゃん、空からの援護射撃、期待してるわよ」

 

「うん、任せて♪」

 

「それじゃあ次はクミさんが行こうかな。何か特別な力があるとかじゃないしね」

 

「十二分に凄いんだけどな。町一番なわけだし」

 

でも確かに、レストは盾を継承してるし、ステラは弓と空を飛べる魔道具を継承した。ニアは...何か貰ったんだろうか。よく知らないからわからん。まぁそんなわけで、クミリアに特別な力がないと言えばそうなんだが...

 

というか、ガネルの英雄の役割ってなんなんだろう。カリスは弓、カイスは魔法、ガルムは盾と、どの町もそれぞれ専門職が選ばれており、役割がおおよそ決まっている。

 

けれど、ガネルは違う。物理職魔法職を問わず、冒険者同士が戦いあって最強を決め、英雄とする。どんな人が選ばれたとしても、他の町の英雄ないし勇者と役割がかぶることになる。ワンナのような特殊な魔法が使えるなら話は別だが、そんな人が現れてかつ英雄に選ばれることは滅多にないだろう。

 

そう考えると、ガネルの英雄って一番不憫なのでは...?もっとも、どんな人が相手でも勝つことができる人が選ばれるわけだから、戦力としては申し分ないんだけどな...もしかして、対魔族用だったり?あいつらも人型だし、そういうことなのかもしれない。

 

「だけど特別な力がないのは本当さ。雷装も使えないしね」

 

あっ、もしかしてあれか?ステラが矢の雷装を使えるって言ったから気にしてる感じだろこれ。体に流す雷装は受け渡しができないからな...

 

「まぁそんなわけで、説明始めるよ。クミさんは見ての通りの武道家。いろんな魔法でバフをかけて殴る、以上!」

 

「いや雑だな。もうちょいなんかあるだろ。ほら、空気の腕とかそういうの」

 

「確かに色々あるけど、言葉では説明しづらいからさ」

 

「まぁそうだけど。ってか、こうやって口で説明するよりも、町の外で実演した方が早くね?」

 

「実演は後でやるわ。これは、自分の長所や短所を自分で理解しているかの確認でもあるから」

 

「なるほどそういうこと...」

 

「それならもう少し話さないとだね。えーっと...そうだ。回復魔法はあんまりかけなくていいからね。リジェネの魔法を刻んであるから、自動的に治る。他の人に優先的にかけてあげてね」

 

「わかったわ」

 

「あとは...あっ、カリヤほどじゃないけど、相当な速さで走って戦えるよ。と言っても、カリヤにもらった魔法のおかげだけどね」

 

「魔法...どんな魔法?」

 

「色々ごちゃ混ぜにした複合魔法だ。俺の番で話すからステイだニア」

 

「……わかったわ」

 

魔法ってワードが出るとすぐに飛びついてくるなニア。そんなに魔法好きなのかな?まぁ好きじゃないと英雄になれるほど極めはしないだろうけど。

 

「こんな...ところかな。やっぱりクミさん言葉にするの難しいわ。実演の時に色々見せるね。はい次誰かどーぞ」

 

「それじゃあ僕が行こうかな」

 

次に名乗り出たのはレストだった。

 

「僕はこの盾でみんなを守るよ。色々効果があって、左腕の方は受け流し。魔法でも逸らせるんだけど、触れた相手のスタミナを吸収できるからどっちかというと物理寄りかな」

 

「スタミナ吸収...どんな感じ?」

 

「こんな感じ」

 

クミリアがレストに手を差し出した。そこに左腕の盾をコツンと当て、スタミナ吸収効果を発動させる。

 

「おお、結構疲れるね...意外と使えるかも」

 

「それで、右腕の方は魔法を吸収して、魔力結晶として貯蔵できる効果。先に言っておくけど、この魔力結晶は僕にしか使えない」

 

「そう...」

 

あっ、ニアが残念そうにしてる。やっぱ魔法使いは魔力を回復できるかもって思って期待しちゃうよな。わかるぞその気持ち。

 

「あと、この盾は展開してデカくすることもできる。広範囲を守れるよ」

 

「そうなんだ。小さいから本当に守れるのかちょっと不安だったよ」

 

「クミリアは前出るからあんま関係ないでしょうが。あと、もし展開効果がなかったとしてもレストは結構動けるから能動的に守りにいけるぞ。本来なら動かなければ当たらない攻撃に、自分から動いて盾を当てて吸収するとかもできる」

 

「へー、のんびりそうな見た目してるのにねぇ...」

 

「のんびりさんなのは本当さ。はいレスト続きどうぞ」

 

「すごい反論したいけど...まぁいいや。話を戻すけど、僕には切り札がある。両方の盾を合体、展開して巨大な盾を作り、それに当たった攻撃を、その攻撃を放った奴全員に跳ね返すっていう感じの」

 

「……なんかよくわかってなさそうだから補足するけど、物理でも魔法でも、矢とかの遠距離攻撃だったとしても、それを放った奴に対して、どれだけの距離があったとしても一瞬で跳ね返すことができるんだ。攻撃を跳ね返すってよりかは、盾に与えられた威力を相手に流し込むって言った方がいいかな」

 

「うーん...なんとなくはわかったけど、一応後で実演させてもらおうかしら」

 

「うん、わかった。その代わりに魔力ちょうだいね」

 

「……どういうこと?」

 

「切り札には大量の魔力がいるんだ。多分レストの魔力でも発動できるだろうけど、右の盾で魔力を相当量吸収してからじゃないと使えないんだ。俺たちが魔法をぶつけまくれば能動的に使えるようになるから、手札の一つとして覚えておいてくれ」

 

「そういうことね、了解したわ」

 

「盾の説明は終わり。属性盾も色々使えるよ。火に水に氷に土に風に、雷装もできるよ。あと、自分だけだけど回復できるから、僕も回復はあんまりいらないかも...こんな感じかな」

 

「わかったわ。じゃあ、次は私が行きましょうか」

 

と、そうニアが言った瞬間に料理が届いた。

 

「……食べてからにしましょうか」

 

「だな。じゃあ手を合わせて...」

 

「いただきまーす!」




会話がどんどんずれていくこの現象はなんなんだろう。
その場その場で、このキャラならどんなことを言うかなと考えながら書いてるせいだけど、そのせいで何度も話を戻さないといけないのがちょっと面倒。
そして登場から早々ツッコミ担当になってきてるニアさんほんと助かる。
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