伝説の英雄   作:奥歯

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虚言

リクは走り去っていったウソップを追いかけている途中でゾロたちに出会った。ゾロは血相を変えたリクを不審に思い、話しかけた。

 

「どうしたリク?何かあったのか?」

 

「あの執事!海賊だった!」

 

「は?どういうこと?」

 

「とにかく説明は後!海岸まで行って!」

 

そう言ってリクはウソップが走っていった方に走り出した。ただごとではないと直感で理解したゾロとナミは言われた通り海岸まで行くことにする。

 

「ただごとじゃねぇミテェだな。おいお前ら、海岸までの行き方を教えろ」

 

「「「わかった!」」」

 

ゾロとナミは少年たちに連れられて海岸まで走って行った。

 

●●●

 

リクが村まで辿り着いた頃、ウソップは必死に海賊が来ることを村の人々に呼びかけていた。しかし、今まで嘘をつき続けてきたウソップに村の人たちに誰も信じてもらえず誰も耳を貸してくれなかった。村の人たちはホウキやスコップを持ってウソップを捕まえようとしている。

 

「ウソップ!」

 

ウソップは逃げ出し、リクはすれ違う方になってしまう。怒りの形相の村人たちがウソップを追いかける。村人たちを見た限りでは海賊が来たと言っても聞いてはくれなさそうだ。その時、リクは後ろから物凄い殺気を見聞色で感じ取った。この感覚には覚えがあった。先日戦ったあのグロンギの殺気と同じだった。リクはすぐに振り返ると、そこにはショートヘアの女がいた。カヤの屋敷に行く時にすれ違った女だ。あの女から殺気を感じる。リクは咄嗟に構えをとる。

 

「お前あの時の!グロンギだな!」

 

「そう言うお前はクウガだろ?」

 

「村の人たちには手を出させないぞ!」

 

「勘違いするな。私の目的はクウガ、お前だけだ」

 

「何...!?」

 

「私はお前の先代に封印された。そしてもう一度必ずお前を倒すと誓ったのだ。その時が来た」

 

リクはてっきり村の人たちを襲いにきたのかと思っていたが、まさか狙いは自分自身だとは思いもしなかった。しかし、逆に考えれば好都合だ。このまま自分にだけ目を向けさせていれば、村に被害は及ばない筈だ。リクは構えをとって相手を睨む。

 

「戦う覚悟はできているようだなクウガ」

 

そう言ってショートヘアの女の体が少しずつ変化していく。その姿はまるで豹のようで、全身が黒い。その真っ赤な目は殺意だけしかない。

 

「グンゴブンゲンギ!ズ・メビオ・ダ!」

(俊足の戦士!ズ・メビオ・ダ!)

 

リクは冷や汗をかきながら腰に両手を添える。すると腰からベルトのようなものが現れた。

 

「変身!」

 

そう叫ぶとリクは赤い鎧を見に纏う仮面の戦士クウガに変身する。それを合図にメビオはものすごいスピードで飛びかかる。その速さにクウガは反応できず顔面を殴られ、吹き飛ばされてしまう。

 

「く...!なんて速さだ...!」

 

あまりの速さに見聞色を使っても反応することができなかった。メビオはもう一度クウガに攻撃を仕掛ける。クウガは避けようとするが、反応できずに蹴りを入れられてしまう。吹き飛ばされたクウガはなんとか立ち上がり、勢いを殺す。

 

「クソ....!もっと早く動ければ....!」

 

そうは言っても、あそこまで早く動くことなど今のクウガには不可能。どうにかしてメビオの動きを捉えて無力化することができればと考える。クウガは意識を集中し、耳を澄ませる。見聞色の覇気を自分ができる最大まで集中させる。少しの音でもいい、もし聞こえてくればそこがメビオの居場所だ。クウガはその場に動かず、じっとしていると右の方から微かに自分の方に迫ってくる音が聞こえてくる。クウガは右に振り向く、目の前にはメビオがいた。

 

「そこだ!」

 

クウガは自分に攻撃してきたメビオに向かって拳を突き出した。あともう少しで拳がメビオに届くと思ったその時、メビオはなんと瞬時に左へと避けた。

 

「なっ!?」

 

その機動力にクウガは驚きを隠せず、その隙を狙われて逆に顔面に攻撃をくらってしまった。

 

「ゴラゲパジョパギバ。ラゲンクウガンゾグパロロドヅジョババダゾ」

(お前は弱いな。前のクウガの方はもっと強かったぞ)

 

「だめだ....!見えない....!」

 

それでもクウガはよろめきながら立ち上がる。全力で意識を集中したのに、それ以上の速さで動くメビオにクウガには打つ手はなかった。

 

(もっと早く!もっと早くなれば!!)

 

クウガは強くそう願う時、その願いに反応するかのようにベルトの中心が赤から青に変化する。メビオは最後のトドメと言わんばかりに全力で駆け出す。クウガは構えを取る。その直後、クウガの赤かった全身が青色に変化していく。その時クウガは今まで見えなかったメビオの動きがはっきりとわかるようになった。クウガはメビオの動きをしっかりと捉えて右によけた。

 

「!?」

 

避けられてしまったメビオは驚き、クウガの方に振り向く。その青い姿にメビオは冷や汗をかいた。急にメビオの動きが見えるようになったクウガは自身の体を見る。

 

「青くなった...!」

 

クウガは変化した自身の姿を見て驚くと同時に頭の中に声が響いた。

 

邪悪なるものあらばその技を無に帰し流水のごとく邪悪をなぎ払う戦士あり

 

「う...!またあの声が...!」

 

「ゴボグガダ...!ラズギバ....ボボパジブバ」

(その姿...!まずいな....ここは引くか)

 

メビオはクウガの青くなった姿を見て分が悪いと判断したのか、この場から逃げた。

 

「待て!」

 

クウガは追いかけようとするがすでに姿は消えてしまい。クウガは変身を解く。その直後、向こうから走ってくるウソップが見えてきた。しかも腕に怪我をしている。リクはすぐにウソップを追いかけた。

 

「あ!ウソップ!」

 

●●●

 

一方その頃、ウタは崖らが落ちてしまったルフィを膝枕をして介抱していた。ウタは小さな寝息を立てているルフィの頭を優しく撫でる。

 

(ルフィ、可愛いなぁ...)

 

そんなことを思いながらウタの顔が少しだけ赤くなる。その直後、向こうからゾロたちが駆け寄ってくるのが見えてきた。

 

「みんな!」

 

ウタの声でルフィは目を覚まし起き上がる。ウタは少し名残惜しそうだったが、気を取り直す。

 

「えーー!!」

 

「カヤさんが殺される!?村も襲われるって本当なの麦わらの兄ちゃん!」

 

「ああ、そう言ってた間違いねぇ!」

 

ルフィは崖の上で聞いていたことをゾロたちに説明する。カヤの執事が海賊だったことと、その海賊がカヤを暗殺しようとしていることを全て話した。一通り説明を聞いた後、ゾロはなぜここで寝ていたのかルフィに聞く。

 

「それで、なんでお前はここで寝てたんだよ」

 

「それがなー俺は崖の上にいたと思うんだよなー」

 

ルフィはあの時のことを覚えておらず、代わりにウタが説明をする。

 

「それならハートのサングラスかけた変な男がルフィに何かしたんだよ」

 

「サングラスかけた変な男?」

 

そのサングラスをかけた男に見覚えがあった。あの時ムーンウォークをしながらこちらに歩いてきた男だった。

 

「変な男ってあの催眠術師じゃないか!?」

 

「やっぱりあいつもグルだったんだ!」

 

「そうか、それであんたたちのキャプテンあんなすごい形相で走って行ったのね。よかったじゃない先に情報が入ってさ。逃げれば済むもの、敵も間抜けよ」

 

ナミは敵が攻めてくる前にさっさとこの村から逃げてしまおうと提案する。3人の少年たちもナミの言うことに同意し、すぐに村の方に走って行った。

 

「ちょっとナミ!逃げるってどいうこと!?この村を見捨てる気!?」

 

「なによ?その通りよ。不要なリスクは避けるべきだわ。船は別の島で手に入れましょ。大体この村を助けて何になるって言うのよ?私たちには関係のないことだわ」

 

「あんた本当に最低よ!人をそんな簡単に見捨てるなんて!」

 

「それはあなたたちの得意分野でしょ?」

 

「〜〜〜!」

 

ウタは簡単に人を見捨てようとするナミに怒りが湧き、ますますルフィがナミのことを仲間にしたいという考えが理解できなかった。その時、後ろからリクの声が聞こえてくる。

 

「みんな〜〜!」

 

「お!リク!こっちだこっち!」

 

ルフィはリクを見つけると大声を出して大きく手を振った。リクは息を切らしながらルフィたちの元に走ってくる。

 

「ごめんみんな、ウソップ追いかけてたら見失っちゃって...。っていうかそんなことより、グロンギが現れて...!」

 

「え!グロンギが!?」

 

「だったら尚更ここから離れるべきだわ。グロンギがこの村にいるのなら海賊以前の問題よ」

 

ナミはさっさとこの場から離れるべきだと急かす。グロンギがいるとなると誰だってそう判断するであろう。

 

「いや、ここに残るよ」

 

「は!?なんで!?」

 

「この村の人々を見捨てるわけにはいかない」

 

「どうして見ず知らずの他人をそこまで...!?」

 

「罪のない人たちの笑顔を奪わせるわけにはいかないから」

 

ナミは理解ができなかった。どうしてここまで他人のことを心配できるのか、他人の心配をしていたらこっちに危害が加わってしまう。故に自分のことだけ考えていればそれでよかった。今までそうやって生きてきたのだ。

 

「馬鹿げてるわ...」

 

●●●

 

夕方になり、どこかに消えたウソップを少年たちと一緒に探していると、向こうから歩いてくるウソップを見つけた。

 

「あ!キャプテン!」

 

「...よぉ、お前らか!」

 

ウソップはピーマンたちを見つけると平気そうな顔をしながらこちらに歩いてくる。するとウソップはルフィの方を見るとまるでゾンビでも見たかのような顔をする。

 

「げっ!お前っ!生きてたのか!」

 

「生きてた?ああ、さっき起きたんだ」

 

「ずっと寝てましたこの人。そんなことよりキャプテン!話は聞きましたよ!海賊たちのこと早くみんなに話さなきゃ!」

 

「みんなに....」

 

ウソップは何か思うことがあるのか少し悲しみや恐怖の混ざったような顔をする。するとそれを誤魔化すかのように大笑いをした。

 

「はっはっはっはっはっは!!いつもの嘘に決まってんだろ!あの執事の野郎ムカついたんで海賊に仕立ててやろうと思ったんだ!」

 

言っていることが違うことにルフィたちは違和感を感じる。

 

「えー!?嘘だったんですか!?」

 

「なーんだ。せっかくの大事件だと思ったのに」

 

「くっそー!麦わらの兄ちゃんもキャプテンのさしがねか!」

 

嘘だったとわかるとピーマンたちも騙されたと大笑いする。しかし少なさの表情は暗いものとなった。

 

「........でも俺、ちょっとキャプテンを軽蔑するよ」

 

「俺も軽蔑する」

 

「僕もだ!いくらあの執事がやな奴でも、キャプテンは人を傷つけるような嘘は絶対つかない男だと思ってた...!」

 

そう言ってピーマンたちはそれぞれ家に帰って行った。そしてその夜ルフィたちは海岸沿いに集まりウソップの話を聞いていた。

 

「俺は嘘つきだからよ、ハナッから信じてもらえるわけなかったんだ。俺が甘かった!」

 

「甘かったって言っても事実は事実。海賊は本当に来ちゃうんでしょう?」

 

「ああ、間違いなくやってくる。でもみんなは嘘だと思ってる。明日もまたいつも通り平和な1日が来ると思ってる!だからこの海岸で海賊どもを迎え撃ち!この一件を嘘にする!!それか嘘つきとして!俺の通すべき筋ってもんだ!」

 

ウソップは覚悟を決めた顔で自身の決意を見せる。たとえ嘘つきの悪者にされようとも、この村を守るために。

 

「腕に銃弾ぶち込まめろうともよ、ホウキ持って追いかけ回されようともよ...!ここは俺の育った村だ!俺はこの村が大好きだ!みんなを守りたい!こんな...わけも分からねぇ内に、みんなを殺されてたまるかよ...!」

 

ルフィたちはそのウソップの決意に動かされていた。そして最初にゾロが笑いながらため息をつく。

 

「とんだお人好しだぜ。子分まで突き離して一人出陣とは...」

 

「よし!俺たちも加勢する!」

 

「私は最初っからそのつもり!」

 

「俺たちも一緒だ。一人じゃない」

 

「言っとくけど宝は全部私のものよ!」

 

「え....」

 

まさかルフィ達も一緒に戦ってくれるとは思わず。ウソップは唖然としてしまう。

 

「お、お前ら。一緒に戦ってくれるのか?な、何で...」

 

「だって敵は大勢いるんだろ?」

 

「怖ぇって顔に書いてあるぜ」

 

「お、俺が怖がってるだと!?バカいえ!大勢だろうと何だろうと俺は平気だ!なぜなら俺は勇敢なる海の戦士!キャプテン・ウソップだからだ!」

 

ゾロに怖がっていると図星を突かれたウソップは誤魔化すために大声で嘘をつく。ルフィたちも怖がっていることくらいわかっていた。ウソップは歩き出そうとするがやはり怖いのか、足がすくんでうまく歩けない。ルフィたちはそんなウソップを黙って見ていた。ウソップは足を殴り震えを止めようとする。

 

「見世物じゃねえ!相手はキャプテン・クロの海賊団!怖ぇもんは怖ぇんだ!それがどうした!俺は同情なら受ける気はねぇ!テメェら帰れ!帰れ帰れ!」

 

「笑ってやしねぇだろ?立派だと思うから手をかすんだ」

 

「同情なんかで命賭けるか!」

 

「う.....!お、お前ら....!」

 

その言葉にウソップは感極まって涙を流しのであった。

 

●●●

 

ルフィたちはおそらく海賊たちが攻めてくるであろう海岸に歩いている最中リクはふと、思い出したかのように話し始めた。

 

「そういえば、俺グロンギと戦ってた時にさ、体が青くなったんだよ」

 

「青く?あのクウガのこと?赤色じゃなかったの?」

 

「うん。何だかわかんないけど。相手のグロンギ、ものすごく早くてさ。だからもっと早くなりたいって願ったんだ。そしたら早く動けるようになって体も青くなってたんだ」

 

リクとウタは何故クウガの体の色が変わったのか考える。しかしいくら考えても答えがわからなかったが、隣にいたゾロが一つ答えて見せた。

 

「もしかして、お前のそのクウガの力は相手によって能力を変えんじゃねぇのか?」

 

ゾロの言葉に、リクとウタは納得するのであった。海岸まで集まったルフィたちはウソップの作戦を聞いていた。海賊か海岸から攻めてくるのならば、その道は今ある場所しかなく、その周りは絶壁で登ることができないようになっている。

 

「つまりこの坂道を死守できれば村が襲われる事はねぇ!」

 

「そうか。簡単だな」

 

「口で言うのはな!後は戦力次第....」

 

ウソップは今ここにいる全員に一体何ができるか聞いた。何ができるか次第では大きな戦力になるはずだ。ゾロは刀を使えるので斬る。ルフィはゴム人間なので伸びる。ナミは泥棒なので盗む。ウタは歌人間なので歌う。リクは基本素手で攻撃なので殴る。そしてウソップはビビリなので隠れることができる。

 

「「「「「お前も戦えよ!」」」」」

 

●●●

 

「よし完璧だ!これで奴らはもうこの坂道を登れない!」

 

ウソップは坂全体に満遍なく大量の油を撒いた。これにより、海賊たちは足を滑らせて上らなようにし、その間に全員を倒す作戦だ。

 

「すっごいツルツル。一歩間違ったら私たちが罠にかかりそう」

 

「お前よくこんなチョコザイなこと思いつくなー」

 

「そりゃそうだ!俺はチョコザイさとパチンコの腕にかけては絶対の自信を持ってる!」

 

たとえやり方が卑怯であったとしてもそれがウソップの得意分野でありやり方なのであるとウソップは逆に胸を張って答える。するとその直後、戦いを伝えるかの如く夜が明けた。

 

「夜明けだ。来るぞ」

 

ここからルフィたちとキャプテン・クロの海賊団たちとの戦いが始まる。




ウタ「第7回!仮面ライダー情報発信部!今回紹介する仮面ライダーはこの人!」

仮面ライダーストロンガー

ウタ「本名は城茂。性格は考えるよりもまず行動っていうルフィみたいな性格で、悪の秘密組織『ブラックサタン』に親友を殺されてその復讐のために自分の体を改造したんだって。とにかく破天荒な人なんだ!」

ウタ「変身の仕方はコイルになった自分の手を擦り合わせて電気を発生させて、そのエネルギーで仮面ライダーに変身するんだって!」

ウタ「必殺技は"ストロンガー電キック"!空高くジャンプして電気をまとった足で飛び蹴りを放つ強力な必殺技なんだ!」

ウタ「今回はここまで!次回もお楽しみに〜!」

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