前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
第一、七階層の攻略です。
「よし突入だ。ライト頼むぜ?」
作戦会議が終わり、ついにボス部屋突入の時が来た。作戦といっても、いくつかのシナリオがあって、そのどれかに近い動きになるように各々考えて動く、とかいうお粗末なものなんだがな。まぁ初連携だし、しゃーない。
「わかってるよ...緊張してきた」
「あの図体なら確実に当たるだろうさ。気にせず火力出してけ」
「うん...じゃあ、いくよ」
俺が扉をバンッと開けると、ライトがボス部屋内へ手を上に上げながら突っ走る。
ズバァンッ!!
雷がゴーレムに降り注ぎ、轟音が響く。
『雷装』
7801ページ 黒 青 未来跳躍
雷が落ちたのを確認してから、0.5秒の未来跳躍を発動させる。約三十メートルの跳躍。ゴーレムの真上へと移動する。
「……効いてる!やっぱこいつ雷が弱点だこのままやれ!」
ライトの雷を受けたゴーレムは、震えるだけで一切まともな身動きをできていなかった。俺の流す雷装ですら、結構なダメージになっているっぽい。
「おっけーいくよ!」
「サポートいくわ!」
背中の魔道具から翼を生やし、空を飛ぶステラの雷装の矢がゴーレムの関節部分に突き刺さる。しかも、ニアの魔法で一本が十数本に分裂しているため、火力が増していた。
「脚を払うからみんなは上狙って上!」
クミリアが腕をピンと伸ばしたまま横に振る。すると見えない空気の腕が動けないゴーレムの脚を払い、転ばせる。
と、ここでライトの雷二射目がゴーレムに突き刺さる。身体が跳ね上がり、ピクピクと振るわせる。
4571ページ 黒のみ 触手・水
久しぶりにやる、雷装と水の触手のコンボを使う。金属のゴーレムという性質上、どれくらい消耗させれているのかがわからないため、ひたすらに電流を流し込むことだけを考えて攻撃方を選んでいく。
「火だけは使うなよ!やるなら最後にライトの起爆魔法でドカンだ!」
「言われなくてもわかってるわよ!というかこれ私いる⁉︎」
「拘束でもしとけ!あとレストに謝っとけ!」
ほら見ろ。レストやることなくてとりあえずニアの近くにいるだけだぞ。ゴーレムが雷で完封されてるから反撃飛んでこなくて暇になってんだ。まだやることある分マシだろニアよ。
「というか...この!地味に耐久力あんのやめろ!」
もしや、雷って動きを封じれてるだけでダメージになってない?ほんと、見た目じゃ弱ってんのかわからんから情報を集めようがない。一点集中できる火力を持つクミリアがあまり攻撃に参加できないのも辛い。
「……これ再生魔法陣のせいか!ニア!仕事だ中の魔法陣を無効化しろ!」
「ある程度まで近づかないと...今からそっち行くわ!」
「よしライト雷やめ!ステラも雷装解除だ!」
2007ページ下 黒 赤 拘束
5000ページ 黒のみ 魔法復唱
ニアがさっきやった拘束の上から更に拘束魔法をかけて、その代わりに雷装を解除しておく。ニアに近づいてもらって、再生の魔法陣を破壊してもらわないといけないためだが、動かないでくれよ...?
「急ぐぞニア。どこまで近づけばできる?」
ニアのもとまで近づく。
「魔法陣から二、三メートルの距離まで行けば」
「なら乗っかる必要あるがギリいける。動き出す前にさっさと行くぞ!」
ニアと共に加速ダッシュ...
「っと危ねぇ!お前運動できんじゃなかったのか?」
見事に転びかけていたので、さっとキャッチしてそのまま抱き抱えたまま移動する。
「いきなりはそりゃ転ぶわよ!」
「そりゃそうだな。魔法陣はこの真下だ。解除は...できたみたいだな」
速度探知で魔法陣が壊れたのを確認する。
「よし!雷攻撃再開!」
すぐさま離脱する。俺たちが離れたその瞬間にまた雷が落ち、地味に動き出そうとしていたゴーレムの動きをまたしても止める。
「再生は止めた...けど、もうめんどいからさっさと一刀両断しようぜ」
ニアをレストの近くで解放し、移動して雷を落とし続けているライトに話しかける。
「そう...だね」
「金属なら防御無視だ。俺は赤とライトは黄で行くぞ」
「わかった。タイミング合わせてね」
「わかってるよ。行くぞ!」
俺は刀に、ライトは聖剣に手を伸ばしながらゴーレムめがけて走り出す。そして拘束魔法の鎖を駆け登り、そのままジャンプする。
「『色彩剣装 原色・赤』!」
俺はスキル名を叫びながら発動、鞘の抜刀速度加速と刀の魔力を流すと伸びる性質を利用してゴーレムを斬りつける。
ライトは無言で魔法として発動し、射程も伸びる黄を使って空間ごと切り裂く。
二種類の威力特化の斬撃がゴーレムをぶった斬る。そしてそのままズザーっと着地。それぞれ武器をしまった瞬間に、ゴーレムが消滅する。
「討伐完了...ウェーイ!」
「う、うぇーい...?」
ライトとハイタッチする。
「正直言って、最初からそれでよかったんじゃないかしら」
確かにそうだよな。色彩剣装が普通に強すぎる。というか、ライトってサラッと色彩剣装持ってるんだよな。なんか、俺よりも先に、魔法としての色彩剣装をカノウから教えてもらってたっぽいんだよな。ずるい。俺もスキルじゃなくて魔法として使ってみたい。
「まぁそうかもしんないけど、雷を試せたんだからいいじゃん?結構作ってたシナリオからは外れまくったけど、各々やることやったし...ああもうレストは落ち込むな。次は出番あるからきっと」
「……次は僕のカウンターでトドメ刺す」
「えらく攻撃的な盾役だなおい。でも、その意義や良し。そうだな、次の階層はレスト主体で動いてみるか」
「盾主体の攻撃って違和感しかないわね...でも、一回余裕がある時に試しておかないと、実際に必要な時に困るわね。やりましょう」
「クミさんも出番そこまでだったんだけどな...」
「私もあんまりー」
「ステラちゃんは雷装があったでしょー?いいなークミさんも雷装使いたいなー」
「おう、死にたいみたいだな」
「うん、死ぬよあれ」
「すごい脅される...」
雷装所持者は絶対同じこと言うと思う。アクセルですら、仲間の魔族に回復されてなきゃそのまま死んでたレベルだろうし、同じこと言いそうだ。
武器の方はまだしも、身体に流す方は欲しいとか言っちゃダメだと、個人的に思う。死にに行くと言ってるようなものだしな。雷装を手に入れるには命の危険が伴う。安易に言って欲しくない。
「今から、雷装欲しいっていうの禁止な。言ったら死なない程度に電流流すんで、以後よろしく」
「怖ぁ...わかったよ言わないでおく」
「そんな言い合いしてないで休憩しなさいあんたたち。スタミナ戻ったら第二階層行くわよ」
「へいへい...あの扉の先が出口だっけか?」
「そのはずよ」
ゴーレムが消滅した瞬間に、入ってきた扉とは真反対の位置に現れた扉。その先に進むと、この階層に入る時に通った横穴のところに出るらしい。転移魔法陣的なもので帰還するのではなく、入り口付近までの一方通行のショートカットが開通されて、そこを通って帰還する感じなんだろう。
「んじゃ、一応魔力も回復させようか。ライト頼む」
「ん、わかった」
次の階層に挑む前に必ずやると決めている、聖域展開しての休憩をする。
さて、次の階層はどんな魔物が出てくるのやら...
第七階層
「なんだこれ。初っ端ボス部屋?」
横穴に入ると、早速ボス部屋らしき扉があった。
「勇者の記憶によると、中に入ると大量の魔物が出て五分耐えないといけないんだって」
「なるほど、耐久タイプなのか...一方向からくる感じ?それとも四方八方からくる感じ?」
「奥の方から続々と来るんだって。四方八方からくるのはもっと先の階層にあるらしい」
「なるほどゆ○ゆい式か...これはもうレストの出番みたいなものだな。というか、全員活躍の機会ありそうだ」
俺とライトとクミリアが前衛、後ろからニアが、上からステラが援護する。そして、レストが後衛の防御兼カウンター担当、暇があれば魔力銃で攻撃を...ん?第一階層の時も魔力銃使って貰えば、仕事あったのでは...?
「なぁレスト。魔力銃忘れてね?」
「……あっ」
「うん、まぁ慣れてないだろうからしゃあないな。使う暇があったら使ってやれ」
「うん、頑張ってみる」
「よし、それじゃあ入る前に作戦会議を...って、別にいらないか?」
「大体作戦すぐ意味なくなるもんねー」
「そもそも、このパーティーのでき方的に各々考えて動くのが一番合ってそうなんだよね」
俺が英雄たちにあらかじめ出会っておこうと考えて、それを実行してなかったら、誰一人として互いのことを知らないパーティーが出来上がってたんだよな。それぞれが各分野で最強なわけで、周りの状況を見て自分で考えて動くのが一番なのかもしれん。無理に連携取ろうとして、結果的に邪魔しあうみたいなのじゃダメだろうし。
「ちゃんとした連携は、もっと戦闘経験積んで、自然とできるようになってから考えるべきかな...みんなもそれでいい?」
「異論ないわ」
「「問題なーし!」」
「なんでもいいよ」
「僕はみんなに合わせるだけだから、自由にやってくれていいよ」
「勇者がみんなに合わせるって、それ普通逆じゃね...?まぁいいや。開けるぞ」
扉を開け、みんなで入る。
「さて、どんな魔物が...虫っすか。みんな虫って大丈夫?」
「気持ち悪いからさっさと殺すわ」
「おおぅ物騒だな...そして、顔を見るにみんな大丈夫そうだな。よっしゃかかれー!」
いつもの三人で前に出る。
「俺のサポートは?」
「「いらない!」」
「んじゃ二人とも頑張れ!」
速く動ける俺が、前方を担当する。余裕があれば、サイドの方へと加勢しにいくためだ。そしてライトは右前、クミリアは左前へと向かっていく。
「虫系相手にすんの久しぶりだな...巣穴以来か?」
あの時とは違い、サイズは小さい。その代わりに数がめっちゃ多くなっている。多少撃ち漏らしても後ろのみんなが仕留めてくれるだろうが、出来るだけ一匹も逃さないようにして頑張っていこう。
「ほいほいっと...あっ、消えるのね」
流石にこういった耐久タイプだと死体だらけになっちゃうから消えるんかな。動きやすくて助かる。
「……っ、あらよっと。その調子で俺のことは気にせずにどんどん撃ってくれよなー」
俺が中央を担当したのには、もう一つ理由がある。それは、後ろからのフレンドリーファイアを回避できること。
後ろからはニアの魔法やステラの矢が飛んでくる。二人が誤射することは到底ないだろうが、本来なら当たらないルートでも前衛が意図せず当たりに行ってしまうことはあるだろう。俺は速度探知のおかげで簡単に避けられるから、こういう役回りにはうってつけなんだよな。
「誤射なんかするわけないでしょ!」
「そりゃ信頼してるけど軌道がすっれすれすぎて怖ぇんだわ!」
ステラは万が一にも俺に当たらないよう、少し離れたところに射ってくれてるからいいんだ。ニアは、俺が避けてくれる前提なのか結構ギリギリのところを通して攻撃してるんだよ。というか、なんなら避けなくてもいいくらいなんだよな。未来予知でもしてんのかってレベルだ。ってか絶対してる。
「心配せず戦いなさい!」
「あっカリヤー、前に言ってた魔法やってみてー」
「跳弾鏡射のことか。いいぞ、試してみっか!」
9930ページ 黒のみ 跳弾鏡射
「適当に撃ちゃあ当たる!バンバン撃ちまくれ!」
「うん!」
おそらく速射スキルを使ったのだろう、六本の矢が高速で射出され、空中に浮かぶ鏡に当たり反射、虫に突き刺さる。
「私も借りるわよ!」
ニアの放った光線が反射され、これまた虫に突き刺さる。
「お前はいらんやろがい!...あと、撃つなら事前に言ってくれレスト。反射は逐一調節しないとうまくいかないんだ」
無言で魔力銃をブッパしましたよこのレストさん。俺らが虫どもを抑え込めているから、やることないんだろうな。
「撃つよ」
「事後申告はダメなんよ...っと、こっちはこっちでやらないとな」
足下を通り抜けようとしていた虫をダガーで突き刺す。
「五分ってそれなりに長いんだよな...」
でも、色彩剣装を手に入れるためにカノウと戦ったのと同じ時間なんだよな。あの時よりも単純作業感があるからか、それとも仲間がいて疲労感があまりないからなのか、いつもの五分よりも長く感じる。速度操作による反射神経加速の弊害なのかもしれんが。
「っと、そういや防衛向きの魔法あるじゃんか」
9932ページ 接触厳禁
ミュラーの罠の線を大量に張る。この線は魔力に反応する...そういやみんなの魔力をまだ登録してなかったから全員の魔法なり体なりに反応してしまうのだが、ステラの矢には反応しないし、ニアは線の隙間を縫って攻撃できるだろう。レストの魔法弾は、俺が跳弾鏡射で操作すればいい。よし完璧!
「今のうちにどちらかに加勢を...」
まず、クミリアの方を見る。炎を纏った拳と足で虫を一体一体消しとばしていた。正確無比、確実に虫を殲滅し、後ろに通していない。
次に、ライトの方を見る。虫は小さく、なかなかにすばしっこいため聖剣が当たることは少ないみたいだが、勇者の力は聖剣だけじゃない。スートから受け継いだ魔法を器用に使い、切れなかった虫を貫いていく。それでも処理が追いつかないならば、雷を地面から浴びせることで倒している。
「それなら...こっちだな」
クミリアの方へと向かう。ライトは範囲攻撃できる。クミリアにも魔法があるとはいえ、ほとんどはバフだし、使い勝手のいい範囲攻撃魔法はない。空気の腕は腕を伸ばしきる必要があるため、近く、主に足元は狙いにくいしな。助けに入るならこっちだ。
「よっすサポートすんぜ!」
「ありがとちょっと疲れてきたとこだった」
「ナイスタイミングだったわけかよしバフかけんぜ!」
3780ページ上 黒のみ 筆記
筆記魔法を使い、クミリアの服に大量の魔法陣を刻み込みバフをかけていく。
「よし行ってこい!」
「よっしゃいくぞー!」
バフてんこ盛りのクミリアが虫たちを蹂躙する。こりゃ、俺このままここにいる意味はないな。さっさと中央戻って、攻撃再開するか...
「きゃっ⁉︎」
ステラの小さな悲鳴が聞こえた。
「どうした⁉︎」
急いでステラの方を見ると、空中で少しバランスを崩していたが、ちょうど立て直そうとしていたところだった。
「上から虫が来てる!」
「上...!天井を伝ってきたのか!」
ステラは天井から落ちてきた虫を避けるためにバランスを崩したみたいだ。落ちた虫はすぐにレストが弾き、ニアの魔法が貫いたが、このまま上を取られているのはまずいな。
「ニア!あと何分かわかるか!」
「一分半よ!」
「それじゃあ俺は上を制圧する!正面の火力は任せるぞ!」
「任せなさい露払い!」
「俺のこと露払い言うのやめーや!」
7713ページ 黒のみ 重力操作
重力操作で天井に張り付く。
「よーしテメェら、うちの後衛たちに攻撃はさせねぇぜ」
『色彩剣装 原色・青』
刀を抜き、刀身を青く光らせて追尾する青い光の刃を飛ばす。大量の小さい敵と戦うなら、これが最善なはず...
「逃さねぇぞこら。埋まれ」
光の刃から逃げようとして虫どもが何体か天井から離れようとするが、重力を操って天井に脚を埋め込み、逃がさない。そして刃が切り裂き、消滅させる。
「……あんま埋めるのはよくないか」
そのまま埋まっていればいいのだが、この魔物は死ぬと消えてしまう。結果、天井がヘコみ、脆くなってしまう。このまま埋め続けてしまえば、天井の崩落を誘発しかねない。
「直接切る方がいいな」
青は空色とは違い、刀が空中に固定されることはない。発動中も自由に振ることができるため、魔力を流して刀身を伸ばして虫を斬り飛ばしていく。
「くそ...何秒経ったんだ...?」
加速のせいで何秒だったのかまるでわからん。結構経ったのか?それともそう感じてるだけてま実際には経ってないのか?...ゴーグルにタイマー表示機能でもつけてやろうかな。
「だいぶ減った...けど、今度は中央か」
接触厳禁の罠が全て消費された。虫が中央突破して、雪崩れ込んでくる。
「加勢は...いらないか」
帽子を手で押さえながら、超ごんぶとレーザーを撃ち出すニア。大量の虫をほぼほぼ消し飛ばす。
ほぼ、と言ったのは地を這う虫を殺せていなかったからだ。そして、その虫らは即座に矢で撃ち抜かれる。
「あと十秒!」
もう一分ちょい経ったのかと、ニアの声で気づく。
「全て倒し切って終了よ!最後の抵抗に気をつけて!」
「上完了だ!あとは下だけ...!」
上の虫を殲滅したのち、下の状況を確認する。
「……なんだあの反応」
つけているゴーグルの機能を使い、魔力反応を見る。地中に何かがいる。そして、そいつが今まさに出てこようとしている...!
『雷装』
『色彩剣装 原色・赤』
7713ページ 黒 赤 重力操作
「っ...!!」
地中から少しデカめの虫が飛び出してくる。それと同時に重力を下へと戻して超加速し、赤の最高火力で首を飛ばす。
そして、ワンテンポ遅れる形でニアの光線が虫を貫き、完全に消滅する。
「すぅー...ふぅ...討伐完了...かな」
「残党なし、後続なし、終わりみたいね」
「いやー思ってたよりもきつかったね。クタクタだよー」
「回収しないと...」
「反射があれば使いやすいかも...?」
「ああもう各々感想を言うんじゃない頭こんがらがるわ」
順に整理しよう。まず、ニアの言ったように後続はなし。入ってきた扉が開いているので、終わったと見ていいだろう。
クミリアには同感。色々考えること多くて疲れた。以上。
ステラは矢を回収している。矢は無限にあるわけじゃない。ポンポンと生成できるわけでもないから、戦い終われば回収する必要があるのだ。
レストは...多分、跳弾鏡射があれば魔力銃使いやすいなとか思ってるんだろう。今度教えようかな。
そして、ライトはいつも通り喋らない。何を考えてるのか...も、あんまわからん。色々自由に喋ってるのもあれだが、もうちょい自己表現してくれ。
「というか、よくあいつに気付けたわね。ほぼ瞬殺じゃない」
「偶然偶然、ニアの砲撃エグいなーと思って下見たら、ゴーグルの魔力反応に引っかかっただけ。それにあれくらいの魔物なら、みんな気づけてたら瞬殺できたでしょ?」
「そりゃそうでしょ」
実際、すぐにニアが追撃してたしな。気づいてから撃つまでが早すぎる。
「さて...ステラー、回収終わった?」
「終わったけど、だいぶ壊れちゃったみたい。使えそうなのは十数本くらいだけ」
魔法だったり雷だったりの余波を受けて、相当数の矢が壊れちゃったみたいだ。まぁあれだけ射って、全て回収できるわけないのは当然なのだが、それにしても減りすぎだ。
「私としては、このまま次の階層行くよりも前に、一回町に戻って矢を買っておきたいかなーって」
「だってさ。ちょうどいい機会だし、一旦町に戻ってちゃんとした休憩取らない?」
「そうね。いくらスタミナや魔力をすぐに回復できるといっても、疲労感は残るでしょうし。みんなもそれでいいかしら?」
「お腹減ったし賛成ー」
「今日の攻略はこれで終わりにする感じ?」
「あー...どうする?時間的にはちょうどお昼時だから、ご飯食べてからまた戻ってくるのもありだけど、休憩有りとはいえ日中ずっと潜ってんのはちょっとアレだな...健康に悪そう」
「お昼以降は自由時間にするってのはどう?急いで攻略しないといけないってわけでもないはずだし、各自自分のやりたいことをやるのがいいと思う」
「……そうだな。俺はレストの意見に賛成。やりたいこともあるしな。みんなは?」
「いいんじゃないかしら。魔法の研究もしたかったところだし、夜はちゃんと寝たいし」
「夜ちゃんと寝たいのは同感」
他の人らも頷く。
「んじゃあ、昼ごはん以降は自由時間ってことにしよう。とりま外に出て転移しに行くか」
「簡単に言うんじゃないわよやるのは私なのよ?」
「俺にその魔法を教えてくれれば俺がやるんだが?」
「あんたに教えてやるもんですか」
「なら転移は任せたぞニア」
「なんでつい昨日会った人とそんなテンポで会話できるの...?怖い」
おーい聞こえてるぞー、と心の中でライトに言いながら、俺たちは第七階層を出たのだった。
シレンの穴編のラストらへんで明かす予定の設定があるんですが、ちょくちょく自分でもそれを忘れて矛盾が生じそうになることがあるんですよね。
書いた翌日に気づけるだけまだマシだけど、気をつけないと...
今回の他にも、結構前の話に伏線があったりするんですが...書いてる側にしかわかんないよなってレベルなんですよね。
明かされた後にそういやそうだったと思ってもらえるくらいにはしたいなぁ...