前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
久しぶりに戦闘描写が...といっても、今回はそこまでなんですけどね。
「これ、誰が持った方がいいかな」
リヒトから魔力銃(名称は適当に俺がつけた)をもらった次の日、宿にて移動前のちょっとした会議中に、この話題を切り出す。
「正直言って、俺が持っててもあんまり意味がないと思うんだよね」
俺は普通に魔法使えるから、それでやった方がいいし。魔力を撃ち込むのも、自前の技術でできるしな。
「ところでなんだけど、ちょっと聞いてもいい?」
「なんだ?ステラ」
「魔力を撃ち出せるのって、どんな意味があるの?魔法に詳しくないからちょっとよくわからなくて...」
「基本的には、あらかじめ刻んでおいた魔力の通ってない魔法陣に魔力を流すためかしら」
「元から魔力を込めた魔法陣を描くこともできるけど、魔力探知とかで察知されやすい。そのリスクを、魔法陣に後から魔力を撃ち込むことで回避できるんだ。まぁ簡単に言えば、奇襲性が高くなったり、罠として使いやすくなるって感じだ」
「あとは、相手の魔法に割り込みをかけたりできるわね。完全に消滅させることはできないけれど、よくいけば周囲に暴発、悪くても軌道をずらせて妨害できるわ」
一応そういった使い方をできなくもない。まぁ、今まで一回もやったことはないが。というのも、それをやるためには魔力を相手の魔法に直接流し込めるくらいの距離にまで近づく必要があるわけで、そんな距離でジャミングなんかしても普通に巻き込まれるし、直接殴った方が早い。
そんなわけで一回もやろうとしたことはないが、この魔力銃があれば実用性のあるテクニックへと様変わりするわけだ。
「……最後に、ほとんど意味ないけれど、一時的に相手の魔力回復を阻害できるわ」
「えっ、なにそれ知らない」
さっきまでニアが出した例は俺も知ってたけど、これは知らん。
「魔力を直接相手に撃ち込むのよ。意図的に相手の魔力を回復させて、ポーションを飲んだ時のような状態にさせるわけ」
「そんなことできたんだ...でも、意味ないってのはどういう意味だ?」
「相手が魔法を使って撃ち込んだ魔力を消費されれば、すぐに無意味になるからよ」
なるほど、相手にイヴ○ース送りつけたけど、リンク召喚に使われてすぐ自由に特殊召喚できるようにされた、みたいな感じか。確かに、あまり意味はないかも。だからリヒトは俺に教えなかったんだな。
「とまぁ、説明はこんなところね。今のを聞いて、これを使いたいと思った人はいるかしら」
ニアがそう聞いてみるも、手を挙げるものはいない。
「あんたは誰がいいと思うのよ」
「うーん...最初はステラかなって思ったんだよ。既にある魔法陣を起動する感じだから、ステラにも使えると思ったからな」
「ってことは違うの?」
「うん。弓矢使いが片手塞いじゃうのはなーって思い直してな。だからこれは...」
魔力銃を差し出しながら言う。
「レストに持ってもらいたい」
「僕...?」
「なんでなんで?」
「レストの盾は、腕につけるタイプだ。手で持つこともあるけれど、それでも片手は必ず空いている。その空いた手にこれを持つことができる。まぁ言ってしまえば、手が空いてるのがレストだけで消去法なんだよな」
ステラは前述した理由で無理。クミリアは物理職だからそもそもいらない。近接用なら持ってもいいかもしれないが、そうじゃないし蹴る殴るには邪魔だろう。俺はダガー持ってるし、ライトは聖剣を持つ。ニアは...普通に魔法撃った方がいいしな。といった感じの消去法だ。
「確かに、そう考えると僕が持つのがいいのかも...?」
「絶対使わないといけないわけじゃないから、普通に盾に専念してもらっても問題ない。手札の一つとして持っておいてくれ。練習するなら俺が付き合ってやる」
「わかった。じゃあ僕が持つよ」
「よし、じゃあホルスターとマガジン入れも渡しておくぞ」
「……こんなの貰ってたっけ?」
「昨日の夜に皮で作った。ずっと手に持つわけにもいかないしな」
「カリヤって変なところで技術持ってるよね...」
多趣味だったし...って、説明になってないかな?
「さて、ほかに何か話すことがある人はいないわね?」
「ないよー」
「クミさんもなし」
「ないならいちいち言わなくてもいいのよ...それならそろそろ移動しましょうか」
「ついに、シレンの穴へと移動か...走ってくか?」
昨日のうちに、今日シレンの穴へと向かうことは既に決めていたのだ。
「いえ、あらかじめゲートをシレンの穴の近くに設置しているわ。転移で行くわよ」
「オーケー俺の出番はなしだな」
ちゃんと後々のことを考えてゲートを設置してあるのすごいな...転移が便利すぎて俺の加速移動の出番がなさすぎる。
「それじゃあカイスを出ましょうか。忘れ物はないわね?」
「……なさそうだな。よし行こう」
ニアの転移魔法を使うため、俺たちはまずカイスの門へと向かった。
「とうちゃーく!」
シレンの穴の入り口前に到着する。
「やっぱ早いな...」
俺が全員加速させて走るよりも断然早い。めっっちゃこの魔法使ってみたいけど、ニアは全然教えてくれない。まだまだ親密度が足りませんねこれは...
「みんな、流れはわかってるわね?」
「ああ。第一階層から順番に攻略していく、だろ?」
「一つ攻略したら必ず休憩を入れる!」
「無理はしない」
「撤退する選択肢を常に頭に入れる」
「ゆ、勇者の記憶を頼りに進む...」
「よし、じゃあ入るわよ」
ニアの先導で、続々と穴へと足を踏み入れる...あれ、おかしいな。いつのまにか完全にニアがリーダー枠になってる。まぁ別にいいんだけど、自信ないって言ってたのはなんだったんだ?結局、俺が最後尾になって穴に入ることになる。
ちなみに、さっきサラッとライトが言っていた勇者の記憶というのは、聖剣に刻まれている歴代勇者の記憶のことである。全て閲覧できるわけではなく、断片的な記憶を読み取れる程度ではあるが、だいぶ攻略が楽になることだろう。
「……何気に、ちゃんと入場したのってこれが初めてか...?」
「どういう意味?」
「俺、色々な理由があって不正入場しまくってたんだよ。本来は、こうやって飛び降りて下に降りようとすると...」
実演のために、下へと飛び降りる。
「こんな感じに、減速して行って止まった瞬間に元の位置まで戻されちゃうんだ。それを速度操作で無理矢理降りて着地してた」
「何してんのよあんた...」
「魔族を罠にかけたり、奪われたレストの盾を回収したりとか、しょうがない理由があってだな...大体は大量の魔物に襲われて酷い目にあってるけど」
と、そんなことを話している間に、第一階層の横穴の前へと到達する。
「よし、攻略開始だな」
横穴へと入る。もちろん、俺が先頭でだ。速度探知の索敵が便利だからな。移動としては使えなくても、索敵としては十分なほどに有効だ。
「まぁまぁ薄暗いな...ってか光源どこ?」
壁でも光ってんのかな...
「明かりを出すこともできるけど、何が起こるかわからないしやめておくわね」
「それがいい」
見えないほどじゃないしな。索敵できてるし、明かりはいらないだろう。
「そういや、この階層についての勇者の記憶はないのか?」
「ない...かな。どの代の記憶もないから、多分特別なことは何もないところなんだと思う」
「チュートリアルってことかな...っと、敵だ。曲がり角を曲がったすぐ先にいる」
報告をしながら立ち止まる。
「どんな魔物?」
「土...っぽいな。人っぽい形してる」
「ならゴーレムね。サイズは?」
「一メートルちょい」
「なら大したことないわ。さっさと倒して先に進みましょう」
「それならクミさんが行こうかな。サポートお願いねカリヤ」
「おう」
多分欲しがってるので、ポケットから小石を取り出してクミリアに渡す。
「ありがと...それっ」
角を曲がる前に、クミリアは小石を投げる。小石は角を曲がった先の土の壁に命中し、壁を一部崩す...破壊力どうなってんだただの小石だったはずなんだが。
「行くよ!」
「おけ!」
壁の破壊によって、ゴーレムが余所見をしたのを探知で確認してすぐ角を出る。
「加速パーンチ!」
クミリアを加速させてやると、バフ山積みのクミリアの拳がゴーレムを一撃で打ち砕いた。
「ナーイス!」
「いぇーい!」
軽くハイタッチを...うわっ、手に土ついた。
「あんた、いつも石持ち歩いているわけ?」
ニアたちが角から出てくる。
「二、三個だけどな。今みたいな陽動だったり、攻撃に使ったりする」
石投げるとか原始人かよって思われるかもだけど、持っておくだけ損はないんだよな。加速させて投げればまぁまぁな威力出せるし。アンデッド屋敷ではトラップを魔力弾で見分けてたけど、これなら消費なしでできるから罠回避にも使える。
「ところでちょっと気づいたんだが、こいつら俺らの声には反応しなかったくせに壁が壊れた音には反応したんだよな。なんかギミックある?」
「土に反応したのよ。壁には触れない方がいいわね」
なるほど、新約の禁○目録に出てきた即身仏の魔神みたいなことね。土に触れると感知されると...
「あれ?でも俺ら土踏んでるよな?」
「確かに」
「直接触れてなければ、人がいると気づかれることはないわ。靴は探知されるけど、おそらくそれだけで襲ってくることはないはずよ」
「なるほどね。まぁまぁザルなわけか...一応、少し注意しながら進むとしよう」
「だね」
よし、進もう...ん?
「ちょい待て、こいつ今動いたような...」
なんか微妙にだけど、地面に散らばっているゴーレムの残骸が少し動いたような気がする。ってか動いただろ。
「……自己修復できるみたいね。解除しておくわ」
ニアがそう言うと、パキンッ!とガラスが砕けたような音が響く。
「回復するって今気づけてよかったな。そのまま進んでたら挟み撃ちされてたぜ」
「僕が守るから問題ないけどね」
「私も、一応後ろへ探知魔法を使っているわ。壁から突然ゴーレムが出てくることもあるだろうから、みんな気をつけて」
「了解」
よし、ひとまず危機は去ったので、先に進む。
この道の横幅は四メートルほど。道の中央を歩いていれば、壁の中二メートルまでも探知できる。奇襲されても十分対応できるだろうが、できるだけ互いに近づいてすぐに反撃できるようにしておく。
「確かどの階層にも、ボス部屋があるんだよな」
「そうね。おそらくゴーレムでしょうけど」
「ゴーレムの弱点ってなんなんだ?さっきのが初邂逅だったからよく知らないんだよね」
「ゴーレムは基本的に材質と同じ性質を持つわ。今回は土だから、乾燥させればボロボロになるし、濡らせば泥になって機動力が落ちる。ゴーレムの中でも最弱ね」
「なるほど。ってことは雷は効かないって思った方が良さそうだな。普通の物理は有効、斬撃とか弓矢は微妙ってところか」
「じゃあ私の出番はないかぁ」
「しゃーない。次の階層は出番ある」
「そうとは限らないでしょ。もしかしたら土以外のゴーレムも出るかもしれないし。カリヤは酷いこと言わないの」
「あ゛た゛っ、サラッとバフ込めて叩いてないですかクミリアさん...?」
「弓矢が役立つゴーレムとなると...そういえばステラちゃんは火装も氷装も使えるのよね?それなら土相手でも戦えるんじゃないかしら」
「そうなの?」
「弓矢が微妙って言ったのは、矢そのものの火力は望めないよなって意味で、氷装とか使えば大抵の奴とは戦えると思うぞ。まぁ矢が刺さらない相手とは流石に無理だろうけど」
「そうね。金属製のゴーレムとは相性が悪いんじゃないかしら」
「金属...そういや、この土の床の下って金属っぽいんだよな」
「……今、なんて言った?」
「この土の下、金属っぽいんだよね。金属の床に、土が覆いかぶさってる感じ。だから、もしかしたらさっき言った金属製のゴーレムが出てくるかもしれない」
「それは...あり得るわね。そして、結構まずいわよそれ」
「どういう意味?」
「金属製のゴーレムは、金属に触れてるものを認識するわ。そして、認識する金属はどんなものでもいい」
「えーっと、つまり?」
「私たちが持ってる金属を使ってこっちを探知される。ある程度の距離まで近づいたら、その瞬間に走って迫ってくるでしょうね」
なるほど。ということは少なくとも、金属製の弓を持ってるステラ、盾を腕につけてるレスト、あと懐中時計のチェーンのせいで俺も探知されるわけだ。どうやら直接皮膚に触れてないと探知されないっぽいから、クミリアとニアとライトは今のところ大丈夫かな。ライトは聖剣を握れば探知されるようになるだろう。
「きちーなそれ。俺は懐中時計を外せばいいけど、ステラとレストは逃れられないよな。探知されてる奴が優先的に狙われるんだっけ?」
「そうよ」
「んじゃあレストはきっちりステラを守ってやれ。攻撃はこっちがやる」
「わかった」
「……っと、そんなこと言ってたらほんとに来たみたいだ」
何かが走ってくる音が聞こえてきた。もう少しすれば、見える位置まで来るだろう。
「みんな、準備」
「足音的に二、三体はいるな。前衛三人で倒すぞ」
「オッケーまたクミさんの出番だ!」
「僕も...!」
俺、クミリア、ライトで横一列に並び、それぞれの武器を構える。
「……あれ?金属...じゃなくね」
「土ね。でも、誰も壁には触れてないはず...」
道の中央付近に俺たちはいるから、壁には触れていない。靴は探知されても、それだけでは追ってこないはず。誰が探知されてる...?
「……あっ」
武器を持つ、俺の手を見る。
「あん時ついた土...!こいつに引き寄せられてんのか!」
ゴーレムを倒したクミリアとハイタッチした時についた土。これが原因か...!
今からはたき落としたとしても、全てを落とすことはできない。土を落とすのは早々に諦め、こいつらを倒すことを決める。
「クミリア、こいつら俺らの手についてる土に反応してる。とっとと倒して洗い流そうぜ」
「なるほどこれかぁ。そういうこと...ね!」
クミリアの高速蹴りがゴーレム一体を粉々に打ち砕く。
「っ...!」
ライトの鞘に収まったままの聖剣が、ゴーレムを真っ二つに切り裂く。断面は一切の凹凸がなく、文字通り一瞬で切られたことがわかる。
「つえーな鞘外れるとどうなんだよそれ」
『氷装・剣』
聖剣の威力に驚きながらも、自らの手は止めない。一つ目の刃でゴーレムを凍らせ、二つ目の刃で中心を突き刺し、再生の魔法陣がある箇所を破損させる。
「っと、こんな感じかな。あっそうだ魔法陣確認しないと...よし、両方とも砕けてるな」
二人が倒したゴーレムを確認し、復活しないことを確かめる。
「よーしクミリア手ぇ出して。水で土を洗い流すぞー」
「ありがとー」
適当な水の魔法を発動させて、土を洗い流そう。そうしようとしたその時だった。
ドンっ、ぱららら...
なんか、少し先に金属製のゴーレムがいた。地面に倒れ込んでいるけど、さっきの音的に、走ってたらここまで来ようとしてたら、曲がりきれずに壁に激突したんだろう。そして、そのせいで天井の土がパラパラと粉状になって落ちてきて、俺らの頭や服に...
「……うん、もうどうしようもねーや。めんどくせぇからゴリ押ししようぜもう」
「そうね、とっとと奥まで行きましょ。まったく、何がチュートリアルよ」
そう言いながらニアは、俺やクミリアに当たらないような感じで直角に曲がる光線のような物を放ち、金属製のゴーレムを貫き消滅させる。バ○パーかな?
「ニアさんもお怒りのようなんで、さっさと行きましょか」
その後、土も金属も走って襲いかかってくるが、それらを一人ずつ瞬殺していきながら、第一階層の奥地へと向かうのであった...
「やっと終点だ...ボス部屋の雰囲気しかねー」
ここまでの、洞窟っぽい感じから打って変わって金属でできた部屋に、扉が一つある。この先がボス部屋なんだろうな...
「……いるわ、うん。ゴーレムが待ち構えてますわ」
扉をほんの少しだけ開けて、ボス部屋の様子を確認する。
「さて、入る前にどうやって倒すか決めますか」
「とりあえず、魔力は回復させないとね。ライト、頼むわよ」
「うん、わかった...じゃあいくよ」
ライトが、聖剣を地面に突き立てる。
「『魔素反転』...『聖域展開』!」
そう詠唱すると、鞘から白いような黄色いような、そんな色をした光が溢れ出し、地面へと流れ込んでいく。そして、その光は半径五メートルほどの円形に広がり、周囲を光で包む。
「おおぉ...これが聖剣の力か...」
周囲の魔素が全て反転し、聖素となる。この半径五メートル以内が、一時的な聖域と化す。
「魔力スタミナ回復速度最大だ。十分間に合うだろ」
簡易聖域の範囲と速度操作の範囲はほぼ同じ。この中にいる者全ての魔力とスタミナの回復を加速させる。
「十五秒だけつっても、この程度の消耗ならすぐ回復できるな」
「元気いっぱい回復ー!」
「魔力満タン、いつでもいけるわ」
「よし、それじゃ作戦会議を始めようか」
そう俺が言ったその瞬間に、簡易聖域が消え去る。反転していた聖素が全て戻り、元の魔素だけの空間に戻る。第一階層なのにもう魔素だけなんだよな。ライトの聖域がなければ、魔力を回復させることはできない。魔王城想定なのかな...もうちょい後半の方からやれよそれは。そういうのは七十階層くらいからじゃないのかな流石に早すぎんだろ。
「まず、相手は金属製のゴーレムだ。早速雷が役立ちそうな感じだな」
「金属探知の性質上、おそらく私とクミリアはゴーレムに気づかれずに攻撃できるわ。主力として使えるはずよ」
「いや、それはどうだろう。ニアはともかく、クミリアはきついかもな」
「どういう意味?」
「奴らには多分雷が効く。勇者の雷の力を早速試してみてねっていうこのシレンの穴の製作者の意図が透けて見えてるからな。そして、金属に電流を流すと、おそらくしばらく帯電するだろう。それに雷装なしで触れれば、感電して危険だ」
「直接触ったらダメってことか...空気の腕なら大丈夫?」
「それなら問題ない。流れ弾に注意しながら、臨機応変に動いて攻撃を叩き込んでくれ」
「わかった」
「雷が効くなら、私の雷装も使えるよね?」
「だな。矢が刺さるかはわからないが、どうせ関節部分は他の部位よりも柔らかかったり、隙間みたいな場所があったりで狙い目だろう。空を飛んで、うまく狙って射ってくれ」
「オッケー」
「僕はニアを守るってことでいいのかな?」
「そうだな。ステラは飛ぶから、ニアについてもらおう。一応ステラの位置も確認して、適宜盾を展開するとかして防御してくれ」
「了解」
「ニアはまぁ...こっちが指示するよりも自分で考えて動いてもらった方がいいよな。自由にやってくれ」
「わかってるじゃない。それで、あんたはどうするわけ」
「多分俺もニアと似た感じ。普段の戦闘スタイルが、戦いながら相手の情報を集めて、弱点見つけてそこを叩くか物量でゴリ押しするかの二択だから、事前に作戦決めるってのが合わないんだよね」
「じゃあなんで真っ先に作戦会議しようとか言い出したのよ」
「互いにどんな動きをするかくらいは決めておかないとダメだしな。それに、正直言って、俺って速いやん?何が起こったとしても、カバーしたり追撃したりをすぐにできちゃうわけだ。みんなの動き方をあらかじめ聞いておけば、前もって準備ができるからもっとカバーしやすくなるわけで」
「まぁ、そうね」
「あの...僕はどうすれば?」
「ライトは初手で雷をぶち当ててもらいたいかな。どれくらい効くかどうかを試したい。あっ、上から落とす奴で頼む」
「わ、わかった」
「もしあまり効果がなかったらどうする?」
「雷はやめて関節狙いに変えるかな。あっ、金属製なら磁力とかも使えるだろうし、そういうので拘束してから袋叩きってのもありだな。他に何か案ある?」
「僕のカウンターで倒す」
「それもありだけど、下準備がなぁ...そういや、ゴーレムって魔法使ったりするのか?物理だけ?」
「基本的には殴る蹴るしかしてこないわ。例外はあり得るけれど...勇者の記憶に何もない以上、他のゴーレムと変わらないと見ていいでしょうね」
「確かにそうだな。ってか、記憶が特にないってことはそんなに強くないんじゃね?」
「油断は禁物よ。もう少し詰めてからいきましょ」
「まぁそりゃそうだよな...はい、他に案ある人ー」
第一階層からミスるわけにはいかない。俺たちは万全の準備をするために、作戦会議を続けた。
流石に百階層全て描写するなんてことはしません。
ネタ不足なるし、だれてくるだろうし。
というわけで第一階層が終わったら、歴代勇者の記憶が色濃く残っている(という設定にした)階層だけを描写していくことにします。
どれだけこのシレンの穴編が続くのかは...わからん!
ガネル編よりも長くなるかは、どれだけネタが出るかにかかってるんですよね...