前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
第五十八階層の攻略ですが、戦闘少なめ会話多めで前半です。
「えーっとまず、状況を整理しようか」
全員起き上がったので、誰が誰と入れ替わったのかなどを整理することにした。
「俺はレストと入れ替わった。ステラはニアと入れ替わってて、残りのクミリアとライトが入れ替わってるってので合ってるか?」
「合ってるよー!」
……ステラのテンションをニアの姿でやられると、なんか調子狂うな...さっきステラが呼んでたようにニアちゃんって呼びたくなるなこれ。
「こっちも合ってるよ」
クミリアから陰のオーラが...これはどう見てもライトだな、うん。
「ステラとニアは転移前に話した感じの基準で入れ替わったんだろうけど、そこの二人はどういう基準だ?」
入れ替わりの基準は、共通点がありながら、異なる部分もあること。少々分かりにくいが、一番分かりやすい例はステラとニア。共に遠距離攻撃担当だが、その手段は物理の矢と魔法で異なっている。そんな感じの相違点が俺とレストや、クミリアとライトにもあるはずだ。
「前衛担当ってことじゃない?違うところってのはほら、武器のある無しとか」
「なるほどそれはありそう」
「カリヤたちはなんでだろ?担当してること全然違くない?」
「それはまぁ、なんとなくわかるぞ」
「なに?」
あっ、レストは分かってないんすね。
「どっちもサポート型だろ?誰かを助けることに特化している」
「そう言われるとたしかにそう...かも?」
「異なっているのは、レストは盾での防御をするのに対して、俺は回避で攻撃を凌いでいるってところ。単純に、俺は攻撃もしてるってのもそうだろうな」
こじつけに近いけどおおよそこんな感じだろう。あまりもの同士で組まされたとか、既に入れ替わりを経験してるからってのもありそうではあるけど。
「とりあえず入れ替わりの基準はこんなとこだろ。ところでみんなに確認なんだが、その体の脳に刻まれてる記憶って読めたりする?」
「……どういうこと?」
「そりゃ初見だと難しいか...レストはどうだ?」
「無理」
「やっぱ無理かぁ...」
「やっぱりってことはカリヤも?」
「うん」
「ちょっと、話がまるで見えてこないのだけれど、なんの話をしているのかしら?」
「前にレストと入れ替わった時には、本人の脳の記憶を読んで、使えるスキルを把握するってのができたんだよ。でも、今回はそれができない」
「どうして?」
「おそらく、記憶丸ごとを入れ替わりの対象の脳に転写しているからだ。前は魂そのものの入れ替えで、脳の記憶はノータッチだったから見れただけ。記憶そのものを入れ替えた今回は、脳を覗いても自分の記憶が見えるだけだ」
「そもそも脳の記憶を読むとか見るってのがよくわからないのだけれど...」
「脳の記憶を読んでも意味ないなら魂の記憶を読めば良いんだろうけど、それも難しいからな...」
「ただでさえ意味不明だったのにさらにわからなくなったわ...なによ魂の記憶って」
「便宜上そう呼んでるだけだからあまり気にしないでくれ。どうせ読めないから意味ないし」
記憶には、脳に宿る記憶と魂に宿る記憶の二種類あるっていうふうに俺は解釈している。その二種類がないと、魂の入れ替えの時に起こったこと全てに説明がつかないからな。っと、それは今は関係ないから置いといて...だ。
「記憶を読み取るのは難しいから、互いにどうやって力を持っているのかや、使い方を共有してくれ。そうじゃないと、どう動いたら良いかわからなくて全体の動きに支障が出るからな」
「……そうね、私はステラちゃんに、私の魔法の使い方を教えて」
「私はニアさんに弓矢の使い方を教えるってことだね」
「ライトー剣の使い方教えてー。あと雷装と天の怒りと色々もお願い」
「う、うん」
「出来るだけ分かりやすく言語化するんだぞ。いつも感覚的にやっていたことを人に教えるってのが重要だと思うから」
「じゃあカリヤ、速度操作の使い方教えて?」
「速度操作を使うぞーってやると周囲の速度がわかるから、変えたい速度を見つけて速くなれ〜ってやると速くなる」
「あんたが一番感覚的じゃないのよ」
「実際そんな感じなんだよしょうがないじゃん」
ほんとにそんな感じなんだよな。能力を使うぞ!ってやると使える。そしたら周囲に能力が広がって周囲の速度を把握できるようになる。そこで操作したい速度をこれくらいの速度にしたいってやるとそこ通りになる。こんなだから、説明しろと言われてもこう言うしかないのだ。
「こう...かな」
目を閉じて、眉間に力を入れるレスト。別にそんなに力入れなくても良いんだけどな...ってそんなに力入れないでよ俺の眉間にシワ寄っちゃうからやめて?
「あー...」
「ちょっ⁉︎どしたレスト!」
急にバタンって倒れたぞどうした⁉︎
「あだ、あだまが痛い...」
「あーそりゃ思考速度加速してないからだな。速度操作を発動させると同時に加速させてみろ。それでなんとかるはずだ」
「あー...うん、マシになった。でもまだ変な感じする...」
「その感覚を、俺はほぼずっと感じてるわけなんだけどどう思う?」
「すごいね」
それだけかよ...と思いながら、情報交換を続けた。
「よし、情報共有終わったし、ダンジョン攻略始めよっか」
「そうだね。行こー!」
かなり時間が経ったが、やっと攻略開始だ。速度操作無しの戦い、ちょっと楽しみだ。
「……ちょっとカリヤ、なに真ん中に陣取ってるのよ」
「え?...あそっか前にいないとダメなのか」
いつも、四方八方を丸ごとカバーするために中心で速度探知を使っていたのだが、その癖が残っているせいで立ち位置を間違えてしまった。今の俺はレストなのだから、前に出て守りに集中しないと...
「あーヤバい。普段索敵とかどっから攻撃飛んでくるかとかそういうの全部速度探知に頼ってたから、みんなを守れる気が全然しねぇ。あんな動けるわけないってぇ...」
「なに不安になってるのよ...」
「僕も無理。速度操作はなんとなくできるようになったけど、魔法図鑑を使うのは絶対に無理」
「まぁそんなこと言ったら、みんなできないことあるよ。私は魔法使えるか心配だし、ニアさんは弓で狙うの難しいでしょ?」
「そうね。絶対変なとこ飛んでいくわ」
「誤射だけはやめてくれよなー」
「それはしないわよ...多分」
うん、不安。まぁもし誤射しかけたら、速度探知で気づいてレストが守ってくれるだろう。期待してるぞー。
「ところで気になってたんだけど、どうしてクミリアはビクビクしてるわけ?」
「聖剣が思ったよりも重くて緊張してる」
「軽いはずだけど...?」
「重量じゃなくて、責任が重い」
「そういうことかよ。そんなに重く考えなくても、適当に魔物向かって振れば問題ないさ」
前にテトラで剣を作って使っていた時のことを思い出すとちょっと不安になるが、切れ味が違うからちゃんと当たれば問題ないはずなんだよな。味方を斬りそうなのだけ恐いけど。
「そう言われてもなー...あっ、魔物だ。この体もそれなりに目が良いね」
ほんとだ、結構遠くだけど魔物がいるわ。こっちを見てるな。
「あっ、なんか撃ってきた」
「カリヤ守ってねー」
「へいへい...うわ距離感掴めな!」
飛んできた骨のような何かを盾で弾き飛ばす。
「やっぱ速度操作って影響力大きいんだなぁ...」
「もう完全に依存状態じゃない一旦禁止したほうがいいんじゃないかしら」
「やめてくれよぉ...俺はアレないとダメなんだよぉ...ってか早くアイツ処理してくれません?ずっと弾くのめんどいんだけど」
何個も何個も骨っぽいのが飛んでくる。その度に弾いてるけど、いつ失敗するかわからないから恐怖でしかない。
「よーしニアやってやれ」
「しょうがないわね...当たらなくても知らないわよ」
ニアが弓を引き絞る...が、すっごい腕プルプルしとるこりゃダメだわ。
「なんでステラの体なのにそうなるわけ?腕の引き方がおかしいのか?」
「うるさいわよ今集中してんだから...」
そう言うニアだが...腕はプルプルしっぱなしだ。普段の魔法の操作のおかげで集中力は鍛えられてるはずだから、狙いをつけるのは得意なんだろうけど...やっぱ技術が足りないか。
「……っ!」
ニアの手が離れ、矢が飛んでいく。矢は思ったよりも真っ直ぐ飛び、しっかりと魔物を貫いた。
「おぉ、絶対当たんないと思ってた」
てん○るの蒼葉結○的な感じで全く飛ばないもんだとばかり...
「そんなわけないじゃない当たるわよ」
「んじゃ、もう一体いるっぽいからそいつもやってくれ」
「それなら私が!」
そう言いながらステラが前に出てくる。
「魔法使うぞー!」
ステラは手を前に突き出し、銃のような形にすると、指先から火球を作り出して撃つ。あのポーズは俺の真似なのかなと思いながら、飛んでいく火球が魔物に命中するのを見届ける。
「ステラグッジョブ」
「魔法で倒せたの初めて!やったぁ♪」
ニアの体でそんな喜び方されると凄い違和感だな...
「よかったなステラ。よし、攻撃止んだから進もうか」
攻撃してきていた魔物は二人が倒してくれたので、前進再開だ。
「ねぇニアさん」
「どうしたの?ステラちゃん」
名前を呼び合うと、ほんとわけわからんくなるな...意識してないと混乱する。
「ニアさんってもしかして、目悪い?」
「少しだけれど、そうよ」
「本当に少し?結構ぼやけるんだけど...」
「普段魔法を使って矯正しているから、もしかしたらそのせいでさらに目が悪くなっているのかもしれないわね」
「そんなことしてたんだニア。メガネにしないのか?」
「メガネってフレームの外側はぼやけたままじゃない?それだったら魔法で矯正した方が楽なのよ」
「なるほどね」
「そっか魔法使わないとダメなんだ...それって難しい?」
「難しいわね。それなりに見えるのなら無理して使う必要はないけれど...今どれくらい見えるの?」
「遠くの物がぼやけるんだよねー」
「……それ、単純に元々のステラちゃんの視力がよかっただけじゃない?」
「そう?」
……なんかこれ、普段の自分がどうして強かったのかを確認できる良い機会になりそうだな。自分でも気づかなかった強みを見つけられるっていうかなんというか、他の人の体を動かすことで気づけることってあるんだなと思った(小並感)
「そういやさっきの動きでちょっと思ったんだけど、レストと、クミリアかライトのどっちかの二人で加速で突っ込んでもよかったよな。ってなわけで次魔物が出てきたら頼むぞー」
いやー攻撃に参加しなくていいってのはちょっと楽だな。魔物が大量に現れたら守りで忙しくなるだろうけど、そうなってかつ長引くなんてことこのメンツじゃそうそう起こらないだろうし。その分指示に集中できるの嬉しい。
「じゃあ次クミさんが行こうかなーレストよろしくね」
「わかったライ...いやクミリア」
「今間違えたねぇレスト」
「間違えたわね」
「間違えたね」
「一応聞くけど、僕病み上がりなの忘れてない?」
「それなら俺がミスってるはずなんだわ。脳の疲労はレストの脳に溜まってるわけだし」
「ってことはレスト本人のミスだね」
「思考の加速大変なんだよ少しのミスくらい見逃してよぉ...」
「うん、そりゃしゃーない」
とまぁイジりはここらで終わりにするとして...だ。
「魔物見っけ。行ってきまぁす」
クミリアが走り出した。ワンテンポ遅れてレストも飛び出し、二人で加速して魔物のいるところまで走っていった。
「へー、側から見たらこんな速さなんだな...」
「そりゃ走ってる側じゃわからないわよね。いつもこんなよ」
一瞬で遠ざかっていくんだなぁ...と思ってるうちにもう魔物を倒してきたらしく、二人とも戻ってきた。
「おかえりー、我ながら速度操作が凄まじいと思ったわ」
「唐突な自画自賛...自画自賛なのか?今の」
「使ったのはレストだから自画自賛ではなくない?」
「いやでも速度操作はカリヤのでしょ?」
「なんの会話なのこれ?」
ニアよもっとコンスタントにツッコミをしてくれ頼むカオスが止まらないぞ。
「そういやクミリア、聖剣の使い心地はどうだった?」
「なんで鞘付きなのにスパスパ切れるの?って思った」
「久しぶりにその話聞いたな...」
未だに鞘に入ったままなんだよな、レストの聖剣。どの階層まで進めば引き抜けるようになるんですかね...
「なぁライト。いつになったら聖剣抜けるの?」
「六十階層超えたらだって」
「じゃあもうそろか。楽しみだ」
「あっ、魔物だ」
話しながら進んでいると、またクミリアが魔物を見つける。
「今度は僕が行ってくるよ」
「よし、行ってらっしゃ...チッ、魔法使いか。俺も連れてけ!」
今歩いている通路を覆い尽くすほどの量の魔法が飛んできた。確実に、ここは俺の出番だ。
「魔法にはこっちの盾!」
走りながら右腕の盾を取り外し、小さな魔法陣に指を触れる。
『
盾が半透明の物質によって元の正八角形に戻る。誘引が発動され、通路を埋め尽くすほどあった魔法が盾へと引き寄せられる。
「うっわ多すぎ!」
あまりにも魔法の量が多すぎて、すぐに魔力結晶が溜まり切りそうだ。このままだとパンクしてモロに魔法を喰らってしまうため、盾の裏側についた魔力結晶を魔力操作を用いて消費していく。
「ってか際限なしかよ...!」
流石に魔法の量多すぎやしないか?こりゃ魔物は一体じゃないな。確実に複数体いやがる。いずれ魔力結晶の消費が追いつかなくなり、押されてしまうだろう。
「これカウンターの方がいいか...?」
「僕が即席の盾を作る。レストも協力して」
ライトがそんなことを言うが...クミリアの体で盾?何をする気だ?
「わかった」
レストが少し前に出て、今現在能力範囲内にある魔法を加速させる。そしてその後範囲内に入ってきた魔法は減速させることにより、魔法のない空間を作り出す。
次にライトは両腕を前に突き出す。空気の腕と手が作り出され、後続の魔法が受け止められる。だが、あまりの物量に押されており、数秒も持たないだろう。
『
『
けれど、二人の時間稼ぎのおかげで準備完了した。一度右腕の盾の効果を停止して、右腕に取り付けてから二つの盾をくっつけ起動させる。
『
魔力結晶が全て消費され、この身に流れる魔力も少量盾に吸い取られる。そして、盾が展開される。半透明の物質が通路を完璧に塞ぎ、ライトの空気の腕が切断される。
「どこ居るのかまるでわからねぇが...喰らいな!」
『
空気の腕が消えたことで、大量の魔法が雪崩れ込んでくる。が、全て盾に受け止められる。そして...魔法が途絶えた。完全反射が適用され、魔法を放っていた魔物たち一体ずつに、今受け止めた魔法全ての威力が与えられ絶命したのだ。
「ふぅ...この英語うざったいな、ちょっとうるさい」
また攻撃が飛んでこないか、警戒しながら後ろにいる三人のところまで戻る。その時にちょっと盾に対して愚痴ってみるが、なんでこいつ英語話すんだろう。いやまぁ、翻訳の結果そうなってるだけなんだけど、そうするとなんで日本語に翻訳されないのかって話になるわけで...古代言語だったりするのかな?レストも聞こえるけどなんで言ってるかわからないって言ってたし。
「えい...ご?よくわからないけど、やっぱりそれうるさいよね」
「えっ、なんか聞こえてるの?」
「うん、盾を使ってる人しか聞こえない音が聞こえる」
「聖剣から声が聞こえたりとかはないのか?」
「そういうのはないかな」
「へー」
……なんかさっきから思ってたけど、こんなに緊張感ないのおかしくない?中高生の中身のない会話みたいなのしかしてない気がする。こんなほんわかな雰囲気で戦って大丈夫か...?
「まぁいっか、ゆうていつも大体そんな感じだし...と こ ろ でぇ...レストくんはなんで顔赤くなってるんですかねぇ?」
「え...えっ?あ、赤くなってる?」
「うん。まぁ大体理由はわかってますけどねぇ...レストくんも男なんだなぁって」
「………やめてぇ...」
顔に手を当てて俯いているレスト。耳まで赤くなってますねぇ...
「レストどうした?何かしたのか?」
「まぁライトは知らなくても良いかな...原因ではあるんだけどね」
中身はライトでも体はクミリアなわけで、そして速度探知がレストの脳にそのスタイルを細かいところまで叩き込んでいるわけで...
「よ、よくカリヤは表情に出さずにいられるね...」
「それはもうアレだ。慣れと、断固として意識しないという意志のおかげだ」
「す、すごいね...もう無理恥ずかしい」
「お前が恥ずかしがってどうする被害受けてんのはあっちだかんな?」
そんなことを話していたら、向こうから女子三人組が歩いてきた。合流完了だな。
「……レストどうしたの?」
「また熱でも出しちゃった?顔赤いよ?」
「速度探知の負荷で疲労しちゃったのかしら...無理して使い続ける必要はないわ。索敵は速度探知がなくてもできるし、非戦闘時は解除して休みなさい」
「う、うん...」
速度操作を解除したのだろう。集中によってこわばっていたレストの顔が少し緩む...が、顔は赤いままだ。記憶に刷り込まれちゃったねぇ...
「まだ赤いけど、本当に大丈夫?」
「ステラちゃん、一応レストに回復魔法かけてあげて」
「わかったー」
とてちてとレストに向かって近づくステラ。それに対してささっと後退りするレスト。
「どうしたの?レスト。逃げないのー」
「い、いや...ちょっ、大丈夫だから...」
「そう?それならいいけど...」
ステラはニアのところまで戻る。そして...
「回復バーン!」
ニア(ステラの体)のガンホルダーから魔力銃を抜き、レストに向けて発砲した。回復弾だ。
「おぶっ⁉︎」
「言っても聞かないんだから、無理矢理回復させちゃった♪ダメだよー疲れてるの隠しちゃ」
……疲れてて赤くなってるんじゃないから、完っ全にステラの勘違いだな...いやまぁ、少なからず疲労はしてるだろうからやってくれても全然構わないんだけども。
あれー?赤みが引かないなぁ、と言ってるステラを一旦置いておき、俺はニアとクミリアを手でくいくいっと呼ぶ。
「なに?」
「レストが赤くなってんのは速度探知で色々見えちゃってるだけだから、まぁあんまり気にしないでやってくれ」
「ああ、そういう...」
「それなら仕方ないわね...」
「だろ?あいつ、なんとか意識しないようにしてなおああなってるんだよな...初々しい奴め」
「あんたは慣れすぎなのよっ!」
「痛...くねぇ流石は子供パワー非力なり」
ニアに尻を蹴られたけど、ステラの筋力じゃ然程ダメージにはならねぇぜ。レストの耐久力が高いってのもありそうだけど。
「はぁ...駄弁ってないでさっさと先進むわよ」
そう言いながらニアが歩き出したので、みんなそれについていきながら元の配置へと戻っていく。
「そういやなんだけど、道ってこれで合ってる?ずっと道なりに進んできたけど、ちょくちょく分かれ道あったよな」
「そうね。とりあえず進み続けてるわけだけど、もちろん一発で正解のルートに行けるとは思ってないわ。行き止まりの道はマークして少しずつこのダンジョンの構造を掴みましょうか」
「だな。久しぶりにまともなダンジョン攻略ができるぜ...ってちょっと思ったんだが、勇者の記憶読めば正解のルートわかるんじゃね?」
「記憶読むとか無理。どうやるかわかんない」
ああそっか、今聖剣を持っているのはクミリア。けれど、クミリアはどうやって記憶を読むのかを知らない。ゆえに、勇者の記憶に頼ることはできない。
「そもそも入れ替わること以外にこの階層についての記憶はなかったよ。入れ替わりの最中の記憶は一切記録されないんだろうね」
「そうなのか。なら仕方ないな...ってマジかよ行き止まりだ」
突き当たりの曲がり角を曲がると、すぐに壁。先に進む道はなかった。
「レスト、隠された道がないか速度探知で調べてくれ」
「わかった...なさそうだよ」
「じゃあハズレの道だな。直近の分かれ道まで戻るか」
俺たちは、元来た道を引き返すのだった。
キャラに適当に喋らせると、今回のように中身のない会話が増えるんですよね...
久しぶりにレストの盾の設定を出せたから、そんな感じの隠された設定とかあまり出さない設定をこの機会に出せたらいいなーと思いながら次回に続く。