前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8093字。

赤髪姉妹との戦闘です。


赤髪姉妹、空間能力

『えいっ!』

 

「あっぶね...動きはトーシロだな!」

 

魔族が転移してくるが、いくら姿が見えず、一瞬で現れると言っても速度探知があれば避けられる。動きもすっトロいしな。十分警戒しておけば二度目は喰らわない。

 

「もうちょい運動しろよお前!贅肉ばっかじゃねぇか!」

 

速度探知で見えてるんだよなぁ...ただし、胸はない。というか、そういう器官がない。人間とは違うからかな...そもそも哺乳類じゃないからとかか?ってか男女の違いとかあるのか?人間体の時は擬態のためにそういう器官も作られるだろうけど、もしかしたら魔族そのものには性別がないのかも。

 

『ちょっ、何言って...⁉︎」

 

「動揺したな隙アリだ!」

 

思考が止まらなくなりそうだったので打ち止めにし、贅肉というワードに過剰反応した魔族に向かって音速で抜刀する。

 

「チッ...仲間に救われたな」

 

転移で避けられた。どうやら、転移の方の魔族はかなり頭が切れるようだな。判断が早い。

 

『また食べ過ぎたのですか姉さん?自制しなさいと常日頃言っているというのに...』

 

『うるさいよキn...妹!』

 

「ペチャクチャ喋ってて余裕そうだな妹さんよォ!」

 

空を飛び、高いところを飛んでいる転移の魔族の方に近づく。

 

4571ページ 触手・水

 

「姉に任せてねぇで自分でも攻撃してきやがれ!」

 

触手を伸ばし、転移の魔族にけしかける。声的に女みたいだが、魔族にはおそらく性別がないと思われるので絵的な心配はしないでおく。

 

『気持ち悪い魔法使いますね...人間的に言えば、キショいですよ神の使い』

 

「キショい言うな!」

 

転移で避けられるが、すぐに周囲を見渡して熱を捕捉し、魔族の位置を確認して追う。

 

「ほらほら腰抜けかァ?逃げてばっかじゃ俺は殺せねぇぜ!」

 

4970ページ 黒のみ 鎌鼬

 

刀を抜刀する...直前に鎌鼬を発動して魔族の肩を切り裂く。決まった。タイミングをずらしたのが良かったのかな。転移する直前に攻撃できた。

 

『っ...!』

 

「それとも、お前らも俺を殺すのが目的じゃねぇとかかァ?」

 

こいつらも、やろうと思えばいつでも俺を殺せる...そんな感じがする。魔法拡散を使われたら地面に落ちて簡単に死ぬだろうし。

 

「でも、俺はお前らを見逃すほど甘ちゃんじゃねぇぞ!」

 

『こちらも、アクセルとフロートがああ言わなければすぐにでも殺しているところですよ』

 

肩を押さえながら言っている...ような気がする。ちゃんと見えているわけじゃないから確信はないけど。

 

『そうそう。こんなふうに...ね!』

 

俺の前に移動してきたのは、魔素操作?の方の魔族。未だに固有能力の底が見えない方だ。どうやら本質は魔素操作ではないみたいなのだが...

 

そう考えていると、目の前の魔族の姿がブレる。なんだこれ...なんだこの膨大な熱量⁉︎

 

「アッツ...!」

 

膨大な熱量に、視界が白で埋め尽くされる。熱視のせいでサーモグラフィーみたいな視界になっているため、こんな熱を目の前に置かれると視界が潰されてしまう。ってかアツゥイ!

 

「チキショウなんだこの熱...!何の魔法だ火力高すぎんだろ!」

 

速度操作で加速しながら急いで飛んで逃げる。

 

『なーにただの火球だよ』

 

「んなわけねぇだろどんだけカスタムしてもどんだけ魔力込めたとしてもそんなのできるわけねぇ!」

 

『できるんだよねぇ...バカって言ったこと、後悔させてあげる!』

 

自称火球が発射される。掠るというか、ちょっと近づいただけでも焼け焦げて死にそうな気がする。速度操作で探知できるくらいの距離はもう危険域だろう。

 

けれど、直線的に飛んでいく自称火球を避けることは容易い。ただ進行方向と垂直に飛べばいいだけだった。

 

「やーいノーコン!」

 

『妹お願い!』

 

『まったく、魔族使いの悪い姉ですね』

 

「っ⁉︎」

 

7801ページ 黒 青 未来跳躍

 

ほんとあっぶねぇ!未来跳躍使ってなかったら今頃消し炭になってたぞ!魔法を転移させてくるとかアリかよ!

 

「クソ...やべぇなこの魔族姉妹!」

 

攻撃も回避も何でもござれな汎用性の塊の転移と、攻撃や魔法を強化できるらしい魔素操作(暫定)。姉妹なのもあってか、息ピッタリな気がする。

 

『ほらほら攻撃して欲しいんでしょ?ならいっぱいしてあげるよ!』

 

大量かつ大火力の魔法が飛んでくる。そして一回避けたと思っても、転移されて別方向から飛んできたりする。

 

魔法は無数に存在するため対処するのが難しい。一つの魔法の対処法を見つけて警戒したとしても、別の魔法で攻撃されるだけ。物理攻撃の方が、飛んでくる攻撃の種類が少ないため避けやすい。だからアクセルよりも普通に厄介だ。二対一だとか、そういう簡単な言葉では説明できない戦力差がある。

 

「…そうだ、魔法を使ってくるのなら...!」

 

9930ページ 黒のみ 跳弾鏡射

 

周囲に鏡を設置する。

 

「大火力をそのまま跳ね返してやる!」

 

魔族の放った魔法が鏡の一つに命中する。それが他のいくつもの鏡を経由して反射してから魔族の方へと飛んでいく。

 

『うわっと危ない...!』

 

避けられてしまったか。まぁいい。転移の対処法は大体掴めた。

 

「これで...どうだ!」

 

5000ページ 黒のみ 魔法復唱

 

跳弾鏡射で使っている物質生成、念動、軌道変更の三つ全てを復唱し、鏡の領域を広げていく。

 

あくまで予想でしかないが、転移するには転移先に何もないことが必要なのだと思う。未来跳躍と同じだ。物を押し退けて転移するのは無理なのだ。空気とかチリとか、そういったものは問題ないが、液体や固体になると転移の邪魔をしてしまう。

 

もし物を押し退けて転移させることができるとしたら、俺の体の内部に直接魔法を転移させればこの戦いは終わる。俺を殺さない...だとかいう制限があるからやっていないのかもしれない。けれど、転移には魔素が必要だ。人体や、俺が作り出した物質の中には魔素は存在しない。少なくとも、これらの物質の内部や、それに重なるように転移することはできないだろう。

 

その仮定のもと、俺は鏡を大量に空中に設置する。魔族が転移できるほどの隙間を作らないよう、徹底的にだ。もちろん少し押せば鏡は動いてしまうが、転移を遅らせることはできるはず。あっ、触ろうとしたら罠が作動するのアリだな...やっておこう。

 

9932ページ 接触厳禁

 

ミュラーの使っていた魔法を発動する。ちなみに、魔法の名前は俺がつけた。ミュラーは決めてなかったみたいだからな。ネーミングセンスないのは分かっていたけど、まぁ人に見せんもんでも聞かせるもんでもないし、わかればいいだろう、うん。

 

とまぁそれは置いといて...罠の線を鏡に沿って張り巡らせていく。これで鏡に触れれば魔法が自動的に発動するようになった。

 

「…チッ、魔力の無駄だったか」

 

罠の線を張ったはいいが、魔族が放った魔法を跳ね返そうとしたら線に反応してしまった。この線は魔力に反応する。魔法が触れても発動してしまうわけだ。やる前に気づければよかったのだが...やってしまったものは仕方ない。

 

「ああもう消しちまうか。情報過多だ」

 

出しておいて何だがすぐに線を消してしまう。今はあんまり使えないとわかったし、速度探知に引っかかって邪魔だ。脳への負荷をできる限り減らすために、要らない情報は早めに消しておくに限る。

 

『その鏡めんどくさいなぁ...妹〜なんとかできない?』

 

『すぐには無理ですね。魔法拡散を使うのが一番手っ取り早いのですが...』

 

『それやるとカリヤ多分落ちて死んじゃうよね...じゃあどうしよっか』

 

…なんでこいつら俺が聞こえるように喋るんだ?わざわざ声を変えてまで...そんなことをするくらいなら、念話で会話すればいいものを。まぁ盗聴される可能性があるわけだから、内緒話してると思ってたら聞かれてたって事態を避けるには最初から声変えて喋った方がいいのかもしれん。

 

『鏡を少しずつ転移させれば攻撃の隙はできると思いますが...やりましょうか?』

 

『お願い頼んだ!』

 

「させるわけねぇだろ!」

 

7535ページ 黒のみ 物質転移

 

普段魔法図鑑を入れているポーチの中から、物質転移で固定万年筆を手元に移動させる。

 

「閃光...お前一度追っかけられたことあんだろ?どうやって逃げたのか、よーく俺に見せてみやがれ!」

 

大量の魔法陣を高速で空中に書き込み、閃光・改を発動させる。あの時見た、ニトラスの魔法陣と全く同じものだ。各種属性を宿した7本の閃光。魔力でできたものは透過し、標的を永遠と追尾し続け、普通の物質は回避する。そして当たればどれだけ離れても位置を探知できるようになる。ニトラスの作り上げた最強に近い攻撃。練度の関係上、ニトラスのものよりかは威力は出ないだろうが、今回は妨害用なので威力は気にしない。

 

『これはあの時の...!鏡は姉さん一人でなんとかしてください!』

 

『えっ、ちょっ、キネ...妹ぉ⁉︎』

 

閃光・改によって、転移...妹の方を、この場から離れさせる。転移によって逃げられたが、即座に閃光は方向を変え、鏡を避けながら追っていった。

 

「さて、あとはお前だけだな。バカの姉の方」

 

『バカって言うな!』

 

一対一になった。跳弾鏡射もあるし、魔法は跳ね返せる。あの謎パンチだけ厄介だが、転移してくることがない以上、あまり警戒する必要はないだろう。

 

「さーて、バカ一人で何ができるんだい?」

 

『バカバカ言うんじゃないよカリヤ!』

 

「なぁ、もしかして俺、人間体のお前と会ったことある感じか?」

 

『そそそそんなことないよぉ...?』

 

「わっかりやすいなお前。会ったことあるんだな」

 

まぁ、誰かは知らないけど。個人的に、姉でバカ...ってのでサーマルが頭に浮かぶけど、確かカイスでやった調査で引っかかってないんだよな。だからあいつは魔族ではないはず。会ったことあるのは確定しているけど、いかんせん情報が少なすぎて絞り込めないな。姿が見えていればまだ考える余地があったものを...今考えるのはやめておこう。

 

『ぐぬぬ...ボロを出す前にやる!』

 

何かしようとしてるな。魔法を使うわけではない...かな?

 

えーっと...なに?障壁を背後に張った?なんで?

 

そしてそれに足をつけて?蹴っ...てぇ⁉︎

 

「あっぶねぇなんだそりゃ⁉︎」

 

魔族が壁を蹴った瞬間、一瞬で加速してこちらに突っ込んできた。なんとか避けられたけれど、今のは何だ?加速魔法...ってわけじゃないと思う。加速魔法なら、わざわざ障壁で壁を作って蹴るとかいう動作は必要ない。そのまま飛べばいいだけだ。

 

これはどちらかというと、跳躍に近い気がする。障壁を蹴った時の反作用を増幅しているかのような...

 

「って危ねぇ!今考えてんだよ攻撃してくんな!」

 

『なにそれ私には関係ないでしょ!』

 

「知るかんなもん!戦いってのは頭使うもんだろが!」

 

頭脳戦してるときに攻撃するのは御法度...あ、こいつなんも考えてないバカだから頭脳戦ではないか。

 

『失礼なこと考えたでしょ今!』

 

「しーらね!」

 

とりあえず、この高速移動は慣れれば避けやすいな。アクセルよりも遅いし、動きは直線的だから初動を見切れれば少し横にずれるだけで避けれる。さっき跳弾鏡射で設置した鏡に衝突して、ほんの少しではあるが勝手に傷ついているみたいだし、こっちから攻撃する必要はあまりなさそう...かな。鏡が吹っ飛ばされていくから再設置は必要だが。

 

『ねぇ!そろそろ当たってくんない?』

 

「当たるわけないだろこんな単調な攻撃!お前アレだな。魔法を撃たせず、妹もどっかにやれば何もできないやつだ。お前...よっわw」

 

『なにおう!』

 

この手の相手は煽っておけばなんとかなるだろう。

 

『私は強い!妹がいなくたって...!』

 

魔族が超巨大な火球を作り出す。この距離でも熱気が肌に焼き付いてくるな。これも近づいただけで死ぬだろうな。

 

「それしかないのか?もっと別の魔法使ってくれや。飽きたわ」

 

『もっと...もっと!』

 

どんどん火球が大きくなっていく。ああ、もう完全に視界が白くなってる。熱視解除しないと何も見えない。

 

「おお、スッゲェでけぇな」

 

魔法を解除して普通の視界に戻す。ついでに速度操作で周囲の温度を少しずつ下げていく。

 

『これでも...喰らえっ!』

 

「んで、これを跳ね返されるってのは一切考えなかったわけだな。やっぱお前バカだろ」

 

9930ページ 黒のみ 跳弾鏡射

 

火球を丸ごと跳ね返す。転移のできない魔族は障壁を作って跳ぼうとするが、間に合わず直撃する。普通なら何もないところで爆発なんて起きないけど、障壁に当たったためか火球が破裂して周囲に熱波が撒き散らされる。速度操作で冷やしているから身の危険はないが、光もすごく目を閉じてしまう。

 

「障壁で身を守ろうとしないのが、頭が凝り固まったバカってのをもう如実に表してるよな」

 

障壁は逃げるためのものではない。普通に周囲に張ってしまえば火球くらい防げたというのに...

 

「死んでくれてると嬉しいけど、流石に死なない...よな?死んでたらお笑いモンだぞ?」

 

『悪かったね、お笑いもので』

 

喋りながら魔族が近づいてきた。無傷ではないみたいだが、それもドンドン回復しつつある。近づいてくれたからわかったけど、声出さずに逃げてれば俺わからなかったぞ?なんで声出したん?

 

「そう言うってことは、一回死んだわけ?」

 

『うん』

 

…これどっち?ホント?ウソ?わからん。

 

「ってか何近づいてきてんだオラァッ!」

 

『はうっ⁉︎』

 

ズバァンッと側頭部に蹴りを叩き込んでやる。

 

『う、うわぁ〜ぐわんぐわんすりゅ〜...』

 

「ああくそ離れんな!」

 

3740ページ上 黒のみ 熱視

 

一度切った熱視を再発動し、魔族の位置を捕捉する。

 

「もう一発ぶち込んで...んあ?」

 

視界の端にレーザーのようなものが見えた。あれ、閃光だよな?戻ってきたのか。

 

「妹戻ってきたぜェ?お前が不甲斐ないからかな?」

 

『えっ、心配して来てくれたの...?』

 

『そんなわけないでしょう!障壁張るので頼みますよ!』

 

そう言って戻ってきた転移の魔族が障壁を張る...なぜ?閃光に障壁が意味ないのはわかりきってるだろうに...何かあるな?

 

『あいよっ!』

 

障壁に何かしたのか?よくわからんが...一応やっておこう。

 

「悪りぃがそいつは無駄だ!」

 

『色彩剣装 原色・赤』

 

空を飛び、赤の斬撃で障壁を切り裂いてすぐにその場を離れる。なぜか異様に硬かったが...赤で切れないものはない。

 

『障壁が...っ!』

 

7つの閃光のうち、6つは障壁に当たってそのまま消滅してしまった。消えたってことは、やっぱり何かしていたみたいだな。けれど、残りの1つがちゃんと命中してくれた。

 

『そんな...キn、妹!大丈夫⁉︎』

 

『傷は浅いですが...!』

 

そう、傷自体は浅い。やっぱりまだ威力は低いみたいだ。まぁ氷属性のが当たったため、傷口がどんどん凍りついていく追加効果はあるが...期待しているのはそれじゃない。

 

『探知が厄介ですね。魔法拡散で...!』

 

「言っとくけど、魔法拡散じゃそいつは消せないらしいぜ。お前が死ぬまで一生追い続けてやるから覚悟しな」

 

原理は知らないけど、ニトラスが言っていたから多分本当だ。この探知は死ぬまで消えない。人間に紛れても無駄だ。この世の果てまで追い続けられる。

 

『死ぬまで...なるほど、いいことを聞きました』

 

そう言った転移の魔族が、首に手を触れる。

 

ザシュッ

 

その手から光線が伸びて、魔族の頭が落ちた。

 

「は?...はぁ⁉︎」

 

『死ねばいいだけ、なんて楽なんでしょう』

 

落ちた頭が消え、すぐに新たな頭が首から生えてきた。

 

「不死身かよ...」

 

おそらく、二人同時に殺さないとダメなタイプだ。上○の陸みたいなのを想像すればわかりやすいか。姉さんとか妹とか言ってたし、こいつらは双子か姉妹なのだろう。となると、さっき姉の方が死んだのも本当か。

 

「ってかそれヤベェだろ死んでも生き返るとか反則だ反則!」

 

『戦いにルールもなんもないよ!』

 

「チキショウ正論言いやがるこのバカ!」

 

『バカ言うな!』

 

とりあえず煽っとけばこいつの対処は簡単。ヤバいのはどう考えても転移の方。姉のサポートに回られるとキツイ。閃光で退かすのももう無理だそうし..そろそろじゃないのか⁉︎

 

「くそ、まだかよ...!」

 

『まだ?...そういうことか』

 

『どしたん?妹』

 

『撤収しますよ』

 

『えっ、ちょっ⁉︎』

 

ヒュンッと魔族二人が消える。と、それと同時に魔法拡散がこの場所に一瞬だけ展開され、飛行魔法が解除される。

 

「強制離脱ってか...着地考えてくれてんのは助かるな」

 

7713ページ 黒のみ 重力操作

 

重力を操作してゆっくりと着地する。魔法拡散を一瞬だけ使ってくれたおかげで、死なずに済んだ。ほんとに殺す気はないんだな...

 

「あらよいっしょ」

 

スタッと着地する。

 

「さーて、あいつらが逃げたってことは...!」

 

「はぁ...はぁ...はぁ...!」

 

アクセルが戻ってきた。だから魔族たちは逃げたのだろう。アクセルに隠れて協力してるみたいだしな。

 

「お帰りアクセル。シレンの穴はどうだった?」

 

「はぁ...はぁ、してやられたね...」

 

だいぶ息が切れているな。相当スタミナを使ったことだろう。結構なスタミナお化けだったが、流石にあの量の魔物を相手すればそりゃこうなる。

 

「こっちは...真剣勝負、しようとして...たのに...流石に酷くないか...?」

 

「一対一でやりたかったってか?一応、先に破ったのはそっちなんだがな」

 

「……?」

 

うん、やっぱ知らないか。いつ暴露してやろうかな...

 

「とりまお話は終わりだ。お前疲れてんだろ?俺、お前よりいい子じゃねぇから遠慮なく攻撃させてもらうぜ!」

 

鞭を取り出す。こっちもさっきの魔族たちとの戦闘でスタミナ、魔力をだいぶ使ってしまっている。できるだけ動かず、できるだけ高火力で、かつ魔力をあまり使わない攻撃をする必要があった。

 

『雷装・鞭』

 

「お前たしか雷装慣れたつってたよな...本当にそうか、確かめてやろう」

 

「…その距離からじゃ、届かないだろ」

 

「そいつはやってみなきゃわかんねぇぜ?」

 

鞭を振る。しなり、ループ状になる。先端の速度が音速を超え、空気を叩く。

 

7399ページ 黒のみ 空間接続

 

その瞬間に魔法を発動し、空間を引き裂いて繋げる。

 

「はうっ⁉︎」

 

本来鞭が命中するはずだった場所と、アクセルの真後ろが繋がり、音速を超えた鞭がアクセルの背中に命中した。

 

「そして...もう一発!」

 

7399ページ 黒のみ 空間接続

 

鞭の先端が空間の裂け目からものすごい速度で戻ってくる。その返ってくる勢いをそのまま利用し、もう一度空間接続を発動してアクセルに鞭を叩き込む。

 

「ひぐぅっ⁉︎」

 

電撃と鞭の痛みでアクセルが悲痛な声を上げる。

 

「もう一発、行こうか」

 

そう言いながら俺は鞭を振るう。

 

空間接続は、東○でいうスキマを開く魔法だ。空間と空間を繋げることができる。これだけ聞くと、この魔法を使えば長距離移動が簡単になる、と思ってしまうだろうが、色々と制約があるのだ。

 

まず、繋げられる距離は10メートルほどだけ。大きさも30センチ四方くらいだけだ。人が入ることは難しいし、入れたとしても長距離移動には使えない。

 

そして何よりも、空間の裂け目に入ったものは、1秒後に弾かれるように外に追い出されてしまう。映画最終盤直前のフ○パみたいな感じって言ったら、観たことある人には伝わるだろうか。そんな感じで弾き出されてしまうため、通り抜けて転移...なんてことはできないのだ。

 

けれど、逆に言えば1秒は通れる。1秒だけだがそこに手でも突っ込み、攻撃することはできる。弾き飛ばされる勢いを利用しながら魔法を連続発動すれば、ドンドン加速して一撃が重くなる。速くなるににつれて発動のタイミングはシビアになっていくが、そこは反射神経の加速と魔法図鑑による高速発動でカバーだ。

 

「オラオラ反撃してみなよアクセル!自慢の速度はどうした!」

 

「し、痺れ...!」

 

「あっれぇ?電撃に慣れたんじゃなかったっけぇ〜?」

 

…あれ?さっきの魔族を煽る時の口調が残ってんな。まぁいいや。

 

「さっさと落ちて楽になれ!」

 

動けないアクセルに向かって、俺は鞭を振り続ける。




すまんミュラー。
罠の線張った次の日に矛盾に気づいてボツになったわ。
いつかちゃんと使ってやるからそれまで待っててくれ...

余談なんですが、サーマルは魔族ではないと、カリスでの一件でカリヤくんに認識させているのが功を奏しました。
口調や、妹がいるという情報、体格などで、どうあがいても魔族の正体に気づいてしまうんですよね...過去の自分に感謝です。

あっ、最後に一つ。
定期テストが近づいてきましたので、しばらく更新が止まります。
次回の投稿は5月28日、火曜日になります。
今年受験生なんで、このテストは重要なんです許してください。
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