前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

140 / 213
8231字。

ステラちゃん回になります。


カリスの英雄空を舞う

「あっ、ここからしばらく一人しか戦えないっぽい」

 

「そうなん?」

 

「ここからあと四回はそうかな」

 

四回か...ライトがやった分を含めれば五回。俺を除いたパーティーメンバーの数と一致している。多分、それぞれに有利対面があって、うまい具合に一人一回出ることになるんだろうな。ここに来て、個人の力がどれほどの物になったのかを確かめると共に、仲間にもそれを共有する場を作るとは...よく考えられてるな。

 

「流石に毎回ライトが戦う...ってわけではないのよね。次のボスはどんな奴なの?」

 

「えーっとねぇ...空で戦うみたいだね。足の踏み場がないから、飛べる人じゃないといけないね。あと、ボスは群体型。あっ、一定距離に入ってきた魔法を無効化する力があるみたいだね」

 

「ってことは、ニアじゃなくてステラが適任か」

 

「魔法が効かないってなると、私が行くしかないね!」

 

「頼んだわよステラちゃん」

 

「うん、任せて!」

 

グッと親指を立てるステラ。

 

「他には...」

 

「あっ、もういいよライト。ボスが何してくるのかとかは、戦いながら把握するから」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫だよ。私も一人でちゃんと戦えるってところを見せないとだしね!」

 

そう言ってから、ステラは意気揚々と横穴に入っていく。

 

「そういえば、僕たちはどうなるの?観客席ある?」

 

「あそっか、レスト飛べないもんな...そこんところどうなんだ?」

 

「さっきの時みたいな観客席はないよ。空間全体が戦闘フィールドだからね。でも、見てる僕たちはボスにもステラにも干渉できないようになってるから、障壁を空間固定型で設置して、そこに立ったり座ったりすれば大丈夫だね」

 

「なるほど了解」

 

「足場づくりお願いねー」

 

「俺に言うなよ絶対ニアの方が早いし安全だぞ」

 

「それもそっかニアおねがーい」

 

「貴女の歳でその声出すの苦しくないかしら...?」

 

「ゥ゛」

 

「なーに致命傷与えてんだニア、クミリア死んじゃうぞ?」

 

まぁたしかに、ステラがやるならまだしも、クミリアがやるとなると...ねぇ?でもそういうのは言わないのが優しさなんやで...

 

「よーし着いた!じゃあ行ってきます!」

 

行き止まりにたどり着き、転移する。

 

ステラVSボスの観戦開始だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれがボスかぁ...無数の蜂だね」

 

見渡す限りの大空、下を見ても地面が見えないくらいの高さに転移した。前を見ると、無数としか言えないくらいの蜂がいる。まぁ、ちゃんと数えると二百にはちょっと足りないくらいの数だってわかるね。

 

「んー...この距離であれくらいに見えるってことは、もしかして私くらい大きい?」

 

人くらいの大きさの蜂かぁ...的が大きくて当てやすいと喜ぶべきなのかな?でも、あの大きさで突撃されるのはちょっと怖いかも。お尻の針も凄い大きさになっちゃってるし。デカくなってる分遅くなってるといいなー。

 

「回収しながらでも流石に足りなくなるよねこれ。弓矢以外も使わないとだね」

 

あんなに多いと、流石に手持ちの矢では足りない。普段回収しながら戦っているけれども、今回は場所も場所。魔物に命中した矢はそのまま無限の彼方まで落下していっちゃうだろうから、回収は難しい。魔力銃とか、格闘とかいろんなパターンも考えておかないと。

 

「あっ、動き出した。ということはもう始めていいんだよ...ね!」

 

一瞬で弓矢を構えて、蜂たちに近づかれる前に矢を放つ...よし、全発命中!

 

「この広さならずっと下がり続ければ...って、あっちの方が速いか!」

 

できることなら、このまま引き続けて蜂を撃ち落としたかったけど、流石にそんなことはさせてくれないらしい。接近されるのももはや時間の問題だね。

 

「近づかれる前に...なるべく多く落とす!」

 

一射するごとに蜂が一匹死んでいく。運が良ければ一回で二匹死ぬこともあるね。それをずっとできれば矢も足りそうだけど...たまにしか起こらないから無理かな。狙ってできることでもないし、狙ってやろうとしたら外しちゃいそう。

 

「……そろそろ囲まれる!」

 

大量の蜂たちが突っ込んでくる。

 

「下に避けて...射る!」

 

蜂の大群の突撃を急降下によって回避して、すぐに弓矢を上に向けて射始める。

 

「そして回収っと!」

 

さっきまでは遠かったから回収に行けなかったけど、ここからは落ちてきた蜂に刺さっている矢を回収できる。出来るだけ多く拾って、次に回そう。

 

「うわー針ヤバそう。当たらないようにしないと...」

 

近くに来たからわかったけど、大きい針が見るからに毒を持っていそうな色をしていて、どう見ても危険ですよーって感じがヒシヒシと伝わってくる。死んだ個体の針に触れるのもヤバそうだから、矢を回収するときは気をつけないとね。

 

「もうそろそろ避けるのに集中しないとダメかなぁ...?」

 

急降下の速度に追いつかれているから、あと少し経てば完全に囲まれる。移動速度で負けているから、さっきまでのように矢を射ることに集中していればやられてしまうだろう。しばらくは避けに徹して、隙を突いて射るのがよさそうかな。

 

「カリヤみたいに周りの様子を見なくても分かれればいいんだけど...よいしょっ!」

 

近くにいた蜂の攻撃を避けて、直接矢を突き刺す。案外、弓で発射するよりも、混戦になってる今はこっちの方が戦いやすいかも...?

 

「いや、それなら先にこれを使えばいっか!」

 

弓矢を一旦戻して、ダガーを取り出す。カリヤに買ってもらってから、手頃な時間があれば練習してきたんだから、ちゃんと使ってあげないと!

 

多分、普通に地上でこれをこのサイズの蜂に刺すのは無理だと思う。だけど、この空なら、飛ぶ時の推進力をうまく使えば...腕力が足りない私でも刺せる!

 

「えいっ!...あわわっ⁉︎」

 

後ろから蜂が突撃してきていたことにギリギリのところで気づいて、今倒したばっかの蜂を盾にする。

 

「……あれ?一回刺さったら死んじゃうの?それならもう少し楽に戦えるのかも...?」

 

こう、うまい具合にギリギリで避けて、蜂同士でぶつかり合って同士討ちしてもらえれば...難しいかな?

 

「というか、少しずつ動きが遅くなってきてない?気のせいかな...?」

 

なんか最初の頃よりも、蜂たちの動きが鈍くなってるような...?でもまだ私よりも速いし、攻撃を避けるのは大変だね。

 

「えいっ、えい!やぁっ!」

 

攻撃してきた蜂を避けて、その勢いを利用してダガーを突き刺すのを繰り返す。雷装・剣を使えばもう少し簡単に刺せるようになるんだろうけど、スタミナ減るのが怖いからなぁ...魔道具で空を飛んでるだけだけど、結構体力もってかれるからね。スタミナ切れも一応気にしないと...

 

「って、やっぱり遅くなってる?数が減ったからかな?」

 

私と同じくらいの速度まで落ちてきてる気がする。これなら逃げながら射るのできそうかも...?

 

「でもその前にこの包囲を抜け出さないと...一番薄いところは...あっ⁉︎」

 

視界外からの攻撃をモロに喰らってしまい、勢いよく吹っ飛ばされてしまう。針も刺さったよ痛いぃ...けど、もうその痛みももはや幻覚。指輪のおかげで、最初から攻撃を受けていなかったことになり、ダメージがゼロになる。

 

「これは...結果オーライってやつ?」

 

攻撃を受けていなかったことにはなったけど、吹き飛ばされた事実だけは変わらない。うまい具合に包囲網から逃れることができた。

 

「でもここからは一回も被弾したらダメだよね...うん、カリヤもめっちゃ心配そうな顔してる」

 

少し上の方でカリヤたちは私が戦うところを見ていた。半透明だから少し見えづらいけど、表情はここからでも大体わかる。

 

大丈夫だよと手を振ってから、蜂から凄い勢いで距離を取る。

 

「ここからなら...!」

 

速射も織り交ぜながら、蜂たちを撃ち落としていく...うん、やっぱり一匹倒すごとに少しずつ遅くなってるね。多分、お互いにバフを掛け合って強化していた...ってことなのかな?ニアさんならすぐわかるんだろうなぁ。

 

「このペースだと...残り十匹くらいで矢無くなっちゃうかな?なんとかしないと...」

 

二匹抜き狙ってみる?どうしようかな...どうせ尽きるんだし、ちょっと面白いことしてみてもいいかも?

 

『氷装・矢』

 

上に向けて氷装の矢を放つ。完璧に真上に向けて射ったから、いつか真っ直ぐここに戻ってくるはず。その軌道を全く同じようになぞるように...

 

『雷装・矢』

 

雷装の矢を放つ。重力に負けて落ち始めていた氷装の矢に雷装の矢が衝突する。氷と電気が干渉して、爆発の元となる気体を撒き散らす。

 

「少し下がって...この辺かな」

 

移動して、蜂たちが来るのを待つ。この位置なら、ちょうど蜂たちが通るタイミングで矢が落ちてくるはず。

 

「よーく狙ってぇ...」

 

『火装・矢』

 

「当たれ!」

 

火のついた矢を放つ。これで爆発が...あれ?そういえば、あの蜂は一定距離まで近づいた魔法を無効化する力があったんじゃ...一定距離ってどれくらい⁉︎ちゃんと聞いておけばよかった!もしかしたら今のに使った矢と魔力が無駄に...⁉︎

 

ドカーン!

 

……心配しちゃったけど、爆発と一緒に飛んでいっちゃった。

 

「そっか、スキルだから無効化されないのね」

 

魔法無効ってのが、魔法拡散みたいな無効なのか、それとも魔法だけを無効化するのか、どっちかはわからないけど、少なくとも着火用の火装はどっちにしても無効化はされなかったね。

 

スキルだから魔法無効を素通りできるし、もし魔法拡散と同じ要領だったとしても、この火装は普通の炎で矢尻に火をつけて得たものだから問題なかった。心配して損しちゃったよ。

 

「……あっ、一匹残ってたんだ」

 

爆炎の中から一匹の蜂が飛び出してくる。けど、一匹にまで減ったからか、だいぶ速度が落ちている。これくらいなら弓矢なんて使わなくてもいいね。

 

「よっ、ほれ!」

 

軽く突進攻撃を避けて、蜂の翅部分に魔力を乗せたキックを叩き込む。クミさんに教えてもらった技だけど、魔力は余るほどあるから有効活用できていいね。普通に蹴るよりも強いし、今回も翅を根本から抉り取ることができた。

 

「最後の一体...だよね。バイバイ」

 

落ちていく蜂に対して手を振る。これで終わり...だよね。

 

「……戻らない?」

 

全部倒したら元の横穴に戻るはずだけど...そうならないってことは、まだボスが残ってるってこと?

 

「……下⁉︎」

 

下を見ると、巨大な何かが昇ってきていた。急いで横に飛んで、その何かを回避する。

 

「うわーでっかい!魔族の仕業...なわけないよねこんなところで」

 

現れたのは、めっちゃデカい蜂だった。これが最後のボスってことかな?こんなのが出てくるなら、やっぱりライトの話ちゃんと聞いておけばよかったかなぁ。

 

「……あ、よく見たらいっぱい集まってでかくなってたんだね。軍隊虫みたい」

 

あれを弓矢で倒すのは難しそうだなぁ...一発で多くの蜂を巻き込まないといけないから、火装でも使おうかな。

 

「よし、もう一踏ん張り...って矢がない⁉︎」

 

なんで⁉︎戦う前にあった数と使った数が合ってない!ちゃんと確認してたから計算間違えたわけでもないし...あっ、攻撃をもらっちゃって吹き飛ばされた時に少し落としちゃったんだ...今使ってる矢筒、見た目より多く入るし軽くなるのはいいんだけど、感覚で残り本数が分かりにくいからこういう時困っちゃうね。

 

「炎弓は無効化されちゃうから...これを使うしかないね」

 

弓矢をしまって、魔力銃を取り出す。

 

「魔力は十分!当たれ!」

 

引き金を引いて、鋭く尖った魔力弾を放つ。

 

「そりゃ当たるよねこんなでかかったら!しかも弱い!」

 

一発で一体しか倒せないけど、弱いから魔力弾でも倒せるね。これなら魔力をだいぶ余らせて倒し切れる...かも!

 

「それで、蜂さんたちはどんな攻撃を...うわ飛ばしてきた!」

 

身体を構成している蜂を射出して攻撃してくるのね!針をこっちに向けたまま、すごい速度で飛んでくるから気をつけないと...

 

「でも、それしたら少しずつ小さくなるよね!」

 

どうやら飛ばした蜂さんはそのまま飛んでいって戻ってこないみたい。少しずつ、地道ではあるけどこのまま避け続けてればいずれ勝てるかも。まぁ、すっごい時間かかっちゃうだろうし、そこまで耐えようとしてたら先に魔力が切れて飛べなくなっちゃうかな。

 

「なんかこの前の歯車飛ばしてくるボスみたいだね...こっちも攻撃は止めないよ!」

 

魔力弾を撃ち込み続ける。これも地道ではあるけど、能動的に数を減らせるしただ待ってるよりも何倍も早いからどんどんやっていこう!

 

「というか、まさか矢が尽きちゃうなんてなぁ...魔力銃がなかったら危なかったね」

 

普通の場所なら、カリヤに教えてもらった製作のスキルを使って、周囲のものから矢を作るみたいなことができなくもないけど、こんな何もない空じゃできないしね。ほんと、魔力銃がなかったらダガーで攻撃するか格闘するしかなかったから、持っててよかった。

 

「えーっとなんだっけ...次元収納?だっけ。あれがあればもっと矢を持てるんだけど...」

 

あいにく、魔法適性が全くないせいで絶対使えないことが分っちゃってるんだよね。普段はカリヤの次元収納の中にある程度入ってるからそれでなんとかできるけど、カリヤがよく言うように、分断されたら補充ができなくなっちゃうから私も使えたらよかったのに。

 

私でも次元収納が使えるような魔道具とかないのかな...魔力はいっぱいあるから、もしあったら絶対使うのになぁ。

 

あーあ、なんで私魔法が使えないんだろ。もしかして、そういう血筋なのかな?お父さんもお母さんも魔法使ってるところ見たことないし。お兄ちゃんは...バフくらいしか使ってるのみたことないかも?もしかして本当に血筋のせい?

 

でもそうだとすると、カリスで産まれてきてよかったと思う。カイスで産まれてたら魔法使えないことにもっとコンプレックス抱いてたかも。今はもう知っちゃったから羨ましいけど、そんなにだし。カリスで産まれたおかげで今みんなと一緒にいれてるようなものだし、感謝だね。

 

「……ちょっと長い〜」

 

流石にこれは時間かかりすぎかな〜見てるみんなも退屈しちゃうよこのままだと。

 

「でもどうしようかなぁ...あっ、そういえばこんなの渡されてたんだった」

 

前にカリヤに渡されたものを取り出す。

 

「強い魔力弾撃てるようになるよーって言ってたけど、どうなるんだろ。試してみよ〜」

 

筒状のそれを、魔力銃の先端に取り付ける。

 

「さーて、どうなるのかなぁ」

 

蜂の胴体中心部分に照準を合わせて、引き金を引く。

 

「おっ、お...魔力めっちゃ取られる...⁉︎」

 

一気に大量の魔力が持ってかれる。これは...凄そうなのが出そう!

 

「いっけーーーーぇぇぇええっ⁉︎」

 

なんかすっごい太い閃光みたいなのが出た!なにあれ!

 

しかも蜂の大部分削り取ったよ威力凄すぎない⁉︎ちょっともう怖いんだけど!

 

「あっ、落ちてく...これはもう終わりってことでいいのかな...?」

 

一応、またさっきみたいに次のボスが出てきて続行って可能性があるから警戒を...あっ、空間が歪みだした。もう終わりみたいだね。

 

「戻ってきたー!」

 

最初の場所まで戻ってきた。やっと終わったぁ...ずっと飛んでるとやっぱ疲れちゃうね。肩回そー。

 

「お疲れ様ステラちゃん。一人でよく頑張ったわね」

 

「頑張ったよー私一人でも戦えるんだから!って、あっ!矢落ちてるやったぁ!」

 

使った矢が全部床に刺さってる!一緒に転移されてきたのかな?回収できるから嬉しいや。

 

「ふんふふーん!」

 

刺さってる矢を回収していく。やっぱいくつかはダメになってるし、爆発に使ったやつは跡形もなくなってるから本数は結構減っちゃったけど、だいぶ取り戻せたね。

 

「あっそうだカリヤ!これなんなの?めっちゃ凄いの出たんだけど...って壊れてる⁉︎」

 

追加パーツがなんか裂けてる!もしかして壊しちゃった...?

 

「ああ、それデフォルトだから心配いらないぞ。一回限りなんだ」

 

「で、結局なんなのよあれは」

 

「単純に魔力弾の威力底上げを追求して作ったオプションパーツだ。大量の魔力を吸い取って、そのままビーム的な感じで射出するんだ。火力も範囲も抜群的に良いから、矢が切れてかつ火力が欲しい時用に使って欲しい。魔力燃費はちょっとアレだし、パーツが耐えきれなくて使ったら壊れるんだけどな」

 

「それでも流石にあの威力は過剰じゃないかしら...?ねぇステラちゃん、どれくらい魔力使った?」

 

「すっごい持ってかれたけど、もう三回くらいは撃てると思うよ?」

 

「ってことは飛行であらかじめ魔力が減ってることも考慮して、20%くらいってところか...魔力を増やした甲斐あって、消費は問題なさそうだな。過剰ってんなら威力抑えたのを作るけど、どうだった?」

 

「う〜ん...このままでいいと思うよ。あれくらい強いの使いたい時もあるし、魔力は有り余ってるしね。あとたしか、魔力の攻撃って防御しづらいんだよね?」

 

「そうね。魔力そのものを撃ち出して攻撃するなんてこと前例がなかったからあまり知られてなかったけど、魔力弾は威力が高ければ障壁を貫通できるわ。魔法ではないから軌道変更で咄嗟に向きを変えることも難しいし、基本的に避けるしか方法はないわね」

 

「そこを超火力超範囲攻撃で避ける暇も与えずに撃ち抜く...ステラが弓矢だけだと思ってる魔族相手に使うには十分効力を発揮できると思うんだけどどう?」

 

「うんめっちゃいい!ありがとう!」

 

いい物貰っちゃったー。まぁこれは壊れちゃったから、新しいのを貰わないとだけどね。カリヤにはいろんなものを貰ってばっかだなぁ...私も何かあげたーい!

 

「……あ、ステラぁ?一応聞きたいんだけど...被弾したのはわざとじゃないよね?」

 

「ん?違うよ?」

 

「そっかそれならいいんだ」

 

「そんなまさかカリヤみたいなことするわけないじゃん。見てないところから攻撃されちゃっただけだよ」

 

「え、俺そんなことする人だと思われてる?」

 

カリヤならわざと相手の攻撃を受けて移動するとか普通にやりかねないよね。実際にやってるところは見たことないけど...絶対何回かやってると思う。

 

「するでしょ」

 

「するわよねぇ」

 

「……するねぇ」

 

あ、認めた。

 

「ま、まぁ何はともあれ、お疲れ様だステラ。よく頑張ったな」

 

「撫でて撫でてー!」

 

「あぁ〜よしよし」

 

わしゃわしゃと頭を撫でられる。これされると、なんか安心するんだよね...小さい頃に、お兄ちゃんにやってもらってたからかな?

 

「よーしじゃあ次行こー!ねぇライト、次のボスはどんなの?」

 

「次?えーっと...次はレストに出てもらおうかな」

 

「僕?」

 

「凄い攻撃的なボスと戦うことになるんだけど、その階層の攻略条件がボスを倒すか、五分間生き残るかだからレスト向けかなって」

 

「耐久勝利が設定されてんなら、ガルムの英雄が出るのを想定して作られてんだろうな。まぁ倒しちゃっても構わないんだろうけど」

 

「凄い攻撃してくるなら、カウンターで倒すとかもできそうよね」

 

「でも、ボスは魔法を使わないで肉弾戦してくるから、魔法を吸収するのは無理だね。カウンターするなら、自前の魔力を使う必要があるよ」

 

「大丈夫だろ。だいぶ魔力増えてるわけだし、吸収しなくても何回かは使えるだろ?」

 

「まぁね。ちょっと怖いけど、僕が行った方がいいみたいだし頑張るよ」

 

「ボスの情報まだあるけど、話した方がいい?」

 

「うーん...知らなくても対応はできると思うしな...どうしよ」

 

「聞いておいた方がいいよレスト。私もちゃんと話を聞いてたらもうちょっと上手く戦えたかなって後悔してるところだから」

 

「そ、そう?」

 

「えらく自信ありげだけど、速攻不意打ちされて即死とかやめてくれよ」

 

「……なら聞いておこうかな...」

 

カリヤの脅しも相まって、レストも話を聞くことにしたようだ。ナチュラルに煽るよねカリヤって...というより、レストが不憫なだけ?

 

まぁなんにせよ、多分今日の私の出番は終わりだし、みんながどれくらい強くなったのかを見るのに集中しよっと。カリヤがどんな戦いをするのか楽しみだね。

 

……あれ?そういえば、ライトは私の番を含めてあと四回って言ってたよね?となると...一人足りない?誰か余っちゃうのか...もしかしてカリヤの番無い?神の使いだからないのかなぁ...

 

と、そんなことを考えながら、みんなで次の階層に移動するのだった。




ステラちゃんの攻撃のバリエーションが増えてきたとはいえ、他のみんなと比べると少ない方なんですよね。
戦闘描写が単調になりやすい...また新しい技でも習得させようかな?

さて、次回はレスト回...ではなく、前々から入れようと思いながら書いてこなかった、魔族視点の話をやろうと思います。
丸々一話使って描写するのは初めてなんで、出来がどうなるかは...わからん!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。