前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8083字。

めっっちゃ日常回です。


久方ぶりの魔力ゼロ生活

「久しぶりにしくった...」

 

「珍しいわね。カリヤが魔力切れを起こすだなんて」

 

「俺もびっくりだよ...まさか、製作のしすぎで魔力失くすとは」

 

ある日の夕方のことだった。なんか今日は魔力の回復が遅いなーあと製作の魔力消費多くね?と思いながら製作スキルを使ってものを生み出していたら、そのまま魔力切れになってしまった。次元収納とアクセスする魔道具が俺の身体の中から排出されてカランコロンと音を立てて転がり、魔力切れを起こしたのだと視覚的に認識したのを覚えていた。あと、魔力を流せなくなって義足が動かなくなり、地面に倒れ伏したりもしたか。

 

「にしても、まさか製作スキルがさらに進化してただなんてなぁ...もうあれで打ち止めだと思ってたわ」

 

異常なほどの魔力消費は製作スキルの進化によるものだった。どうやら、素材を魔法で生み出す過程すら省略してしまうらしい。元々素材を持っていたならばそれを使って物を作ろうとするが、素材がない場合、その素材を魔力を消費して作り出すところから製作が始まってしまうのだ。

 

いつのまにかスキルが進化していたために俺はそのことに気づくことができず、既に素材が尽きていたにも関わらず製作を使いまくっていた。そのため、大量の魔力を消費してしまい魔力切れを起こしてしまったのだ。

 

「こうなるなら直前に魔力を回復させておけばよかったぜ...最後の一つだしこれやったら回復させようとか抜かした俺が馬鹿だったな」

 

悔やんでも仕方がない。魔力切れを甘んじて受け入れて、しばらく魔法も能力も無しで生活することにしよう。

 

「今のカリヤの魔力量なら明日の朝には回復しきるんじゃ無いかしら。それまでゆっくりしていることね」

 

「……あと、それ使うのもやめときなさい。これ出しておくから」

 

「ん?...あそっか。そうだな」

 

ニアに俺の次元収納から車椅子を出してもらい、そこに座る。魔力切れを起こしても、回復した魔力を使って魔力操作をすることは出来てしまうから普通に義足を使ってしまっていたけれど、これをしていたら満タン回復するまで余計な時間がかかってしまう。つい癖で義足を起動してしまわないように気をつけないと...

 

「魂入れ替えのところ行ってカリヤの魔力回復させれば良いんじゃない?ほら、前にやったでしょ」

 

そう、ただ俺が魔力切れになっただけなら、シレンの穴の近くにあるあの場所で魂を入れ替えてしまえば、レストの身体で速度操作を発動することで俺の身体の魔力を回復させることができる。できるんだけど...

 

「レストお前...ゲーム中断してまでそんなことしようとするなんて一体どうしたんだ?洗脳...それとも大穴でフロートか?」

 

「僕をなんだと思ってるの...?」

 

まぁ、大方俺が魔力切れを起こしていると色々と不便だから早く直ってほしいって感じだろう。何か言えばすぐになんでも作ってくれるからな。多分俺がいなくなったらレストは更にダメ人間になると思う。

 

「あっ、そういえば伝え忘れていたけど、シレンの穴の周囲一帯が魔域になってるらしいよ」

 

「それマジなのか?ライト」

 

「うん。元々シレンの穴自体が魔域みたいなものだし、確かあそこって魔神が封印されている場所なんでしょ?多分そのせいなんだと思う」

 

「シレンの穴の周囲丸ごとってことはあの場所も魔域になってるんだろうな...大人しく自然回復させるしかないか」

 

「ライトも一緒についていけばいいんじゃないの?」

 

「いや、それじゃ多分無理だ。今の聖剣でだせる聖域展開じゃ魔域の一部しか浄化できないし、時間も短いから魔力を回復するのは難しいだろうな。しかも、なんか最近魔力回復のキレが悪いし」

 

「魔力回復にキレとかあるの...?」

 

「あるんじゃないの?現に最近俺聖域の中にいるのにあんまり魔力回復しないし。加速してもちょっと遅いんだよな」

 

「そんなことあるのね...何かの病気とかかしら」

 

「だったらやばいな...あっ、さっきニアが朝には回復し切るって言ってくれたけど、回復なんか遅いから多分昼過ぎまで伸びるだろうな。昼までぐーたらしてるわ」

 

「そうするといいわ...それじゃあ、そろそろ私帰るわよ」

 

「おっと、もうそんな時間なのか。じゃあなー」

 

ニアがカイスに帰っていく。俺がこの家を持ち始めてから、みんな実家で生活するようになったんだよな。まぁいつまでも宿代を払って宿暮らしってのもお金が勿体無いし、良い判断だろう。

 

「それじゃあ僕も帰るよ。明日用事もあるし早く帰って寝ないと」

 

「そんな朝早くからの用事あんのか?じゃあなー」

 

ライトが帰っていく。そういやライトの家って行ったことないな...ステラの家は夜のお見送りで一回行ったし、ニアのはリヒトに師事してるときに何度も通った。レストも何度も行ったし、クミリアもお見舞いで行ったりした。唯一行ってないのライトの家だけなんだよな。ってかどこ住みなのかも知らないじゃん今度教えてもらお。

 

「あ、待ってライト帰るならクミさんをガネルに連れてって!」

 

「わかった。じゃあ入って」

 

いつもは俺がクミリアを次元転移で送ってたけど、俺今魔法使えないからな。ギリギリのところでそのことに気づけたおかげで、帰れずじまいにならずに済んだな。

 

「また明日なー...あれ?レストは大丈夫なのか?」

 

もう二人とも行ってしまったけど、レストここにいるぞ...?まさかこいつ、泊まって行こうとか思ってんじゃねぇよな?

 

「大丈夫だよ。僕昨日次元転移使えるようになったから」

 

「マジで⁉︎」

 

「うん。今日だって自分一人で来たしね」

 

「そういや今日はお前が一番乗りだったっけか...レストってそれなりに魔法の適性ちゃんと持ってるんだよな」

 

「僕、実は結構凄いんだよね」

 

「いつもなら自分で言うなとか言うとこだけど、実際その通りだからな...じゃあアレか?今日はギリまでいる感じか?」

 

「そうだね。夜ご飯の時間までには帰るよ」

 

「りょーかい。ステラは帰りいつだ?」

 

「私今日はカリヤの家でご飯食べてくるって言っちゃった」

 

「そっか、ならご飯二人分作んないとな...今のうちに米炊いとこ」

 

車椅子を動かし、キッチンに移動する。大体は地球での俺の家と間取りを同じにしてあるが、車椅子が通れるように少しだけ拡張しているおかげでスムーズに移動ができる。やっててよかった。

 

「速度操作無しの料理できるようになっててよかったぜ...」

 

この世界の米を炊く最適設定を発見できているので、速度操作で熱の通りをいじる必要がなくなった。コンロや電子レンジも改良を施したし、今の俺でもちゃんと料理できるはず...

 

「たしかスイッチがこの辺にーっと」

 

キッチン周りに取り付けてあるスイッチを押す。すると、魔力が流れて車椅子に座っていても料理ができる高さにキッチンが下が...らねぇ。

 

「そーいや動力が魔法だから今は使えねぇや...立つしかないか」

 

「立っちゃダメだよー」

 

扉を少し開け、ひょこっと顔を出しながらステラが言ってきた。

 

「おっ、ちょうど良いところに...ステラーこのスイッチ押してくれー」

 

「S○itch?」

 

「なに言葉につられてんだレストお前は呼んでねぇ」

 

ショボーンとしながらレストがリビングに戻っていき、ステラがキッチンに入ってくる。

 

「これ?押すよー」

 

ステラの魔力が流れ込み、キッチンが下がる。

 

「よしこれで料理できるわ。ありがとなステラ」

 

「手伝っても良い?」

 

「おっ、頼むわ」

 

俺が仕込んだからステラも料理できるようになったんだよな。電化製品もちゃんと使いこなせるし心強い...そーいや家電無しでの料理は教えてないな。これだとステラの実家じゃ料理できないじゃん。後でそっちも仕込まないとだな。

 

「何を作ろっかな〜」

 

〜料理製作中〜

 

〜夕飯食事中〜

 

「ふぅ〜食べた食べた」

 

「ちょっと作りすぎちゃったねー」

 

ご飯を食べ終わって二人でリビングに戻ると、カーペットに寝っ転がってゲームをしているレストがいた。ほんと我が物顔でいるよな...車椅子で轢いてやろうかな?

 

「レストーそろそろ帰る時間じゃないのかー」

 

「ん...?もうそんな時間...?」

 

ふわぁ...と大あくびをしてからレストは立ち上がる。

 

「セーブして...と。じゃあ僕帰るね」

 

レストが空間の裂け目を作り出す。

 

「ちょい待て部屋の中でやんなよそれ。靴忘れてんぞ」

 

「取ってくるねー」

 

「ありがとうステラ」

 

ステラから靴を受け取ったレストが、空間の裂け目の中に消えていく。

 

「……さて、レストも帰ったことだし何しよっかな」

 

「あっ、私もう帰るね。カリヤゆっくり休まないとなんだし、ずっといちゃ悪いもん」

 

「そう?別にいてくれても構わないんだけど...帰るなら送るよ」

 

「いいよ別に。早く休んでて」

 

「いーや送るぞ。夜に一人で帰すとか無いわ」

 

「もう、強情だなぁ...送りたいなら自分でついてきてねー」

 

そう言いながらステラは靴を履いて玄関のドアノブに手をかける。

 

「ちょい待って鍵取るから」

 

ポーチから鍵を取り出してからステラに続いて外に出る。そして鍵をしっかりかけ、ステラの横についていく。

 

「よいしょっと...明日何しよっかな〜」

 

「やっぱり魔法とか速度操作が使えないとやることない?」

 

「だなー。なんやかんや魔法に頼ることも多いし、ほんとに明日やることないんだよな...やることといったら、既に作ってあるものを分解してから復元して設計図作るのとか、カリスを巡るとかそんぐらいしかないな」

 

「そっかぁ...じゃあ明日一緒にどこか行こうよ!久しぶりに二人きりで!」

 

「良いなそれ。なら行き先決めてもらっても良いか?」

 

「わかった!えへへ〜どこにしよっかなぁー」

 

「どこでも構わないからなー車椅子とか気にしなくていいぞ」

 

と、そんな話をしていたらもうステラの家の前だ。そもそもカリスが他の町と比べて狭いのもあるけど、意外と俺ん家と近いんだよな。

 

「じゃあまた明日な。楽しみにしてるぜ」

 

「楽しみにしててね〜♪ただいまー!」

 

ステラが家に入っていく。よし、俺も帰るか。

 

「ステラにもニアにも言われたし、今日は早く寝ないとなー」

 

そう呟きながら車椅子を押し、暗い夜道の中一人で家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ...今日はスッキリ眠れたな」

 

ちゃんとベッドの上で起きたのなんていつぶりだろう。心地よい目覚めだ。

 

「魔力切れしてると夢遊病起こらないんだな...魔力切れ唯一の利点見つかったか?」

 

そんなことをほざきながら腕の力だけでベッドの上を這い、車椅子に自力で乗る。

 

「パン焼こー」

 

扉を開けて廊下に出て、キッチンに移動...しようとしたその時、玄関からガチャリと鍵を開ける音が聞こえた。

 

「カリヤおはよー!」

 

「おはよう。朝早いな」

 

「カリヤこそ。じゃあ行こっか!」

 

「行くって、悪いが朝ごはんまだだから食べてから...何持ってるんだ?」

 

ステラが手に持っているものに注目する。風呂敷...か?中に何かを包んでいるようだ。

 

「これ?お弁当だよ。外で食べよ!」

 

「おっ、いいなそれ。めっちゃデートしてんじゃん」

 

「もーカリヤったらデートとか言っちゃって...ほら早く行くよ!」

 

「流石に着替えくらいはさせてくれ。リビングで待ってて。準備してくる」

 

サクッと着替えるために義足に魔力を流して用意を済ませる。流石に座りながら用意するのは難しいからな。短時間だしそんなに影響は出ないだろう。

 

「よし、行くか」

 

ステラと共に家を出る。

 

「どこで食べるんだ?」

 

「カリスの外だよ〜」

 

「外?...なるほどあそこだなぁ?」

 

「わかっちゃった?じゃあしゅっばーつ!」

 

ステラと一緒にカリスの外に出る。目指すはステラが弓の練習のために使っていたあの聖域だ。

 

「久しぶりにあそこ行くな...あそこってちゃんと今も聖域なのか?」

 

「少し前に行ってみたけどちゃんと聖域だったよ」

 

「それならよかった...そーいやお弁当ってステラが作ったのか?」

 

「そうだよ?」

 

「普通の竈門とかで料理する方法教えてなかった気がするんだけど、親御さんに教えてもらったのか?」

 

「違うよークミさんに教えてもらったんだー」

 

「そっかアイツ料理できたもんな。そこ経由で教えてもらったのか...ってことはこの世界の料理確定じゃん楽しみだ」

 

「そんなことないと思うよ?漫画に出てきてたから多分カリヤの世界にもあるものだよ」

 

「……ピクニックみたいな感じのこの状況と、その弁当箱のサイズから鑑みて、サンドイッチだな?」

 

「おーよくわかるね。ホントは速度探知使ってるんじゃないの〜?」

 

「そんなわけあるかい!」

 

「まぁ当てられちゃったけど、味期待しててねー♪」

 

「おう、楽しみだ...っとようやく着いたか。やっぱ車椅子だとちょい時間かかるな」

 

もう仕方のないことだけど、やっぱ車椅子だと移動に時間かかるな。ステラに歩幅を合わせてもらうのちょっと申し訳ない...

 

「……ってかここホントに聖域?なんか外の方が魔力回復しやすいんだけど」

 

「それ大丈夫なの?何かやばい病気なんじゃ...」

 

「かもなー夢遊病の件もあるし、一度ちゃんと検査してもらった方がいいのかも。まぁ今はそんなこと気にせずに食べようぜ」

 

「カリヤがいいならいいけど...じゃあここらへんにしよっか。カリヤはそのままでいーよ」

 

ステラが風呂敷を開き、中から弁当箱を取り出す。

 

「おぉ、これはなかなか...一つもらうぞ」

 

「どーぞ!」

 

中に入っていたサンドイッチを一つ取り、口に含む。

 

「美味しい。優しい味してるねぇ...」

 

「お口にあったようでなにより!さっ、どんどん食べちゃって!」

 

「ステラもちゃんと食べろよ〜」

 

そのまま二人でサンドイッチを食べていく。聖域の中にいるおかげで魔物に襲われずにのんびりできるの良いな...村の中だと魔物入ってくること普通にあるしな。こういった各地に点在している聖域の方が今や安全性は高いといえる。

 

「久しぶりにのんびりしてるぜ...」

 

「最近ずっとのんびりしてると思うけどねー」

 

「毎日みんな来てなんだかんだトラブル起こるからのんびりはできてないが?俺の家のはずなのにまるで自分家かのように居座る奴もいるし」

 

「もうレストの家みたいだよね」

 

「一番馴染んでるもんな...そろそろ出禁にしてやろうかな」

 

「多分泣くよそれしたら」

 

「メンタル弱すぎって言いたいけどマジで泣きそうだな...」

 

アイツなら本当に泣きかねん。どうせ今頃俺の家でゴロゴロしてるだろうし、改めるのはもう無理だろうなぁ...

 

「つーか、この辺も魔物多くなったよなぁ...」

 

最後の一口を飲み込んでから俺はそう呟く。周囲に魔物が何体か歩いていたのだ。聖域には入れないから俺らの周りを大きくぐるっと回るだけだけど、ウロチョロされるとちょっと気になっちゃうよな。

 

「そうだねー。でも、こんなに多いのは珍しいかも...って、なんか近くない?」

 

「……おいあの位置って聖域の中じゃねぇか⁉︎」

 

聖域の中に入ってくるのって村とか町の中だけじゃねぇの⁉︎

 

「しかもこんなに...!待っててカリヤ。私が絶対に守るから!」

 

ステラが空中に飛び出し、襲いかかってくる魔物に矢を放つ。

 

「ステラも強くなったよなぁ...俺も、守られてばかりじゃいられないな!」

 

「ちょっ、カリヤ何を...⁉︎」

 

ポーチの中から銃を取り出し、車椅子に取り付けてある隠しポケットからマガジンを取り出して装填する。

 

「バンッ!ってな」

 

放たれた弾丸が魔物の眉間を貫く。

 

「射程は短めだが自衛はできる!ステラは思う存分やってやれ!」

 

「もー私が守るとか言っちゃったのに自衛しないでよ恥ずかしくなってくるじゃん!」

 

そう言いながらも狙いは外さない。ステラが放つ矢は一度のミスもなく吸い込まれるように魔物に突き刺さり、その命を散らしていく。俺が放つ弾丸も同じように魔物を死に至らしめる。二つの飛翔物が魔物を貫き、殲滅していく。

 

「最後の一体...!」

 

ステラの弓矢が魔物の脚を貫いてその場に縫い止め、俺が喉を撃ち抜く。これで最後の一体だ。相当な数が襲いかかってきたな...まさかこんなに来るなんてビックリだわ。

 

「おつかれ〜」

 

「おつかれじゃないよもう...私が守るって言ったのにー!」

 

「はは、ごめんな。守られてばっかりはなんか嫌だなと思っちゃって戦っちった」

 

「カリヤったらしょうがないなぁ...その武器って銃?完成したの?」

 

「ああ、ちゃんと調整できたものが完成したからって送られてきてな。これはそれの複製品だ」

 

クルスから受け取ったオリジナルは俺の家の工房に置いてある。まぁ、分解から再構築のいつもの流れをやったり、改造してみたりとか色々やったから原型はもう留めてないけどな...だからこうやって製作スキルで作ったのを持ち歩いているわけだ。車椅子に隠そうとしたけど銃本体は流石にキツかったからマガジンだけ車椅子にしまえるようにした感じだ。

 

「まぁまだ近距離じゃないと命中不安なんだけどな...見た通り威力は申し分ない。使ってみると結構楽しいぞ」

 

「へぇ...漫画にも出てきたりしてたけど、本当に手軽に使えるんだね」

 

「狙い付けて引き金を引くだけだからな。反動にさえ慣れてしまえば弓を弾く力もいらないからたしかに楽ではある」

 

もちろんデザートイーグルとかまで行っちゃうと慣れるとかそういう次元じゃなくて普通に無理だけど、これくらいの小銃なら簡単に使いこなせるだろう。

 

「その手軽さが逆に危険だったりはするけどな」

 

「簡単に使えちゃうっていうのもそれはそれで怖いよね。間違って撃っちゃって誰かに当てちゃいそう...」

 

「実際地球じゃこれを使った犯罪が横行してたからな...だからロック機能みたいなの作れないか頑張ってるんだよな。人に向けたらロックされるのと、魔物に向けた瞬間だけロックが解除されるのだとどっちが良いと思う?」

 

「ドミ○ーターみたいなこと?」

 

「……あれ見たのかステラ。まぁそんな感じだ」

 

「うーん...魔物に向けた時だけロック解除の方がいいんじゃない?そうしたら扉の鍵に向けて撃つみたいな感じのも防げると思うし」

 

「だな。一定量の魔素に反応するとかいう仕組みを作れないか検討してみるか...あーでもそれすると魔力を使わないで使える武器っていうコンセプト崩れちゃうのか...悩ましいところだな」

 

マガジンを引き抜き、薬室に残っている一発も抜いてそれぞれ元の位置にしまう。毎回こうやっていれば誤射の心配もないけど、咄嗟に撃てなくなるし安全装置はつけたいなぁ...まっ、そういうのは後で考えるとしよう。

 

「こんなんなっちゃったし、一旦カリスに戻るか。あそこ行っても魔物くる可能性はあるけど、柵あるからここよりかは安全だろうし」

 

この聖域も襲われるとなると、本気で安全圏はどこにも無いのでは...?女神の山だって一度魔王に乗っ取られたから完全に安全ってわけでも無いだろうし、いつどこでも襲われる可能性あるよな。ってことは自衛のための武器を一人一つ持つような時代になりそうだな...手軽さ的にも銃が選ばれそうだし、安全装置早く作らないとな。

 

「そーだね帰ろっか」

 

「この後どこ行くんだ?」

 

「んーとね、内緒ー」

 

「えーなんだよ教えてよー」

 

「ダメーカリヤはただついてきてくれれば良いんだよー」

 

「しょーがないなぁ...」

 

車椅子を漕いでステラの後ろをついていく。チュチュが内緒ーとか言った時はめっちゃ苛ついてたけどステラが相手だと不思議とそんな気持ちが湧いてこないな...チュチュな、なんやかんや人魔戦争の後から会えてないんだよな。噂だと精神を病んで廃人状態にって話だからなかなか会いに行きづらい...ギブドも行方不明って扱いになってはいるけど、恐らくは原型をとどめていなくて誰だか判別できない死体のどれかがギブドだろうから、本当に救いがない...

 

「この村も、色々あったなぁ...」

 

「何か言った?」

 

「いいや、なんでも」

 

誰にも聞こえないくらいの小声で呟き、俺は過去を懐かしみながらカリスに向かうのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに世界全域に干渉できるようになった速度操作。

 

その力が世界を混沌に叩き落とすということを知る者は...三人。




めっちゃサラッとゼ○伝組がどうなったか説明しちゃった...もうここしか明かすタイミングなかったんですよね。

次回はステラちゃんとのデートの続きですわ〜
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