前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8070字。

戦闘描写ムズイ...なんで戦闘パートちょっと短めになっちゃいました。


動ける者は二人だけ

カリヤだったら思考の加速があるから、この状況をどうやって打開しようとか考えこめるんだろうけど、そんなことできないからすぐに行動するしかない。

 

相手は魔物じゃなくて人間だから、あまり傷つけないように注意して気絶に止める...それだけ考えて動き始める。

 

「まずは魔法を!」

 

魔法拡散を周囲に展開し、魔力銃の魔法弾を無効化する。魔力弾は防げないが、そもそも威力に乏しいから防ぐ必要はない。

 

魔力銃から別の武器へと持ち替える間に全員倒す!

 

「「『雷装』!!」」

 

僕とクミリアの声が重なる。意図的に雷装を周囲に放出することで威嚇をしながら一番近くの襲撃者に手を伸ばす。

 

「まず一人!」

 

腕を掴んで雷装を流し込み、男を気絶させる...この距離だと反撃される前に全員倒すのは無理か。なら、ここはカリヤを見習って...!

 

「結構難しい...けど、もう慣れた!」

 

水の触手を背中から生成し、それを襲撃者たちに押し当てて雷装を遠隔で命中させていく。

 

「ちょっと借りるよ!」

 

攻撃を捌きながら下がってきたレストが、そう言いながら触手に左腕の盾を軽く当てる。次の瞬間、触手が引っ張られてレストを襲っていた人を吹き飛ばす。逸らす力を使ったのだろう。けど、僕自身も引っ張られたせいでバランスが...うまいこと転がろう。そして背中が床に触れた瞬間に触手を一気に伸ばして...上に飛ぶ!

 

上から状況を把握する。襲撃者は残り7人。各々短剣を既にその手に持っており、攻撃準備は万端。このままだと着地の隙を狙われるから...まずは包囲を抜ける!

 

風を掌から噴射しながら触手で床を押し、襲撃者の包囲から抜ける。それと同時にクミリアも床を蹴って跳び、同じく包囲を抜ける。僕が跳んだために襲撃者の視線が集中したから、クミリアも逃げやすかったのだろう。レストは包囲されたままだけど...不思議と傷ついた姿を想像できないし大丈夫だろう。

 

「……ってまずいここにいたら...」

 

よくよく考えたら、襲撃者の包囲の外には一般人がいる。魔法は飛んでこないにしても、空振った攻撃が一般人を傷つけないとも限らない。これ以上下がるわけにはいかないから、ここは前に出て攻めに...

 

……あれ?なんで戦ってるのにこうも無反応なんだ...?騒ぎになっていないのは明らかにおかしい。なんらかの認識阻害がかかっているのか...?

 

「ちょっ、ライトボーッとしてないで!」

 

「っ⁉︎...ありがとうクミリア。助かった」

 

クミリアが、僕めがけて飛んできた刃を弾き飛ばしてくれた。どうやら、襲撃者の持っているあの短剣は刃を射出できるらしい。避けたら一般人に当たってしまうから、真下に弾くしかない...かなり厄介だ。一般人を人質に取られる前になんとかしないと...

 

「……って、もう起き上がってる...⁉︎」

 

さっき雷装を流し込んで気絶させたはずの人たちが起き上がっていた。慣れない触手越しに流し込んだために威力が落ちていたか...とも考えたけれど、それでもこの早さでの復帰はちょっと異常な気がする。

 

「なーんか嫌な気配するね...増援お願いライト」

 

「了解した」

 

念話を発動して、ニアに今の状況を連絡する。認識阻害の件といい、気絶からの異常な復帰の早さといい、何かおかしい。魔法に詳しいニアと速度探知で真実を暴けるカリヤが来れば、この違和感がなんなのかわかるかもしれない。

 

「復活してくることを考えると...これだ!」

 

拘束の魔法を発動させて鎖を召喚し、襲撃者の足を捕らえる。そこに水の触手をまとわりつかせ、雷装を流し込む。そして足から胴へと鎖を伸ばして縛り付け、復活しても身動きできないようにしてしまう。

 

「あとはこれを...!」

 

魔力銃を取り出し、雷装を纏わせる。その状態で引き金を引き、雷装を纏った魔力弾を放つことで、拘束から間一髪のところで逃れた襲撃者を攻撃する。

 

「あと残ってるのは...」

 

何人だろうと数えようとしたその時だった。

 

バンッ!とギルドの入り口が開け放たれる音が響いた。カリヤたちが到着したのか...と思いそちらの方を見たが、外には誰もいなかった。扉の近くに人はおらず、少し離れたところに一般人が立っているのみ。なら、誰が扉を開けたんだ...?

 

「まずい敵の増援が来た!」

 

クミリアが焦りながら叫んだ。扉が開いた音だけ聞いて勘違いしたのか...いや違う。ちゃんと扉の方をクミリアも見ているのに敵の増援が来たと言っている?

 

「まさか幻覚...!」

 

僕は勇者の加護のおかげで幻覚を見ることはない。けれど、クミリアとレストは普通に幻覚魔法を受けてしまう。僕がなんとかしないと...ってやばいクミリアが存在しない増援の方を対処しようとしてる!襲撃者に完全に背を向けて移動しちゃってるこのままじゃ背中を狙われる!

 

……ってそれよりもやばいこのままだとクミリアが一般人を攻撃しちゃう⁉︎そっか存在しない増援を見たんじゃなくて、元からいた一般人を増援だと誤認させられていたのか!レストも同じように見えてるだろうし、僕が止めないと...でも拘束魔法じゃクミリアを止められない!こうなったら、せめて一般人への攻撃だけでも防ぐために、障壁を発動させて...

 

っ、しまった今クミリアが立ってる場所は魔法拡散を張っていない!障壁があると分かればすぐに障壁の破壊に特化した魔法で簡単に突破されてしまう!水の触手で阻止を...ダメだ襲撃者の攻撃を捌くので手一杯!無辜な一般人とクミリアどちらとも助けることは無理...!

 

「動くな!!」

 

聞き覚えのある声が響き、一般人とクミリアの動きが止まる。魔法拡散の領域内にいるレストと襲撃者は動けているということは...洗脳の魔法か?

 

「うっわ外から見てた状況とだいぶ違うなぁ...大規模な幻覚と認識阻害がギルド全体にかかってるみたいだな。二人とも入んない方がいいぞ」

 

「……呼んだのは僕だけど、流石に早すぎない?」

 

襲撃者の攻撃を避けながら、ギルド内部に入ってきたカリヤを見てボソッと呟く。流石にこんなにすぐ来るとは思ってなかった。

 

「全速力で来たぜーなかなかキツそうだな」

 

「ニアにも言ったけど、気絶させたのに起きてくるんだよね。縛り付けてはみたけど、正直あんまり意味なさそう...」

 

「そっか、それじゃあ...面倒だし全部止めるか」

 

カリヤはギルドの中心に向かって跳ぶ。次の瞬間、一般人含め全ての人の動きが少しずつ遅くなっていき、ついには完全に静止してしまう。

 

「ふぅ...一旦これでいいよな」

 

「やっぱ凄いねカリヤ...まさか全部止めるなんて」

 

「あー動けてるってことはお前がライトなんだな」

 

「えっ、わかってなかったの?」

 

「幻覚と認識阻害のせいで全員誰が誰だかわかってなかったからな。だから面倒だし全部止めるかってなったんだわ。ライトは減速効かないしな」

 

「たとえそれが最善手だったとしても、よく躊躇せずに味方ごと止めようと思えるよね...まぁ何はともあれ助かったよ」

 

「それじゃあこっからはライト頼むわ。ギルド全域に減速するためにもここを動くわけにはいけねぇんだ。敵の全員捕縛と武器没収、あとは幻覚と認識阻害を使ってるやつをとっ捕まえるのもやってくれ」

 

「今動けるのは僕だけなのはわかるけど、仕事多すぎだよ...じゃあまずは捕縛からやろうかな」

 

「これ使いな。魔法拡散使ってるっぽいし、普通の物質の方が都合いいだろ?」

 

そう言いながらカリヤは次元収納の中からロープを取り出して、僕に向かって放り投げてきた。

 

「ありがとうカリヤ。使わせてもらうよ」

 

ロープを掴み、襲撃者に近づく。手に持っていた短剣を取り上げて遠くに放り捨て、そのまま手足を縛り付ける。

 

「そいつポケットにちっさい魔力銃隠し持ってるわ」

 

「うわほんとだ。ほんと速度探知って便利だね」

 

隠し持っていた魔力銃も取り上げる。隠されたものも問答無用で探り当てることのできる速度探知は、その索敵性能も含めて冒険者なら誰でも欲しがりそうな性能をしていると僕は思う。まぁ、実際に使っているカリヤにしかわからない苦悩もあるらしいけど、それを知らない人からしたら垂涎ものだよね。

 

「そういえばだけど、カリヤの力ってこんな範囲広かったっけ?もしかして、自分で楔を打てるようになったの?」

 

「いや違うぞ。なんか知らんけど、能力を使うたびにどんどん範囲が広くなってくんだよ。ここまで来るのに能力使って加速ダッシュしてたら、それだけで何十メートルも広がりやがって俺もびっくりしてる」

 

「……それ、大丈夫なの?」

 

「はっきり言ってヤバい。めっっちゃ疲れる情報量多すぎ」

 

「それじゃあ急いで終わらせないとね」

 

今のカリヤは能力を使うだけで脳に負担がかかってしまう。カリヤのためにも、急いで全て終わらせてしまおう。

 

そう思い、僕は作業の手を早めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー頭痛い。なんでこんな急に範囲拡大するかなぁ...その分加速の最大値と減速速度も増したからまだいいけど、この広さにまだ適応できていないからめっちゃ疲れる。

 

「永続楔のおかげでガバガバになってるにしても、この速度は異常だよなぁ...もはやこれ以上強化してくれなくて良いほどなんだけど」

 

急激な能力の強化のおかげで、情報量の多さによって頭がパンクしそうになる問題が、速度操作を使うことによって付与される保護のおかげである程度解消されることがわかったから、そこに関してだけは許す。だけど魔王もいないんだしこれ以上の強化はいらない。これ以上は疲れるだけだ。

 

まさか、物理保護が頭も守ってくれていただなんてな...そういや、これまでは思考速度の加速によって頭痛を防いでいたけれど、魔王戦にて加減速の同時使用を封じた後にやった減速中はその方法を使うことはできなかったはず。それなのにその時頭痛でぶっ倒れなかったのは、能力使用中に付与される物理保護のおかげだったからだな。

 

物理保護は、能力を使用したことによって起こる不都合を無くすために必要な量だけかけられるものだ。加速中に何かに激突しても怪我をしないのはこれのおかげだが、同じ原理で脳への負担も軽減されているのだろう。どうせなら全部打ち消して欲しいものだが...能力関係なく普通に頭を使いすぎて痛くなってるだけなのかなこれ。

 

「あーでも今だけはもうちょい範囲広がって欲しいな。動けないのもそれはそれで暇だ」

 

楔みたいに一瞬だけ広げられないもんかねぇ?ってかあれだな。最後にやった二つの楔の内容、あんなんじゃなくて、楔が抜けたらこれ以上能力の範囲が広がらなくなるとかにすればよかったな。そうしたら加速最大値と減速速度が強化されるだけだからもっと能力を使いやすくなっていたかも。魔法もこれまで通り使えただろうし、絶対そっちの方がよかったな...

 

「ああもう後悔すんな過去振り返ってんじゃねぇよ...そういうのは考えないようにって決めたろ」

 

頭は痛いが今を考えなければ。えーっと、今ライトは何してるんだ?捕縛は一応全員終わったみたいだけど...

 

「あとは魔法を使ってる奴を突き止めるだけか?」

 

「そうだね。でも、襲撃者の中に魔法を使ってる人はいないんだよね...既に全員魔法拡散の中に入ってるし」

 

「別に襲ってきた奴らだけが組織の関係者ってわけでもないだろ。魔法拡散を使われることは織り込み済みだろうし、外から眺めてる奴が魔法を使ってる可能性は全然あるぜ」

 

「そっか...それじゃあこの場にいる人一人一人に魔法拡散使っていこうかな」

 

そう言ってライトは一般人やギルド職員に一人ずつ魔法拡散を使っていき、誰が魔法を使っているのかを確かめていく。

 

「……全員違う...?」

 

ライトがボソッと呟いた。どうやら、全員に魔法拡散を使ったが魔法は解除されなかったらしい。

 

「隠れている人とかいないよね?」

 

「いないはずだぞ」

 

速度探知から逃れられる人などいない。もし隠れている人がいればすぐにわかるはずだ。

 

「それじゃあもしかして外から...?」

 

「それも流石にないはずだぞ。ニアが確認してるだろうしな」

 

「一応ギルド全体にやっておこうかな...」

 

ライトがギルド全体に魔法拡散を発動させる。

 

「……あれ?」

 

おかしい。ギルド全体に魔法拡散を発動させたはずなのに、幻覚も認識阻害も解除されていない。発動させている術者がギルド内部にいないのは確定だとしても、魔法拡散で魔法が解除されないのは本来あり得ない挙動だ。魔法拡散の中に入ったというのに、速度探知で得れる情報と視覚情報が一致しない...なぜだ?

 

「どういうことだ...?まさか、魔法拡散を使っても分解できない魔法があるとでも...?」

 

「……魔道具?」

 

「あっ...そういや魔道具は魔法拡散で無効化されないんだっけか。完全に忘れてたわ...」

 

魔法拡散で無効化できない以上、この幻覚と認識阻害は魔道具によって発動されているものなのだろう。その魔道具を設置したのがライトたちを襲った襲撃者たちの誰かなのか、それとも他の組織の奴らなのかはわからないが、ひとまず魔道具の効果を止めないとな。あれこれ考えるのはその後でいい。

 

「ちょっと待て今魔道具のありかを調べるわ...」

 

これまでは人を優先して探知していた。それをやめ、魔力を纏った物を優先して探知して探すようにする。動いていない物を探知するのにはそれなりに苦労するだろうが、今の俺なら出来るはず...

 

「……見つけた。ギルド中央の照明、その上に不審なものあるわ」

 

「わかった見てくる」

 

空を飛び、ライトが魔道具を回収する。

 

「これどうやって止めれば...あっ、こうかな」

 

「よし、止まったな。それじゃあ...まずは二人を戻すか」

 

クミリアとレストにかけていた減速を解除する。

 

「……あれっ⁉︎敵はどこに...」

 

「……カリヤ?いつ来たの?」

 

元々認識阻害がかかっていた状態で思考速度とかもろもろを減速させてゼロにさせていたから、一瞬で俺が現れたように見えたんだな。

 

「話は後だ。外にニアとステラがいるから呼んできてくれ」

 

「よくわかんないけどわかったー」

 

クミリアがタタタッーとギルドの外に駆けていく。

 

「……なぁライト。襲撃者はこのまま警察が来るまでこのままでいいとして、一般人はどうすりゃ良いんだ?」

 

さっきのクミリアとレストからして、一般人にかけていた減速を解除したとしても違和感はそこまでだろう。突然縄で縛られた人たちと俺ら勇者パーティーが現れることにびっくりするくらいで、戦闘が起こったことによる混乱は起こらないはずだ。

 

「それも警察が来てからで良いんじゃない?」

 

「それまで俺の頭が持てばだけどな...っとニア来たか。ニアーちょっとこの魔道具調べてくれー」

 

ニアに魔道具を調べてもらおう。もしかしたら、魔道具に込められている魔力から誰が発動させたものなのかわかるかもしれない。

 

「その魔道具が幻覚の正体ってわけ?」

 

「ああ。これ調べたら誰が発動させたのかわかったりする?」

 

「魔力がわかるから、一人一人照合させたらわかるかもって感じね。近くにいたらすぐにわかる方法もあるけれど」

 

「それじゃあとりあえずギルドの中にいる人全員調べてくれ」

 

「かなり無茶なこと頼むわね」

 

「俺だって今無茶してんだ。頼むよ」

 

「それ言われちゃうと反論できないわね...わかったわやるわよ」

 

ニアは魔道具を持ち、静止している人たちに近づいて調べていく。

 

「カリヤ大丈夫...?」

 

ニアの方を見ていたら、ステラが心配そうに声をかけてきた。

 

「まぁ疲れるけど、ぶっ倒れるほどではないから大丈夫かな。これからの能力の成長に一抹の不安を感じるところではあるけど...」

 

「あんまり能力使わない方がいいかもね」

 

「そうしたいけど、なかなかそうはいかないからなぁ...そういや、ステラの無心の弓もあんま使うなって話になってたけど結局連発してたよな」

 

「そういえばそうだね...大丈夫かな、ちょっと不安になってきた...」

 

「まぁ大丈夫でしょ。あれからなんも不調になってないだろ?単純に発動条件が難しかった、そしてそれに見合う強さだったってだけさ。変な反動があったりとかデメリットがあるようなものじゃないんだよきっと」

 

「そうかな...」

 

「多分だけどな。ってか、本来は俺の能力もデメリット無しのはずなんだけどなぁ...本来メリットになるはずの強化で苦しむってそうそうないだろ」

 

神様と会話できたらなんとかなったのかな...明らかに調整ミスってるからなんとかして欲しいわ。

 

「まぁ、能力を使わない戦いってのも今となっては難しいんだよなぁ...魔法を使うのにワンクッションいるのが辛いわ」

 

魔法を使うのに、速度探知で目的のページに魔力を流し込んでから能力を解除する、という工程が間に挟まってしまうため能力を使わないということは結構難しかったりする。

 

「能力を使わない戦い方、ちょっと考えないとなぁ...今度時間ある時、修行に手伝ってもらって良いか?」

 

「いいよ!」

 

「クミさんもいいよー」

 

二人から快く承諾される。いつのまにクミリアが隣に...ってのは速度探知のおかげで全部知ってたから驚かないぞ。

 

「捜査の合間を縫って修行しないとな...ああそういや、巨大化魔物も倒さないとなんだっけ...やること多いなぁ」

 

「ゆっくり出来るようになるまで時間かかりそうだね」

 

「だな。機械作りの時間もいつ捻出できるやら...って、どうした?なんで頭抱えてんだ?」

 

ライトが頭を抱えて何かを考えているようだったので声をかける。

 

「……なんか、あの魔道具を見たことがあったような気がして...どこで見たんだろう...」

 

「見たことあるってマジ?頑張れ思い出せー」

 

誰かが持っていたのを見たという記憶ならば決定的な証拠になるし、魔道具を販売している店で見たのならそこから購入者を追えるから手がかりになる。この記憶の有無は重要だぞ...

 

「うーん...ダメだぼんやりしてて思い出せないや」

 

「そっか...残念だが、まぁニアが調査してくれてるし、そっちで追えるからいいか」

 

「期待してくれてるところ悪いけれど、ギルドの中にこの魔道具を起動させた犯人はいなかったわ」

 

そう言いながらニアがこちらに近づいてきた。

 

「マジか...」

 

「これを設置した人はもう逃げてたってことだよね。すぐに解決ってわけにはいかないかぁ」

 

「まぁしょうがない。地道に調べてくしかないな。まぁ奥の手として、逆行視点使って誰が魔道具を置いたのかを確認するってこともできると思うけど」

 

「今日設置したかわからないから、それをして時間を浪費するくらいなら地道に足を使った方がいいとは思うわよ」

 

「おけ了解。それじゃあこの魔道具を手がかりとして、地道に操作していくとしますか。その前にこいつらを警察に引き渡してからだけどな。このままだと俺動けないし」

 

「そういえばなんだけど、この魔道具はどうするの?警察に証拠品として渡す?」

 

「んー...いや、俺たちで持ってようぜ。もしかしたら警察内部にいる組織の奴らに処分されるかもしれんし」

 

「私も、魔道具が手元にあった方が持ち主を特定しやすいし、その方がいいわね」

 

「よし、俺らで持っておくで決まりだな。それじゃあ警察来るまで待機だな」

 

「警察呼んでなくない?」

 

「……あっ」

 

ライトからの連絡がニアのもとに来て、一目散にここまで全力ダッシュしてきたから警察を呼ぶの完全に忘れてたわ...

 

「悪い忘れてたわ。俺ここから動けないし、誰か行ってきてくれ。できれば二人で」

 

「それじゃあ私とステラちゃんで行ってくるわ。この中だったら一番早く行けるでしょうし」

 

「よし頼んだ」

 

ニアとステラがギルドの外に出ていく。この二人なら空を飛んで移動できるし、襲撃されることはないだろう。警察署で襲撃とかまさかしてくるわけないだろうし、それも心配しなくて良い...はず。

 

それからしばらくして、無事に警察が到着したので襲撃者たちの身柄を引き渡した。

 

全ての減速を解いたことで、一般人たちの間にほんの少し混乱が広がったが、つつがなく事が進み、騒動は幕を閉じたのだった。




思考加速と速度探知の無い戦闘描写めっちゃ下手になってて泣きそう。
地の文が大量でも設定的に問題なかったり、視界の外で起こったことも描写できたりと、この二つの力にかなり助けられてきたんだなぁ...と思い知らされましたね。

次回以降の戦闘はもうちょいクオリティ上げようと思ってるんで、ちょっっとだけでも良いんで期待していてくださいお願いします。
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