前世の俺がすでに転生特典決めてました   作:ダイヤモンドリリー

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8258字。

テスト期間中に書いてたのもあって、なんか微妙になってしまった気がする...
こういう場所もあるよねって感じであまり深く考えずに読んでもらえれば幸いです。


暇つぶし丁半

「えーっと、ここだよ...な?」

 

王都に早めに来たはいいもののやることがなくて困っていたのだが、ライトにいい場所があると聞き、その場所に来てみた。なんでも、反射神経を鍛えたり、スキルを手に入れるのに役立ったらしいのだが...

 

「指定されたのは何もない路地裏の道の途中。そして、ここの壁の裏にある謎の空間...」

 

速度探知で、壁の一部が回転する隠し扉になってるのを見つけた。早速入ってみる。

 

「多分だけどこれ...」

 

扉の先は階段になっており、地下へと降りていく。うん、隠し扉で地下で...って、これ完全に...

 

「賭博場やんけ⁉︎」

 

ドラマとかアニメでしか見たことがない丁半博打やってんぞこれ。ライトはなんて場所紹介してくれてるわけ?

 

「やってくかい?」

 

壁の奥から声が聞こえてくる。直接受付する場所を設けないのは顔が見えないようにするためかな?

 

「ライトにこの場所の位置だけを教えてもらってここに来たんだが、なんなんだ?この場所は。教えろ」

 

「おっと、知らずに来たのか。ライトの紹介ねぇ...アンタが思ってるような場所じゃないから安心してくれよ。だからそんな怖い声出さないでくれ」

 

「…賭博場じゃないのか?」

 

「この場所を前に使っていた奴らは、賭博場として使っていたみたいだがな。今は違う。ここはクリーンな遊技場さ」

 

めっっちゃ怪しいんだけど...クリーンって言うと逆に怪しいよね。

 

「…本当かそれ?」

 

「まっ、初見さんには必ずと言っていいほど疑われるからな。慣れてはいる」

 

「で、ここはなにをする場所なんだ?」

 

「ここは冒険者のための遊技場だ。暴力がなく、危険もない。運と実力を試す場所さ」

 

「冒険者のための...?」

 

確かに客らしき人たちをよく観察してみると、足や腕を怪我していたり、そもそも欠損していて存在しない人たちがちらほらと見受けられた。退役したか、療養中といったところか。

 

「ルールは簡単。二つのサイコロの出目を足して、偶数か奇数かを当てるただそれだけだ」

 

「丁半ってことだよな。ルールは大体知っている...んだが、金は賭けないんだよな?」

 

「ああ。先に言っておくが、やるのに金はかからない。当てても景品があるわけでもないがな。当て続ければ周りから賞賛されるだけだ」

 

なにそれ...と思うけど、多分この施設あれだ。リハビリ施設みたいなものだこれ。さっき実力を試すとか言ってたし、自分の反射神経でサイコロの目を見切れということなのだろう。怪我して戦えない人が勘を鈍らせないようにするための施設、それがここ。

 

ここで反射神経を鍛えれたってライトも言っていたし、多分この見立てはあっているだろう。スキルを身につけたってのはまだよくわからないが。

 

「何のための施設か大体掴めてきたぜ...」

 

「で、やってくかい?」

 

「ああ、ライトの勧めだしな。やってくよ」

 

「なら、一番奥の右が空いてるからそこでやってくれ。楽しんでいけよー」

 

言われた通り、一番奥まで歩いていく。

 

「さぁ、座ってくれ」

 

壺振りに促されたので、ゴザの上に胡座をかいて座る...さらっと流したけど、ゴザあるんだな。

 

「ルールは教えられたな?」

 

「まぁ。一応、一回どんな感じでサイコロ振るのか見せてくれないか?」

 

「了解した」

 

壺にサイコロ二つを投げ入れ、床に置く。置き方が工夫されており、床に置かれるギリギリまでこちら側がサイコロを見れるようになっていた。反射神経でそのギリギリの瞬間のサイコロの位置を見て、その時の動きと床に置かれた後のサイコロ同士がぶつかる音などで出目を予想するわけか。相手の些細な動きを見てその後の行動を予測する力を鍛えられる...と。

 

「なるほど、一応実力で当てられるようにはなってるんだな...でも、これだと魔法でいくらでも当てられないか?」

 

やろうと思えばだが、探知系の魔法や、視界を移す魔法を使えば出目を見ることができるはず。景品がないから当て続けてもメリットがあるわけではないからやる人がいるとは思えないが。

 

「そうだな。だから、こうする」

 

トントンっと壺振りが床を叩く。すると、結界のようなものが俺たちを包んだ。

 

「これ...まさか、魔法拡散か?」

 

魔法を使わせないためにここまでやるか...あっ、もしかしてあれか。違法賭博場時代の設備が残ってるとかそういう感じだなこれ。そのまま設備を流用しているのだろう。

 

「設備が残っていてな。有効活用している。これでこちら側が不正をしているという疑惑も同時に晴らせるわけだ」

 

なるほどね。そういう目的もあったわけか...俺の場合、速度探知は問題なく使えてしまうからいくらでも不正できてしまうんだけどな。

 

「それじゃあ始めようか...さぁ、魔力を流してくれ」

 

「…どういうことだ?」

 

「あれ、説明されてなかったのか。毎勝負ごとにここに魔力を流してもらうんだ。賭け金の代わりみたいなものだな。あと、回数制限のような役割もある。勝てば次回は半分の魔力を流し、負ければ倍流す。終了すると宣言するか、魔力切れを起こしたら終わりだ」

 

ふむ、魔力操作も練習できるってことかな。あと、魔法拡散の魔力を客にも賄わせているといったところか。

 

「なるほど了解した。魔力はどのくらい流せばいいんだ?」

 

「光るまで流してくれ」

 

「……これでいいか?」

 

そこまで魔力吸われなかったな。全部負け続けたとしても...20回近くは出来そうな計算だ。これは魔力回復を考慮してない値だけど、どんどん倍になっていくから、魔力回復速度を加速させたとしても変わらないだろうな。

 

「ああ。それじゃあ、まずは一回目...!」

 

壺振りがサイコロを壺に投げ入れ、地面に置く。

 

……わからん。一回最初は速度探知なしでやってみようと思って、自力で当ててみせようとサイコロの動きを見たけれど、まーるでわからんかった。これあれだな。一回速度探知で不正して、壺の中でどんな感じの動きして止まるか確認しないと推理のしようないわ。

 

とりあえず、今回は勘でいこう。どうせ二分の一だし。一回のミスくらいどうってことないだろう。

 

「……丁」

 

「勝負」

 

壺振りが壺を持ち上げる。出目は...

 

「ニロクの丁、当たりだ」

 

…おっしゃ、偶然だけど。

 

「その顔、当てずっぽうだったみたいだな。その運、長くは続かないぞ」

 

「早めに慣れさせてもらうさ。次の勝負を頼む」

 

魔力を流し込み、次の勝負を促す。

 

「了解した」

 

トンっと壺が置かれる。さっきより早い。一応少しは見えたけど、やっぱりそれだけで判断することはできないな。速度探知によると...あっ、ピンゾロだ。

 

「丁」

 

「勝負...ニゾロの丁。今回はやけに自信ありげだったな」

 

……あれ?探知結果と違うな。というか、壺が持ち上げられる寸前のところで出目が書きかわった...のか?サイコロ自体は一切動いてなかったから、多分そういうことなんだと思うけど、いまいち確証が持てん。探知でもよくわからなかったし...というか、魔法使えないはずじゃ?

 

「まぁ...な」

 

…そういや、魔法拡散って発動者は効果受けないんだよな。施設そのものに仕掛けられていたものだから発動者の定義が曖昧だけれど、もしかして壺振りは普通に魔法使えたりするわけ?

 

ああ、もう一個可能性あったな。このサイコロ自体が魔道具だったらいけるわ。魔法拡散では、魔道具の効果は途切れない。もし魔道具が無効化されるのだとしたら、俺の持ってる充填器は周囲に電流を撒き散らすことになるし、魔道具化している魔法図鑑の厚さが戻って弾け飛んでいることだろう。

 

「面白い。試されてるわけだな」

 

「…なんのことでしょう?」

 

「まぁいい。次の勝負と行こうか」

 

魔力を流しながら言う。

 

多分だが、全ての客にイカサマをしてるわけではないだろう。慣れてきて、完全に出目を把握されている状態でやったら確実にバレるからだ。それに、もし毎回出目操作をしていれば、反射神経の訓練にならない。そこを見抜くのが訓練の一環なのかもしれないが、多分違うだろう。

 

おそらく出目操作は、初見さんにしかやっていない。それなりに当てさせ、それなりのところで負けさせて交代させる。ある程度の快感と、あと少しで出来そうだという実感を与えて、リピートさせようとしてる...とかかな。

 

「さぁ、丁か半、どっちかな」

 

さて...考え事してたら見落としたわ。絶対見逃したのバレてるし、ここで当てると不自然だろうな...とりあえず、出目はシニの丁だな。丁ばっかだな。半に出目変えられそうだ。

 

「ならもっかい、丁」

 

「当てずっぽうはそう何度も当たらんぜ。ゴロクの半だ」

 

うん、出目操作露骨にされたな。

 

「まぁ初めてだしな。ミスる時もありまっせ。次、いつでもどうぞ」

 

「なら遠慮なく」

 

今までの中で一番早く壺が置かれる。

 

うん、見てたけどよくわからん。ある程度反射神経加速させてたから見えなくなる瞬間までのサイコロの位置や角度は把握してるけど、壺の中でどう暴れ回ってるかわからん。サザ○さんエンディングの家の中くらい暴れ回ってるせいで、当ててる人いるのが信じられなくなる。日常的にダイススタッキングでもやってるのかな?

 

とりあえず、ゴゾロの丁ってのはわかった。わかるわけないだろとめっちゃ自信ありげな顔してるけど、一旦その余裕を崩させてもらおうか。

 

「ゴゾロの丁。というか丁多くね?」

 

「…勝負」

 

壺が持ち上げられ、見えたサイコロの出目は五と五。ゴゾロの丁だ。

 

丁半だけでなく、出目まで当てられてしまえば出目操作をするわけにはいかない。少なくとも、当てずっぽうなのか、それとも実力で当てたのかを見極める前にはな。

 

「ゴゾロの丁。当たりだな」

 

「……実力とは思えねぇな。なにをした?」

 

「なにってなんだ?魔法拡散のせいで魔法は使えない...そのはずだろ?」

 

「……だな。次の勝負といこう」

 

魔力を流し込み、次の勝負を始める。

 

「半」

 

「今度は出目言わないんだな」

 

「そこまでの自信がないもんでな」

 

「そうか。勝負」

 

「だな、勝負だ」

 

壺が開かれる。その直前に、床についている手から魔力を流し込む。ゴザを中継し、壺の中にあるグシの半を示すサイコロに干渉する。今まさに切り替わろうとしている出目。その変化を止める。

 

「なっ...!」

 

「グシの半。俺の勝ちだな」

 

「まさか、干渉した...?なにもんだアンタ。ライトの紹介だったよな?」

 

「こういうものでして」

 

俺の持っている、黒い冒険者カードを見せるのが一番身分の証明に手っ取り早いのだが、次元収納の中に入れているため今は取り出せない。

 

『雷装』

 

なので、軽く自分の手に電流を流し、雷装が使えることを見せつける。雷装は今でこそアクセルやライトも使えるものではあるが、元々は俺しか使えていなかった。俺が発見者である。そのため、雷装という力は神の使いであるカリヤを示す代名詞にもなっている。雷装が使えることを見せれば、その他の身体的特徴からも身分の証明に十分なりうるのだ。

 

「なるほど、神の使いか...だからか」

 

「なんで、そのサイコロの秘密もわかってる。こっからはお互いイカサマなしでいこうぜ」

 

「…了解した。手加減なしでいこう」

 

出目操作が手加減ねぇ...やっぱ、さっきの予想あってたのかもな。

 

「よし集中...ガチでいくか!」

 

反射神経の加速も切る。完全な実力で、どこまでいけるか試してやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「連敗した...ことごとく負けたな確率どうなってんだ?」

 

あの後、25回やった。二回しか勝てなかった。十六連敗くらいしたけど、二分の一を十六回連続で外すって確率エグいぞ。えっと、65536分の1?65536って初代ポケ○ンの努力値かなんか?

 

「反射神経...鍛えれた気がしないな。というか、軽く虚無だった」

 

当てれないとこうもつまらないもんなんだな。手加減ってのも結構大切だったのかもしれない。

 

「…ところで、ライトの言ってたスキルって結局なんだったんだろ」

 

ライトがあの場所でスキルを手に入れたとか言っていたけれど、何のスキルだろう。あの状況で手に入るスキル...探知系か?音とか視覚情報を組み合わせて、空間認知をするスキルとか。もしそうなら、速度探知が使える俺には必要なさそうだけど...今度ライトに会ったら聞いてみるか。

 

「……よし、時間ちょうどいいな。そろそろ移動しよう」

 

ちょうどいい感じに時間を潰すことができた。もうそろそろ夜。移動中に夜になることだろう。

 

「アンデッド屋敷...久しぶりだな」

 

あの遊技場に行ったのは、夜になるまでの時間つぶし。今日の本命はこっちだ。

 

王都を出て、軽く数分走って目的地に着く。着く直前にちょうど陽が沈みきり、屋敷は現れる。

 

「夜にしか現れないアンデッドの屋敷ねぇ...普通そういうもんじゃね?」

 

前回レストと行ったアンデッド屋敷は、一日中現れていた。昼間にアンデッド闊歩してるの、地球の感覚ではわけわからんけどこの世界だと普通だからな。というか、夜しか出ない方が変なんだよなこれ。

 

「ってかやっぱ夜暗すぎ。月ないとここまで暗くなるもんなんだなぁ...」

 

視界の確保は厳しい。屋敷に照明があることを祈ろう...いや、明かりあっても今回は関係ないか。

 

「今回は完全スニーキングで行くって決めてるんよね」

 

前回は守りに特化しているレストがいてくれたから、結構無理を通すことができたけれど、今回はソロなのでそうはいかない。

 

なので、今回はスニーキング。アンデッドに見つからずに探索をしていこうと思う。夜にしか現れないタイプの屋敷は、主人となるアンデッドが存在せず、コアとなる魔道具を盗めば消え去るみたいだし、ノーキル...をするかはわからないけど、ノーアラートで終わらせようと思う。

 

「スニークするなら...まず姿を隠さないとな」

 

6110ページ 通光透明 97話

 

この魔法は、光が物体をすり抜けるようにする、というものだ。光が反射することで、生物は物を認識することができる。光が完全に通り抜ければ、その物はどの方向から見ても視認することができなくなる。

 

本来は物体に付与することで、罠を隠したり矢などの遠距離攻撃を見えないようにするなどするのだが、俺は俺自身に魔法をかける。全身が光を通り抜け、誰にも見えなくなるようにする。

 

「うん予想通り。やっぱ見えなくなるよな」

 

物を見るには、光が眼に当たる必要がある。しかし、眼すらも透過しているためなにも見えなくなってしまう。

 

どっかの海にいるスカシダコという名前のタコは、ほぼ全身が透明になっているのだが、眼球と消化器官だけは見えてしまうという。光で物を見る以上、眼を透過させるのは難しい。

 

しかし俺の場合、いつも言ってることだが速度探知がある。視界が奪われるという全身透過の弱点を、難なくカバーできるわけだ。

 

「これで視覚はオーケー...次は音だな。無響使うか」

 

3778ページ上 黒のみ 無響

 

自分に無響を使う。これで俺が発する音は周りには届かない。足音に気をつける必要がなくなる。

 

「あーあー。うん、自分の声は聞こえるな」

 

あくまで周りに響かなくなるだけ。空気の振動による音や声はかき消えるが、骨伝導によって喉から直接鼓膜や耳小骨に伝わるため自分の声は聞こえる。多分、俺の身体に触れれば他人でも声も音も聞こえるようになるだろう。まぁ、姿が見えない以上、俺が触れにいくか事故って触れてしまうかしないと無理だけど。

 

「よしこれで音問題はおけ。あとバレる可能性あるとすれば...熱探知対策くらいかな」

 

姿を隠していても、体温でバレるかもしれない。対策しなければ。

 

「うーん、熱操作...いや速度操作でなんとかなるかな」

 

M○S4のオク○カムみたいな感じで、周囲の熱放射と同じ温度に操作すれば熱探知でバレることもないだろう。

 

「逐一操作し続けないといけないってのはちと面倒だな...まぁ入念にやらないといけないからしゃあないけど」

 

よし次。あと何とかできるのは、匂いくらいかな。

 

「消臭魔法って人に使えたっけ...とりあえずやってみっか」

 

3762ページ下 黒のみ 消臭

 

「おっ、いけたいけた。これで匂いは問題ないな。あとは...流石に魔法じゃ無理か。立ち回りでなんとかするしかなさそうだな」

 

姿を消し、音を消し、匂いを消し...スニーキングするなら下準備はこの辺で終わりだ。ここまでやってバレる要因があるとすれば、移動の時に生じてしまう空気の動きを読まれてしまうか、魔力そのものを探知されることくらいだ。

 

空気の動きは、速度操作でなんとかできるだろうし、アンデッドの近くを通る時はめっちゃゆっくり動けばそれで解決だ。魔力そのものの探知はもうどうしようもないから、対策しようと考えるだけ無駄だ。

 

「よしよし、準備完了だな。突入開始っと」

 

屋敷の門までさささっと近づき、門のハンドルに手をかけ...

 

「ってダメだ。わざわざ姿消してんのに馬鹿正直に門開けるとか馬鹿じゃん...よいしょっと」

 

ジャンプして普通に門を飛び越える。着地の音は...出たけど、これは俺にしか聞こえてないから問題ないはず。

 

「……これ、俺が踏んでる草ってなにもないのに勝手に潰れてたように周りから見えるのかな...これもどうしようもない奴だな」

 

飛べば問題ないんだけど、飛行魔法は十分ちょいしか使えないからな。姿を消すのにも音を消すのにも魔力を使うから、飛行に魔力を割くほどの余裕がない。門の内側はもうアンデッドの領域。魔素しかないため魔力の回復ができない。無駄遣いは禁物だ。

 

「とりあえず屋敷の外にはアンデッドはなしと...さて、どうやって入るか」

 

さっきの門と同じ理由で、正面入り口の扉を開けることはできない。万一にも入られたことを気取られてはいけない。入ったことすら気づかれないようにしたい。ひとまず、ガバガバセキュリティのところがないか探してみるか。

 

「窓開いてたりしないかなー...おっ、あそこ開いてんじゃん。三階だからって不用心ですねぇ」

 

ヒョイっと窓枠に飛び移り、手を引っ掛ける。そのまま飛び込むってことをしなかったのは、飛び込んだすぐ先にアンデッドがいて衝突するというシナリオを回避するため...だったのだが、杞憂だったみたいだ。

 

「よいしょっと...侵入完了だな」

 

物色を始めよう。コアとなっている魔道具はもちろん、隠されてる魔道具も全て回収したい。意外と魔道具結構使ってるしな。充填器がなければアクセルを倒せなかったくらいだし...武器になるもの来てくれ頼む。

 

「……よし、とりあえずハズレっぽいところから探すか。ってことで一階に降りよう」

 

俺は三階から入ったけど、本来は一階の正面入り口から入るはず。始めに探索される一階にコアがある可能性は低いだろう。前入ったアンデッド屋敷みたいに地下への入り口がある可能性は十分あるがな。

 

「って、階段に警備員おる...横通れるかな」

 

下から来ることを見越して階段の下の方しか見てないな。これから通る方を見られていると、見えるはずがないとはいえちょっと緊張するな...

 

「ちょっと横通りますよーっと」

 

……よし、バレてないな。呑気に欠伸かいてやがる...夜にしか出ないのに眠そうにしてるのはどういうことなんだ?

 

「二階到着...って、え?階段ない?一階に向かう階段どこ?」

 

なに?テレビ局かなんかなの?テロ対策でもしてんのか?...侵入してる俺が言うのもなんだけどな。

 

「階段どこだろーなー」

 

屋敷の構造を把握しがてら階段を探す。

 

「こういうのはきっと一番遠いところにあるよね多分。だからこっちにあるはず...」

 

カチッ

 

「ん?」

 

えーっと、うん。何もない廊下を歩いていたら、急に床が凹んだ。そしてパカッと床が開いた。落とし穴だ。

 

「感圧式トラップなんて聞いてねぇぞチキショウ⁉︎」

 

一階まで落ち...一階にも穴が開いていてそのまま地下へと落ちてしまう。

 

4014ページ 黒 青 障壁

 

「っっっぶねぇ⁉︎」

 

一階の穴が閉じてしまう前に、障壁を足場にして穴から脱出する。チラッと下を見てみたけど、思いっきり剣山みたいなトゲトゲがあったわ。普通に死にかけた。

 

「罠に引っかかるって油断しすぎだろ俺...ノーアラートは失敗かな」

 

穴が閉じていく。アンデッドがここに押し寄せてくる...なんてことはなかったが、多分ちょっとした警戒体制には入られただろうな。

 

「トラップには注意しないとな...まったく、せっかく落とし穴に落ちるってんなら蟲○魔のがよかったぜ」

 

さて、過程はあれだったが当初の目的である一階には移動できた。

 

「探索開始しますか」

 

罠に注意しつつ、俺は一歩目を踏み出した。




なんとなく面白いかなーと思って書いたら、思いの外話が膨らまなくて微妙になるっていう...アンデッドの方は頑張るぞー
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