「ここまで来れば問題ないかな....!」
そう言ってリクは檻を降ろし、大きく息を吐いた。ウタも負傷したゾロを出血させないようにゆっくり降ろす。
「はーー!重かった!」
「お疲れリク。あの大砲、なんて名前だったっけ?とにかく凄い威力だったね。っていうかルフィ。あの女本当に仲間にするつもりなの?」
「んあ?ああそうだぞ」
「そうなんだ....」
ルフィの答えにウタは納得できていない様子だった。そんな中でルフィはあるものに気がついた。
「なんだこの犬?」
「犬?」
リクはルフィの視線の方向に振り向くと、キリッとした顔で微動だにしない犬がいた。リクとウタはその犬に近づく。
「なんでこんなところに犬が....?」
「全然動かないね」
「死んでんのかな?」
そう言ってルフィは全く動かない犬に向かって目潰しをする。その瞬間全然動かなかった犬がルフィに噛み付いてきた。
「いてぇ!なにすんだ犬!」
「ちょっと静かにしなさいよルフィ!」
「ルフィ犬殴っちゃダメだよ!」
「テメェら今の事態分かってんのか!?」
騒ぎ出す3人にゾロは大声をあげて怒鳴る。その瞬間傷口から血が吹き出した。ゾロは倒れ、ルフィも倒れる。
「ゾロ、あんま大声出しちゃダメだよ。傷口結構デカいんだから」
ウタはそんなことを言うが、さっきのはウタたちが悪いのでゾロはまた怒りそうになるが、そうするとまた傷口が開くため怒るのをやめた。しばらくしていると、今までどこにいたのか、ナミがルフィたちのところに来た。
「あんたたち、一体何やってんの?こんな道端で寝てたらバギーに見つかっちゃうわよ」
「「「お、航海士」」」
「誰がよ!」
ルフィとゾロとリクはナミを見るなり気さくに挨拶するが、ウタだけはナミの方を睨みつけていた。
「何のよう?」
ウタは睨みつけながらナミに何をしにきたのかを問う。ナミはその鋭い視線にたじろぐが、臆せずに答える。
「一応お礼をしにきただけよ。助けてもらったからね」
そう言ってナミはルフィに鍵を渡した。
「鍵!檻の鍵盗ってきてくれたのか!」
「まぁね。我ながらバカだと思うわ。他の海図や宝も何一つ盗まなかったもの、そのおかげで」
「はーっ!ほんとどうしようかと思ってたんだこの檻!」
「ありがとう。助けてくれて」
ルフィが喜び、リクがナミに感謝した直後、犬がナミの盗ってきた鍵を飲み込んでしまった。その状況に、ルフィたちは唖然としてしまった。そしてルフィは怒りに任せて犬の首を締め上げる。
「このいぬぅ!吐け!今飲んだの餌じゃねぇんだぞ!」
「あーどうしよう!どうしよう!」
「どうやって.....!あ...」
ルフィたちが大騒ぎする中、リクはあることを思い出し、急に落ち着く。
「そうだったそうだった!鍵いらなかったよ」
「え?どういうこと!?」
ナミはリクの言っていることが理解できず聞き返す。リクは檻の前に立つとルフィに言った。
「ルフィ、頭屈めてて」
ルフィは言われた通りに頭を屈めるとリクは拳に力を込める。するとその拳が黒くなった。そしてリクはルフィの檻に向かって拳を振るった。
「おりゃぁ!」
リクの拳が檻に当たった瞬間、檻はぐしゃぐしゃにひしゃげてしまった。それを見ていたゾロとナミは驚く。
「え!?これ鉄の檻なのに....!」
「ルフィこれで出れる?」
「おお、サンキューなリク」
ルフィはリクにお礼を言った後、檻から出る。そして体を縛っていた縄をウタが解いていた。ゾロは今のをどうやったのかリクに質問した。
「おい...リク。今のって、あの時言ってた覇気ってやつか...?」
「うん。今のは武装色の覇気って言って、さっきみたいに腕を鉄みたいに硬くする技なんだ。ルフィも使えるんだよ。他にも見聞色の覇気と覇王色の覇気っていうのがあって俺とルフィは武装色と見聞色を覚えてるんだ」
「私は見聞色だけなんだけどね」
そんな技があったとは知らずにいたゾロは事態が落ち着いたら覚えてみようと思った。そしてずっと突っ立っていたナミは怒りの顔でリクに掴み掛かる。
「ちょっと!それ使えるんならさっさと使いなさいよ!私の努力が水の泡じゃない!」
「ご、ごめん」
確かに最初からそうしておけばナミはわざわざ盗りに行く必要がなかった。リクは申し訳なさそうに謝る。そんな茶番を続けていると向こうから大声で誰かが声ををかけてきた。
「くらっ!小童ども!そこで何をしとるんだ!」
ルフィたちは声のする方に振り向くと、胸当てをつけて、背中に槍を背負った老人が立っていた。ルフィはその老人に名前を聞く。
「誰だおっさん?」
「わしか!?わしはこの町の長さながらの町長!ブードルじゃ!」
●●●
「ゾロは?」
「休ませてきた。隣はわしの家じゃ。避難所へ行けば医者がおるというのに、寝りゃ治ると言って聞かんのじゃ、出血が酷いというのに!」
ゾロはどうやらブードルの家のベッドで寝ているらしい。因みにずっと微動だにしない犬の名前はシュシュと言う名前とのこと、シュシュはブードルの親友のペットで、後ろにあるペットフード屋の店番をしている。この店はシュシュとその飼い主の思い出が詰まった場所なのだそうだ。しかし飼い主は三ヶ月前に病気で死んでしまい以来シュシュはずっとこの店の番をしているのだそうだ。
「もしかしてそれからずっとお爺さんの帰りを待ってるの?」
ナミはそういうと、プードルはパイプ煙草の煙を吐きながら言う。
「みんなそう言うがね、わしは違うと思う。シュシュは頭のいい犬だから主人が死んだことくらいとうに知っておるだろう」
「じゃ、どうして店番なんて...」
「きっとこの店はシュシュにとって宝なんじゃ。大好きだった主人の形見だから、それを守り続けとるのだとわしは思う。困ったもんよ、わしが何度避難させようとしても、一歩たりともここを動こうとせんのだ。放っときゃ餓死してもい続けるらしい」
そんな話をしてくれたブードルにリクたちは少し笑顔になる。その直後、向こうから猛獣の雄叫びが聞こえてくる。
「な、何なのこの雄叫び!?」
「こ、こりゃあいつじゃ!猛獣使いのモージじゃ!逃げろー!」
ナミとブードルはこの場から逃げ去り、後はルフィとウタとリク、そしてずっと動かないシュシュだけになった。そのすぐ後に、大きなライオンと、その背中に乗った熊の耳のようなものが生えた男がルフィたちの前に立った。
「見つけたぜぇ、しかも3人ときたか、こりゃ運がいい。俺はバギー一味猛獣使いのモージだ」
「ガルルルルル!!」
モージは鋭い視線をルフィたちに向け、その下の猛獣ことリッチーは威嚇する。しかし、ルフィたちは怖がることもなくモージの方を見ていた。
「バギー船長はかなりお怒りだぜぇ、えらいことしちまったなぁお前ら」
「変な着ぐるみ被った人に言われたくない!」
「そーだそーだ!」
「何っ....!失礼だぞ貴様らぁ!これは俺の髪の毛だぁ!!」
「じゃあ尚更変だろ」
「「うん」」
「やかましいわぁ!.....テメェらぁ、俺の怖さを知らんらしいなぁ」
ルフィたちに煽られまくって怒り心頭なモージは自分の恐ろしさを見せつけることにした。
「言っとくが、この世に俺に操れない動物はいないんだぜ。例えばそこにいる犬にしてもだ」
そう言ってモージはリッチーから降りてシュシュの前に立つ。そしてシュシュに向かって手を出した。
「お手」
「ガブッ!」
「あああっ!」
しかし手懐けるどころか手を噛まれてしまいモージは気を取り直して何事も無かったかのようにリッチーの背中に戻る。
「お前らは所詮名もないコソ泥だ」
「「「犬は?」」」
「貴様らの命に興味はない。ロロノア・ゾロの居場所を言え」
「悪いけど」
「それは」
「無理だ!」
モージはルフィたちにゾロの居場所を聞くが、ルフィたちはそれを拒否する。そしてモージはリッチーに命令した。
「やれ!リッチー!」
「ガルルルル!!」
リッチーはルフィたちを引き裂こうと、鋭い爪を突き出す。その素早い攻撃をルフィたちは軽く避けてみせた。
「そんな攻撃当たらないわよ!」
「リッチーの攻撃を避けるとは運の良い奴らだ!だがそんな一箇所に集まって!的がでかくて当てやすいぜ!」
「「「あ」」」
リッチーの攻撃を避けたルフィたちだったが、避けた先で一箇所に集まってしまったため、リッチーの攻撃をモロにくらい、吹き飛ばされて後ろの家をつきやぶった。
「即死だ!俺には向かうからそうなる。よしリッチー、ロロノア・ゾロを探しに行こう。奴を殺して名を上げるんだ」
●●●
「あーびっくりした。裏の通りまで吹き飛んじまったよ」
「ありがとうウタ。なんとか助かったよ」
「うん。ちょっと擦りむいちゃったけど」
あの時ルフィたちがリッチーに吹き飛ばされる瞬間、ウタがウタウタの
「よーし!これからあいつら全員ぶっ飛ばして、泥棒ナミに航海士やってもらうんだ!いくぞお前ら!」
「おう!行こうウタ!.....あ!ルフィそっちじゃないって!」
「............」
張り切って走り出すルフィとリクだったが、ウタは少し不満気な顔をしていた。しばらく歩いていると、向こうからナミとブードルが駆け寄ってきてルフィたちが生きていることに驚いていた。
「うおお!?なんで生きとるんじゃ小童ども!?」
「なんで生きてんのよあんたら!?」
「生きてちゃ悪りぃのか?」
ウタはナミを見るなり腕を組んでソッポをむく。リクはそれを隣で見ていた。
「ウタのおかげでね。なんとかなったんだ」
そう言ってリクはサムズアップする。しかしナミは納得できていない様子だった。
「なんとかって....!家一軒貫通する程吹き飛ばされてピンピンしてるのって変よ!どうやったの!?」
「それはまあ、ちょちょいのちょいってな感じでね」
説明がめんどくさいのでリクは適当にはぐらかす。
「しかしお前ら、この町へ来た目的は何じゃ。何故あんな海賊と関わる」
「目的ならさっき決めた!
しばらく歩いてやっとさっき居た場所まで戻ってきたルフィたちは驚くべきものを目撃する。それはペットフード屋が燃やされていたのだ。その轟々と燃え盛る店を前にシュシュは何度も何度も吠え続けていた。ルフィたちはそれを黙ったままじっと見続けてた。
●●●
モージは我が物顔で街を闊歩していると目の前にルフィたちがいるのが見えた。それを見てモージは驚く。
「テメェらは、オイ....!テメェらはさっき、確かに....!殺した筈だろう....!?」
「あれぐらいで俺たちは死なねぇぞ」
そう言ってルフィが前に出ようとすると、ウタとリクが待ったをかけた。
「ルフィ、ここは俺たちに任せて、バギーさんの相手してきて」
「こいつは私が相手する。だから行って!」
リクとウタに言われルフィはしばらく考えた後、リクとウタに任せることにした。
「わかった!任せたぞ!」
そう言ってルフィは後ろを向いて走り出していった。モージはこの状況を見て薄ら笑いを浮かべる。
「フフフ....3人がかりでも俺に歯が立たなかった癖に、2人で倒そうとは俺も舐められたもんだなぁ」
「ガルルルル....!!」
「そういえばお前ら、バギー船長の昔馴染みの知り合いなんだって?だがなぁ、バギー船長の知り合いだからと言って手加減はしねぇぞ!」
リクは構えをとりモージと戦おうとするが、ウタがそれを遮りリクの前に出てくる。
「リク、あんたは下がってて。こいつは私が相手するから!今の私は、機嫌が悪いの!!」
ウタの怒りに満ちた顔を見て、リクは黙って後ろに下がった。それを見たモージは屈辱を覚え、怒りに震える。
「どこまでも俺を舐めやがって!行け!リッチー!」
「ガルルルルル!!」
モージの命令でリッチーはウタに攻撃する。しかしウタはその攻撃を軽々しく避けた。避けられたリッチーはもう一度攻撃するが、それも避けられてしまう。何度も何度も攻撃するリッチーだったが一発も掠りもせず、最終的にリッチーはへばってしまった。
「おいリッチー!一体どうしちまったんだ!?」
「あんたの猫のノロい攻撃なんて私には一発も当たらないわ!」
これはウタの見聞色の覇気によるもので、相手の攻撃を先読みするという技である。リッチーの攻撃が通用しないとわかったモージはリッチーを連れて逃げようとする。
「ここは一時撤退だ!行くぞリッチー!」
そう言ったモージとリッチーは逃げ出そうとするが、そうはさせないとウタは両手を前に突き出す。
「逃がさない!ウタウタの....
するとウタの掌から加線が飛び出し、モージとリッチーを縛り上げる。
「な、なんだこの糸は!」
ウタは軽く腕を引っ張ると、モージとリッチーはものすごい勢いで引き寄せられる。そしてウタは両手を前に出し、手首の付け根をつけて掌を見せる。
「ウタウタの!」
「うあああああ!!」
モージとリッチーが十分な距離まで近づいた瞬間、ウタは大声で叫んだ。
「
その瞬間、歌の掌から大量の音符が飛び出す。そしてその音符はモージとリッチーに何度も激突し、最終的にモージとリッチーは気絶してしまった。その直後、空の方でバギーが飛んでいく姿をリクは目撃し、戦いが終わったことを確信した。
●●●
場所を移し、リクたちがいるこの町のとある一軒家の一室。窓は全て閉め切っており、暗くてよく見えなかった。その部屋の中には3人程いた。一人は黒いドレスを着て、真っ赤なマフラーを身につけた女性と、黒いニット帽に黒い服と、全身黒ずくめの男と、それとは対照的に、真っ白なハットに白いコートを着た全身白ずくめの男がいた。真っ赤なマフラーをつけた女性は白い男の方に向いて言う。
「ゴソゴソジバンザ」
(そろそろ時間だ)
「バズパ?」
(数は?)
二人は謎の言語で会話しており、人数を聞かれた女性はこう答えた。
「バギングドググドドググビンザ」
(20人だ)
白い男はニヤリと笑い、立ち上がって扉を開ける。扉を開けた瞬間、日差しが差し込み、その日差しに黒い男は苦しみ出す。そして影の方に逃げると黒い男は白い男に怒鳴る。
「ビゾヅべソ!」
(気をつけろ!)
白い男は呆れるようにため息をついて部屋から出ていった。
●●●
リクとウタはルフィたちがいる元へ行くと、この町の人たちも集まっていた。
「ルフィー!」
「お!ウタ!リク!」
リクとウタはルフィに駆け寄り、安否を確認する。頬に怪我を負っているがそれ以外は目立った外傷はなかった。リクは町の人々の方に目をやると、なぜかこっちを睨んできていた。
「ど、どうしたんですか、みなさん...?」
「お前らもこいつの仲間か!」
「全員とっ捕まえろ!」
「え!?ちょっとルフィ何したの!?」
「おっさんぶっ飛ばした」
「「なんでぇ!?」」
どうやらルフィはブードルをぶっ飛ばしたようでそのことで町の人々は怒っているそうだ。町の人々は武器を構えてルフィたちを捕まえようとする。流石に一般市民を殴るほどの度胸がある悪党にはなっていないリクたちは逃げ出そうとする。その直後、町の人々の後ろから男が歩いてくるのが見えた。ルフィたちはその男の方を見る。気絶していたゾロも気配を感じたのか起き上がった。男は立ち止まると数えるように指を町の人々に向ける。
「20人以上いるなぁ。楽しみが増えたぞ」
その男を見た町の人々は叫び声をあげて突然怯え始める。一体どうしたのかとリクは町の人に聞いた。
「あの....!どうしたんですか!?」
「あ、あ、あ、あいつは.....!」
町の人は恐怖のあまり声が出ずにいた。中には腰が抜けて動けなる者までいる。ルフィたちは一体どうしたのかと戸惑っていた。そして町の人は大声でその男の正体を叫んだ。
「あいつは.....!グロンギだぁ!」
ウタ「第三回!仮面ライダー情報発信部!今回紹介する仮面ライダーはこの人!」
仮面ライダーV3
ウタ「仮面ライダーV3は技と力を兼ね備えた仮面ライダーなんだ!なんで3号じゃないのかはわかんない」
ウタ「本名は風見志郎。悪の秘密結社デストロンによって家族を殺されてしまい、その復讐のために仮面ライダーになったんだ!」
ウタ「必殺技はV3きりもみ反転キック!一度キックした後、反転してV3きりもみキックを放つとってと強力な技なんだ!」
ウタ「今日はこれでお終い!また次のお話で!」
終