前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
今回ちょっと短いです。質もちょっと低いかも。
村に戻った俺たちはまず、役所に向かった。そこで、すっかりと忘れていたトレント討伐の報酬を受け取り、依頼を受けた。そしてトリさんに治療費としてその報酬を渡してから村の外に出た。
依頼は簡単だった。指定の魔物を10体狩るという、なんとも序盤のクエストらしいものだった。特訓のため、全て弓を使って倒すことになったのだが、練習のおかげでノーミスとまではいかないもののあっという間に達成することができた。
「いやー、あんなに早く終わるとは思ってなかったよ」
「俺もだ。特訓さまさまだな」
今は依頼の達成報告をすまし、また秘密の特訓場に向かっている最中だ。
「でも多分ダガーを使った方が速いよね、多分」
「やっぱそう思うよな。俺も思った」
加速能力があれば、遠距離攻撃するよりも近づいて高速で近接攻撃した方が速いし楽だ。近づいたらやばいっていうような魔物とかにしか弓矢は使わない気がする。
「でもまぁ手数は多い方がいいからな、弓も使えるようにしたいんだよね」
「そっか。じゃあ特訓再開だー!次何やりたいとかある?」
特訓場に辿り着く。
「基礎的なことってもう完璧?」
「うん」
「じゃあスキルを覚えたいです師匠!」
「スキル?うーん...色々あるからなぁ。どんなのがいい?」
「知ってるやつ全部って言いたいけど...」
「言ってるじゃん」
「あっ、あれやりたいな。同時に2本矢を撃つやつ」
前にチュチュが使っていたやつだ。
「あれかぁ...難しいよ?」
「難しいとかはあんまり関係ないかな。できるまでやるだけだ。だから教えてくれ」
「教えてくれって言ってもねぇ...2本矢をつがえて撃つだけだよ?」
「だけって...それが難しいんだろ?コツとかないの?」
「えっとね、まず2本矢を出してこうやって引っかけて...」
ステラが俺の持つ弓に2本の矢をつがえる。そのまま俺の前に立って手取り足取り、動作一つ一つを手本として見せながら教えてくれる。
「こう...か?」
ステラの真似をしながら弦を引っ張り、手を離す。矢が飛んでいくが、どこかで調整をミスったのか、あらぬ方向に飛んでいく。
「流石に一朝一夕じゃ無理か」
「んー...カリヤなら速射の方がいい気がするな」
「速射...確かに、速度操作と相性良さそうだな」
オーバー○ォッチのハン○ーの電光石火みたいなのだろう。あれくらい早く、いや、能力をフル活用すればもっと早く撃てる気がする。一つの武器になりそうだ。
「速射はどうやるんだ?ただ高速で連射するだけ?」
「そうだよ。こんな感じ」
ステラが一度、深く呼吸をする。そして五本の矢を持ち、そのうちの一本を弓につがえる。
「……!」
矢を放った。およそ二秒のうちに五発。能力なしにこの速さ、相当だ。
「どう?できそう?」
「多分」
俺も五本の矢を持ち、弓を構える。
「能力を使えば...!」
能力を使用し、自らの速さを加速させて矢を放つ。
「んー...ステラと同じくらいか」
加速してもなおステラと同じ、二秒で五発しか撃てなかった。
「加速してこれか...もっと練習しないとダメかな」
何発も連射しようとすると一発一発がおざなりになる。かといって一発の質を上げようとすると速度が落ちる。今の俺の弓の練度ではこれが限界みたいだ。五本も矢を持ってたら、そりゃなおざりの心も出てくるよな、うん。五本持っていても集中できるようにしなければ。
「まぁ、その力がもっと強くなればもっと速くできるようになるんでしょ?それからでいいんじゃない?」
「それはそうなんだけど...あっそうだ」
いいこと思いついた。
「どうしたの?」
「これさ、限界まで引っ張る必要なくね?」
「え?」
「いやさ、さっきやった時いつもやるように弓を引っ張ってたんだよ。でも能力を使って弦の速度を加速させれば、途中で離しても同じくらいの速さで飛ぶと思うんだよ」
「うーん...確かに?」
「ちょっと試してみるわ。これくらい...かな」
矢をつがえ、弦をある程度のところまで引っ張ってから離す。
「ありゃっ、ちょっと短すぎたか。もうちょい...違う。これくらい...」
弦の引っ張り具合や、能力の出力の微調整を重ねる。
「むずい...どれくらいが一番ちょうどいいかわからん」
ほんの少しずらすだけで威力と飛距離が結構変わってしまうのだ。スキルとして使うので一度だけでも成功すればいいのだが、五発をミスなく撃つためにはこの調整が必須。ある程度の飛距離かつ威力が出るものを採用したい。
「矢、なくなっちった。どうしよ、めんどいし適当でいいかなもう」
「いやいや適当はダメだって。ほら矢回収してきたからもう少しやりなって」
「でもなーちょうどいい塩梅がなかなか...」
「じゃあ一発普通に撃って、その飛距離を目安にやればいいじゃん」
「それだわ。なんで思いつかなかったんだろ」
ステラから矢を受け取り、一発普通に放つ。
「あの距離か...そうだ、弓こうすれば距離を測りやすいって聞いたことあるな。やってみよ」
弓を地面と水平に持つ。これなら矢の先端がはっきりと見え、照準になるし距離も測れるらしい。どこで聞いたのかは覚えていないが、ハン○ーもこうやって構えていたし何かしらのメリットはあるはずだろう。そうじゃなきゃこの方法は生まれないはずだし。
「それだとあんまり引っ張れないよ?」
「それでいいじゃん。能力を使えばあんまり引っ張らなくて済むんだし、親和性高いっしょ。よほど距離が離れてない限りこれで良さそうかな?」
このままの状態で弦を弾き、能力を使いながら手を離す。飛んでいった矢はさっき目印として撃ったものよりも少し奥かつ右にずれて地面に刺さった。
「ほら、この時点でさっきより飛んでる。あとは引っ張り具合を調整して、左右のブレを減らせば...」
弦をさっきより緩く引っ張り、手を離す。
「おっ、いいところ行ったんじゃね?」
飛んでいった矢は目印のほんの少し手前に突き刺さる。
「ここくらいまで引っ張ればいいのか...じゃあ速射、やってみるか」
五本の矢を持ち、深呼吸をする。そして能力を発動し、連続で矢を放つ。一秒で五発をブレなく的に命中させる。
「よし!できたできた」
「スキル、試してみれば?」
「だな。えっと...『速射』」
スキルの発動と同時に、能力も勝手に発動する。体も勝手に動き、五本の矢を一秒のうちに放つ。
「おぉー」
「こりゃ使えるな。もっと数増やそうかな」
やろうと思えばもっと多くの矢を放ち、それをスキルとして保存することができるだろう。
「やめた方がいいと思うよ?時間が伸びれば拘束時間も伸びちゃうし」
「そっか、万一外れたとき無防備になっちゃうのか。一秒で反撃もらうことあるかは知らんけど」
「ないわけじゃないからさ。スキルも、できれば使わないで実力で再現したほうがいいんだよね」
「そっか...他のスキルは何かないの?」
「さっき言ったこともう忘れたの?」
「忘れてないって。手数はあった方がいいつったろ?」
「そういえばそうだったね。他のスキルかぁ...今のカリヤの実力でできるやつは何があったかなぁ?」
「実力不足は頑張るけど...何かないの?」
「じゃあ投擲かな」
「へぇ、投擲...投擲⁉︎ちょっ、弓どこ行った!」
「弓使いの必須スキルだよ?一応だけど」
「なんでさ」
「だって、もし戦闘中に弓が壊れたら何もできなくなっちゃうじゃん?だから自分の腕で矢を投げたり突き刺したりできるようにしておくんだよ」
サ○ャかな?あれは自分で弓を投げ捨てていた気がするけど。
「今はそれやらなくていいかな。俺にはダガーがあるし」
近づかれたらダガーで斬り刻むだけだ。わざわざ矢を振り回す意味はない。
「それもそうだね。他に何があったっけな...」
「うーん...あっ、火装のスキルってあるじゃん?」
「うん。これでしょ?」
ステラは矢を取り出す。弓につがえるとスキルを発動したのか、矢が燃え始める。
「そうそう。それに似たスキルってないのかなーって」
火装なんて名前がついてるのだ。火を装備すると書くわけだし、他のものを装備するスキルがあってもおかしくない。火装は異世界語を日本語に翻訳した結果なので、ない可能性はあるが。
「あるよ。はいこれ」
矢の火が消え、代わりに矢尻が凍りつきその周囲に冷気がまとわりつく。
「氷か?」
「そうそう。氷装だよ」
やっぱりあったか。
「それ使いたーい」
「じゃあはい」
凍りついた矢を手渡される。
「それを使えばいつでもできるようになるよ」
「やったぜ」
氷の矢を的に向かって撃ち込む。矢が刺さった的はカチコチに凍りつく。
「すげぇなこれ。ここまで一気に凍りつくなんて...」
「すごいでしょー」
「…ステラってこれどうやって習得したの?火装の方なら矢を燃やせばできると思うけど、流石に氷くっつけるだけでこんな威力出せるわけないでしょ?」
「えっとねぇ、通りすがりの魔法使いさんにやってもらったんだ」
「通りすがり...か。同じことできる人と会いたいな」
「どうして?」
「剣と盾でも氷装をできるようにしたいんだよね。氷装の矢を撃ち込んだらできるかな?」
「多分無理だと思うよ?凍りついて終わりだと思う。触れたものを凍らせるようにするには専用の魔法が必要だと思う」
「その魔法の詠唱覚えてたりしない?」
「無言でやってたからなぁ...言ってたとしても覚えられないけどね」
「そりゃそうか」
残念だが、今は矢だけで十分だろう。
「他にはないの?水とか風とか」
「あるのかなぁ...?少なくとも私は使えないよ」
「爆弾は?」
「ないよ!矢に爆弾くっついてるとか物騒でしょ!」
水と風はありそうだと思って聞いたけど、爆弾はない前提で聞いた。ゼル○にしかないよな、爆弾矢。普通に危ないし。
「他にあるとすれば...電気は流石にないよな。火と氷があって水と風はないとなると...纏わせられそうなもの他に何があったかなぁ」
「…でんきってなに?」
うん、やっぱわからないよな。この世界、電気は普及していないみたいだし。
「ねぇ、でんきってなに?気になるんだけど」
「なんて言えばいいのかなぁ...寒い日とかに人とか金属に触るとビリッとなるやつって言えばわかる?」
「…?」
この世界静電気ないのか?
「他になんて言えば...あっ、雷ならわかるでしょ流石に」
天候はこの世界でも同じだし、雷くらいあるだろう。
「あぁ、天の怒りのことね」
ん?今なんて言った?
「ごめん、もう一回言ってくれる?」
「天の怒り」
あまのいかり...天の怒り?この世界だと雷をそうやって呼ぶってことなのか?いや違うな。異世界語を日本語に翻訳した結果が俺の耳に届いているはずだから...日本語→異世界語→日本語の順に翻訳する間のどこかで変わったのかな。
「えっと...その天の怒り?を矢につけて飛ばすことってできない?」
「無理だよ無理。あれを扱えるのは勇者様しかいないって」
「そうなの?」
「うん。天の怒りを扱う魔法があるらしいんだけど、勇者様以外には使えないんだって」
「へー。使えたら便利だったんだけどしょうがないか」
勇者にしか使えない...ねぇ。
「…もしさっき言ってたやつがあったらどうやって使ってたの?」
「え?えっとねぇ...水は相手を怯ませるとかかな。火を無効化したりとかもできそう。でもあんまり使う機会なさそうだな」
水を纏っていたとして何に使えばいいのか、自分で言っててわからなくなった。追加で毒でも混ぜれば使えるかもってくらいだな。
「風は速度上げるとかできそう。あっ、風の矢って面白そうだね。風自体を矢にして見えない矢とか撃てそう」
どこぞの仮面ラ○ダーもハートの6で風を纏った矢を撃っていたりしたし、没データだが時○カでも風の矢があったって話を聞いたことあるし、色々使えるはずだ。
「見えない矢かぁ...面白そうだけど、私魔力量少ないからなぁ。魔法習ってないから使えないし」
逆に言えば魔法さえ習えば使えるってことだろうけど...俺も知ってるわけじゃないしな。教えることはできない。
「でん...天の怒りは金属の武器とか防具をつけてるやつがいたら効果高そう。矢は効かなくても鎧の上から叩けるし、つけてないやつにも効果あるだろうからどんな時にでも使えると思う」
水の矢と組み合わせて感電させることもできるだろうけど。水弾と組み合わせるのもいいかもしれない。
「鎧の上から攻撃できるのは魅力的だけど...ないからなぁ」
「あったらいいけどね。ないものねだりしてても仕方ないか」
「そうだね、こんな話してても仕方ないよ。特訓しようよ特訓」
「そうじゃん忘れてたわ」
特訓中だったの忘れてた。随分と話し込んでしまったな。
「やるぞー...って思ったけど、何を教えようかな。今のカリヤにできるスキルももうないし、飲み込み早いからだいぶ弓も上手くなってるし、教えること無くなってきてるんだよね...」
「そうなの?」
「うん。教えるのが初めてだからかもしれないけどね」
「そっか...そうだ、俺がステラに何か教えることにしようかな。教えをこうばかりじゃ悪いしね」
「え⁉︎いやそんな悪いって。いいよ別に」
「だってさ、ステラは村一番になって勇者の仲間に入るんだろ?」
「そうだけど...多分行くのはお兄ちゃんだよ?」
「いいんだよ。先を見越していこうぜ。弓は教えられることないから...短剣の使い方を教えよう」
「でも...」
「でもじゃないよ。弓壊れたときの保険だと思っときなって。矢を投げるだけじゃ不安だよ。ほらこれ持って」
渋るステラに無理矢理ダガーを持たせる。
「ほら真似してみな。こうやって振るだけでいいから」
「こ、こう?」
「そうそう。あまりにも近づかれ過ぎたらすぐに使えるようにしといた方がいいと思うぞ?何があるかわからないんだしさ。保険はかけとくに越したことはないよ。損はしないし」
「そう...かな?」
「そうだよ。あっそうだ、村に戻ったら買ってやるよ」
「えっ、そこまでしてくれるの?本気?」
「マジ」
「そこまで言うなら貰っておくけど...」
「練習もするんだぞ」
「わかったって...カリヤって結構お節介焼き?」
「…そう?」
「そうだよ。ここまでしてくれる人なかなかいないって」
「そうかな...?」
自覚ないけど、結構俺ってめんどくさいやつだったりするのかな?俺自己分析とか苦手なんだよなぁ。面接の時とかも苦労したし。
「って私のことはいいんだよ別に。これはカリヤの特訓なんだから。師匠の言うことを聞くように!」
「でももう教えることないんでしょ?」
「うっ、そうだけど」
「やることないから俺が教えてるんだろ?いいじゃんお互いに師匠で弟子ってことで」
「それは別にいいんだけど...ね」
「…思ったんだけどさ」
「なに?」
「こういう練習って反復練習が大事じゃんか」
「うん」
「やることないなら今日は解散して、続きは明日にしない?お互いに教えること考えてこようよ」
「あー...確かに。私も、今日何も考えずにここに連れ出してきちゃったからなぁ。一晩考えれば何か教えること出てくるかも」
「でしょ?じゃあ片付けて戻ろうぜ」
そんなわけで、今日の特訓は終わった。やること無くなってきたし、ちょうどいいだろう。二人で協力して的を片付けてから、村に戻る。
「短剣買いに行くぞー」
村に着いた俺たちはまず武器屋に向かった。
「なんでもいいぞー。金はあるから、なんでも何個でも買っていいからなー」
「何個も買わないよ。小さくて軽いの一個で十分だよ」
ステラが色々持ち比べて、一番軽かったであろうものを持ってくる。
「これ買って」
「はいよ」
短剣を買う。
「はいこれ。ちゃんと練習するんだぞー」
「何回言うのさ。わかってるって」
「あっ、忘れてた。ホルダーも買っておかないとな」
ホルダーも買ってステラに渡す。
「じゃあ解散するか。ステラはこの後何するの?」
「依頼一個やって終わりかな。カリヤは?」
「多分同じ。本読んでからだけどね」
「そっか。じゃあねー」
「じゃあな」
パパッと解散した俺たち。俺は宿のほうに向かう。
「本読むか。そういえばあれで最後の本だったよな」
宿に戻った俺は能力を発動させながら本を読む。いつもやる日課だが、これをしていくうちに能力も成長していくと考えると一石二鳥だ。頭の情報処理速度も上がるから三鳥くらいはあるかもしれない。
「本読んだら依頼...の前に一応あれ聞いておくか」
本を読みながら予定を立てていく。慣れているのもそうだが、読んでいる本が基本絵本だったり童話だったりと頭をあまり使わなくていい本なのでこういうことができるのだ。
「よし読破っと。返しに行かないとな」
鞄に本をつめ、本屋に向かう。
「返しにきましたよー」
「はいまいど。まさか本当に全部読み切るだなんて思ってなかったわ」
「有言実行の男ですから」
「もう使ってくれないって思うと悲しいわねぇ...」
「読み切っちゃいましたからね。仕方ありませんよ。あっ、そうだ。一個聞きたいことあるんですけどいいですか?」
「いいですよ。なんですか?」
「えっとですね...」
俺は店員のおばあちゃんに一つの質問をし、その答えを聞いたのち、村の外に出た。
「おばあちゃんが言ってたのってここだよな。それっぽいし」
俺は村の東にある荒野にやってきた。地図にも小さく載っていた荒野だ。
「天の怒りの降り注ぐ地ねぇ...確かに雷降ってるな」
この荒野は一日を通して雷が降り注いでいる地らしい。あのおばあちゃんには近づかない方がいいと言われたが、それなのにわざわざこんなところに来たのはとある目的があったからだ。
「雨降ってないのに雷だけ降ってるのも変な話だけど...なんでこんなんなってるんだろな」
ずっと曇っていて雷が降る理由はわからない。まぁ知る必要もないが。
「雷は勇者にしか使えないって話だけど...もし俺の予想が正しければいけるはず!」
持ち手に木とゴムを取り付けたダガーと盾と矢を思い切り上に放り投げる。
「ありゃっ、流石に一回じゃ無理か。何度もやるしかないよね」
もう一度上に放り投げる。しかし何も起こらない。何度も何度も繰り返す。けれど、何も起きない。
「ちょっ、そろそろなってくれよ。肩痛くなってきた...それ!」
上に放り投げる。
「来たっ!」
ピカッと空が光り、ものすごい轟音と共に放り投げられたダガーと盾と矢に雷が落ちる。
「キタキタキター!」
落下してくるそれらを、ゴム手袋をつけた手で掴み取る。ゴムが普及している世界で助かった。そうじゃなきゃこんなことできなかったが、この世界の文化レベルがどこまでいってるのか不思議で仕方ない。
「これでいけるはず...!」
予想通り、ダガーも盾も矢も帯電していた。雷を扱う
「こんなこと誰もしないだろうしな。勇者にしか使えないって思うのも納得だ」
しばらくの間、俺は盾を腕につけたたままタガーを振り回し、帯電した矢を撃ち込んだりしてはしゃぎまくっていた。
はしゃいでいたため、俺は忘れていた。
まだ雷の降り注ぐ荒野からは出ていないと言うことを。
そんな荒野の中で、金属品を身につけたままだということを。
ピカッと空が光るのを目にした俺は、激痛を感じる間も無く意識を手放した。
ゴム手袋なんて意味がない。
ゴムでカバーしていたところで、超高圧電流の前には無力。
雷が、天の怒りが神の使いに降り注いだのだ。
展開早いのは仮谷くんの能力のせいだと思ってください。
それかどこぞの帝王か神父のスタンドのせいってことで。
修行パート書きにくすぎる...