前世の俺がすでに転生特典決めてました 作:ダイヤモンドリリー
アクセル戦三話目です。
戦闘よりも思考や解説の方が多くなってますが...いつも通りだなぁ。
「ほらほら避けてみな!」
BB弾を避けるアクセルを追い、能力適用圏内七メートルに入れ続けながら引き金を引く。そして左手ではダガーを振り続ける。さっきの全方位斬撃の辻褄合わせだ。これを完了するまで、二丁拳銃に移行できない。一旦手を切り飛ばし、一瞬で辻褄合わせを終わらせてから縫合するでもいいけど、まぁ自力でできるうちはこれでいこう。身を任せていれば、その位置にある斬撃は勝手に回収してくれるしな。
「ぐっ...なんなんだあの弾!」
大抵は避けられてしまうが、俺の先読みとアクセルの回避がうまく噛み合った場合、一発だけ弾が当たることがある。しかし、貫通までした最初の一撃とは違い、少し食い込んで傷を残すだけだ。肉体硬度強化で耐えているのだろう。微妙に威力不足だな。
「……っ、弾切れか」
速度探知によって残り弾数はわかっているため、全て撃ち切る前に気づくことができる。けれども、普通に補充してたら時間を大幅にロスする。そもそも左手がダガーを手放せないため使えず、片手でリロードすることになるため困難だ。普通にやっていたら、その間にアクセルに詰められて攻撃されてしまう。
そうならないために、色彩剣装を使って未来から斬撃を飛ばすことで俺との間の最短経路を潰し、時間を稼ぎながらリロードをする。リロード方法は...これだ。
『製作』
次元収納の中にしまわれている材料を使い、エアガンごとBB弾が満タンの状態で再生成する。このリロードはミスなく早くできるから効率がいい。すぐに引き金を引いて攻撃を続ける。
なぜ製作でリロードできるのか。そもそもどうしてエアガンを製作で作れるのか。その理由は、この世界で一度手作りしたことがあるから...ではもちろんない。そこまでの技術は持ち合わせていない。
エアガンを作れるのは、製作が進化したからだ。製作スキルは、使い続けることで進化してきた。手作りしたもの限定だったのが、魔法で作ったものでもできるようになり、やがて自分で作ったものじゃなくても改良を加えたものなら効果対象になるようになった。俺の製作は、そこからもう一つ先に進化したのだ。
製作スキル習得以前に触れた物も製作できる。これが今の俺の製作だ。それを触れたこと、そしてその構造や何でできているのかをハッキリと記憶していることが条件であるが、その条件のおかげで、この世界に来る前、つまり地球で作った物でも作れるようになっている。製作に必要な記憶も、地球での記憶が丸ごと頭に残っているため完璧だ。
ゆえに、エアガンが作れる。もし俺に、アメリカに行って銃を使った経験があったならば実銃も作れたんだろうが...もちろんそんな経験はないから実銃は無理だ。まぁ、クルスの店で作ってたものなら触れてるから作れるだろうが...精度が不安だし、エアガンの方が撃ち慣れているからこっちの方がいいな。
「適応はまだか〜?まだまだ当てられんぞ!」
形だけなら似てる魔力銃があるとはいえ、この銃の攻撃はアクセルも初経験だ。未知の痛みに、適応が追いついていないようだ。めり込むだけだけど、足にも何発か当てることができている。
「ほら次は目だぜ?」
足の痛みで一瞬動きが止まったタイミングで、アクセルの眼に狙いをつけて引き金を引く。
「んぐっ⁉︎」
瞬きが間に合い目を閉じることができたアクセルだったが、瞼の上からでも衝撃は来る。めりこみ、そして...
「……右肩に左目、ようやくそれらしいダメージを与えられたぜ。エアガン様々だな」
アクセルの左目の辺りから血が滴る。片目を奪えた。大きなアドバンテージだ。
「っ...肉体強化しているというのに...その威力はなんなんだ...!」
「ただの加速さ。俺ができんのはそれだけだろ?」
ただのエアガンでこれほどまでの威力が出せる理由。それは、速度操作での加速のおかげだ。元々エアガンで出せるBB弾の初速はおよそ秒速98メートルほど。それに速度操作での加速を合わせると、大体秒速170メートルほどになるだろう。たとえBB弾だとしても、その速度でぶつかれば相当な威力となる。
普通ならそんな速度でぶつかったらBB弾も壊れてしまうだろうが、速度操作による物理保護のおかげでそうそう壊れない。アクセルが肉体強化で防御力を上げていれば衝突に耐えきれず壊れてしまうが...そうでなければ、壊れることなく突き進み、貫通する。何かにぶつかっても、速度操作の加速を維持すれば止まらずに進むことができるからだ。と○るシリーズにでてきた絶対等速みたいなことができるわけで、そのおかげでアクセルの右肩を貫通できたのだ。
この攻撃は速度操作の加速が必要不可欠なせいで、有効射程が七メートルしかない。しかし、この範囲内ならアクセルにも効果がある攻撃を叩き込める。近づくリスクはあるが、それに見合ったリターンだ。アクセルに慣れられる前に、決め切ってしまいたい。
「その武器厄介極まりないが...それよりもこっちだ!」
っ、避けるのを諦めて突撃してきたか!
「近づかれるのは好つご...そっちが狙いか!」
エアガンを乱射するが、手によって射線を塞がれ顔を狙えない。ならばと足を撃つもアクセルは止まらない。
そして近づいてきたアクセルはエアガンに手を伸ばすのかと思いきや、左手に持っているダガーを狙ってきた。辻褄合わせが終わってないから、俺の手からダガーを弾き飛ばすことはできない。となると、左手ごともぎ取りに来たか...それなら!
「なっ...⁉︎」
アクセルが手刀で俺の左手を切り落とそうとしたその時、手刀が俺の皮膚に触れる前に勝手に左手が地面に落ちた。
「な...んで...?」
「そんなことよりも、いいのか?そこ立ってて。来るぜ?」
落ちた左手が独りでに動き出す。ダガーを決して放さまいとぎゅっと握り、宙に浮いて何もない空間を切り付ける。左手に込められた魔力が無くなる前に、辻褄合わせを終わらせるために。
俺が立っている位置は既に辻褄合わせが終わっている場所だ。ここにはダガーの斬撃は飛んでこない。
「さて、アクセルは避けられるかな?ちゃーんとこれも同時に避けてもらうぜ?」
縦横無尽に左手が飛び回る中、俺はエアガンの引き金を引いてアクセルを攻撃する。アクセルは超高速のダガーを避けるのに手一杯で、BB弾を避けれるほどの余力はないようだ。肉体強化のせいでダメージは最小限に抑えられてはいるが、その痛みも到底無視できるものではない。一瞬動きが遅れ、ダガーがアクセルの首筋をかする。
「はは、惜しいな。もうちょいだったか」
「っ...だが、もう終わりみたいだな」
ダガーが俺の真上で振られ、ちょうどそこで辻褄合わせが終わったのだろう。
「なっ、左手は...⁉︎」
落ちてきたダガーを、
おそらく、アクセルの知っていることだけではいつまで経っても答えは出ないだろう。答えは、魔力体だ。だがニアのものとは違い、肩から先以外は魔力体に置換することができずにいる。内臓や脳のある胴体や頭の置換とかどうやればいいかわけわからんし、脚は走るために強度が必要だから置換できない。そのせいでアクセルの爪先での蹴りを背中に喰らってダメージを受けてしまったわけだ。けれど手は魔力体でできている。自由に切り離し可能だ。
ほんの少しの魔力だけを残したまま左手部分を切り離すことで辻褄合わせを加速させ、それが終わると同時に左手は魔力を失い消失。魔力で左手を再生成することで、いつのまにかくっついたように見せかけたわけだ。左手を落とした時に、切断面から血が出てないことにアクセルが気付いていれば何かトリックがあると見破られたかもしれないが、流石にそこまで見る余裕はなかったようだな。
「ほらこの通り、ちゃーんと付いてるぜ?幻覚でも見たんじゃねーかァ?」
俺は掴み取ったダガーをしまい、次元収納の中からエアガンをもう一丁取り出す。ダガーを持つ必要がなくなったのだから、予定通り二丁拳銃に持ち替えたわけだ。
「二丁になったわけだが...そんな調子で避けれんのかな?」
苦虫を噛み潰したような顔をしてからアクセルは走り出す。このエアガンの有効射程がどれくらいであるか、勘づき始めたのだろう。後ろに下がり、俺から距離を取ろうとしている。
「おやぁ?逃げ腰なんて珍しいなアクセル。そんなにコレが怖いのかな?」
無駄に追いかけることはしない。ゆっくり歩いて近づく。そしてこっそり全力疾走を解除し、スタミナの温存をする。ずっと動いていたから流石に疲労してきた。アクセルがエアガンを警戒している今が休憩のチャンスだ。
「アクセルならこの状況でもなんとかしてくるって、俺信じてるんだぜ?だからこうやって...対応もできる」
アクセルは俺の周囲を走り回り、俺の視界から消えたタイミングで接近してきた。おそらくエアガン狙い。弾くか奪い取ろうとしたみたいだ。だけど、それは読めていた。
「その腕は...⁉︎」
「凄いだろ。死角からきても対応できるんだぜ?」
アクセルの攻撃は、俺の腕から伸びた鎌のようなもので弾かれていた。雷撃剣と同じ要領で、魔力体である腕から直接作り出したものだ。最初にやったような靴から伸ばすのとは違い、元々魔力の塊として存在する腕を変形させるだけで済むから出が早く、硬度も保てる。変形は自由自在だから剣でも鎌でも鞭でもなんでもござれ。変幻自在の攻撃が可能だ。もちろん防御にも使える。
「で、近づいたからにはどうなるかわかってんだろうな?」
「っ...!」
急いで距離を取ろうとするアクセルの背中に撃っても、速度の差のせいで当たらないのは分かっているため無駄に撃つのは控える。まぁ別に無駄に撃っても、弾は大量にストックしてあるからそこは問題ないが...何がアクセルの慣れに繋がるかわからないし、下手なことはやめておくに限る。
「その腕...ニアの魔力体とやらか!」
アクセルは走りながら俺の腕の正体を看破した。
「おっ、よく知ってんな...そうか俺以外の情報は普通に聞いてんのか」
フロートから聞いてないのは、あくまで俺の情報だけ。ニアの情報を聞いていれば、魔力体のことも知っているだろう。まさかそこから俺の情報が漏れるとはな...
「……でもなぜ腕だけ?」
アクセルは俺の背中を攻撃している。蹴りの感触からして、本物の肉体であることはわかっているだろう。その事実により、アクセルは俺が全身を魔力体へと置換していないことがわかる。
その、腕だけしか魔力体になっていないことがノイズとなり、アクセルの思考は阻害される。実際は俺の実力不足ってだけなのに、ニアの全身魔力体と違うことが疑問として残る。背中への攻撃の感触はたしかに本物だった。ではなぜ胴体はそのままなのか。その疑問は俺が何か企んでいるのではないかという疑惑へと変わり、無駄な思考をすることになる。
「……そこだ!」
その思考をひとまず置いておき、攻撃へと戻ろうとしたアクセル。その動き出しの直前にアクセルに向かって走る。
素の速度でだ。アクセルは俺が動き出した瞬間に、いつもの速度感で距離を測り攻撃しようとしただろう。だが俺が普通の走りで近づいたがためにその計算が狂い、アクセルは俺の少し前で攻撃を空振りさせる。
「計画通り!」
両手で引き金を引き目の前で止まったアクセルを撃ち抜く。全身に満遍なく撃ち込み...およそ19発ほど命中させられた。片方は既にある程度撃っていたため弾切れ。もう片方は連射しすぎてジャムってしまったようだ。アクセルが逃げ出すのが少し遅れていたからもう少し撃ち込みたかったが...仕方ない。
『製作』
製作スキルで銃を再生成し、弾切れもジャムも解消する。二丁拳銃にしたのは単純な火力増強もそうだが、片方ずつ製作して常にどちらかで撃てるようにしたかったからなのだが...うまくいかないものだな。
「つーかそれよりもなんだよなぁ...」
走り回ってBB弾を避けるアクセルを見ながらさっきの光景を思い出す。
最初に開けた、6ミリほどの右肩の風穴。それが埋まっていたのだ。左目の傷も、少しずつ癒え始めていた。脚に与えていた小さな傷もいつのまにか消えている。
「自然治癒力の強化か...回復能力も持ってんのエグいだろ」
俺も自然治癒加速たまにやるからあまり強くは言えないけどさ...ってか俺も速度操作で温度操作したりとかもあるからほんとに言える立場じゃないんだけどさ、能力の応用性高すぎだって。肉体強化で色々やりすぎだよ強すぎだって。
「まぁでも、それするってんならこっちも手はあるぜ?」
自然治癒の強化。一見便利そうだけど、やりすぎると危険な部分があるのを俺は知っている。そして俺の持っているものの中に、その危険な部分が濃縮されまくった物が存在している。頃合いが来たらそれを使うとしよう。
「だがそれを使うには...ドデケェ風穴開けねぇとなァ!」
『製作』
ちょうどワンマガ撃ち切った右手の銃と次元収納の中身を素材とし、別のエアガンを作っていく。ショットガンだ。
「また別の武器を...!」
カテゴリ的には同じ銃なのだが、さっきまでのは魔力銃と見た目がほぼ同じだったため、完全に別の武器のように見えてしまうのだろう。まぁ実際別物と言われればそうなのだが...今はまだ同じだ。なにせ、今から使うのはスラッグ弾だからだ。
「ほーれ、まず一発だ」
逃げ回るアクセルに近づき、まず一発撃ち込む。避けられたが...壁に当たってくれたのでOKだ。一発しか出ないこと、そして火力がさっきのエアガンよりも上がっていることを印象付けられれば当てられなくても問題ない。
左手は普通のエアガンで埋まっているためこのままじゃコッキングできないが、腕が魔力体であることを利用して第三の手を生み出しコッキングする。
「まだまだ行くぜェ?」
第三の手でコッキングをしながら引き金を引き、スラッグ弾をアクセルに向かって撃ち込む。完全に警戒されているため、なかなか当たることはないが...警戒されることが目的だし、走り回ってスタミナを減らしてくれるのもありがたいから問題無しだ。まぁ当たってくれてもいいんだけどな。
「くっ...いつまでも好きにはさせない!」
おっ、近づいてきた。片方がショットガンになって発射レートが落ちたから近づけると踏んだのだろう。放ったスラッグ弾も避けられ、アクセルの射程圏内。雷装を纏った拳を突き出してくる...が、これなら腕の変形で弾ける!
……ってそれをさせるのが目的か!
「んなっ⁉︎」
拳はブラフ...というか囮のようなもので、俺が変形させた腕をガッチリと掴み取り、蹴りで俺の手からエアガンを弾き飛ばし、すぐさまそれを回収した。攻撃じゃなく、エアガンを奪うのが目的だったわけか。
「よく奪えるな...やっぱお前はすげぇよアクセル」
エアガンを握り構えるアクセルに近づく。
「ほら、せっかく奪ったんだし、使ってみろよ」
俺がそう言うと、アクセルは無言で引き金を引いて何発か弾を飛ばしてきた。しかし...
「ヒット!...ってな」
俺の加速が無ければ、BB弾は武器にはなり得ない。そりゃ少しは痛いものの、顔や首さえ守っておけばそうそう痛手にはならない。クルスの銃を使わずエアガンを使うのもこのためでもある。奪われてもリスクが少ないからな。実弾なんて使ったら普通に撃ち抜かれてしまう。武器は誰にでも使えてしまうものだからこそ、武器そのものに威力を持たせず、俺しか使っても意味がないようにしておくのだ。
「ほーら返してもらうぜ」
『製作』
アクセルの持つエアガンを素材とすることで、強制的に取り上げることに成功する。ついでにリロードも済ませて...!
「喰らいな!」
至近距離すぎてショットガンが使えないため、今さっき作ったエアガンでアクセルを撃ち抜く。
「……おっ?とうとう掴み始めたか。こりゃ厄介だな」
どうやらだいぶエアガンの攻撃にも慣れてきたようだ。アクセル自身が使ったことで慣れが早まったのか?ってか飛んでくる弾掴むとかドラ○ンボールかよ。
「でもそれなら...!」
『製作』
左手のエアガンを分解し、別の銃を組み立てる。三点バースト式のエアガンだ。
アクセルは、俺が引き金を引く瞬間の銃口の向きを見てBB弾を避けたり掴み取っているのだと思われる。魔法と違って、速度があるBB弾は放たれてから軌道を読むんじゃ間に合わないからだ。
だから、一回で三発でる三点バーストを使う。アクセルに偏った慣れを与え、その慣れによって生まれた隙を攻撃する。手数を使って慣れを乗り越えるにしても、こういったトリッキーな方法も取り入れた方が効率がいい。全てに慣れられる前に決着をつけないといけないしな。
「これでも喰らえ!」
右手のショットガンで最後のスラッグ弾を撃ち込み、アクセルがそれを避けたところを三点バーストで狙い撃つ。
「三つ⁉︎」
一発はしっかり対応したアクセルだったが、それ以降は反応が遅れたため弾くには至らない。だが腕でガードしていたのは流石と言ったところか。
「初っ端からガードできんのすげーなオイ!」
『製作』
撃ち切ったショットガンをリロードするため再生成する。
「まぁいいもう一度!」
出来上がったショットガンを構えて、引き金を引く。一見さっきのと同じ攻撃展開。もう一度と俺が言ったことで、アクセルはその思考に囚われる。銃が同じでも、弾が同じとは限らないのに。
引き金を引くとエアガン特有のガスの音が鳴り、弾が飛び出す。アクセルは威力の高いスラッグ弾を想定して射線上から離れた...が、飛び出した弾は三発。スラッグ弾から散弾に変えておいたのだ。
放たれた三発はほんの少しだけ広がり、本来の射線上から少しズレる。その後の三点バーストを避けるために最小限の回避に留めていたアクセルは、急いで回避しようとして足がもつれ、地面を転がる。止まろうとしていたところでまた動こうとすれば、そりゃもつれる。スタミナもだいぶ削れているわけだしな。
「また三発...!」
「おおよく転がるなぁ」
立ち上がるのを諦めアクセルはわざとそのまま転がって距離を取ることを選んだようだ。三点バーストで偏差打ちして追い討ちを仕掛けるが...うまく当たらないものだな。
「これあんま使ってなかったからなぁ...バ○ィストのくらい反動あっていいから、即着にできないものかねぇ?」
普通の銃は、魔力銃のおかげで感覚が既に戻っていたから扱いやすかったが、ショットガンも三点バーストも久しぶりだからか思ったように使えなかった。どっちともギリギリで回避されてしまったし、もう銃そのものに慣れてしまっているのか...?
「……じゃあこれで風穴を...!」
両手のエアガンを次元収納の中に投げしまい、あらかじめ作っていた物を取り出す用意をしておく、
「銃をしまった...?」
んー流石に攻めてこないか。今手ぶらなんだが...何かあると思われてるな。
「来いよ。来ないなら...俺から行くぜ?」
アクセルに向かって走る。反応速度を最大にしておき、いつアクセルがこちらに向かってきてもいいようにして...来たっ!
「来い!グレネード!」
次元収納から、既に爆発寸前となったグレネードが俺とアクセルの間に大量に投下される。
「なっ、カリヤも巻き添えを⁉︎」
「んなわけあるか。傷つくのはお前だけだ」
グレネードは起爆し、周囲にBB弾をものすごい速度でやたら滅多に撒き散らす。だが、それはアクセル側だけだ。俺方向のBB弾は、そもそもガスの噴射速度を減速させることで速度と射程を落とし、さらにBB弾そのものに減速をかけて完全に失速させる。
結果、俺にはほとんど当たらず、アクセルだけ大量のBB弾を喰らうことになった。全身を肉体強化し、その場で跳ぶことで脚への被弾を減らし、腕で頭を守るなどと咄嗟の判断にしては最高と言ってもいい防御をしたが、それでも腕はもうボロボロだ。
「その傷、どんくらいで治るんだ?」
自然治癒強化がどの程度のものなのかわからないが、しばらく腕は使えないだろう。わざわざ治るまで待ってやることはもちろんしない。このまま追撃だ。
「ああ、別に答えなくてもいいぜ?今すぐに治っちまうからな」
俺は次元収納の中から液体の入った瓶を取り出すと、その蓋を開け、動かれる前に中身をアクセルの腕へと振りかけてやる。
「なにを...っ、あぐぅっ⁉︎う、腕が...⁉︎」
振りかけたのは、ありとあらゆる回復効果を詰め合わせた回復薬、その原液だあまりにも回復効果が強すぎて、何百倍にも薄めなければ一瞬でガン細胞にも似たような何かが傷口を覆うだけでなく、そのまま増殖を続けて肉の塊でその箇所が埋め尽くされてしまうというエゲツない代物だ。
そんなものを喰らってしまったアクセルは、自身の自然治癒強化が干渉してしまったのか俺の想定をはるかに超える勢いで肉を増殖させていってしまう。しばらくしたらやっと増殖は収まったが...アクセルの腕は見る影も無くなってしまった。
「ぐっ...こんな経験は初めてだ」
「そりゃそうだろうよ...さぁ、締めに入ろうか」
「まださ...私は勝つ!逆転勝利だ!」
そう叫びながら、アクセルは異形となった腕を振り回しながら走ってくる。
この状況でまだ諦めないのかと、アクセルへの好感度をさらに上げながら俺は武器を構える。
ダガー。最初に手にしたこの武器で、詰ませに行こう。
作者はサバゲー未経験かつエアガン未所持なんで完全にエアプなんですよね...大学生なったらやってみたいなぁ...
ちなみにエアガンやBB弾の素材なんですが、大半は物質生成系の魔法で作り出してます。
プラスチックとかこの世界にはまだないし、そもそも石油がないから魔法で作るしかないんですよね...カリヤくん石油作って売れば大金持ちなのでは?