前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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謎にクミリアと戦うことになったわけですが、ちょっと出来悪めですすいません。


雷の精霊を身に纏い

「えーっと...状況よくわかってないんだけど、なんで俺クミリアと戦わないといけないわけ...?」

 

ガルムの闘技場に着いてから言うことじゃないだろうけど、ほんとなんで?

 

「そして、なんでクミリアはそんなるんるんなわけ?ニアに何吹き込まれた?」

 

「なーいしょ」

 

うん、こんだけ回復してるならもういいんじゃない?なんで戦う必要がある?

 

「まぁそう言わないで戦ってやりなよ」

 

「他人事みたいに...痛いからできれば試合はしたくないんだぞ?」

 

死にはしないけど、どちらかが死ぬまで試合は終わらない。ひたすらに痛いの応酬だ。できればやりたくはない。

 

「あと、一つ特殊ルール。雷装以外使用禁止だから。武器も使ったらダメ。格闘だけで戦って」

 

「……速度操作も使うなってか?」

 

「そういうこと」

 

「雷装は使えるつっても、クミリアは使えないだろ。どうすんだ?」

 

「雷装に代わるものを、私が用意する。準備には時間がかかるから、途中からにはなるけどね」

 

「……クミリアはそれでいいのか?」

 

「構わないよ。久しぶりの一対一の戦闘が楽しみで仕方ない」

 

「そんな楽しみにされても、速度操作使えないんじゃクミリアに勝てるとは思えないんだけど」

 

「こっちだって身体能力強化のバフを使わないんだから、条件は変わらないさ。カリヤは速度操作に頼らない戦闘の練習、クミさんはニアの補助を受けての戦闘練習。それぞれ実りあるものにしようじゃないか」

 

「……まぁいっか。しゃーないから戦うよ。ちょっと待て武器置いてくる」

 

試合場の外に武器やポーチを全て置いてくる。

 

「よし準備完了だ。いつでもどーぞ...って、なんも言わずに始めんのマジ?」

 

俺が試合場に戻ってきた瞬間に結界起動したぞこの人たち。

 

「ってか、ニアも結界の中にいるんだな」

 

「そりゃ当然でしょ。中にいないと干渉できないし」

 

「そっかなるほどなっと」

 

話してる途中にサラッと殴りかかってきてるのヤバいと思うぞクミリアさん?なんとなくそんな気がして身構えてたから避けれたけど。

 

『雷装』

 

「不意打ちは酷くないですかねぇ...?」

 

ああ遅い。速度操作を併用すれば秒速90メートルはいくってのに、速度操作を禁止されてるせいでちょっとしか速くならない。雷装のおかげで少し速くはなってるけれども、これでやっとクミリアとの格闘技能の差を埋められる程度のものだろう。

 

「当たらない...!」

 

「こっちも当てらんねぇし、やっぱ遅いな」

 

お互い、いつもの高速移動に目が慣れているためこんなスローな攻撃当たるわけがない。一定の距離感を保ち、ギリ避けられちゃうけどこっちもすぐ避けに転じれる攻撃をしていく。

 

……普段、俺は速度操作に頼ってヒットアンドアウェイの攻撃をしてきた。解除すれば元の速度に戻る速度操作の仕組みを利用して、急な方向転換やフェイントをしてきた。けれど、今はそれができない。一歩ミスれば後戻りはすぐにはできない。なるほど、これは良い訓練かもしれない。

 

「そういやさっき言ってなかったけど、これって多分クミリアが電気に慣れる練習でもあるんだよな?」

 

「お喋りだね。余裕?」

 

「そりゃ余裕さ。ほーら、喰らいな」

 

攻撃が当たらない?それは避けてるからだ。雷装を発動している今、俺の攻撃は触れるだけで完了する。

 

「ビリビリー!」

 

「っっっ!!」

 

クミリアの蹴りを上手く衝撃を受け流しながら掴み取り、雷装で電流を思い切り流し込む。

 

「こんなので堪えるようじゃダメだぜ?無理矢理にでも動いてもらわないと」

 

永遠と雷装を流し込み続ける。俺の雷装でこれだと、アクセルとかライトの雷装を喰らったら一発アウトになっちゃうぞ?これくらい耐えて反撃してもらわないと困る。

 

「……いつまで痺れてんだよっ!」

 

「ぐわッッ!」

 

クミリアの脚から手を離し、顎を思い切り蹴り上げる。

 

「ぐっ...あ、脚が...」

 

「皮膚表面への連続放電による火傷、神経の痺れ。右脚はもう死んだろ」

 

比較的威力の低い俺の雷装だって、長時間流せばここまでの傷は作れる。

 

「クミリア、お前は雷を羨ましがっていたけれど、実際はこんなんだ。ひたすらに痺れ、動けず、皮膚が、筋肉が焼けていく。もしこれが本当の雷だったら?鼓膜は破けるし、脳に電流が走れば記憶を失ったり人格が変わったりする。心臓に走れば?最悪心臓は止まる。助けがなければそのままデッドエンドだ」

 

「っ...!」

 

右脚を押さえながら、なんとか立ち上がるクミリアに向けて言葉を飛ばす。

 

「今から俺は、全力で雷の恐怖を叩き込む。適応したけりゃ、死ぬ気でかかってこい」

 

「その...つもりだよ!」

 

「遅い」

 

「あ゛ッッッ!」

 

殴りかかってきたクミリアの頭に一瞬雷装を流し込む。

 

「これで意識障害。流石に耐性無さすぎないか?...身体強化なければこうなるのも当然か」

 

地面でうつ伏せになり、ビクビクと痙攣しているクミリアの脇腹を蹴りながら呟く。

 

「なぁニア。流石に身体強化くらいは使えるようにしねぇ?雷装が強すぎて練習にならねぇぞ?」

 

これじゃ試合にならないとニアに言う。

 

「カリヤあんた...エグいことするわね」

 

「雷が羨ましいとかいうからだ。ニアの雷装に代わるものってのが何なのか知らんが、雷の恐ろしさを知らずにやらせるわけにはいかない」

 

「だからといってそれはやりすぎじゃ...」

 

「武器使うなってんだからしょうがないだろ。肉弾戦で試合を終わらせるには、こうやってコツコツとダメージを積み重ねるしかない。ダガーでサクッと殺すよりも辛いぞ」

 

「……なんで試合だとできるのかしらね...」

 

「何の話だ?」

 

「それよりも、よそ見していて良いのかしら」

 

「あん?攻撃できるわけないんだから見なくて良いんだよ」

 

俺の予想通り、クミリアは軽度の意識障害から復帰したが回避を優先した。アクセルなら攻撃を選択していただろう。

 

「ほら、逃げてばっかじゃ勝てないぞ。なに怯えてやがる...いや、まだ目に希望が残ってんな」

 

クミリアは右脚を引き摺りながらも立ち上がり、拳を構えていた。

 

「そうでなくちゃ、練習にならないからなァ...ニアのサポートもまだだしよォ」

 

空では雷雲が少しずつ形成されつつある。あれを使って何かするつもりなのだろう。

 

「それじゃあこうしようか。今から、雷装の電気エネルギーを両脚に集中させる。それ以外の場所には流れていないから、攻撃しても反撃されることはない。さぁ、かかってきな」

 

雷装による高速移動でクミリアに近づき、側頭部へと蹴りを放つ。

 

「かかってきなって...そっちから仕掛けてきてんじゃん!」

 

「最初に不意打ちしてきた奴が何言ってんだァ?」

 

蹴りは躱されるも、その後のクミリアの反撃も当たらない。足と腕によるリーチの差だ。クミリアは、今まで受けたダメージと、このリーチの差、雷装による速度の差と三つの壁を乗り越えなければ俺に攻撃することはできない。

 

俺が距離感さえ間違えなければ、負けることなんて...っ⁉︎

 

「近っ!」

 

いつの間にこんな距離詰められ...あっぶね!

 

変だな。クミリアの動きはさっきから変わってないはずなのに、なんで回避がギリギリに...

 

「い゛っ、つぅ...」

 

ついに被弾する。と言っても軽くパンチが当たったくらいだが、それでも被弾は被弾だ。

 

そして、ここで俺は気づいた。クミリアが速くなってるのではないのだから、俺の動きが鈍くなっているということに。けれど、別段俺の速度が落ちたわけでもない。判断が遅くなっているのだ。

 

速度操作を使っていないのに、雷装を脚に集中させるという思考のリソースを割かないといけないことをし続けている。それプラス、戦闘中の思考を普段通りにしてしまってるせいで動きが遅れてしまっている。いつもの癖が悪い方向に働いてしまっている...って、こんなことを考えてる時点でダメなんだが。

 

「攻撃の初動も追えないし、速度操作に頼り切りなのがわかるな...」

 

速度操作が使えないなんて状況、魔力切れしてる時しかありえないから気にしてなかったけど、少し改めた方がいいのかもしれないな...後で考えよう。

 

「よーし一旦考えるのはやめだ。無心でいこうか」

 

脚への雷装に意識を集中し、走ってクミリアに近づく。回避は一旦無視。姿勢を一気に低くしてそのままスライディング。クミリアの足元を滑り込んですぐ地面に手をつき、足払いを仕掛ける。

 

避けられる...が、そのまま一回転して跳んで避けたクミリアに対して再度蹴りを放つ。ミルキーのダンスを真似させてもらった経験が活きている。

 

バチンッ!

 

一瞬だが、こちらの攻撃が掠った。しかし、当たったのはクミリアの右脚。既に死んでる部分に当たったため、あまり意味はなかった。

 

「追撃...!」

 

地面を転がってそのまま流れるように立ち上がり、クミリアに向かってジャンプ。飛び蹴りを放つ。

 

クミリアはバックステップで回避し、無防備な俺の頭にパンチを叩き込もうと...したのでその手を掴んで後ろに倒れ込み、巴投げ的な要領で腹に足を押し付けながら後ろに蹴り飛ばす。

 

「うわうっそでしょあれ喰らって着地できんのか...」

 

クミリアが着地したのを見て驚きながらも立ち上がる。次の攻撃のプランをざっくりと決め、再度攻撃の準備をする。次は、カウンターでいこうか...

 

「クミリア」

 

「おっ、やっと準備オッケーか、遅いよニアー」

 

……どうやら、ニアの準備が完了したみたいだ。

 

「仕方ないでしょ、必要量生まれるまで時間かかるんだから...今、制御権を譲渡するわ」

 

「制御権?譲渡?どゆこと...ああ、そういうこと?」

 

空の雷雲から大量のテトラが落ちてくる。落ちてきたテトラたちは、クミリアの周りをグルグルと旋回している。制御権の譲渡って、まさかテトラを操作する権限をクミリアに移したってこと?そんなことできるん?

 

「どうやってんだそれ。そもそも譲渡なんてできたのか」

 

「荒技だけれどね。テトラの認識を弄って、クミリアを私だと誤認させているのよ」

 

「なるほど」

 

「こっからはクミさんの独壇場...ってね」

 

「なにニアの真似してんだ...って、面白いことしてんじゃん」

 

クミリアはテトラを操り、自らの身体に装着し始めた。テトラ同士が合体し形を作るその性質を利用し、スーツ的なものに変換していく。

 

「……仮○ライダーかな?」

 

群体が集まってスーツが形作られてるのを見ると、メタル○ラスタホッパーを思い出すな...

 

「かかってきな。全部潰してやるよ」

 

「ならお言葉に甘えて先制!」

 

テトラを装着したクミリアが走り出す...おお、速いな。

 

「擬似雷装ってか。だいぶ速いけど...まだ遅いな」

 

テトラで自身に微弱な電流を流すことで、雷装を使っている時と同じような加速効果を得ているようだ。死んでいた右脚もそれで動かしているようだな。

 

けれど、本物の雷装の方が速い。クミリアが速く動けたとしても、その上から蹴りを叩き込める。

 

ドスッ...と鈍い音が鳴る。しかし、あまり効いていないのかクミリアはすぐさま俺の足を掴み、投げ飛ばす。

 

「生半可な攻撃は効かないか...」

 

着地しながら次の動きを考える...暇はないな。

 

一旦回避に専念する。テトラを装備している今のクミリアは、全身が凶器。触れればすぐさま電撃をもらってしまう。俺は脚でしかクミリアに触れられない。とりあえず避けに徹して、テトラの弱点を探していく。

 

「武器を使えたら早いんだけど...!」

 

俺が知っているテトラの弱点は結合部。そこを切断することで個体の大きさを小さくし、強度が落ちたところを砕くってのが俺が考え出した定石だ。

 

しかし、打撃ではそれを行うことはできない。そもそも速度探知を使えないからどこが接合部なのかもわからない。繋ぎ目を無視して普通に蹴ったとしてもダメージは期待できないし...

 

「うっわ急に腕伸ばすな!」

 

腕についているテトラを操作して、打撃の瞬間だけリーチを伸ばしてきやがった。殴られるすんでのところでバックステップが間に合ったけど、変形機能はなかなかに厄介だな。

 

けど、変形直後は結合が甘いとかはありそうだ。狙ってみる価値はあるかもしれない。もう一度伸びるパンチを打たせるためにギリギリの距離を保って...きた!

 

「オラァッ!」

 

決まった!一瞬のバックステップからのサマーソルトキックが伸びた腕に命中、結合の甘かった腕部分のテトラがバラバラになって散らばる。

 

「うわ、急な変形はリスクがあるのかー...」

 

「そういうこった!」

 

先の攻撃により開いたテトラのスーツの断面。そこから見えるクミリアの指に蹴りを叩き込んで...は間に合わない。加速があれば余裕で間に合うタイミングだったが、先にテトラの防御が間に合ってしまう。

 

「チッ...まぁいい。少しずつ削り取ってやるよ」

 

バラバラなって散らばっていったテトラは消滅していた。蹴りが当たった瞬間に大量の電撃を与えてやったから、そのダメージで消滅したのだろう。合体状態では受け流されるけれども、一個体に受け止められる電撃の許容量はそこまでのようだ。

 

「削り取る?そんなこと、させると思う?」

 

またしても、腕の部分が変形していく。変形直後は狙い目。そう思って近づくが...急いでやめて急停止する。

 

「腕が剣になるってそれアリぃ?」

 

変形するタイプだとありがちなやつだけど、かなり面倒だ。下手に蹴りに行ったら切断されるなこれ。

 

「そーれいくよっ!」

 

クミリアは走り出し、俺に向かって腕の剣を振ってくる。

 

「まぁでも...使い手がそれじゃあ無駄だな!」

 

腕に直結してるから手に持つよりも感覚的に使えて多少扱いやすいとはいえ、クミリアには剣の経験はない。適切な間合いだとか、振った後のいなし方だとか、そういった知識と経験がないため避けることは簡単だった。

 

「ってかこっち武器使っちゃいけないのにそりゃズルだろ!」

 

こっちは武器を封じられてるってのにそっちは武器使って良いのずるいぞ!

 

「それならこっちも前言撤回だ!全身に雷装を流させてもらうぞ!」

 

脚へと集中させていた雷装を全身に流す。元々こっちが勝手にかけた縛りだし、今更やめたところで文句はないだろ。そして雷装の集中に割いていた思考のリソースも戻って、ちょっと戦いやすくなった。

 

互いに電気は効かない。こっからは完全に肉弾戦の実力勝負だ。

 

「セイッ!」

 

全身の雷装に戻したことにより、さっきよりも速度は落ちてしまったものの、剣以外には自由に触れても良くなったため一直線に突っ込む。避けやすい剣はサクッと避け、そのまま二の腕あたりを持って背中側に回し、一気に引っ張りながらその背中を蹴り飛ばす。

 

「防御装甲あるやつには関節狙えば良いって常識だわな」

 

「くっ...ふんっ!」

 

……どうやら意外と効果があったみたいで、おそらく肩が外れかけていたのだろう。力む声を上げながらクミリアは無理矢理肩を嵌め込んだ。

 

「隙間...できてるぜ」

 

クミリアは肩を嵌め込んだ。しかし、外れかけたことによって生じていたテスラの装甲の隙間には気づいていない様子で、直そうとしていなかった。なのでそこを狙って近づき、そこに指を突っ込む。

 

「オラァッ!」

 

「ちょっ⁉︎」

 

腕力で無理矢理グイッと引っ張り、テトラの結合面を引きちぎ...れねぇ⁉︎こいつ硬え!しかも直そうとしてるのか隙間がどんどん狭くなってる。このままじゃ指が挟まって...

 

「いや、この感覚はそういうことだよなァ!」

 

隙間が狭くなるにつれて強くなる、この手のビリビリ感。おそらくテトラは、電気の力で結合している。電磁気力だとかそんなんだと思うが、要するにその結合力を大量の電流を流すことによって乱してしまえば、綺麗に分解されるはず...!

 

「えっ...えっ⁉︎」

 

「丸裸ーってね。それじゃおやすみ」

 

「ヒュッ」

 

テスラを失い、電撃への耐性も失ったクミリアの首に雷装を流し込むと、一瞬うめき声を出してそのまま気絶した。

 

「……これ戦闘不能ってことで終わりでいいよな?」

 

結界は消えてないけど、気絶してるし流石に終わりってことで良いよな?

 

「ええ、いいと思...」

 

……なんか、俺の後ろの方を見て、信じられないと言った顔をニアがしてるけど...ああ、なんとなく読めたぞ?

 

「クミリアさん気絶してからも動き続けるのやめてくれません⁉︎」

 

明鏡止水とか狂化とか意識無くても一応動けるよ的なスキルはあるはあるけど、気絶と同時に発動するのやめてくれん?いやまぁ普段なら心強いんだけども、試合でやるのはなしだって。

 

「しかもこれバフ全部乗せじゃんか本気やんけ!」

 

しょうがないので速度操作を解禁し、一旦受けに回る。

 

「し、試合を強制終了させれば...」

 

「いや、それ無駄だニア。それしてもそのままだ」

 

本来なら試合が終われば全ての魔法が解除される。けれども、ガネルでの大会では、クミリアの明鏡止水は試合終了後にも効果が持続していた、たとえ試合を強制終了させたとしても、同じ結果に行き着くだけだろう。

 

「一旦殺さないとダメか...」

 

俺が死んだとしても、試合の強制終了と何も変わらない。クミリアを一度殺すことで試合を終わらせないとダメだ。

 

「カリヤあんた...できるの?」

 

「武器も魔法図鑑もないからキツいけどな...」

 

武器もポーチも全部結界の外に置いてあるから、肉弾戦をするしかない。でも、バフ全部乗りのクミリアに勝てるイメージ湧かないんだよな...避けるだけならできるんだけど、攻めに転じた途端にやられそうな気がしてならない。

 

「ってことでニアが攻撃してくれると楽なんだが、ドカンと雷落としてくれ。生き返るから躊躇はいらない」

 

「……いいの?」

 

「いいから撃ってくれ最大火力で頼む。避けるの結構神経使うんだよ」

 

「わかっ...たわ」

 

何だその間は。いくら仲間だとはいえできないわけじゃないだろ俺と戦った時は容赦なく撃ち殺したんだし。

 

「落とすわ。あんたは...」

 

「雷装あるから大丈夫だ。撃て...撃ったなうん」

 

ピシャリと雷雲から雷が落ちた。まず雷装状態である俺に落ち、そこから超至近距離にいたクミリアへと伝わっていった。その時、雷の伝わる速度をほんの一瞬いじることで心臓と脳へとより多くの電流が流れるようにしてみたのだが...結界が消えたのを見るに、即死したみたいだ。戦闘でついた傷も全て癒えていた。

 

「……よし、終わったみたいだな」

 

「そう...ね」

 

「クミリア気絶したままだし、とりあえず医務室に移動させとくか」

 

「私が運ぶわ...おm」

 

「それ以上言ってあげるなしょうがないだろ筋肉質なわけだし」

 

とりあえず俺は武器を回収して...と。って、持ち上げるのやめて魔法で浮かせてやがる。無理だったんだな...

 

「……ねぇカリヤ。戦ってみて、どう思った?」

 

「どう思ったか?うーん...テトラを身に纏うのは面白いけど、ニアの準備に時間がかかるから実用的ではないかな。雷使った後に一応できるよっていう選択肢にはなるだろうけど、それ目的で雷撃つのは違うかなって感じ」

 

「あ、そっち...ええ、そうね。確かに、実用的ではなかったわね」

 

「そっちってどういう意味だ?」

 

「なんでもないわ。気にしないでちょうだい」

 

そう言いながらニアは何かを考えるような仕草をしていた。何考えてるんだろ...

 

「まぁ、実用性云々はクミリアが雷装手に入れてるかどうかを見てから考えた方がいいかな」

 

「……どういう意味?」

 

「最大火力の雷を落とせつったろ?クミリアはそれを喰らったわけだから、もしかしたら雷装を手に入れてるかもしれない」

 

ただの雷装だと無理だけど、雷装を溜め込んだ電気でアクセルが雷装を手に入れられたわけだから、一定以上のパワーの電気を喰らうことが雷装を手に入れる条件なのかもしれない。と思ってニアに撃ってもらった。

 

クミリアは雷装を欲しがってたしな。手に入れるチャンスを与えてやったわけだ。これでダメだったら、そこは潔く諦めてもらうことにしよう。

 

「あんた...そのために雷装であんな痛ぶったわけ?」

 

「人聞きの悪いことを言うな。それに、そのためってのおかしいだろ。あのトラブルがなかったら雷を落とせだなんて言わなかったわけだし。俺がああやったのは単純に雷装を手に入れる時に感じる痛みを味わってもらって、諦めさせようとしただけだ。雷装は戦力にはなるけど、無理して手に入れるもんでもないしな」

 

「ん、んん...」

 

と、ここで気絶していたクミリアが目を覚ました。

 

「うわ浮いてる」

 

「なぁクミリア。雷装使えるか?」

 

「急にどうした使えるわけないじゃん」

 

「そっか...なんでもない忘れてくれ」

 

雷装を手に入れていれば、使えるってことが自然と頭の中に浮かんでくるはずだ。俺の時もそうだったし。クミリアにそれがないってことは、手に入れてないってことなのだろう。

 

「というか私負けたの?記憶があやふやになってて覚えてない...」

 

……ニア、きっと絶対後遺症とかじゃないから俺のことを見ないでくれ単純に気絶しながら戦ってた影響だろうからさ。

 

「とりあえず医務室GOだ。何があったかそこで説明する」

 

「えっ、何かあったの?なに?なに⁉︎」

 

浮かんだままジタバタしてるクミリアを、俺たちはそのまま医務室へと運ぶのだった。




以前、なんで試合とはいえ殺し合えるんだ?とガネルの大会を見ていて思っていたはずのカリヤくんが、いつのまにか普通に試合だと殺していいみたいになってるんですよね。
染まっちまったな...
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