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2話 ペルソナッ!!!!!!
クマの半ば強制的に約束を取り付けられた俺たち。
まあ叶えてくれないならここから出してあげないって言う脅し文句を言われれば確かに為す術など無い。そもそも引っ張りすぎたのか詳しいことは知らないが命綱にしてたロープがみんな切れてしまったから後も子もなくなってしまった。
まあ今頃文句を言うのは辞めよう、俺達はこんな何も分からない世界に遊びに来た訳ではなくあっちで2件連続で発生した殺人事件の手がかりを掴むという明白な理由がある。
「んでこのメガネは一体?」
「このメガネはこの世界の霧を見通すことができるメガネクマ。」
「それあんなら早く出してくれよ!」
「でもそんな都合のいいメガネなんてあんのかよ…」
半信半疑でクマから貰ったメガネを掛けてみると....なんて言うことでしょう本当に霧が見通せるようになったでは無いか。
「これは....」
あまり驚くことが無さそうな鳴上さんでも驚く程だよなあ.......
通称クマメガネを掛けてクマのあとを着いていくこと数分 、何となく見覚えがある景色が見えてきた。
「ちょっと待て…ここ稲葉商店街まんまそっくりじゃねえか!」
「一つ聞いてもいいか?さっき俺たちが落ちてきたあの場所スタジオみたいだったが、あの番組.....マヨナカテレビってあのスタジオで撮影されたりする?」
花村さんは見た目が商店街に似てることに驚いてはいるが鳴上さんは冷静に聞きたいことを聞いている。
確かに俺もそこは気になってはいた。
「バングミ?サツエイ?」
「そんなこと言うってことはお前は知らないってことだなクマ。」
「だってここは元からこういう世界だクマ。誰かが何かを撮るとかそんなのないクマよ。でもそっちがこの世界に干渉するからどんどんおかしくなってきてるクマ。」
そんなこと言われても俺はその当事者ではないからこう言わざるを得ない。
「でも犯人は俺たちじゃねえから言われても困るが.....」
「でも前に放り込まれた人が消えた場所はわかるから案内するクマ。」
「まさか..........」
「小西先輩か!?」
「俺たちの世界では霧が出た後に死体が上がってる!!誰かがここを利用して人殺しをしてんだよ2回もな!!!」
「なんやかんや関係があるはずだ!!!」
俺と花村さんはつい興奮して大声を出してしまった。
「霧が出るたびに死体?そっちで霧が出るときはこっちは晴れクマよ。霧が晴れるとシャドウが暴れるからすごく危ないクマ。」
「シャドウ?あっちが霧だとここは晴れだと?」
「霧さえなければ天気がいいのかもしれませんが.....とにかくこの霧だと周りもほとんど見えなかったからこのメガネはだいぶ助かる。」
そしたらクマが情けないとかぼやきよって内心カチンと来たがとりあえず触れないことにした。
それで話に夢中になっていて気づきもしなかったが俺たちはある酒屋の前…コニシ酒店ということは尚樹と早紀先輩の家だと思われる場所に着いた。
「やっぱここ先輩の酒屋だ。先輩がここで消えたってことか?どうしてなんだ..........」
「待つクマ!!!やっぱりそこに居たクマ、襲ってくるクマ!!!?」
「どういうことだ?」
そう聞くとクマはシャドウと答えた瞬間気味の悪い…というか某有名映画で出てきたようなお面をつけたにょろにょろしたやつが飛び出してきた。
「あっぶね!!!!!!なんだこいつら!!?」
「シャドウはこの世界にうごめく影クマ!!!普段は身を潜めているけど一度暴れだしたら手が付けられないクマ!!!」
「じゃあこいつらが先輩や山野アナを殺した犯人ということか!!!」
そういってる間に鳴上さんはゴルフクラブをお見舞いしたが効いてる感じがない。
俺も殺意高めな筆箱で一回息の根を止めようと思ったがあろうことか全然効いていない感じであった。
「無理クマ!!シャドウには普通の攻撃は通用しないクマ!!!!」
通常攻撃が効かないとなると正直積んだに等しい、いったいどうすれば..........
と思ったが一応の打開策を考えた俺は途端にトリガーに頼ることにした。
「なら今日もこいつの出番か......トリガー起動!!!!」
トリガーを起動し玉狛特有の隊服をまとったトリオン体に換装し斬りかかろうとしたとき鳴上さんが急に光りだした。
「なっんだあああ!!!!?」
花村さんはギャグマンガにありそうな驚き方をしているが俺も鳴上さんが急に光ったものだからびっくりしてしまう。
「鳴上さん!!!!何が起きたのですか!!?」
鳴上さんが光った!!って思ったらシャドウと呼ばれる奇妙な奴らが四方八方へとすっ飛んでいった。
そして鳴上さんはまるで仕込んでいたかのようにこう唱えた。
ペ.....ル..........ソ.....ナ..........
そう唱えた瞬間式神の様な奴が..........応援団長みたいな恰好をした何かが現れた。
その式神(?)は光のような速さでシャドウを切り裂いた。
花村さんもそれには相当びっくりしているようだ、窮地に立たされたと思ったらクラスメイトが謎の力に目覚めて謎の怪物どもを躊躇しているんだ。
そして謎の怪物ことシャドウはあっという間に葬られたようでクマが興奮した様子で鳴上さんに話しかけている。
「センセイすっいごいクマ!!クマは感動したクマ!!!」
「まさかここに入れたのも鳴上さんのその力ってことか?」
「鳴上がそんなすげえ力を持ってたなんて驚いたぞ!!!」
鳴上さんの覚醒に驚くしかない。
「ヨースケとアキトもそう思うだろ?」
「お前急に偉そうにしゃべんなよ!」
「しかも呼び捨てしやがってチョーシ乗んな!」
そういって俺と花村さんはクマを小突いた。
そんな漫才じみたことをしていたがここで新たな問題が発生した。
【ジュネスなんて潰れればいいのに.........】
「なっ!!!!?」
【ジュネスのせいで.........】
【そういえば小西さんちの早紀ちゃんジュネスでバイトしてるんですってよ。】
俺らしかいないはずの空間で知らない声が急に聞こえてきたのだ、しかも悪口ばかりである。
「なんだこの罵詈雑言は…いったいどこの誰だ?」
【まあ…お家が大変だって.....ねえ.....】
【娘さんがジュネスで働いているなんてご主人も苦労するわねえ。】
耳をふさぎたくなるほど響いてくる誰かの悪口、しかしどこの誰かもわからないのとそもそも今どこから聞こえてるのかもわからないで混乱をきたし始めていた。
「クッソなんだこれは..........偉そうにベラベラしゃべりやがって!!!!!花村さんはそんなつもりは一ミリもなかったはずだ!!!」
【ジュネスのせいでこのところ売り上げもよくないっていうし。】
【困った子よねえ.....】
「おいクマ!ここにいるものの現実とか言ってたな.....ここに迷い込んだ先輩にとっても現実って事なのか!!?」
「クマはこっち側のことしかわからない..........けどここはそういう世界クマ、偽りなんてないクマ。」
そのクマの話を聞いて鳴上さんが核心を突く。
「偽りの無い....もしかして小西先輩もこの声を..........」
「先輩...聞いてたかもしれないな.........」
そしたらさらに別の声も響いた。
【何度言えばわかるんだ早紀!!!お前が近所からどう言われてるか知らないわけじゃないだろ!!代々続いたこの店の長女として恥ずかしくないのか!!!金か?男か!!?よりによってあんな店でバイトなんかしやがって!!!】
「バイト楽しそうにしてたし....俺には一言もこんな事....こんなのが先輩の現実だったのかよ!!!!」
花村さんが多少ブルーになり始めたときに俺はある写真を見つけた。
「花村さん....これって....」
「明人が入ってくる前にジュネスのバイト仲間と一緒に撮った写真....先輩この時乗り気じゃなかったのにな....」
【....ずっと....ずっと言えなかった....本当の気持ち伝えたい......私ずっと花ちゃんのこと......】
「えっ.........?俺のこと」
【花ちゃんのこと......】
うざいと思ってた…
「.........えっ?」
なんだろうこんな時どう声をかければいいのかわからない、花村さんにとって好きだった人が心の中ではうざいと思っていたのだし、それを花村さん自身が聞いてしまったのだから。
【仲良くしてたの店長の息子だから都合が良いってだけだったのに...勘違いして盛り上がっちゃってほんとうざい、ジュネスだってどうでもいい、あんなののせいで潰れそうなうちの店も怒鳴る親も好き勝言う近所の人も.........全部なくなってしまえ.........】
これは想像以上に鵜があった.........というかもうやけくそになってしまった感じなのだろうか.........俺はそう思考を巡らせていたが肝心な花村さんはおもいっきりショックだった様だ。
「嘘だ.........小西先輩は..........そんな人じゃねえ!!!!でたらめだ!!!!!」
花村さんもやけくそになってしまったのか叫んだがその声を遮るようにまた別の声が現れた。
『...悲しいなあ.....哀れだよな俺....でも何もかもうざいと思っているのは自分のほうだっつーの! ギャハハハ!!』
「はっ....花村さんのトッペルゲンガーだと!!?」
なぜか知らないがどっからともなく花村さんそっくりの誰かが出てきた....しかも似てるというレベルでもなく双子なのかクローンなのか疑うレベルで似ている。
「この反応はシャドウだクマ!!!」
「こいつもシャドウだと?」
『いつまで媚びへつらっていい奴面して生きてるんだよ、商店街もジュネスも全部うぜーんだろ!そもそも今の退屈な生活が、田舎暮らしがうぜーんだよなあ!?』
「てめえ、何言ってる!!!俺はそんなこと一ミリも思ってねえ!!!!」
『何焦ってんだ!おれにっは全部オミトオシなんだ....だって俺はお前だからだ!!!!ここに来たのもお前は単にわくわくしてきただけ、小西先輩の為に調べに来たなんかただの口実でしかない!!大好きな先輩が死んだっていうのにな!!!』
「シャドウの生まれた手は初めて見たクマ....それにセンセイみたく直接出てきたからすごい力を感じるクマ。」
クマが何気に呑気なことこと言ってるがこっちからしたら緊急事態だ。花村さん同士の一騎打ちがだいぶ激しくなってきているし心なく嫌な予感がする.........
「違う!!!誰なんだよお前!!?」
『違わないさ!!!いいぜえもっともっと来い!!』
「ざっけんな..........お前なんか..........」
『もっともっとだ!!!!!』
「花村さん!!!!!それじゃそいつの思うつ....」
「俺なんかじゃねえ!!!!!」
花村さんが徹底的に否定しまくったらシャドウの様子が急に変わった。
『ああそうさ....俺は俺だ!もうお前なんかじゃねえ、俺は俺の好きなようにする....だからジュネスも!!ここも!!この商店街も!お前も!!全部ぶっ壊してやんよおおおおおおおお!!!!!!!』
そういってシャドウは図体のでかい怪物になった。お決まりのセリフを吐き捨てて。
「くっそ急に落ち着いたなとか思ったら訳の分かんねえ怪物に変身しよって....何が何だか全然訳が分かんねえ!!!!おまけに目の前でらりったかの様に暴れとるし..........花村さん何とかなんないのですか!!!?」
ただ茫然とした花村さんにはその言葉が届いていなかった、ほんとに思いつめたような顔をして何とかしようという気も感じられない。
ただそんな花村さんに鳴上さんが思いっきりぐーぱんをかました。
「お前はあいつに殺されるつもりなのか!!!それが望みだったのか!!?このままお前がやられるつもりなら俺がお前を倒す!!!!」
半ば説教みたいな感じだけど、それ聞いた花村さんに多少変化が出た、少し吹っ切れたのかはわからないが花村さんの手元で何かが光っていた。それも鳴上さんの時と同じように。
それを見つけた花村さんはそれを手に持った、そしたらあの化け物みたいな恰好をした式神が花村さんの後ろに現れた。その式神は吹っ切れた花村さんの動きに合わせて自分のシャドウの成れの果てに攻撃を加えた。そしてその化け物は一刀両断にされ黒い霧となって姿を消した。
「ははっ....なんか知らねえけどみっともねえところ見られちゃったな.........」
「てか俺結局トリガー出番なかったし.....」
俺が少しみじめになっている横からクマが話す。
「あれはもともとヨースケの中にいたものクマ.........」
「花村さんが受け入れてなかったらまたあれが出てきて暴れまわってたっいうことか?」
「そういうことか..........」
「難しいよな自分と向き合うのって、知ってたつもりだったけどどうしようもなくて拒み続けてた、でもそういうのが結局俺自身ってことなんだな..........」
「でもそれより、鳴上一発返させてくれ。あれすっげー痛かったから、俺ばかり殴られっぱなしじゃフェアじゃねーし。」
いや鳴上さんもあなたの影に思いっクソ殴られてたんだけど()
「いや花村さん感動シーンから急に変えるのやめてくださいよ!!?」
「やだね。」
「んだとっ!?」
「やんなら真剣勝負だ!!」
俺はこれ以上かかわるのはやめよう
そういって花村さんと鳴上さんは真剣勝負とか言いながら殴り合いを始めた、そして数分後にはどっちも大の字になって地べたに寝ころんでいた。
「何やってんですか..........帰ってきたら二人そろってボコボコにされてるって....里中さん絶対慌てますよ..........」
「まあいいんだ適当なこと言ってはぐらかせばいいし。」
「とにかくセンセイもヨースケもだいぶ疲れてると思うしそろそろ帰ったほうがいいと思うクマよ。」
「そうだな..........外で待ってるやつもいるし。」
そういって俺たちは帰ろうとした、ただそう簡単に事は進まないもので招かれざる客が来た。
次回は招かれざる者の正体が分かります(大体予想がつくかもしれませんが)