前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
二日前でしたけど、ついに一話投稿から丸一年経ちましたね。
いやー、ここまで長かったような短かったような...なんかあまり一年経った感じしませんねこれ。
なお、このペースだと最終話は早くて半年、遅くとも一年以内には投稿されるんじゃないかなと思います。
今回は第二十七階層攻略です。
カリヤくんがみんなに隠してた秘密がバレる回だったり...
第二十七階層
「えーっと...うん、たしかに次の階層では活躍したいって思ってたけどさ、これは違くない?」
「何よいいじゃない。大活躍よ」
「快適快適ー」
ただいまの気温、多分マイナス。それでもステラが言うように快適なのは、俺が速度操作で周囲の気温を上げているからだ。
「温度も変えられるって、本当に便利ね速度操作」
「本来の使い方じゃないんだけどな...微妙に疲れるし」
空気の温度操作するの大変なんだよな。普段は意識しないようにしてる空気の速度を全部認識し、分子の熱運動まで見ないといけないからな。戦闘中にはとてもできない。
「戦闘は任せたからなー」
「それはいいけど...私たちが戦うよりもカリヤが処理した方が速そうだよね」
「この先ずっと似たような魔物ならな」
ちょくちょく襲いかかってくる魔物は氷のような性質を持っており、俺が温度を上げるだけで死んでくれた。こんなんばっかならいいのだが、多分そうじゃないだろうし、ボスも弱くないはずだ。
「ってか、どうせ低温化でも普段通りに行動できる力を養うための階層なんだろ?ここ。いつも言ってることだけど、分断されて俺がいないみたいなことになった時に困るだろうから速度操作解除していいっすか?」
「カリヤいつも分断された時のこと考えてるよね」
「いつでもどこでも分断の危険があるんだから、対策しない方がおかしいじゃん?」
「いやでも寒いのはちょっと...」
「こんな服装だし、この気温に晒されたら普通に死ぬわよ」
「でもこれめっちゃ疲れる...ならこれでどうだ?」
空気に対する加速を解除する。そして今度はみんなの体の熱を速度操作で保つ。
「これなら...寒いっ!」
「なんか変な感じするなにこの感覚⁉︎」
「あー突き刺さる寒さだな...でも、凍死はしないはずだ。冷えた側から体温を高めてる。皮膚とか喉で感じる空気は冷たいけど、体自体はポカポカしてるだろ?」
「してるけど...してるけどっ!」
「温度差で風邪引くわねこれ...」
「風邪引いたら速度操作で治してやっから、我慢していくぞー」
「ああ待って先に行かないで出ちゃうから!」
「五メートルあんだからそんな焦らんくても...」
微妙に寒さが辛いけれど、それ以外に障害はない。魔物も一瞬で溶けてくし、しばらくは何ともなく進めそうだな。
「……少し気になったのだけれど、ちょっといいかしら?」
しばらく会話なしに淡々と進んでいると、急にニアが話し出した。
「……それ、誰宛ての質問?」
「カリヤよカリヤ」
「何が気になったんだ?」
「私たちの体温を操作できるってことは、私たちの速度を検知してるってことよね?」
「そりゃ当然だろ。じゃなきゃ移動速度加速もできん」
「前に暗闇の中探索をした時、壁や床の位置に加えて、私たちの位置の情報も送ってたわよね?」
「何の確認なのそれ。何を聞きたいのかよくわからんのだが」
「速度探知って...いったいどこまで見えているの?」
あっ...そういうことね...
「光とかの速度はまだ探知できないけど、そういうのを除けば能力範囲内のものは全部探知してるぞ」
「ということはアンタ...!」
うん、やっぱ気づいちゃったかニア。そして、後退りして俺から距離を取ろうとしてるけど、今離れたらどうなるかわかってるのかな?
「ちょっとニアどうしたのさ。もうちょっとで極寒だったよ?」
クミリアが後退りするニアの腕を掴んで、それ以上下がるのを防ぐ。仲間のためを思っての行動なんだろうけど、ニアは信じられないとでも言いたげな顔を向けている。
「えっ、なにその顔。何かあった?」
「みんな...今のでわからなかったの⁉︎いや、それとも既に知ってたわけ?」
「何のことかよくわからないけど...ってなんで下がろうとしてるのさ。危ないって」
「カリヤの方が危ないわよ全部見てるだなんて...」
「うん、いつかは気づく人出てくると思ってたけどさ。できれば気づいてもらわない方が、こっちも意識せずにいられたんだけどな」
「カリヤあんたわかってて黙ってたのね...!」
「先に言ってもしょうがないじゃん。それで何か変わるかって言われても何も変わらないし、話して連携に支障出たら困るし。それなら黙っておいて、墓まで持ってった方がいいだろ?」
「それは...そうかもだけど...!」
なにその三○修みたいな言い方。
「ちょっと二人が何を言い争ってるのかよくわからないんだけど...どういう話?」
「ステラちゃんに言うのはちょっと...先にクミリア聞きなさい」
「こっちもよくわかってないけど、なになにナイショ話?」
ヒソヒソと、周りに聞こえないようにしながらニアはクミリアにそれを伝える。
「えっ、なにそれヤバ」
うわぁ...という目で見てくる二人。その目やめてくれ心がつらい。
「これは確かにステラちゃんには言わない方がいいかもねぇ...」
「何の話なのー?隠さないでよー」
「魔王倒したらカリヤが捕まるかもって話よ」
「何勝手に執行猶予付きの実刑判決出してるんです?」
「えっ、カリヤ何したの?」
「何もしてない...ってわけでもないけど、しょうがないことなんだと弁明しておく」
「???」
ステラの頭にハテナが浮かんでるのが目に見えてわかる。
「ちょーっと三人そこで待っててな。俺は二人に話がある」
そう言ってステラをレストとライトに任せてからニアたちに近づく。うわ近づいてきたと言う目に傷つきながら、俺は口を開く。
「まず言っておくが、俺はそういう意図でこの能力を使ったことはない」
「ほんとぉ?」
「ほんとほんと。そんなんいちいち気にしてたらキリないし、正直わからない方が嬉しい」
「そんなこと言っておいて、今も見てるでしょう?わかってるのよこっちは」
「まぁ見えちまうのはそう」
「やっぱり...!」
「なんか面倒いから、どんなふうに見えてるのか送るわ」
5114ページ 黒のみ 思考共有
俺が速度探知で得ている情報を、少しだけ修正して送りつける。修正して誤魔化そうとしてるわけじゃないぞ?俺のモノを送るわけにはいかないから、ニアとクミリアの身体の速度情報だけ送るって意味だ。
「うわもう丸見えじゃない!」
「し、下着まで...」
「すまんな」
「すまんじゃ済まされないってこと、当然わかってるわよね...?」
「ニア、ステイ。その握った拳下ろそうか」
「あっでも内なる筋肉見えるの面白いかも」
「なに利点を見つけようとしてんのよクミリア全部見られてんのよ⁉︎」
「でも悪気があったり、そういうつもりでやってるわけじゃないからいいんじゃない?カリヤなら変なことしなさそうだし」
「速度探知使って変なことしてたら殺すわよ」
「直球すぎて怖いぞもうちょいオブラートに包んでくれ」
「そういえばなんだけど、これって男の人のそれも見えてるの?」
「ちょっ、クミリア何言って...⁉︎」
「そりゃもう当然。気を遣って共有してないのを感謝してほしいくらいだ」
「感謝感謝。じゃ、クミさん納得したからもう行くねー」
クミリアがステラたちの方へと戻っていく。
「ちょっ、それでいいのクミリア⁉︎」
「んじゃ、あとはニアが納得すればいいわけだけど...どうやったら許してくれます?」
「……そういう意図で使ってないというのはわかるのよ...でも、見られてた事実は変わらないというか...」
「まぁうん、そう思うのはわかる。でもこっちもこれ以上の釈明はできないし、飲み込んでもらうしかないんだよな」
「……なんかあんた慣れてない?」
「前にも一回バレたことあってな。めっっちゃ変態言われまくって...あれは困った」
ミルキーに色々言われたのを思い出す。
「その時はどうしたのよ」
「んー...結局なぁなぁになった感じだな。会った時は今だに罵られる」
「そりゃ当然でしょ...もういいわ。一旦許してあげる」
「許された...」
「何かやったら通報なのは変わらないけれどね」
「何もしないからセーフですねよし戻ろう」
ニアとの会話を終わらせ、ステラたちのところに戻る。
「大丈夫?捕まらない?」
「大丈夫だステラ。何もしないし」
「???」
ステラがまだよくわからないといった顔をするが、知らない方がいいのでまだ教えない。まだつっても、いつ知ってもいい時が来るんだって話なわけで、多分能動的に教えることは一生ないだろう。墓まで持ってくぞー。
「んじゃ進むぞー」
やっと探索を再開できるな。
「さっき聞こえちゃったんだけど、バレた相手って誰?クミさん知ってる人?」
「ミルキーだ」
「ミルキーちゃんが?よく気づいたねぇ」
「速度操作の説明したらそのまま気づいたぞ」
「なんで私は気づけなかったのかしら...」
「まぁここら辺は勘がいいかの問題だからな。ミルキーが一発で見抜いたのが凄いまである」
と、そんなことを話しながら進んでいたのだが...
「なんか暑くない?」
「あー...確かに、気温が上がりつつあるな。これもう速度操作使わなくていいかも」
みんなの体温を操作するための加速を解除する。
「そうね...これでも少し暑いけれど」
「そう?温度差でそう感じるだけじゃね?」
「温度差関係なく、普通に外よりも暑いわよこれ。気候変化に対応するのがこの階層の目的かしら」
「それはそうだろうけど、そんなに暑いかなぁ...」
まぁ確かに、外よりも暑いなって感じはするけど、音を上げるほどではないよな...あっ、これアレだな。日本の方が暑いからだこれ。湿度もあってジメッとした暑さがあるからな...この気温で暑く感じないのは慣れのおかげだな。
「ちょっとカリヤ、気温下げなさい」
「なかなかの無茶を言う...さっきと同じ方法でいいよな」
「いいわよ」
「じゃあやるぞー...おん?」
「ちょっと、どうしたのよ」
「ライトの体温下げられないんだけどなして?」
「デバフ耐性のせいじゃない?」
「体温下げるのがデバフ判定になるのどういうこと...?」
減速系は大体アウトってことなのか...?体温を上げるのも、やり過ぎれば死ぬわけだしちょっとデバフ耐性さん甘いんちゃう?ってかこういう利になることも阻害されるの結構困るな。そういうことがあるってことを今知れてよかった。
「流石に気温そのものを下げるのは速度操作じゃ厳しいんだよな。上げるのは一瞬でできるからよかったけど、下げるのは時間がかかるせいで移動しながらは使えないし」
移動先の気温を下げながら移動しないといけなくなって、牛歩のペースになってしまうからほぼ使えないようなもんだ。
「というかそろそろ魔力もキツくなってきたからニアが熱操作で下げてくれ」
「しょうがないわねぇ...」
最初からやってくれてもよかったんじゃ...とは思うが、言わないでおく。
「よし涼しい」
「いや寒くね?冷やしすぎ冷やしすぎ」
「もうすこーし気温上げようかニア。流石に寒いよ」
「そうかしら...?」
渋々といった感じで気温を上げるニア。なんか、エアコンの温度設定であーだこーだ言うあの感じを思い出した。懐かしーな...一年以上前かエアコンあった生活してたの。異世界生活が色々濃すぎてたった一年前なのに懐かしく思える。
「そうそうそのくらいがちょうどいい」
「私はちょっと暑いのだけれど...」
「それなら俺がニアを冷やすでどうだ」
「あっ、ちょうど良くなったわ。このまま頼むわよ」
気温問題解決。そのまま先へと進む。
低温ゾーンから高温ゾーンに移ったことで、魔物も炎系へと変化していたのだが、これも前のと似たような感じでニアの熱操作で瞬殺されていた。おお弱い弱い。
とまぁそんな感じで特に苦難なく、順調に進んでいく俺たち。二分と経たないうちに、ボス部屋の扉の前までたどり着いた。
「作戦会議する?」
「どうせ合体してるか二体ともいるかどうかの二択でしょ」
こういう低温高温の両方があるダンジョンのボスって、大体融合してるかそれぞれ独立しているパターンのどちらかだよな...あれ?両方網羅してるツイン○ーバって凄くね?
「やっぱりそうよね...」
この世界でもそういう認識なんだな...
「どちらかによって対策変わるし、それぞれ話しているうちに魔力が減るわ。早く入りましょう」
「まぁ入るにしても一旦魔力回復してからだよな。ライト頼む」
「了解」
聖域が展開され、加速によって一気に魔力を回復させていく。
「よしオーケー。じゃあ俺が開けるからな」
扉を開けて、ボス部屋に入場する。やっぱ俺が開ける時は吸い込まれないんだよな。
「おっ、合体してるパターンだ」
右半分が氷で、左半分は溶岩...かな?マグ○ックとガチ○ックを半分にしてくっつけた感じだ。
「なんで成立してんだあれ。中央どうなってんだ?」
氷と溶岩の設置面どうなってんだろ。温度変化して形状変わってもおかしくないんだが...少なくとも、氷が溶けるか溶岩が冷え固まるかどっちかはして欲しい。物理壊れる。
「……ねぇ、なんか溶岩のほう段々と赤く光り出してない?温度上がってる?」
「それを言ったら氷の方は大きくなってってるよ?」
「オーケー情報ありがとう2人ともこいつが物理法則破ってやがるってのがわかった」
なんで温度の低い方から熱が移動してるんですかね...こいつは、氷から熱を取り出して溶岩に移しているのだ。だから溶岩は熱く煮えたぎってるみたいになってるし、氷は周囲の水蒸気というか空気を凍らせて体積を増やしている。エントロピー増大の法則が乱れまくってるわ。
「さてどうやって倒そうか...っ⁉︎」
思考、反射神経の加速のおかげでなんとか捉えることができた。魔物の氷と溶岩の設置面から、高エネルギーのレーザー的なものが飛び出してきたのだ。俺は避けられるが、後ろにいるみんなは避けられない。
だから俺は、この状況で反応して真っ先に動き出していたレストを加速させた。
「っ、ギリギリセーフ...!」
レストは右腕の盾を左手で持ちながら前に出て、魔法吸収によってその攻撃を防ぎ切った。少しでも反応が遅れていたら、みんなまとめて貫かれていただろう。ファインセーブだ。
「な...何が起こって...」
「奴の攻撃だ!あの境目からレーザーが飛んでくる!」
俺のその声に反応して、全員が戦闘態勢に入る。
「魔力今ので溜まったからカウンターできるよ!」
「了解だ一回ぶち込んでやれ!」
魔力結晶が満タンなため、これ以上あのレーザーを魔法吸収で受け止められない。カウンターを使い、魔力を消費させよう。ついでに倒せれば御の字だ。
「発動するよ」
レストが盾同士を合わせて、展開させる。
「……また溶岩が光ってる」
「なるほど、そいつが合図なわけか」
エントロピー増大の法則を完全に無視したあの挙動を使ってエネルギーを生み出し、それをレーザーに変えているのだろう。兆候が分かっていれば、避けることもできる。今回は跳ね返すがな。
「……来る」
レーザーが魔物から放たれる。それは展開されたレストの盾を貫くことなく、全て受け止められたのちに威力を丸ごと跳ね返されて魔物自身に牙を剥く。
「貫いた!ライト行くぞ!」
レーザーは魔物の中心部を貫き、どデカい風穴を開ける。だが、それまで。死には至らしめていない。
だから即座に追撃に出る。レストの盾の横を抜け、ライトと二人で魔物に近づく。
「俺は上!ライトは下だ!」
『色彩剣装 原色・赤』
俺は刀を、ライトは聖剣をそれぞれ引き抜き、双方刃に赤い光を纏わせる。
「一刀!」
「両断...!」
防御無視の二つの刃が、魔物を縦に真っ二つに断ち切る。氷と溶岩。それらを完全に分離させる。
「まだ生きてる!全員でトドメを刺せ!」
二つに分かれた魔物が今だに動いているのを速度探知で察知した俺は、すぐさま指示を飛ばす。
「言われなくとも!」
ニアの魔法が溶岩の方に命中する。溶岩の魔物と言えども、その本質は岩石や鉱物。ニアの魔法により、体を構成している岩石が徐々に溶かされていき、脚や腕が崩れ落ちていく。
「こっちはクミさんが!」
「私も!」
ステラの放った大量の矢が氷の方に突き刺さる。それによって氷には大きなヒビが入り、そのヒビに向かってクミリアは全力疾走を併用した超高速の拳を叩き込む。
「氷殲滅!カリヤ死亡判定!」
「ちゃんと死んでる後は溶岩だけだ!」
「なら僕が打ち砕く...!」
聖剣に雷が走り出す。
「全員離脱!...行ってこい!」
魔物との距離五メートル。ライトを加速させ、援護する。
「終わり...!」
ライトが聖剣を振り下ろした瞬間、追随するように雷が走り、魔物の体を両断する。溶岩は弾け飛び、死亡判定が出たのか崩壊していた氷もろとも消滅していく。
「……ふぅ、戦闘終了だな」
魔物は消滅し、扉が開いた。第二十七階層突破だ。
「初っ端から死ぬところだったわね...」
「よく反応できたねー」
「レストすごいよ?俺より前に反応して動き始めてたぞこいつ」
「ほんと防御の要ね...攻撃してくるっていうのにいつ気づいたの?」
「なんとなく撃ってきそうな気がして...」
「未来視自前で持ってたりする?」
「そんなの持ってないよ」
わずかな予備動作に気づいて、攻撃される前に気づける能力でも持っているんだろうか。どこぞのツンツン頭の前兆の感知かな?
「そういや今回久しぶりに全員活躍したんじゃないか?」
「確かに。それぞれ仕事をしただけだけど、うまい具合にハマったわね」
「各々自己判断で動けるっていうのが目に見える形でいい結果を生んだな」
「この調子で次の階層行こー!」
「えっ、もう終わりにしない?」
「なぜこの流れをぶった斬ったレストよ」
「今回一番の功労者の意見を採択すべきだと思いまーす」
「言うようになったなオイ」
「正直もうヘトヘトなんだよね。一個前の個別訓練が意外とキツかったし、気温差で疲れてるし...」
「まぁそれはそう。ちょっとだけど俺も気温の操作で疲れてるし、今日はもうこれで切り上げるのもアリっちゃアリなんだよな。みんなどうする?」
「うーん...まぁいいんじゃないかしら」
「クミさんはどっちでもいいよ」
「私も〜」
「賛成多数だけど、ライトは...って、何やってるんだ?」
魔物を倒した位置で、しゃがんでいるライト。何かあったのか...?
「なんか変な石が残ってる」
「変な石?」
魔物を倒した位置にあるってことは、ドロップアイテムか何かか?いやでもそんなゲームみたいなことないだろうし、そもそも完全消滅するはずじゃあ...
「ほんとだわ。岩石...いや、ガラス?の管みたいなのがあるわ」
「ガラス...ああ、閃電岩のことか」
見てみるが、やっぱりそうだな。当たってた。
「何よそれ」
「硅砂に落雷した時にできる天然のガラス管だ。ちょうどいい成分の砂が高温に熱せられることで、雷の経路に沿う形でできる石英ガラス...だったか」
隕石の落下や、火山噴火でもできるんだったか。前にネットで見たことがある。
「別の物質に変化したから、魔物が消滅しても残っていたのか...」
日本だと滅多に起こらないってのも聞いたことがある。そもそも、六億ボルトの電圧がいるって話だったんだが...少なくともそれ以上の威力が出るんだなライトの操る天の怒りは。エッグゥ...
「珍しいし、何かに使えるかもしれないから持ち帰ってみるか」
「そう?なら回収を」
「ああ俺がやる。こいつは脆いからな」
速度操作で加速させながら回収すれば、物理保護がかかるおかけで崩れずに回収することができる。
9902、9903ページ 次元収納
そして次元収納にしまい込めばもう壊れる心配はない。
「そういやライトも今日は切り上げるでいいか?」
「いいよ」
「よし、じゃあ帰ろうか」
この階層の出口へと向かう。
今日でこのシレンの穴の四分の一が終わった。だが、ここから先どんどん厳しい試練が待ち受けていることだろう。単純計算であと何日かかるか計算できるものではない。
だが、いつまでに踏破しなければいけないという期限はない。ゆっくり挑める。今回危うく死にかけたということをしっかりと心に刻み、慎重に攻略しようと決意した俺だった。
最後の方に閃電岩を出しましたが、今後ストーリーに関わる予定は今のところありません。
活用法が見つかったら出るかも?
そしてニアに例の件がバレるという。
よく許してくれたな聖人か?
あっ、次回はシレンの穴の攻略ではないですが、戦闘はやるつもりです。