前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
レスト回...ですが、ちょっとした矛盾が見つかったんで、それの解消から話が始まります。
なんで、戦闘との繋がりがちょっと雑かも...
「……あれ?そういや九十階層突破したら、一旦戻って六十七階層の攻略するんじゃなかったっけ?」
次の階層に向かっている最中に思い出した。
「そういえばそうだったわね...」
「九十がなんか不完全燃焼で終わっちゃって、そこからライトの必殺技が見たいってなったりしてすぐ次に行っちゃったからね。忘れちゃってた」
「どうする?今から戻る?」
「えっ、今せっかくやる気出してたのに...」
「行くのは九十五階層の後にしましょ。それぞれ個人の力を見てからってことで」
「まっ、その方が今から行くよりもキリいいか。レストもやる気出てるし、さっさと終わらせちまおう」
「頑張れー」
「それじゃ行ってくるねー」
全員で転移する。レストの戦いぶりを見届けることにしよう。
「おわー強そう」
筋肉の塊...という形容が似合う魔物だ。筋骨隆々の...ゴブリン?それともオーク?どっちかはわからないけど、そんな感じだ。
武器はなし。強いて言うなら、肉体そのものが武器。腕も脚も凶器だ。振り回すだけで高火力の攻撃になり得る。爪も怖いね。掠っただけでも容赦なく抉り取ってくるだろう。
「全部情報通り...始まった!」
ボスが動き出した。ここから五分間耐え切るか、倒せば勝ちだ。
「っ、速い...!」
この図体なのにすごい速い。目を見張るような速度で僕との距離を詰め、そのまま拳を振るってくる。
「けど、カリヤよりも遅い!」
カリヤの速度に目が慣れているため、その三分の二に満たない程度の速度で動くボスの攻撃を見切ることは簡単だった。余裕で盾の構えが間に合い、攻撃を受け止め...
「お...重い⁉︎」
あまりの威力に支える腕が持たず、少し後退してしまう。
「なん...で...!」
なんとか両腕で攻撃を押さえつけるけど、それでも力負けしている。ジリジリと後ろに押し込まれる。
これが、いかに異常なことなのか。それを理解できている者はどれだけいるだろうか。
この盾が普通のものだったとしたら、この挙動はなんら異常ではない。ただ単に力負けして押されているだけだろう。
けれど、この盾において、こんなこと起こるはずがないのだ。
この盾には、僕以外のどんなものにも触れることはできない。生物非生物問わずだ。これは防御の時にも適用されていて、今まで受けてきたどんな攻撃も、この盾に触れる直前で止まっている。そこからは、どうやってもそれ以上盾に近づくことはできない。押しても無駄なわけだ。
だから、この盾が押されるなんてことあり得ないのだ。触れてないのだから、押すという行為すらできないはず。なのにどうして僕の盾は押されているんだ?
「い゛っっつ...!」
腕がビリビリ痺れている。以前は防御するたびに感じる痛みだったが、この盾を手にしてから半年以上経ち、慣れが完全に消え去っている今の僕には、この痛みが辛い。
「くっ!」
腕の角度を変えて、なんとか攻撃を逸らす。
が、その直後に放たれたボスの蹴りがもうすぐそこまで来ていた。
「あぶっ⁉︎」
すんでのところで盾を間に差し込み、なんとか蹴りを受け流す。
「今のも...」
蹴りを逸らした腕がジンジンと痛む。アザになることは間違い無しだが、やはり盾の効果を無視して攻撃してきていることも確かだ。
こんな情報ライトから聞いてないぞ...そうか、あれはあくまで勇者の記憶。実際に戦ったガルムの英雄の記憶じゃないから、勇者との情報共有が十分にされていなければ、情報に欠落があってもおかしくはない。
「これ五分いけるかな...」
盾の特異性を突破してくる相手に、どうやって防御を組み立てていけばいいのだろう。まともに受ければ僕の腕がやられる。だからやるべきは受け流しなんだけど...
「角度が...キツい!」
ボスの放つ攻撃はどれも、軌道が地面とほぼ並行になるように放ってくる。少しでも角度が上下に付いていたなら、その角度を大きくするように盾を押し当てて逸らせばいいけれど、こうも水平だとどっちに逸らすにしても大変だし、そもそもどっち方向に逸らすかの判断で少し動き出しが遅れてしまう。
まるで、僕が受け流すことしかできないことをわかっているかのような攻撃だ。歴代のガルムの英雄も、この攻撃に苦しんできたのかな...
つまるところ、この場において受け流しは最良の選択ではない。この攻撃に対応できず、ジリ貧になってとても五分も耐えられない。歴代英雄にはできない、僕にしかできないことをすれば...それしかない。
「『雷装・盾』!」
雷装・盾。僕が持っているスキルの中で、この盾を手にしたことで半分くらい効力が落ちたスキルの一つだ。盾に電流を纏わせることができるけど、相手が盾に触れることができないため、全ての電流を相手に流し込むことが出来ずにいた。
けれど、今ならこのスキルの本領を発揮できる。受け流す時に電流を流し込んで攻撃する。どうせ電気の耐性なんて持ってないでしょ...!
「えいっ!」
ボスの蹴りに対して下から盾を押し当てて、電流をフルで流し込む。
さて、どうなる...!
「お、ようやっと持ち直したか」
レストがボスの攻撃を雷装を使って受け流した。受け流したというよりは、電流を喰らったボスが思わずのけぞったというのが正しいのかもしれないが、攻撃を難なく凌いだことには変わりない。
「ヒヤヒヤさせるぜまったく...」
「なんかやけに苦戦してるよね。普段のレストならあれくらい余裕に見えるけど」
「だよね。見た感じ威力もクミさんと同じくらいだと思う」
「たしかに、ただの魔物だったならあれくらい余裕だろうな。奴の能力か...?」
「勝手に納得しないで説明しなさいよ」
「多分だが、アイツは魔道具の効果を無効化する能力でも持ってるんだろう」
「魔道具の無効化?だから受流もカウンターも使っていないのね」
「んいや、たしかに使っても無効化されるだろうが、レストが苦戦してんのはそれらが使えないからじゃない。奴がしてるのは触れた魔道具の無効化だ」
どこぞのツンツン頭を想起させる力だな。
「それがどうして苦戦する理由になるの?」
「レストの盾はレスト以外の誰にも触れることはできない。触れようとしても、見えない壁的なのが盾表面から数ナノメートルくらいの位置にあって止められてしまう。その止める力、触れられない壁を利用して防御しているんだ」
こっちはどこぞの最強みたいだな。
「そのおかげでレストは攻撃を触れずに受け止めることができている。だけど、あのボスはその盾の力を無効化して触れることができる。盾に攻撃が当たるから、盾を支える腕にも衝撃が走って痛みになる。しばらく受けてなかった痛みだろうからそりゃ辛い」
……今気づいたけど、触れた魔道具の効果無効じゃ矛盾が生じるから、実際には肉体周囲の魔道具無効といったところか。盾に触れる前に無効にできてるわけだから、こっちが合ってそうだ。
「そんな理屈で防御してたのね。初めて知ったわ」
「よーく見たら攻撃が盾に触れてないってのはわかるんだけど、側から見てるだけじゃ分からないからしょうがない」
「そんなの速度探知なきゃわからないでしょ。というかナノメートルってどれくらい?」
「こんくらい」
「うん、わかんない」
指でナノメートルの大きさを表してみたけど、流石にわからないから。ちゃんとガチでやったのに...
「というか、途端に動き良くなってないかしら?」
そのニアの話を聞き、レストの方を見てみるが、たしかにレストの動きが良くなっていた。さっきまで苦しい防戦一方だったが、今は少し余裕のある防戦一方だ。だんだんと持ち直してきている。
「やっぱ、雷装が想定されてない造りだから普段以上に効きがいいんだよな。雷装・盾の本領発揮もしてるのも関係してるか」
盾にちゃんと触れてくるから、雷装をロスなく流すことができているはずだ。雷装を流すとボスは大きくのけぞる。ダメージになっているかどうかはここからではわからないが、五分耐えるための技としては十分だ。
「でも、そろそろ腕も限界なんじゃねぇか...?」
攻撃を受け流すだけでも、腕には負担がかかる。何度も何度も、絶え間なくやってくるボスの攻撃を全て捌き切っているとなると、腕に蓄積されたダメージは相当なものになっているはず。普段以上の腕への疲労と、雷装によるスタミナ消費。腕の限界は近い。
開始からどれくらい時間が経った?思考の加速のせいで体感時間が狂ってしまっているから残り時間がどれくらいあるのかわからない。
だからこそ、そろそろ次の手段に移行するべきだ。このままでは限界が来てすぐに負ける。
「さぁ考えろレスト。今、お前の周りに誰がいる?」
「っ...」
腕が痛い。あと一回でもボスの攻撃をマトモに受け止めれば、骨にヒビでも入るかもしれない。受け流しも、あと数回できれば御の字といったところ。もう酷使するわけにはいかない。
雷装は意外と効果が出たけど、少しのけぞるだけで三秒くらいしか時間を稼げない。それなのにこっちの消耗は大きいとなると、このまま雷装を使うのはダメそうだ。
このままでは負ける。こいつに殺されて終わる。僕が負ければ、みんなに迷惑がいく。ここまで来たのに、僕のせいで足を引っ張るわけにはいかない。なんとか突破して、次に繋げないと。
ほら、みんなが僕を見てる。僕がみんなを見る余裕なんてほとんどないけど、チラと見れば頑張れと叫んでいるのがわかる。干渉不可のせいで声援が届かないのが残念だ。あまり活力が湧いてこない。
そう、みんなはここにはいない。僕一人の力で、誰にも力を借りずにこいつをなんとかしないといけない。
……あれ?
何か、僕はとんでもない勘違いをしているのでは...?
「ここには...僕だけしかいない?」
ボスの放ってきた攻撃を、盾で受けずに
「……そうだ。僕しかいないんだったら...」
そうだと認識していたけれど、そうだと強く意識していなかったがゆえに気付くことができなかった。
今、この瞬間に限り、僕は誰かを守る必要がないのだ。僕自身を守ることだけ考えればよかったのだ。
だから、普段戦う時に考えていること、普段の戦法を全て捨てる必要がある。いつもの戦い方は、誰かを守るための戦い方。それは今必要ない。
「わざわざ盾で受ける必要ない!」
今まで盾で受けてきたのは、攻撃を引きつけてみんなに危害が及ぶことを防ぐため。万一にも流れ弾がいかないように、全て受け止めるのが普通になっていた。
攻撃を引きつける。その必要がないということは、盾で防御をするのをやめて逃げ回ってもいいということ。通常時にそれをすれば、他の誰かが標的になる可能性があるから普段は絶対にやらない動き。けど今はそれでいい!
ボスの攻撃は、どの方向にも受け流しにくい腰付近への水平攻撃。けとそれしかしてこないから、避けることだけ考えれば回避のしようはある。
屈んだり横に飛んだりと、盾で十分受け止められそうな攻撃も全て回避していく。そしてその間に心の中で呪文詠唱をして、ジンジンと痛む腕の治療を少しずつしていく。
「……やばっ」
ここまで順調に避けれていたが、雷装の痺れが取れたためかボスの動きが少し早くなり、今からじゃ到底避けられない位置に向かって拳を振るってくる。
当然ながら回避は間に合わない。攻撃を回避することに慣れていないため、カリヤみたいにここから一気に切り返して回避することはできない。
だが、盾なら間に合う。
「っ!」
盾をボスの拳に押し付ける直前、僕はなんとか足を動かして横っ飛びをする。
「っっっぅぅ...カリヤありがとう」
別にカリヤが何かしてくれたわけではないが、カリヤの存在がなければ出来なかった動きでなんとか攻撃を耐えることができた。
相手の攻撃の勢いを利用して、攻撃を受け止めながら距離を取るこの技術。初めてやってみたけど、僕一人の時かつ広い場所なら十分使えそうだ。
「よーし...頑張るぞ」
今の攻撃を受け止めたせいで、治した腕がまた痛み出した。こっからは回避に専念だ。魔法を使ってボスの攻撃を防いで、ひたすら逃げ続けよう。
カイスで色々な魔法を習ってはみた経験がやっと生きる時が来た。大抵の魔法は適性不足のせいで使うのに大量の魔力を消費してしまうけど、防御系に分類される非攻撃魔法の適性はそれなりに高く、しかも自分によく合っていた。やはり自分は防御タイプなんだなと再確認したのを思い出すね。
「……障壁」
心の中で詠唱を終え、魔法を発動させる。防御と言ったらこれという魔法の障壁を周囲の至る所に設置して、ボスの動きを制限させる。
「……やっぱ破壊手段あるよね」
ボスは目の前に貼られている障壁を殴って破壊し、そのまま直進して僕に迫ってくる。
「でも逃げさせてもらうよ」
障壁を足場にして、上へと回避する。二次元的な回避だけじゃ避け切れないから、上下もちゃんと活用しないとね。
「拘束...復唱!」
大量に鎖を呼び出して、ボスを縛り付ける。少しでも妨害になれば嬉しいけど...これも少ししか持たなそうだ。
「氷柱...融解...水壁!」
これまた大量の氷柱を召喚し、地面に突き刺す。そしてその一部を溶かして水の壁を作り出す。
「『雷装・盾』...!」
もう使うことのない盾を取り外し、雷装を流してから投げ捨てて水壁に突き刺す。少しでも逃げやすいよう身軽にし、なおかつ一矢報いるための準備だ。
そしてすぐにナイフと魔力銃を取り出して、手に持っておく。魔力銃は着火のため。ナイフは万が一近づかれた時用の最終手段だ。
「っ、岩壁!」
魔物が刺さっている氷柱を避けながら僕の方に近づいてきていたので、速攻で詠唱を済ませて地面を踏みつけ、前にカリヤにやったように土の壁を生み出してボスを上へと跳ね飛ばす。
「よし、あとは...っと危ない!」
落ちてきたボスがそのまま落ちる勢いを利用しながら攻撃してきた。間一髪のところで転がって回避できたけど...せっかく頭の中で詠唱してたのに途切れてしまった。
「……もういいか!」
移動して水の壁の近くにボスを誘い込む。一応盾を回収しておいて、障壁の呪文を頭の中で唱えておきながら魔力銃を...
「吹き飛べ...!」
引き金を引き、炎を発射する。障壁が発動して、爆発が起き...
「っっ!」
し、障壁が小さい!ギリギリ体が収まってるけど、少しでも体がズレれば爆風と灼熱に焼かれる!カリヤとかニアみたいに、半球状に障壁を展開できれば安心できるのに...!
「……熱っ!」
障壁の力量がそんなになせいで、薄さもヤバい。熱が貫通してきてる。けど、あの本流の熱をもらう方がやばい。今は耐える時...!
「……収まった...?ぼ、ボスは...」
障壁を解除して、ボスがいたはずのところを見る。煙と諸々のせいで姿は見えないけど...転移してないということはまだ終わってない、つまり仕留められていないということだ。
『風装・盾』
前から持っていたスキルを使って盾に風を纏わせ、その出力を上げて煙を吹き飛ばす。
「う、うわぁ...」
ちょっと後悔した。このまま煙を残して逃げ回っていた方が、ボスがこちらを見失っていて都合がよかったかもしれない。
ボスはやはり、まだ生きていた。だいぶ消耗はしてるみたいだけど、そらでもほとんど原型が残っていた。あの威力の爆発を喰らってもこれだけってことは、魔素のバフ無しでも相当の硬さがあるということだろう。なんで攻撃的なのに防御力もあるの?おかしくない?
「……どうしよ」
今の爆発で妨害として残っていた氷柱と水の壁、土の壁も全て吹き飛んでしまった。もう一度防御プランを考えないと...
「……もういっそのこと突撃してしまえー!」
『雷装・盾』
雷装を纏わせた盾を持って突進する。最初から数えてないけどもうそろそろ五分経つだろうし、ここまで普段やらないことをやり尽くしてきたんだからこれくらいいいでしょ。
「せいっ!」
振られた拳を回避して肉薄し、盾を押し付ける。
「……うわっと危ない」
ボスの膝蹴りを回避して、そのままバックステップで距離を取る...なんか、心に余裕が出てきた。戦ってる最中にカリヤが変なテンションになることよくあるけど、こんな気分なのかな...
「……うん、いいこと思いついた」
魔法を発動して土の壁をボスの周囲に作り出しておく。
「多分...今!」
盾の力は...触れられなければ無効化されない!
『
ボスは土の壁をパンチで破壊した。土の壁はかなり硬度を上げておいたから、全力で拳を振るって破壊したはずだ。
それによって破壊された土の壁の破片が僕に向かって飛んでくる。
それを僕は待っていた...!
『
ボスに触れられていない盾は、完全反射を無事に発動する。飛んできた土の壁の破片。その速度は凄まじいものであり、全ての威力が反射されてボスに襲い掛かり、ボスが大きくのけぞる。
「これは...いける!」
ナイフを放り投げ、ボスが倒れそうなところに刃を上にして立たせる。そしてすぐにボスを蹴り飛ばして転ばせる。
ボスが倒れ込んだことで、ナイフがボスの背中に...
刺さる前にボスが消滅した。
「……もしかして終わり?」
長かったような短かったような...そんな五分が終わった。空間が歪み、もといた場所まで戻される。
「あー疲れた...」
「レストお疲れ様。なんか俺の真似してなかった」
「うん、すっごいカリヤの気持ちと考え方がわかった気がする」
幾度となくカリヤと入れ替わってきたけれど、その頭の中を理解できたのは初めてかもしれない。
「どゆこと...?んで、戦ってどうだった?」
「なんか、今まで盾に頼りすぎてたんだなぁ...って感じ。いつのまにか前まで持ってた技量を無くしてたみたい」
この盾を手に入れる前の方が、あのボスの攻撃を凌ぐことだけなら簡単だったかもしれない。速度に追いつくことができるかは別だけど、あの威力をいなすことはできただろう。
「久しぶりに初心に戻れてよかった...けど、どうせなら全力を出してやりたかったよね。なんで魔道具無効化してくるの?成長を見せるための戦いのはずだよね?なんで普段と違うことやらされたのさ...」
「たしかに、ちょっと可哀想になるわね...ライトもステラちゃんも、自分の成長したところを思う存分見せる戦いができたのに、レストは散々だったわね」
「散々だったって言われるのもちょっと傷つくんだけど...なんか僕だけ、あんまりためになってない気がする。ここで得たのって、前までできたことだけだし」
何か新しい技術を授かるわけでもなく、ただ初心に帰らされただけ。たしかにそれも大切なんだけど、もっとこういう守り方があるんだよと教えてくれるようなボスと戦いたかった。逃げの技術とか、普段の戦闘じゃ使えないし。
「まぁなんだ、いいところを見せてくれたよレストは。自分一人で起爆魔法を使うし、珍しく魔法の防御も色々と見せてくれたし、最後の方は攻めっ気が出てたし、なんだかんだ成長したところを見せられたんじゃないか?」
……なんかカリヤが優しい。めっちゃフォローしてくれる。
「アイツには苦戦させられてたけど、ちゃんと盾が使えればレストは無敵だ。あんま引き摺らずに、俺たちのことをビシッと守ってくれよ?」
「うん、これまで通り頑張るよ」
「ってなわけでフォロー終わり!次の階の話しよーぜー」
……優しいのは優しいんだけど、こんなあっさり話題転換できるくらいだった。カリヤってこういうところあるよね。
「なぁライト。次戦うのは誰がいい?」
「えーっと...クミリアだね」
「お、ようやっとクミさんの番が来たか。情報全部教えてね!」
「もちろん」
クミリアにライトがボスの情報を教えながら、僕たちは次の階層へと向かうのだった。
なんかレストの思考描写わかりにくいな...って人がいるかもしれませんが、仕様です。
カリヤくんがいつもやってるような思考の加速がなく、しかも防戦一方の展開なため、頭の中がグチャッていてちゃんと考えられていないことを遠回しに表す描写になっています。
……という設定にして、なんか上手く書けなかったことを誤魔化していくスタイル。