シンフォギアVC 閑話 ファーストコンタクト 作:サリッサ@無期限休止
「出会った最初…面会室か、と言っても数週間前だが」
それまでの沈黙、緊張感などなかったかのように話を続ける伴成蘭堂。手下が再びその後頭部を殴りつける。しかし、眼前の男は全く意に介していない様子で起き上がる。頑強な銃底で殴られているにも関わらず、だ。殴った手下は勿論、私自身も驚いていた。
「あ、あの……」
そこへ、あのウェイトレスがやってくる。怯え震えており、手に持ったトレーにはコップが三つ置かれている。
「なんだッ?!」
手下の威嚇に対し、震えながらもトレーを差し出す。
「お、お水を……」
手下はひったくるようにしてコップを受け取ると、一気に飲み干す。そして、コップを地面に叩きつけた。割れる音に、身体を強張らせるウェイトレス。手下は無言で睨んで見せた。
「お…お二人にも」
それでも、ウェイトレスは引き下がらない。緊張に押しつぶされそうながら、真っ直ぐに手下を見返していた。怯えながらも意思を湛えた目だ。その視線に負けたのか、手下はそっぽを向く。
「どうぞ…」
ウェイトレスはコップを二つ、テーブルに置く。私は笑みを見せ、日本語で小さく言った。
「大丈夫。ここは任せて」
ウェイトレスは驚いた表情を見せたものの、小さく頷き、裏へ戻っていった。
「そうだな…ここは、少し話でもしてみるところか」
伴成蘭堂の声に、手下はもう投げやりに殴りつけ、天を仰いだ。既にこの状態になって一時間が経とうとしている。疲れが出て、注意力も散漫になっている。
『ナニヲ?』
私は口だけを動かし、先を促す。
「この状況についてだ」
伴成蘭堂は意図を理解していないようだった。しかし、手下自体も見張りをする気力はなく、壁に背を預けて端末を弄り出した。
「まず、ここに釘付けにされて、時間も経ったが、客が入ってくることも、外で何かが起きている様子もない。つまり、一般人や護衛とやらが排除されているのは、間違いない」
「そうね」
私の言葉を受け、伴成蘭堂は目を細める。
「では、何時からいなかったのか」
私は目を見開いた。何時から。
「ここに陣取っている連中の練度が高いとは思えない。カウンターで飲んだくれているやつもいる。アウトローと言っても下っ端程度。そんな連中が、訓練を受けたエージェントたちに対し、優位に事を進められるか?」
私の額に、冷汗が滴る。最初から、罠だった、としたら。
「あーックソッ!!」
悪態を付きながら、リーダー格がやってくる。焦りが顔に出ており、テーブルを殴りつける。
「あら?どうしたのかしら?」
涼しい顔を向けて問うてやると、血走った眼で私を見た。
「お前らには関係ねぇ。いや、冥土の土産に教えてや——」
「米国政府に売られた話か?」
ガスマスクの奥から発せられた言葉に、その場の全員が凍りつく。本人は、まるで世間話をする調子で続けた。
「ここまで経っても、内外に動きがない。膠着状態?いやそれにしては静かだ」
男は自身のマスクに手を置く。
「最初から仕組まれていたこと、妨害もなく、進行中の可能性が高い。では、俺たち二人のうちどちらが標的か。ま、そりゃマリア・カデンツァヴナ・イヴだろう。では誰が狙うか。これも荒っぽいやり方が好きな米国政府と仮定しよう。連中であれば、適当な連中に事をさせるのも、大雑把なやり方でバーを孤立させるのも想像ができる」
伴成蘭堂の話に、リーダー格は何も言い返さない。
「とは言え、だ。こんなに経ってまで危害を加えないどころか、移送しないのは何故か?ここは市内のど真ん中。場所くらい移すだろう。しかし、そうしない」
「どうして?」
たまらず問いかけた私に対し、ひき笑いをした。何か虚空に木霊する、歪さを感じる笑い声だった。
「待って居るのさ。おそらく首謀者は、お前と‟ここで会うこと自体„が目的なんだ。それがどうしてなのかは、現時点ではわから———」
そこまで言った伴成蘭堂の顔が、左に吹き飛ぶ。
「ごちゃごちゃぬかしてんじゃねぇ!!!」
リーダー格が殴った腕をもう一度振り上げる。思わず身を乗り出そうとした私を、目線だけで制す。
「コイツが言ったことは全部絵空事だ!」
「その様子じゃ、否定は出来てないけれど?」
標的を彼から反らすため、精いっぱいに挑発して見せる。その姿にリーダー格はテーブルを壊さん限りに拳を叩きつけた。そしてゆっくりと上体を起こすと、その顔には焦りも交じりながら笑みが戻っていた。
「このまま時間を潰すのももったいねぇな。オイ!女を連れてこい!!」
手下の一人が応えると、誰かを引っ張ってきた。あのウェイトレスだ。嫌がる彼女を強引に掴む。
「やめなさい!!」
私の言葉を意に介さず、リーダー格は銃をウェイトレスに突き付けた。
「折角だ!ちょっとしたショーでも始めるか!お前に、これから自分がどうなるかを教えてやる。俺の優しさに震えるがいいさ!!」
女性は銃を突き付けられ、動けない。歯噛みし、選択を迫られる。どうする。どうすれば。
「ほう、珍しい」
殴られていた伴成蘭堂の声が、耳に届いた。机に顔を預けたままの彼の目線を追う。そこには
ニャーーー!!!
「シエル!!?」
灰色の猫だった。艶やかな毛並みと、美しい四肢。そして爛々と光る鋭い目をした灰色の猫が、リーダー格の手にその牙を突き立てた。悲鳴と共に拘束が外れ、ウェイトレスが倒れる。手下たちは慌てふためき、一瞬にして店内は混乱に沈む。
「ッ!!」
「うッ動くな!!」
混乱に乗じて動こうとしたが、傍に居た手下に銃を向けられてしまう。リーダー格は手を振って猫を剥がそうとするが、叶わない。
「シエル!どうして!!日本で待って居るはずじゃ——」
「アレはお前のところのか。また珍妙なのを連れているな。どこで会った?」
ウェイトレスの声が騒乱の中で耳に届いた。反応しているのは、ガスマスクの男だ。混乱する頭で、その声音は心なしか愉快そうに聞き取れた。
「???」
それどころではない事態に、机は蹴とばされ、椅子が宙を舞う。猫は離れないが、時間の問題だ。
このままでは、勇敢な猫の命が危ない。でも、私は動けない。私には何もない。何も、何も、
何も。
「……」
気付けば、私は歌っていた。
自分でも驚くほどに、自然と口をついて発していた。それは伝え聞いたわらべ歌。よくセレナと一緒に歌った、あの日世界を繋いだ歌。
「ほぅ」
伴成蘭堂の声が聞こえた気がした。気に留めることなく、全てを歌に委ねる。この混沌の中、調べが涼やかに全てを洗い流していく。
「……」
歌い終えると、店内の全てが静止しているかのようだった。リーダー格を含め、手下は全員固唾を飲んで私を見ている。猫はいつの間にかウェイトレスの腕の中に納まり、そのウェイトレスは涙を流していた。
「見事だ」
声に振り向くと、伴成蘭堂が目を細めて見つめていた。率直な賛美に、少し気恥ずかしすら感じた。
ドンッ
突然、扉が強引に開け放たれる。
「だ、旦那ァ!!」
リーダー格が銃を振り抜いたが、直ぐに下ろした。行動から察するに、おそらくこの事態を仕組んだ者が来たのだ。私は目だけで、入り口を見た。
「……」
初老の男性だった。英国紳士風といった出で立ちで、アンティーク調のメガネと撫でつけられた灰色の髪。身に纏っている装飾品や上等なスーツが、上流階級であることを物語る。
そして、その全て台無しにする、
赤、赤、赤。
「血」
自分の口から洩れた言葉で、理解する。
「ロナウド…フィリップ、上院議員…?」
手下の一人が放心したまま呟く。首謀者のことは聞かされていなかったらしい。冷静に状況を判断しようとする私の思考を、赤色が、あのどす黒い赤が染みわたっていくのを感じた。
「おせぇですぜ旦那!こっちはもうずっと前から準備出来てたんだ!さ、早い事この女引っ張っていきましょうや!」
リーダー格の男が、せがむ様に駆け寄る。だが、赤、初老の男性は動かない。どこか焦点の定まらない赤、目で、店内を見ている。
「んん?」
伴成蘭堂の疑問の声が聞こえ、赤。どこかに押し隠していた、赤。拭いきれない、赤。
「どうしちまったんですかい?ほら、早く行き——」
リーダー格の言葉が途切れた。
瞬間、何かが光を放ったように見えた。と同時に、強烈な肉の焼ける臭い。
「あ、ああああアアアアアアア!!!!!!」
痛みによる絶叫。恐ろしいことに、男の左半身は、肩口から腰の付け根にかけて直線状に切断されていた。鈍い音と共に左腕が店内を転がる。右手で傷口をおさえてのたうち回る男に駆け寄る手下たち。
「私は、見たのだ」
初老の男性、ロナウド・フィリップが、口から垂れ落とすように言葉を呟く。その姿は更に浴びた返り血で、酷い有様だった。その姿に、見覚えがあった。あのタワーで浴びた、私がこの手で害した者たち、の。
「悍ましい数の足を湛えた獣…目も指も持たないながら、藻の体と口で平服を訴える有象無象…白柱のような太い身体の顔のない奴隷たち……」
言葉を紡ぐロナウトが頭を抱える。
「私は…見たのだッ!この醜い蝿が、私の中をかき乱し犯し!忌々しい計画を、素晴らしく全人類が享受すべき幸福のための計画を…駄目だ!させない!私の家族を殺したお前を、計画を邪魔しようとした愚か者どもの四肢を切り落とした時の絶頂を!!」
聞こえる声を遠くに、私の目は、赤に囚われていた。既に虫の息となった男の周囲の血だまり。侵食してくる赤色。その不快感と、逃れられない、逃れてはいけない絶望感。
「き、きさまァァァ!!!」
手下の一人が、ロナウドへ銃口を向けた。震える手が、引き金にかかる。乾いた音と、閃光。両者に、真っ赤な模様がかかる。
「彼奴等を殺せ!ここに私たちの楽園を!!いやだ!!お前たち不浄なるモノドモの蛮行を、これ以上ッ!!!」
閃光が二、三放たれる。血しぶきが上がり、椅子や机の切れ端が吹き飛んでいく。あまりの衝撃に、私の目が血だまりから外れた。
そして、注がれる視線に気付いた。ロナウドが見ている。否、ロナウドの中にいる、ナニカが見ている。直観と同時に、強烈な恐怖が沸き起こる。
「逃げるな」
言葉が聞こえた。ロナウドからだ。その目には、先ほどの狂気と混乱の渦はなく、静かな覚悟が見えた。本来の彼なのだ、と理解する。彼は、私に何かを伝えようとしていた。幾千の言の葉よりも、幾億の文字よりも、彼の力強い目が語っていた。
「ッッッ!!!!」
最後の、閃光。砕ける音と共に、眩い光はロナウド自身の身体を貫通し、その下腹部に大きな穴を作り上げた。最期の理性。血だまりに、彼は直立したまま、息をするのを辞めた。
ナァーウ…
猫の低い唸り声で、我に返る。男の身体は、倒れることなく、そこにある。最早姿勢を維持できるはずのない男の身体、その頭頂部から、何か得体のしれないモノが這い出てくるように感じた。
『コレハ…モウ…ダメダ』
ロナウドの口が動いたかと思うと、糸が切れた人形のように、ついに倒れ伏す。頭があった場所に、
何かが、いた。
「なん…なの……」
醜悪にして、身の毛のよだつ存在。蝿、のようなソレは、突き出た三つの口から液物を滴らす。鳩ほどの黒い体毛を湛えた身体からは、十本の節ばった肢が蠢き、半円の翅から神経を逆なでる羽音をまき散らす。そしてその巨大で悍ましい目が、私へと向けられていた。
あの目だ。値踏みするような、蝿でありながら人間のモノより濃度を千倍に強めたような、強烈な目。これまでFISに収容されてから幾度となく向けられてきた、あの、目。
「あ…あ……」
一瞬で思い知らされた。薄絹が剥がされ、肩書も積み重ねも全て取り払われ、残ったのは、弱い私、だけ。強がって立ち上がっても、仮初めの、借り物の力がなければ、何もできない、弱いだけの私。
「ま……し…」
借り物の力で、取り繕った刃で、切り伏せてしまった人々。再び、己の手に赤色が広がっていく。
「き……」
これが、罰か。
波が引いていくような感覚。頭の中から何もかもが消えていく。なくなってしまう。
「逃げないのか?」
声が、響いた。
それは気遣うようなセリフで、しかし全くそんな気はない、間の抜けた声だった。
「このままだと、喰われるぞ?」
ガスマスクの男が、私に問う。その目が、私を真っ直ぐに見ていた。一切の心配も、詮索もない視線。私がどこの誰であるかなど、気にも留めていない目。
「…」
状況にまったく動じず、席に座り続けている男。その佇まいには、ロナウドの目にあったものとは、別の強さがあるように思えた。
「………」
眼前には、不可避の絶望。今から足掻いたところで、どうにかなるものでもないはずだ。
それでも。
「……ッ!!」
蝿が放つ、プレッシャーの波。流されてしまえば、どれだけ楽だろう。この手には、何の力もない。
だとしても!!!
「……ッッッ!!!!!」
声にならない声を吐き出し、私は前へと踏み出した。
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「同じとは思ったが、これほどとは」
一瞬、気を失っていたのだろうか。前へ踏み出たと同時に、あの蝿も突進してきたのを覚えている。押し寄せる不可視の濁流の中、私は踏みしめることしか出来ていなかった。
「バタつくな鬱陶しい」
あの忌まわしい羽音は、それでも続いている。眼前の、男の手の中で。
「な、にを?」
蝿を掴んだまま、男は興味深そうに目を細める。蝿はその手と羽を必死に動かし、拘束から逃れようとしている。だが、逃げることは叶わず、次第に動きが鈍くなっていった。
「フンム。最後の生き残りか?秘蔵の武具まで持ち出して、しかしこれほどまでに弱っているとは。前に取り憑いた男が不味かったな。ハハハ!これではコイツに憑き直しても長くはないな」
何かを呟きながら、虚空に響くような笑い声をあげる。
「コイツはゲンやヒビ割れ少女と同じ側。であれば俺の研究対象だ。喰わせてしまうのは勿体ない。そうさな。この場合は、こう言うべきか」
伴成蘭堂は、言葉と共に腕に力を込める。唖然とする私の前で、
「元来た場所へ、とっとと還れ」
蝿は絶叫ともとれる翅音と共に、霧散した。
無数のパトランプが辺りを照らす。現場には警察官と救急車。それ以外に人は見当たらない。
「それにしても、連中も大胆な行動に出るな。まさかガス漏れを装って一区画丸ごと人払いするとは」
呑気にパトカーに腰かけたガスマスクの男が呟く。野次馬もおらず、その点で言えば警官たちは仕事がし易いのかもしれない。現場の惨状を考慮しなければ。
「あ、あの!」
声をかけてきたのは、あのウェイトレスだ。毛布を肩にかけ、腕の中には可愛らしい灰色の猫が顔をのぞかせている。
「無事で、よかったわ」
精一杯の笑顔を見せ、猫を撫でてやる。喉を鳴らす猫に、安らぎを覚える。
「本当に、有難うございました」
意を決した表情で、頭を下げる彼女。私は曖昧な表情を見せることしかできない。
「おーネコ。お前は還るのか」
寄って来た男に対し、猫は歯をむき出して唸り声を上げた。慌てるウェイトレスに対し、特に気にしていないというように手を振った。
「そうだ、この子どうしよう…どう見てもうちのシエルなんですけど、日本に居たはずだし…連れて帰るにはどうすれば…」
困っているウェイトレスを見、私は伴成蘭堂を小突いた。首を傾げる彼に対し、私は小声で言う。
「日本政府と繋がり有るんだから、どうにかできるでしょ?」
「ン?そういうものか?まぁ、いいか。お前が言うのならそうなんだろう」
肩を竦めて、端末を取り出したガスマスクの男。連絡を取るため離れていこうとする彼の背を呼び止める。
「一応言っておくけど、私はコイツでも、お前でもないわ」
私の言葉に対し、斜め上を見つつ考え込んだ、蘭堂。
「フンム。では何と呼べばいい?」
「それを直接聞く?」
怪訝な顔をする蘭堂、ランド。これまでほとんど動じていなかったこの男に対し、一本取ったような感覚。私は自然と笑みを零していた。
「マリア・カデンツァヴナ・イヴ……長いな、
イヴ でいいか」
「本当に有難うございました…一時はどうなるかと…」
緊張から解放された実感からか、目に涙を浮かべる彼女。私は肩に手を置いてなだめる。
「私からも、お礼を言わせて頂戴。貴女が居てくれたからこそ、私は踏みとどまることができたわ」
打って変わって大人しくなった猫の灰色の美しい頭を、再び撫でてやる。
「アナタも、ね」
ナーウ!
繰り返し頭を下げる女性に笑顔を向けながら、それでも私の心中は素直に喜ぶことができなかった。
『もし、あの時』
ロナウド上院議員が、命を賭して猛攻を止めていなければ。
蘭堂が蝿の動きを止め、潰し倒してくれなかったら。
『力が、私にはなかった』
無言で拳を握る。
力がいる。弱い自分を乗り越えるための、強い力が。
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『では、その件はこちらに任せておけ』
マリアから離れた路地。通話越しに、男性の声が聞こえる。蘭堂が通話を切ろうとしたのを、男性が制する。
「バン、お前から見て、マリア・カデンツァヴナ・イヴはどう映った?」
蘭堂は肩越しに向こうを見る。視線の先にはウェイトレスと共にいるマリアの姿があった。
「興味深い、だな」
マスクの位置を調整しつつ、目を細める。その手には、ロナウドが持っていた奇妙な形の金属片があった。すでに二つに砕けて、怪しい輝きなどは一切発しない。
「いくら辺境の生き残りとは言え、アレは人類尺度で見れば遥かに埒外の類だ。他の星の生物には補助具が必要かもしれんが、人間如き易々と術中にはめられる。抵抗できる人間なんて、お前たちくらいだ」
金属片を弄ぶのに飽きたのか、蘭堂は茂みへ投げ捨ててしまう。
「と、思っていた」
通話の向こうの者は、ただ静かに、蘭堂の言葉に耳を傾けている。
「見初められた時点で、気絶か錯乱、あってもその場からの逃走が関の山。
だが、アレは前に出たんだ。前に、だ」
肩が上下し、引きつったような笑い声があがる。
「十二分に、強いヤツだよ」
『…わかった。その上で、だが…』
通話先の男性が少し言いよどむ。蘭堂は小首をかしげた。
「その…翼と、仲良くは、なってくれそうか?」
「………はぁぁ??」
蘭堂の声が、鳴り渡った。
「それを俺に聞くのかよ、ハチ」
皆様、こんにちは。
サリッサと申します。
お読みいただき、誠に有難うございます!
お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでしたッ
今回は蘭堂とマリアさんの初めての出会い、そして神話的事象との初めての出会いと相成りました。
今回出ていただいた方は、実は私の初めてクトゥルフTRPG動画を拝見した際の黒幕ポジの方。丁度読んでいた本に出てらしたので、今回登場していただきました。
誕生日作品ということで、彼女の内面に思いを馳せつつ、私としては珍しい一人称での書きスタイル。実に難しい!!
GからGXに移る間、彼女もそれまで以上に悩み決断をしてきたことでしょう。力をもとめ、弱き自分を頃すんだともGXで言っていた彼女の姿。エルフナインから伝えられた、自分らしくある大切さ。そんな彼女の根底にある『強さ』の片鱗を書きたく、このような形になりました。
終わり方かなり悩み、正直答えとしてもいかがなものかと思いつつ、
今後も踏まえての終幕となります。
だいぶ尻切れトンボ感が否めませんが、どうぞご容赦いただけますと幸いです…
近々本編を更新致します。今後もシンフォギアVCをどうぞ宜しくお願い致します。
来年も機会があれば、遅れることなく書かせていただきたい所存。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。m(__)m