前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8146字。

なんか最近、ただでさえ弱弱だった文章力がさらにダメになってる...今はプロット元からあった話と話との間を埋めてる最中だから、それが過ぎれば出来も元に戻るはず...はず!


並走可能な鳥

「とりあえず弓で...」

 

矢を番え、魔物を狙う。この位置からだと枝と葉のせいで直接視認することはできないけど、速度探知のおかげである程度の位置は掴めている。枝がないところを通すように狙えば...!

 

「って避けられた⁉︎」

 

矢から手を離した瞬間に回避されてしまった。さっきまで普通に声出してたのに逃げなかったのを考えると、音で察知されて避けられたわけではないはずだ。透視でもしてこちらを見ていたか、攻撃の気配でも察知されたかのどちらかだろうな。

 

「追わねぇと...!」

 

見失うわけにはいかない。魔物を速度探知の範囲内に入れるために、すぐさまジャンプして頭上の太い枝に捕まり、それを蹴ってさらに上に登る。

 

「もういない⁉︎逃げ足早すぎだろぉっ⁉︎」

 

木の上まで登りきって空を見渡し、もうどこにもいないだと⁉︎と驚いていたら、下から魔物がものすごい勢いで走ってきて飛び蹴りを仕掛けてきた。慌てて木から飛び降り、落下速度加速で難を逃れる。

 

「サイズまだ小さめとはいえ、だいぶ速ぇなこいつ...」

 

体長は5、6メートルくらい。鶏冠の生えたダチョウ...ってのが表現として近いだろうか。まぁダチョウっぽいだけで普通に飛べるんだろうが、さっきの走りといいだいぶ機動力特化な魔物だな。

 

「機動力自信ニキってわけだ。まっ、俺もなんだがな」

 

魔物は首を下げて木にぶつからないようにしながら高速で走り出す。森の中でこの巨体のまま俺と同じくらいの速度で走るだなんてなかなか心が強いな。恐怖心がないだけかもしれんが...っと、避けないとな。

 

「こりゃなかなか面白そうな戦いができそうだ!」

 

魔物の飛び蹴り攻撃をすんでのところで回避した俺は、そのまま走り去る魔物の背後目がけて矢を放つ。

 

「っぱ逃げ足速いな...避けれるし、追っかけるより待った方が良さげだな」

 

弓矢からダガーに持ち替え、魔物が攻撃してくるのを待つ。

 

「……よしキタキタ!」

 

後方から走ってきているのが速度探知のおかげで丸わかりだ。回避しながらダガーで切り付けてやろう。

 

「また飛び蹴りだなんて芸がなっ⁉︎」

 

またしても飛んできた飛び蹴りを回避してダガーを突き立てようとしたら、魔物は翼をバサっと広げた。その翼がラリアットのように俺の体に命中し、地面へと薙ぎ倒す。

 

「クソエグい普通に格闘してきやがる!」

 

地面に叩きつけられた瞬間に加速を発動させ、反作用によって浮き上がった俺の身体をさらに跳ね上げさせることによりその場を緊急離脱、木の枝の上に避難する。

 

「なんかルチ○ブルとバル○ーナを足して二で割ったような感じしてんな...っと危ねっ!」

 

魔物は俺の乗っている木に飛び蹴りをしかけ、幹をへし折って無理矢理俺を引き摺り下ろしにきた。だいぶ気性が荒いな...なんとしてでも俺を殺そうという確固たる意志を感じるぞ。そんな恨まれるようなことしましたかねぇ?

 

「とりあえず『雷装』っと」

 

地面に落ちる前に雷装を発動させ、まずは魔物の速度を上回ることにした。これであの速度も簡単に対処できるはず...

 

「よーしこれでってさらに加速しやがった!」

 

着地して、いざ魔物の攻撃を避けようとしたら急に加速しやがった。すぐに足に雷装を集中させて避けることに成功するが...

 

「また加速してるし...!そういう魔物なのか⁉︎」

 

避けた瞬間、さらに魔物は加速した。避けることには成功したが、確実に今俺が出した速度と同じくらいの速度が出ていたことだろう。

 

ここまでの速度を出せたならば最初からやっていたはず。そして、加速し出したのは俺が雷装を発動させてから...つまり、こいつの力は相手の速度と同等、もしくは上回るような速度を出せる力だ。俺が速くなればなるほど、あいつも速くなるってわけだ。そうでなければ、ここまでの急加速に説明がつかない。

 

周囲のものの中で一番速いものを探知して、それと同じかそれ以上の速度を出す。おそらく、この力のおかげで最初の矢も避けたのだろう。俺が矢から手を離した瞬間、周囲のものの中で最速のものは矢になる。そのため飛んでくる矢の存在に即座に気づくことができ、同じ速度で飛ぶことで逃げたってわけだ...なんかこの力、ノートリ○ス・B・I・Gに似てるな...

 

「サイズ小さいからそんなに魔素入ってないのかと勘違いしてたけど、そーいやそういう方向性の強化もあったっけか」

 

かなり過去の記憶だが、あれは確かカイスの戦争があった日だったか。森で戦ったローブを纏った魔物は、サーマルによって魔素を注入された魔物ではあったが巨大化はそこそこに留まっていた。注入された魔素はその魔物の性質を強化し、強大な魔法を扱うように魔物を変化させていた。

 

こいつも同じ。元のサイズがどうなのか知らないが、サイズの巨大化はそこそこで性質の強化に魔素が使われているのだろう。ただの魔物が俺の速度についてこれるわけがない。注入された魔素によって出せる速度の最大値が上がったために、俺の速度についていくことができるのだろう。

 

「俺をメタるために作ったけど結局使わなかったって感じなんだろうな...」

 

たとえ俺の速度に対応できたとしても、魔法が使えるのならやりようはいくらでもある。今苦戦しているのは速度操作と同時に魔法が使えないからであり、以前の俺なら普通に倒せていたはずだ。それがわかってたから、魔族たちもこいつを登用させなかったのだろう。

 

「とりあえず加速は切っておくか」

 

加速を切ってしまえば、あの魔物の速度を封じることができる。あとは、減速で戦うか魔法で戦うかの二択だけど...

 

「……魔法にしてみっか」

 

能力を使わない戦闘も試してみよう。速度探知で使いそうなページに魔力をあらかじめ流し込んでおいて、自由にオンオフできるようにしてから能力を切る。

 

4571ページ 黒のみ 触手・水

 

「じゃあいつもの行ってみようか!」

 

『雷装』

 

雷装と魔力をリンクさせ、水の触手に流し込む。

 

「ってなかなか難しいな...まぁでも時間あるし、ゆっくり時間かけて...」

 

魔物が離れた時に加速を解除したため、普通の速さに戻った魔物がここまで戻ってくるのには時間がかかるはずだ。速度探知による接近の察知はできないから、いつのまにか近づかれているだなんてことにならないように気をつけながら雷装魔力を触手に流し込んで剣の形にしていく。

 

「……ふぅ、完成したな。そしてちょうど良いところに来たね」

 

ドタドタと走る音が聞こえてきた。そりゃあの巨体で走ったらこれだけの足音もするだろう。さっきまで速度探知に頼っていたから気にも止めてなかったが、意外とこういうので察知できたりするんだな。

 

「それじゃあこの剣の餌食になってもらおうか!」

 

魔物の走ってくる方にこっちから近づき、正面から迎え撃つ。九つあるうちの六つを使い、左右から三つずつ触手の剣を魔物に向かって振り抜く。

 

「おっ、飛んだな?」

 

触手の速度に反応した魔物は、同じ速度で地面を蹴って俺の頭上に飛んだ。

 

「着地はさせねぇ!」

 

残していた三つを動かし、下から魔物に攻撃する。

 

「ってそうだ飛べるんだった!」

 

魔物は翼を羽ばたかせて前への推進力を得て、下からの触手攻撃を回避する。そのまま着地し走り去る魔物の背中に、九つ全ての触手の剣を向かわせるも、触手以上の速さに加速した魔物には届かない。

 

「うわこれ結構面倒だな...」

 

必ず魔物の移動速度がこちらの攻撃速度を上回ってしまうせいで、逃げる魔物を追うような形での攻撃は必ず回避されてしまう。着地の隙を狙おうとしても、飛んで避けられる。能力と鳥としての性質をうまく使って避けられるのはなかなかに面倒だ。

 

「全方位から攻撃するしかないか」

 

どれだけ加速したところで、避ける先がなければ意味がない。俺対策でみんながやろうとすることを、まさか俺がやることになるとはな。

 

「当たれば必殺なんだから、まず当てないとな」

 

魔物がこっちに走ってくる。いい加減こいつのヒットアンドアウェイ戦法にも飽きた。この一回で畳み掛けて倒してしまおう。

 

「さぁ来い!」

 

魔物が接近する。俺は触手の剣を伸ばすと、魔物の背後と側面から攻撃するように仕向けた。

 

当然、その触手の速度に反応して魔物の動きは速くなる。後ろからくる攻撃に魔物は警戒することはない。このまま走り続ければ絶対に追いつかれないからだ。そして横からの攻撃も警戒しないはず。わざと他の触手より速度を落としているからだ。これもそのまま走っていれば当たることはない。だから気にせずに俺に攻撃してこようとする。

 

背後と側面は潰した。上は触手を二本ほど使って塞ぐ。これで残るは正面のみ。触手はもう残っていない。残るは俺のみ。

 

「……おっ、気づいたか。鳥頭ってわけじゃないようだな」

 

魔物はそのまま走り続け...飛び蹴りをしようとしたがすぐに足を止めた。もしこの蹴りを避けられでもしたら、触手の壁に足がふれてしまうことに気がついたからだろう。

 

「囲んだぜ。もう走らせねぇぞ」

 

俺の触手は背中から伸びている。左右と上に向かって触手を伸ばしたことで、自然と俺の背後には触手の壁が出来上がっていたわけだ。触れれば雷装魔力に触れることになり、感電する。ゆえに、迂闊に攻撃することはできなくなったわけだ。

 

そして、伸ばした触手をそれぞれくっつけ、隙間を塞いでしまえば水の檻の出来上がり。上下左右全て塞がれ、壁に触れれば電流が流れる。あの巨体では思うように動けまい。これで魔物の動きを封じることができた。

 

「さーて、あとはじっくりと...っと、まだ抵抗するか」

 

魔物は上半身をその場に固定させたまま、キックで攻撃してくる。すごい体幹だなと褒めたくなるが、できればやめてもらいたい。

 

この水の檻は、俺の背中を基点としている。そのため、動けば檻も一緒に動くことになる。少し動くだけなら、魔物の身体に檻が当たり、電流によって攻撃できるから問題ない。だが、一気に動けば話は別。急な動きによって九つの触手同士の接続が緩み、そこに魔物の巨体が接触することで無理矢理ぶち抜いて突破されかねない。

 

だからこの当たるか当たらないかギリギリの塩梅の蹴りはかなり厄介だ。当たらないはずの蹴りにビビって避ければ檻から抜け出されてしまう。けれども、いつ本気の蹴りが飛んでくるかわからない。当たらないとたかを括った直後に蹴られる可能性もある。さて、どうしようか...

 

「まっ、他の魔法を使えば良いんだがな」

 

4566ページ 黒 赤 紫 閃光

5000ページ 黒のみ 魔法復唱

 

「喰らいな!」

 

カスタムによって、通常よりも遅く、ノックバック性を付与された閃光が、魔法復唱によって複数同時発動され、発射される。

 

この距離でこの図体。避けるスペースはない。

 

「全弾命中!...っととと!」

 

閃光を喰らった魔物は後ろに吹き飛ばされ、触手の壁に激突、流れている雷装魔力に触れたため電流が身体を蝕む。

 

だが、その激突の衝撃は凄まじく、魔物によって触手の壁は勢いよく押されることになる。それによって俺の身体も引っ張られ、前へとつんのめってしまう。

 

その隙を、魔物は見逃さない。なんとか翼で触手の壁を押して壁から離れると、体勢を崩したまま思い切り足を振り上げ、つんのめっている俺めがけて足を振りおろそうとしてくる。

 

「させるか!」

 

俺は雷装魔力を髪の毛一本一本に集中させると、そこから一気に放出させた。そして放出した雷装魔力を操って空中に盾のようなものを作り出して魔物の攻撃を受け止め、逆に雷装を流し込んでやる。

 

「その脚もらうぞ!!」

 

その場から動けないため、雷撃剣を生成する。魔力を注ぎ込めばいくらでも刀身を伸ばせるこの剣ならば、この位置からでも攻撃は可能だ。大量の雷装を流し込まれたせいで動けない魔物に、不定形の剣が襲い掛かる。

 

バツンッッ!!

 

魔物の脚が雷撃剣によって切断された。

 

「完全に機動力は封じた!これで終わうるさッッ⁉︎」

 

魔物の鳴き声...というかもはや叫び声が、俺の脳を揺さぶる。足を切断された痛みで叫んでいるのとは違いそうだが、新手の攻撃か何かか...?

 

……水の触手が蒸発している?まさか、この声で水分を振動させて温度を上げてる⁉︎ってマズイ!これ下手したら俺の体の中の水分も熱されるんじゃねぇか⁉︎脳を揺さぶるこの音が、脳の水分を熱して蒸発させでもしたら...そんなこと起こるわけないと信じたいがそうも言ってられない!こうなったら...!

 

「減速で無理矢理温度を下げる!」

 

全ての魔法を解除して速度操作を発動し、減速によって周囲の温度を下げる。これで心配はもうないはずだ。

 

「まったく、ビビらせやがって...まぁいい。もうチェックメイトだな」

 

魔物の移動速度も減速させた。どうやっても動くことは不可能だ。

 

「かなーり苦戦させられたが、色々試せて良かったぜ。ってなわけで感謝してるから死んでくれ」

 

雷撃剣を生み出し、魔物の首を切り裂く。血と共に魔素が一気に体外へ流れ出る。

 

「あー...そっか、加速できないから時間かかんのか。最後まで面倒だな」

 

こいつがちゃんと死ぬまで待ってないといけなくなってしまった。早めに死ぬようにもうちょい傷をつけとこう。

 

「ってかこいつどんだけ魔素蓄えてんだ?だいぶつぎ込まれてたんだな...」

 

魔素が抜けるまで結構時間がかかりそうだ。なんなら出血死の方が早いまであるかも。まぁ多分、この以上な量の魔素が抜け切るまでは死なないだろうけど。生命維持のために、魔素が血液を生み出すとかしてきそうだからな。そうしたら魔素が減るから、どっちみち死までの時間が短くなるのには変わりないが。

 

「……そういや、フロートの複製体はフロートが死んだら消えたのに、この魔素はサーマルが死んでも残り続けてんだな...どいつもこいつも死んでから影響残しすぎだろ」

 

みんなから巨大化魔物が残ってると聞いた時には軽く流してしまったけど、実はやばいこと起こってたんだな。だってこれ、あれだろ?サーマルが増幅させた魔素が丸々この世界に残ってるってことだろ?どれだけ増幅させていたのかは知らないが、魔物の中に残ってるやつ以外はこの世界全体に拡散しきっているとはいえ、数%くらい魔素の濃度濃くなってるんじゃないか...?その分だけ強い魔物も少しだけ生まれやすくなってるだろうし...うん、考えないでおこう。

 

「……よし、死んだか。それじゃあ撤収〜」

 

速度操作を解除して、雷装も解除する。雷撃剣を使ったのもあって、だいぶ魔力を使ってしまったな。久しぶりにここまで使ったからか、だいぶ身体がだるく感じる。魔王戦じゃ結局魔力使い切らなかったし、ほんとここまで使うの久しぶりだ。

 

「そろそろ良い頃合いだし、一旦カリスまで戻っておくか。勝手に巨大化魔物と一対一したの怒られっかな?」

 

良い感じの釈明でも考えておこうかなと思いながらカリスへと向かう。

 

「俺と同じ速度で走ってくる奴だったから逃げられなかった。だから仕方ない...よし、これでいこう」

 

実際、たとえあの場面で攻撃せず、ステラたちのところに戻ろうとしたとしても、魔物が俺が動く速度に反応して追ってきていたに違いない。あの時は逃げる選択肢があったように思えたが、ほとんどそれは無いようなものだったわけだ。どちらにしても戦う羽目になっていただろう。

 

「そういやあいつって、どれだけ速く加速できたんだろ」

 

もしバフ魔法が使えたならば、あの魔物が出せる最高速度を上回ることができたのだろうか。音の速度に反応していなかったから、流石に音速以下のはずだが...もっと魔素を詰め込まれていたら音速まで行ってたのかな?あの巨体が音速で攻撃してくるのを想像すると、ちょっと怖くなる。今の俺だったら間違いなく無理ゲーだった。

 

「まぁ何はともあれ、ある程度まだ動けるってのがわかってよかったわ。これなら魔物に襲われて死ぬってことはそうそうないだろ」

 

魔王を討伐するという目標を達成した今、俺には新たな目標ができていた。それは、生まれ変わったアクセルと出会うこと。アクセルの魂を宿して生まれた人間に会うことだ。アクセルと交わしたこの約束を守るまで、俺は死ぬわけにはいかない。

 

「……まぁ一応速度探知使っておくか...」

 

町の外だといつどこから魔物に襲われるかわからないからな。地中から何かが飛び出してくるかもしれないし、使っておこう。情報量のせいで頭痛がするし、咄嗟に魔法を使えないというデメリットもあるから、町の外にいるときはずっと使っておくことにしよう。町の中は人も多いし、魔物も出ないから使わなくていいはず。

 

「ってか探知使うなら走るか。魔物はいなさそうだし、そのまま直進直進!」

 

カリスに向かって一直線に走る。万が一にもないとは思うけど、俺が巨大化魔物と戦っている間に、別の魔物に侵入されてちゃヤバいからな。

 

「到着っと...よかった、杞憂だったな」

 

どうやら魔物の侵入は無かったようだ。もしかしたら、侵入はされたがボランティアで来てくれていた冒険者が倒した、とかだったりするかもだが、大きな混乱が起こってないから問題なかったのだろう。

 

「ステラたちはどこかなー...北側にいるかな?」

 

ざっと見渡したが、ここら辺にはいなさそうだった。人の気配もないし、おそらく北側の集積所とやらにいるんだろうとあたりをつけて移動する。

 

「……おっ、いたいた。おーい、ステラー!」

 

「あっ、カリヤ!戻ってきた!」

 

「一段落ついたから戻ってきたぞーそっちはどんな感じ...って、なんでニアがいんの?」

 

ステラを見つけたので近づいてみたら、そこにはクミリアだけでなくニアもいた。女子組勢揃いだけど、ほんとなんでニアがここにいるんだろう。今日は怪我人の治療の続きで、一日ガネルにいるって言ってたはずだけど。

 

「あんたがヤバいことしてるからよ...」

 

「……もしかして、何かしらの魔法で俺の行動全部見られてました?」

 

「ええ、一人で巨大化魔物と戦っているところをバッチリ見させてもらったわ」

 

「いやーそれには訳がありまして...」

 

「言い訳はこれにしようとか呟いてるのもちゃんと見てたわよ」

 

「おぉぅ...」

 

「結果論で言えばその通りだったわけだけれど、病み上がりの状態で一人で戦いに行くとかありえないから。ステラちゃんも呆れてたわよ」

 

「それは本当にごめんなさい...」

 

「というかカリヤあなた、本当に独り言多いわね。魔物に奇襲かけようって時にも呟いてたわよ」

 

「それはもう完全に癖だな...多分喋り続けてないと死ぬんだと思う俺」

 

なんというか、こう...間が持たないというか、なんか喋ってないといけないような気がしちゃうんだよな。別に、誰に聞かれてるってわけでもないのに...まぁ今回はニアが聞いてたわけだけども。あっ、以前は一応神様も聞いてたか。

 

そういやあれから何度も試してみたけど、やっぱり神様とは連絡が取れなくなってたんだよな。楔の打ち方教えてもらっておけばよかったな...教えてもらってできるものなのかは知らんけど。

 

「と、ところで、そっちはどうなったんだ?復興はどの程度進んだ?」

 

「もうだいぶ進んだよ。これからは、みんなが戻ってきてからになるかな」

 

「住人が戻ってきたから作業再開ってわけか。あの短時間で残りの作業を終わらせるってすごいな」

 

「既にほとんど終わってたからね。あと数軒やるだけだったからすぐだったよ」

 

「そうだったのか...こっから俺たちは何すんだ?次元転移で住人呼んでくる?」

 

「そこまで急ぐことはないわ。ひとまずはカリス復興はお終い。ギルドからの要請が来たら輸送するでいいはずよ」

 

「なるほど了解。それじゃあやること無くなったわけだし...パーティーの準備でもするか!どうせ多分俺、これ以上働かせてもらえないだろうし」

 

「当然よ。勝手に戦闘したんだから今日は絶対休ませるわ。買い物でもして帰ってなさい」

 

そう言うと、ニアは次元転移で去っていった。おそらくガネルに戻ったのだろう。

 

「へいへい...じゃあ俺たちも行くか。とりあえず王都行くぞ」

 

「うん!」

 

「酒買うぞー」

 

「……買ってもいいが、量はほどほどにしろよ」

 

9936、9937ページ 次元転移

 

次元転移を発動させ、俺たちは王都へと向かうのだった。




今のカリヤがいい感じに苦戦するような戦闘を書きたかったけど、正直あんまり上手くいかなかったな...
最近スランプ気味だーっ!
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