前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
ニアと決闘という名の訓練をします。
なんとなくで、懐かしのキャラを登場させてみたり...
「ニアさんとどこ行くの?」
四十階層手前くらいまで進むことができた日のことだった。ニアと出かけようとしていたところに、ステラと出会う。
「決闘だってさ」
「決闘...?なんで?」
「魔法の練習に付き合ってくれってことだ。ってなわけでこれからガネルに行くところ」
「へー...私もついていっていい?」
「いいけど、あんま見てて面白いもんでもないと思うけど」
「いいのいいの。ニアさんもいーい?」
「いいわ。どうせ後でみんなの前で実演することだし」
「実演?」
「なんでも、新しい魔法を作り出したとかなんとか」
「厳密に言えばカスタムなのだけれどね。カリヤも、サラッと装備が増えているわけだけど」
「あっ、ホントだ。魔力銃が...二本?」
「ちょっとやってみたいことがあってな。というか、もう結構流通し始めてるみたいだから、ステラも一応持っておいたら?矢がなくなってもやることできるし」
「ってことは一本くれるってこと?」
「いや違う。自分で買え」
「えー、ケチ...」
「嘘嘘。後で買ってやる」
「やったー!」
そんな感じで、ガネルに移動するためにカイスを移動していたのだが...ここで、意外な人物たちに出会うこととなった。
「あっ!ニアお姉ちゃんだ!」
「ホントだ!ニア姉さーん!」
大きく手を振りながらこちらに近づいてくる二人の少女...見覚えがあるし、ちゃんと名前も覚えている。
「あら、フレアにミレアじゃない。奇遇ね」
「「お久しぶりです!」」
「ち、近いわよちょっと。もう少し離れなさい」
えらく懐かれてるな...
「あっ、カリヤさんだ!」
「カリヤさんもお久しぶりです!」
「二人とも久しぶり。九か八ヶ月ぶりくらいってところか。それにしても、フレアは元からそんな感じだったけどミレアなんかテンション高くない?」
「久しぶりにニア姉さんに会えて高揚してます!」
「尊敬されてんだなニア」
「会うたびにすごい引っ付いてくるけどね」
「ねぇカリヤ、この二人誰?」
そりゃそうだなステラは初対面か。紹介しないと。
「こっちがフレアで、こっちがミレアだ。ニアの従姉妹で、王都で受けた以来で知り合ってな。確かカリスと合同の依頼だったから、耳にしてるんじゃないかな」
「ああ、虫の巣穴の奴?ちょうど別の依頼受けてて行けなかったんだよね...それに行ってたらカリヤに会えてたんだ」
「それ以外にも一回カリスに寄ってたりしたんだが、まぁその場で会えなくてよかったのかもな。勇者パーティーの一員として再会するって決めてたし」
「確かに...そうだね♪」
と、そんなふうにステラが言った直後、その手をフレアミレアがギュッと握る。
「な、なに?」
「二人と一緒にいるってことは、あなたがステラさんですか?」
「応援してます!」
「あ、ありがとう。なんか照れるね...」
「ファンがついて良かったなステラ」
掴んだ手を結構な勢いで上下に振り回している二人。少々過激な握手だな。ちょっと筋痛めそうで怖い。
「ちょい二人とも。そのままだと手ぇ取れちゃうからやめてやれ」
「こんなんじゃ取れないよ」
「嘘つき」
「嘘ってか冗談だろ今のは」
そういやミレアはパッシブで嘘探知ができるんだったよな。なんでそんなことしてるのかはよくわからないけど。実は壮絶な過去があって、嘘を見抜けないとやってけないとかだったら...いや、この二人に限ってそんなことないか。
「ほらそろそろ離してやれ...ところで、二人はなんでここに?里帰りでもしてるのか?」
「そんなところです」
「用事が終わったんで、これからガルムに行こうかなーってとこ」
「ガルムに?そりゃちょうどいい。俺たちもガルムに行こうと思ってたところだったんだ。一緒に来るか?」
「行きます行きます!」
「またニア姉さんの魔法を見られる...!」
「いいよなニア?」
「先に確認取ってから言いなさいよね...ついてくるならついてきなさい二人とも。早速行くわよ」
「「はい!」」
なんか二人のニアへの尊敬具合ちょっとおかしくねと思いながら、ニアたちの後ろをついていく。神かってレベルで崇めてるような感じだな。まぁ親族に英雄がいたら、崇めるのも当然なの...か?よくわからん...
「準備はいいかしら?」
闘技場にて、俺とニアが相対する。
「ニア姉さん頑張れー!」
「お姉ちゃーん!ファイトー!」
……で、なんでフレアとミレアも観戦してるんだろうか。用事はどうしたんだ用事は...あっ、ニアの魔法で早く移動できたから、観る余裕ができたのか。なるほど納得。
ってかさっきから思ってたけど、お姉ちゃんって呼ばれてない?従姉妹ってそういう感じで呼び合うっけ...?俺も従兄弟はいたけど一個上だったから普通に名前で呼んでたぞ?双子だったから、どっちが年上かは入れ替わってるけど状況は大体似てるはず。やっぱそういうふうには呼ばないと思うんだけど...呼ばせてるわけないから勝手に二人が呼んでるんだろうな多分。
「カリヤ頑張れー!」
応援二対一、劣勢。もうちょい声出してステラ俺頑張るから。
「ああ。一応確認だが、試合形式は通常モード。結界が消滅するようなことが起これば終わりってことでいいんだよな?」
「ええ、そうよ」
結界が消えるパターンは二つ。降参するか、致命傷を負って一度死ぬかだ。そうなるまでは終わらない。
「ただし、使うのは魔法だけ。ちゃんと把握してるわよね?」
「そりゃもう当然。普段通りを追求するために装備はしてるけど、使わないさ」
今回使うのは魔法のみ。肉弾戦や武器を使用しての攻撃は禁止だ。
「それじゃあ始めましょうか」
「だな。決闘開始だ」
結界が張られる。
その瞬間に大量の魔法が飛んできた。
7801ページ 黒 青 未来跳躍
とりあえずで飛んでくる魔法の量じゃない。そう思いながら、未来跳躍でまず回避をする。
「初っ端からエグいなオイ」
「あら、生きてたのね」
そういえば、フレアとミレアがニアの強さを語っていた時に、こんな表現をしていた。一瞬で光がバーってなって魔物がバンって弾けて...だったか。まさにその通りだったよチクショウ。
これがニアの実力。周りを巻き込まない状況でのみ発揮できる一方的な蹂躙だ。
「手加減してる魔族よりも強いぞ...」
「本気の魔族にも勝てるつもりだから、その表現は不適切よ」
7801ページ 黒 青 未来跳躍
攻撃は止まない。コンスタントな跳躍を繰り返し、ニアの魔法を避けながら情報を集める。
4566ページ 黒のみ 閃光
攻撃の隙間を縫うようにして、一発攻撃してみる。が、ニアの魔法が飛んでくる。ニアが閃光にどう対処したのかを見る前に離れざるを得なくなる。
「断続的な攻撃で俺に情報を与えない気か...?そもそも魔力保つのかこれ」
俺に避けさせ続けることで、攻撃もそれをするための情報入手もさせない。攻撃は最大の防御とはよく言ったものだ。まだ避けられるからいいものの、普通の人は避けられずに蜂の巣だろう...これが技術的、または魔法の使用上これ以上の攻撃ができないだけならいいのだが、単に避けられる程度の魔法を使ってるだけとかだったら俺は泣く。
というかそもそも、だ。ニアは頭の中で魔法陣を描くことで魔法を発動させている。なのにこれだけの数、種類の魔法を同時に操ってるのはどういうこと?頭の中見てみたいわ。
あと、流石に魔力切れは起こさないだろう。そうでもないとこんな攻撃できない。十分以上避け続けても、まだ飛んでくるくらいは普通にするだろう。なんとか対抗策を見つけて、攻撃しなければ。攻撃できれば、隙ができて飛んでくる攻撃の密度が減る。こっちも攻撃は最大の防御といこう。
7801ページ 黒 青 未来跳躍
「敵に回ると面倒ねその未来跳躍」
「それはどーも」
ニアの後ろに跳ぶ。それでも魔力で探知でもしてるのか、すぐに魔法が飛んでくる。
9932ページ 接触厳禁
罠の線をニアと俺の間に引きまくり、ニアの魔法とぶつけて相殺させる。
1061ページ右下 黒のみ 風刃
1323ページ右上 黒のみ 火刃
ダガーを抜き、風と炎の刃を飛ばす。やってはいけないのは、武器そのもので直接攻撃することだけ。武器を使っての魔法行使は許されているため、やろうと思えば色彩剣装もオーケーだ。それをさせてくれるほどの隙は与えてくれないだろうが。
ニアとの距離、五メートルちょい。ギリギリ能力の範囲外。けれど、能力が及ぶ五メートルまでは加速できる。風と炎の刃は、五メートルを0.1秒未満の時間で移動しニアとの距離を詰める。実質、放った瞬間に当たるようなものだ。
「チッ、何かしやがったな」
しかし、刃はニアに当たる寸前のところで消滅した。今度は見えた。ニアが習得したらしき、新たなカスタム魔法だろうか。
7801ページ 黒 青 未来跳躍
急いで離脱する。今の俺にできるのはできる限り攻撃し、ニアを崩すこと。そして避けて避けて避けまくることだ。
「その守り破ってやんぜ」
「見抜いてから喚きなさい」
クッソ煽り返してきやがる...こうなりゃ一旦脳に思考を送り込んでやラァ。
5114ページ 黒のみ 思考共y〒々°%6^々%4$5+々7〆・*☆->☆t∥≠%*r◎°〆⇔※~仝L‥〒≪□&◇n#F±*£¢”ヾ♭・≦:≫Q $zc...
「……っ⁉︎」
7801ページ 黒 青 未来跳躍
「あっっぶねぇ⁉︎」
すんでのところにまで迫っていた魔法を、未来跳躍で何とか避けることができたが、今のは...思考共有でニアの思考が送られてきたというのか。俺がやろうとしたその一瞬前に発動されて、大量の異世界語で俺自身の思考をシャットアウトされた。前にニアの共有をもらった時は映像だったから理解できたけど、今回は文字や声だったから理解できずパンクしたのだろう。
「復帰早いわね。どう?喰らった感触は」
「最悪だからお前も喰らえ」
5114ページ 黒のみ 思考共有
ニアに向けて指を指し、魔法を発動させ...くそ、これも防がれるのか。何で防御してるんだ...?
「あら、何かしたのかしら?」
そう言いながら魔法を放ってくるニア。決闘開始から一歩も動いていない。まずはその余裕から崩す...そうしたいんだけどねぇ!
3780ページ上 黒のみ 筆記
いちいち使う魔法に魔力を流し込むのでは時間がかかるしロスが多い。筆記と、回避用の未来跳躍だけに魔力を流し込み、他の魔法は筆記で発動することにする。
そして地を走り、ニアの魔法を避けながら魔法陣を地面に描き込んでいく。少しずつ準備していって、場を整える。タイミングを見計らって一気に逆転を狙おう。
「グレネェード!」
魔法陣を描き込んだ小石を二つ、ニアの真上に落ちるように調整しながら投げる。そしてさらにもう一つ、迫ってくる魔法の下をバウンドさせるように下手投げで放り投げる。
「……石っ⁉︎」
俺の小石は武器である。共に戦う間にその知識を得ているニアは、当然のように魔法で撃ち落とす。
「グレネードつったろうがよう!」
わざと綻びを作っていた魔法陣が破壊されたことで、元々自壊するはずだった魔法陣に溜まっていた魔力が暴走、小規模な爆発と熱風、そして光を撒き散らす。
「くっ...!」
今のはあくまで囮。それに隠れるようにして下から投げられた石がニアの足元で止まり、拘束が発動してニアの脚を地面に縛り付ける。
「お前なら...そうすると思ってた!」
ニアは拘束をどうにかするよりも前に、大量の魔法で攻撃を仕掛けてきた。今度の目眩しは、その魔法自身だ。
固定万年筆を使って空中に描いた魔法陣。そこから閃光が放たれる。閃光は魔法でできたものを通り抜ける。ニアの放った魔法をすり抜けることができる。ニアの魔法を逆に利用し、不意打ちを仕掛けることができるのだ。
さっき閃光を使った時、どうやって対処されたのか見ることができなかったが、障壁で防御できない以上おそらく軌道操作系だろう。最初の位置から一歩も動いていないのは確認済み。空間設置型か、それとも任意発動型かはわからないが、どちらにしても視認が遅れるためワンテンポ対処が遅れる。そこを追撃するか、それとも情報収集に回るかはとりあえず決まってからだ。
7801ページ 黒 青 未来跳躍
ひとまず跳躍して魔法を回避。ニアの動きを探知できる五メートルちょいのところに着地して動向を探る。
「……消えた⁉︎」
閃光が消えた。それが意味することは...初めは疑念があったが、探知が捉えているその速度を持って確信に変わる。
「魔法拡散かよ⁉︎」
よりにもよってそれか。魔法でしか攻撃できないこの決闘では、魔法拡散は最強の防御と言って差し支えない。速度操作などのごく僅かの例外は除くが、こいつの前ではどんな魔法も無意味と化してしまう。
ただ、そんな魔法を長時間使っていられるわけがない。適性のあるなしがあるため参考にならないかもしれないが、今の俺ですら五分も使ってられないくらいの魔力効率の悪さ。それを使いながら、攻撃もしていたらいくら魔力があっても足りない。それにこの闘技場内では魔力は回復しない。失えばそれまで。短期決戦をしたいのかはわからないが、普通なら流石に無謀だ。
けれどニアは、その問題を技術で解消した。発動時間と効果範囲を最低限ギリギリまで狭めることで、限界まで魔力消費を抑えているのだ。ずっと張るのではなく、防御の瞬間だけ使う。飛んでくる攻撃の軌道を読み、的確に当てなければこの防御は成り立たない。思考の加速無しで、しかも毎回脳内で魔法陣を描いてやっているのを考えると神業としか言いようがない。
「魔力補給助かるわ」
「うっわなにそれ反則だろ⁉︎」
7801ページ 黒 青 未来跳躍
ニアが放ってきた魔法を避ける。今の魔法...何がヤバいって、魔法拡散で俺の魔法を分解することで発生した魔力を使って発動していた。魔力操作の応用なの...か?こうなると、下手な攻撃はニアの魔力源とされてしまう。無闇に攻撃できなくなってしまった。
「大方、その魔法拡散と魔力操作が新たな力ってとこなんだろうな。ニア、それエグいよ。敵に回したくねぇ」
「褒め言葉どうも」
「そろそろこっちも新技見せたいんだけど、こんな魔法で追われてたら出来ないんだよなぁ...一旦撃つのやめてはくれませんかねぇ?」
「いいわよ」
「えっ、いいの?」
うわほんとに撃たなくなった。
「カリヤの新技とやらを受け切って勝てば、それは完全勝利でしょう?」
「へぇ、そういうわけか...嘘だろうね」
「嘘?」
「そう思ってるってのは間違ってないんだけど、それは多分一番の理由じゃない」
チラッとミレアの方を見たが、一瞬反応してるのが見えたしな。なんかズルみたいだが、ミレアはあっちサイド応援してるんだから、敵を利用したってことで問題ないだろ。
「そうだな...魔力が減ってきて少し心もとなくなってきたから、攻撃させて魔力を集めようとかそんなだろうな」
「……心でも読んでいるのかしら?」
「いいや、ちょっと考えればわかることだ。相手の考えてることがわかるってのは楽だねぇ...かかったな」
俺が動き出すのを注意深く見ていたニアの顔が、ポカンとなった瞬間に駆け出す。さっきの会話でものの見事に誘導されてくれたニアは、魔法で俺の思考を読み始めた。そのせいで日本語という謎の言語に触れることとなり、理解できず一瞬思考が止まった。隙ができた。
4983ページ 黒のみ 虚像生成
地面に大量に魔法陣を描き込みながら、ニアに魔法を掛ける。魔法拡散をああいうふうに使っている以上、不意を突かれればモロに喰らうことになる。これでまず一妨害。
「今のは...っ!」
ニアの眼には、走り回っている大量の俺の幻覚が見えていることだろう。地面に仕掛けた魔法陣によって、魔力探知で本物を探そうとしてもうまくいかなくなっている。
「本物はどこ!」
だからニアは自分の脳に魔法拡散を一瞬起動させて、幻覚を解除する。そして次は魔力探知を阻害する魔法陣を潰そうと考えるだろう。
それに気を取られていたためか、ニアは自分の脚が地面に縛り付けられていることを忘れる。日本語に動転し、幻覚に惑わされ、冷静な思考が為されない。
4302ページ 黒のみ 念動
そして、あらかじめニアの足元の地面を切り離していたため、念動でそれを浮かせる。
「えっ...あっ⁉︎」
天地を反転させ、鎖によってなんとか支えられている状態になってやっと今の状況に気づいたニア。急いで鎖を魔法拡散で消し飛ばすが...またかかったな。
「俺は鎖に念動を使っていた」
そう言いながら俺は、浮いていた地面に飛び乗る。ニアの上を取った形だ。
「さぁ、地面とサンドイッチになーれ!」
鎖が消滅したことで、浮いていた地面と一緒に落ちていくニア。もちろん、落ちる地面は加速。ニアは少しでも減速させて逃がさない。
「くっ...!」
「まぁ、そうするしかないわな」
地面と床に挟まれるのを防ぐため、ニアは床を液状化させることでなんとか逃れる。
「んで、そこを凍結されたらどうするんでしょうねぇ」
地面に描いていた魔法陣を起動し、地面を凍結させていく。
「ほれほれ、このまんまじゃ新技使う前に勝っちまうぜ?」
俺がそう言うと、凍らせた地面の一部が融解していく...けど、どうせそこじゃないんだろ?
溶けた地面は、あたかもそこから出てくるかのように見せかけただけの囮。確認するまでもない。
「よーしそれを待ってた!」
4014ページ 黒 赤 障壁
「なっ...⁉︎」
凍った地面を魔法で突き破りながら出てきたニアの腰らへんを障壁で挟んで捕らえる。
「動けないねぇ...どんな気持ちかな、相手の思い通りに全部ことが進んでいるのを痛感してるのって」
「イラつくわね...一方的にボコしてやろうかしら」
「そういやニアさん完全勝利だなんだと言ってたけど、魔法だけっていうルールでやってる時点で完全勝利とはならなくね?その辺どう思うよ?」
「なによ、ルールを変えろと言いたいわけ?」
「いや別に。どう思ってるのかなーと気になっただけだ。今更こっちの都合のいいように変えようとは思ってないさ。そっちはまた今度やろうぜ」
さて、ジタバタもがいているニアだけれど、こっからどうやって抜け出すのだろう。やっぱ魔法拡散で障壁を消すとかか?
「まぁ何にせよ、お前がどれだけイラつこうがこっちの動きは変わらない。それどころか、イラついた分だけ思考が鈍って、ますます俺の思い通りさ」
っと、魔法が一発飛んできたけどヒョイっと避ける。
「そんなことしたって無駄さ。さて、ニアはこれからどうするのかなぁ?魔法拡散で障壁を消す?魔力で干渉して脆くさせる?特効魔法で打ち砕く?いずれにせよ、俺の想像を超えてくれねぇと勝ちはねぇぜ」
「よく吠えるわね。なら、その想像を超えてみせようかしら」
そう言った瞬間、ニアの体が一瞬にして消滅する。
「未来跳躍ねぇ...」
見えなくなったわけじゃない。完全に存在が消失しており、速度が存在していないため未来跳躍だと断定する。普段から使っているからすぐにわかった。
「確かに最善に近いが...その可能性は考慮していたぞ!」
大量の魔法陣を起動、水系の魔法や風系統の魔法、その他色々を掛け合わせて無数のシャボン玉を辺り一体にばら撒く。これで転移先を封じて未来跳躍を無効化する...わけではない。
未来跳躍は転移先に液体や固体があると使うことができない。そもそも発動することすらできないのだ。既に消滅という現象が起こっている以上、妨害は不可能。転移先にシャボン玉を浮かせることはできない。
そしてそれは逆に、不自然にシャボン玉がない場所に確実に転移してくるということでもある。
「そこっ!」
おそらく、転移に設定した時間は三秒ピッタ。ちょうど出現した瞬間に命中するように、この瞬間に描いた魔法陣を起動して閃光を放つ。障壁でガードすることも許さない。
「ゲームセットだ!」
閃光がニアを貫く
……ことはなかった。
「出てこない...だと?」
そもそもニアが現れない。ここ以外にシャボン玉が妙に存在しない空間もない。ここしかあり得ないはず...
「この感じ...クソ、魔法で気流を操作してやがったか」
いざ近寄って確認してみれば、魔法によって作り出した風でシャボン玉を寄せ付けていなかっただけだった。こいつはダミーだった。
「でも、それならどこに...」
ここ以外にはどこにも転移できないはず。シャボン玉が全て塞いでいる。どこにも転移できまい。そもそも、未来跳躍と断定したのが間違いだったのか...?
「……いや、まだあった逃げ道が!」
俺がそう言ったその時、地面から炎が飛び出してシャボン玉が連鎖的に破られていく。
「地中か!」
あらかじめ溶かしてあった地面。その下に作っていた空間へと転移し、俺の攻撃をやり過ごしたのだ。
「どうよ、あんたの想像超えてやったわ」
地面から出てくるニア。
「完全に詰ませたと思ったんだけどな...読みが甘かったな」
固定万年筆をしまい、腰のホルスターにしまってある魔力銃を抜く。
「新技、見せてやるぜ」
銃口をニアに向けながら、俺はニヤリと笑う。
前書きに書いた通り、フレアミレアを登場させたのはなんとなくです。
ニアと繋がりあるし、カイスにいるしでちょうど良く、ちょい役として出してみよっかなーと思いました。
機会があれば、他にもキャラ再登場させたいなと思ってたり思ってなかったり...