パパ黒が親バカだった世界線   作:限界社畜あんたーく 

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前回のサムライ8ネタ伝わって嬉しい。


6.完全復活、パーフェクト直哉様や!

 

 高専内の廊下奥──

 

 

 直哉は廊下にあるベンチに横になり、肺の中に詰まったありとあらゆる物を吐き出す勢いで溜息を吐く。

 

 甚爾による反転術式の教育と言う名の拷問は二時間近く続いた。

 流石に精神的に来た直哉は休憩を取りに来たのだが…最早動く気すらなく、いつの間にか眼の前にあったベンチに全身を預けていた。

 

 ──五条クンと夏油クンはまだ続けとんのかな。

 

 最早首すら動かす気力も無いが、好奇心には抗えず身体を起こすと外の音へと神経を集中させる。

 そして聞こえる──地を荒々しく踏む音。鎖が空気の壁を突破する音。肉を鋭利に裂く音。人がばたりと倒れる音。そしてまた立ち上がる音──。

 

 頭おかしいんちゃうか?

 普通の思考回路を持つ者であれば、本来はそう思うだろう。

 事実直哉もそう思っている。

 だがそれ以上に──彼らに対する罵詈雑言よりも先に──自分に対する惨めさが上回る。

 何故二人が挑み続けているのに自分はここで休んでいるのか。

 同じ御三家である五条だけならまだ分かる。

 御三家でもない夏油があの場に立ち続けている。

 自分の弱さが──自分の執念の浅さが──あまりにも情けない。

 

 同じ御三家ならば──いや、同じ呪術師ならば、もう一度立ち上がるべきだ。

 汚名返上すべく、一矢報いるべく立ち向かわなければ。

 

 分かっている。

 そう、分かってはいるのだ。

 

 なのに身体は動かない。

 疲労が、痛みが、恐怖が、身体と精神を蝕み拘束する。

 

「……クソ」

 

 怒りのままに動かぬ身体に喝を入れる。

 

「クソッ!」

 

 怒号を吐き捨て全身に力を込める。

 

「クソがッッ!!!」

 

 奥歯が潰れる程に噛み締める。

 拳から血が滲むほど握り込む。

 

 

 

 ───それでも。身体は彼等の下へ向かうことを拒む。

 

 

 

 

「…………ハァ。惨めやな」

 

 

 

 

 直哉という人間は、プライドと自尊心で出来ていた。

 禪院家に生まれ、当主の息子として育ち、幼少期より術式こそが全てだと叩き込まれた。

 ──呪力も持たん奴は人間以下。

 

 その思想が根付いた頃に眼の前にする、禪院家に生まれた異質。

 それこそが鬼神、禪院甚爾だった。

 

 人生で初めて見る、まさに格の違う存在。

 術師()が超えられない壁の向こうに佇む特異点であることを、直哉は本能で理解できた。

 そしてその瞬間、自分が志すべき──超えるべき最終目標も定まった。

 

 壁の向こう側に立つ。

 そして甚爾に並び立つ。

 御三家として──禪院家として生まれた自分にならできる。

 最強──異質──特級──。そう呼ばれる存在に、自分もなれると。

 

 そう心から信じていた。

 

 

 だが、結果はどうだ。

 

 甚爾に並び立つどころか手も足も出ない。

 二人の力を借りなければ一撃も与えられない。

 自分が倒れているのに、二人は未だ立ち続けている。

 それも、御三家でもなんでもないヤツがだ。

 

 自分は──禪院直哉は向こう側に立てる人間ではなかったのだ。

 

 それなのに、自分は人よりも才能があると──人よりも向こう側へと行ける素質があると思っていた。

 

 そんな自分に嫌気が差す。

 

 

 

 

 

「……………ほんま、死にたいわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んじゃ駄目ですよ!!」

 

 

 ヒョコっと、眼の前の自販機から顔を出す者が居た。

 高専の制服を着た青年。恐らく自分と同じ年齢だと思われる。

 彼は眩しい程の笑顔を浮かべ、直哉をジッと見つめていた。

 

 

「…誰や君」

「あ、自己紹介が遅れました!僕の名前は灰原雄!呪術高専一年、趣味は大食い、好きなタイプは──」

「あーわぁったぁった。で、何の用や?」

 

 若干の威圧感を込めて吐き捨てる。

 気分が気分なため、初対面に向けるとは思えない程高圧的である。だが灰原は臆するどころがより笑顔を作り出すと、前のめりに直哉へ顔を近づける。

 

「凄く落ち込んでるように見えたので…」

「別に。休憩しとっただけや。君が心配するようなことないで」

「そうですか。……実は外で戦ってる所を見てて……その……」

「……なんや?」

 

 笑いに来たのだろうか。

 いや、それも当然だ。あんなにコテンパンにやられれば誰だって笑いたくなるハズだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやったら、あんなに強くなれるんですか!?」

 

 

 

「……ハァ?」

 

 思っていたのと違う言葉が来た。

 あんなに無様にやられたのだ。見下されるものかと思っていたのだが。

 

「五条さんと夏油さんに付いていけるってだけでも凄いのに、あの人に一撃与えてましたし…しかも二時間ぐらいずっとやってましたよね!凄いです!」

「まだ五条クンと夏油クンは戦っとるで?」

「でも僕からしたら、三人とも凄いですよ!」

 

 ──語彙力無いなぁコイツ。

 しかし傷心中の直哉にとってはこれぐらいが丁度良かった。

 過度に褒められるのも悪くはない。

 

 

「それにその二時間の間マトモに攻撃入ったのは貴方の…あー、そのー、えーっと、名前なんでしたっけ?」

「……禪院直哉や」

「禪院……禪院!?まさか、あの御三家の!?」

「せやけど、なんや?そんな慌てて──」

「凄い!まさかあの禪院家の人が高専に来るなんて!それなら確かに、あそこまで強いのも頷ける…あ!もしかして強さのコツとか聞くのって失礼でした!?」

「…君、もしかしてアホやろ」

 

 コロコロと表情を変える灰原に思わず、脳に浮かんでいた言葉がそのまま口から零れ落ちる。

 

「え?!な、なんで?!」

「んな恥ずかしいこと、普通本人の前じゃ言えんて」

 

 灰原はそうですかねぇ〜と笑いながら頭を掻く。

 

 ──やっぱこいつアホやな。

 

 心の底から灰原という男に呆れる。

 なんでこんな男が高専なんかにいるんだ?

 呆れたついでに質問を投げかける。

 

「僕が高専にいる理由ですか?……うーん…成り行きでいつの間にか?」

「いつの間にかて…」

「僕人助けが好きなんですよ。それでこの道なら沢山の人を救えるって思ったんです」

「能天気やなー。そんな初心(ウブ)でやっとったら死ぬで」

「よく言われます!」

 

 そんな堂々と言う事じゃないだろ。

 馬鹿らしいと鼻で笑おうとするが、灰原は言葉を続ける。

 

「でも、もし僕が死んでも、それで沢山の人が救われるなら本望です。…あ、もちろんそれしか選択肢がないならってだけで、全然死にたいってことじゃないですよ!」

「そらそうやろな」

「そうならないようにもっと僕も強くならないと!…そういえば、禪院さんはどうして高専に?」

「…どうして?」

「御三家の人なら高専に通わなくてもいいって、確かそう聞きましたよ?」

「……親父に行け言われただけや。俺はこないな場所来たくなかったわ」

 

 甚爾と恵のためではあるものの、自分の意志は真逆。別に率先して来たかったわけでもないし、今帰れるならすぐにでも帰りたい所だ。

 

「そ、そうですか…でも折角高専に来たなら、何か目標でも立ててそれを達成するまでやるとか…禪院さんは何かしたいこととかやりたいこととかないんですか?例えば僕なら沢山の人を守りたい!とか……」

「やりたいこと……」

 

 目標なんてついさっき無くなった所だ。

 今更甚爾のいる向こう側へ──甚爾に並び立つなんて、そんな叶えられない無謀な夢を見られるほど馬鹿ではない。

 

 やりたいことも、したいことも、ましてや守りたいものすらも、直哉には何にも残っていない───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────いや、たった一つだけ。

 ふと浮かんだソレだけ、守りたい存在があった。

 

 

「守りたいモンはある。…けど俺が出る幕はないな。既に甚爾クンに守られとるからな」

「甚爾くん…?えーっと…よく分からないですけど、それならその甚爾さんに頼られるぐらいに強くなればいいんじゃないですか?」

 

 頼られる存在──。

 その言葉は直哉とは無縁の存在だった。

 

 誰かに頼る?

 御三家の自分が誰かを頼るなんて、禪院の名が泣く。

 誰かに頼られる?

 面倒臭い。人の力を頼るような弱者に力を貸すほど暇ではない。

 

 だが──直哉には最早禪院家としての矜持はない。人を貶せるほどの強者ではない。

 

 弱者。甚爾を前に折れた弱者だ。

 

 

「…あ!もちろん禪院さんが弱いとは思ってないですよ!今でも全然強いです!」

「…………ええ。弱者でええ」

「へ?」

 

 

 自分には才能がなかった。

 向こう側に立てるほどの強さはなかった。

 弱者。本物を前に立ち続けることが出来なかった弱者だ。

 

 

 ───ならそれでいい。

 

 

 

 直哉に足りなかったのは、自分を弱者と認め研鑽する度胸だった。

 

 無様に地を這いながらでも強くなろう。

 血反吐を吐きながら四肢を失ってでも立ち続けよう。

 その覚悟が無かった。

 

 御三家だから──強者だから──秀才だから──。

 そう言い訳にし続けてきた。

 

 

 最早直哉を守る自尊心は──プライドは全て砕けた。

 

 不細工でもいい。

 情けなかろうと憐れだろうと、関係ない。

 

 

 

 

 

 

 恵に、甚爾に頼られる存在になる。

 

 

 

 

 

 

 そう決意した時、直哉を締め付けていた全てが取り除かれ、まるで羽でも生えたかのように身体が軽くなる。

 

 

「…さてと、ボチボチ戻ろか」

「え!?また戻るんですか?!」

「なんや?なんか問題あるんか?」

「いえ、その問題と言うか、大丈夫なのかなって…」

「……何言うとるん?」

「や、やっぱり禪院さんなら大丈夫ですよn」

「大丈夫なわけないやろ」

「そうですよね……え!?じゃあまだ休んでたほうが…」

「アホ言うな。俺は今気分がええねん、止めんなや」

 

 

 自暴自棄とも言えるだろう。

 だがそれが今、何よりも心地よかった。

 

 

 

「……それと灰原、やっけか?」

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

「禪院なんて堅苦しい呼び方すんなや。直哉でええ」

 

 

 

 

 一瞬顔を綻ばす灰原。

 だがそれも束の間、遠慮そうな顔を浮かべるといやいやと手を振る。

 

「先輩のことをそんなタメ口で呼べないですよ!」

「……先輩?俺ら同期やで?」

「………え?そうなの?!じゃあつまり────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──俺と同年代なのにあんなに強かったってこと!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

「…………もうええわ」

 

 

 

 色々面倒臭くなった直哉はそそくさと灰原から逃げるように外へ向かう。

 

 だがその面持ちは雲一つなく晴れ晴れとしていた。

 

 

 

 

 

 

 尚それも、1分後にはまた絶望一色に染められるのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三週間後────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫く顔を見せていなかった夜蛾だったが、この日は丁度時間が空いたためグラウンドへと顔を出していた。

 無論彼等が一体どんな教育を受けているのかは既に知っており、その成果を見るつもりだったのだが──その前に気になることがあった。

 

「……一人増えてないか?」

「多分灰原じゃないですか?」

「いやそれはわかるんだが…なんで増えてるんだ?」

「さぁ?」

 

 甚爾にシバカれるのは本来五条、夏油、直哉の三人のハズ。

 なのに今視界には甚爾も含めて五人の姿が写っている。

 

「ちなみに昨日は七海が来てましたよ」

「色々とツッコミどころはあるが……問題ないのなら…まぁ、いいか」

 

 相手が四人に増えた所で所詮術式が無ければ甚爾の敵ではない。

 寧ろ四人のほうが連携する人数が増えたことで戸惑っているように見える。

 

「そろそろじゃないですかね」

「なにがそろそろなんだ?」

「それは……あ、ほら」

 

 家入がそう言うと、甚爾の姿が消え四人の胸から鮮血が舞う。

 最早家入にとっては何十回と見慣れた光景であり、もう特に驚くこともなくなっていた。

 

「さて、と。行きますか」

 

 家入は立ち上がると四人の下へと駆け寄る。

 反転術式で正のエネルギーを流し込み、治癒をする。

 だが治癒をするのは本人が気を失うかギブアップするか、このままだと死ぬと家入が判断した場合のみ。

 それ以外では治癒はせず、ただジッと見守る。

 

「今更過ぎるが…鬼畜の所業だな」

「相手が相手なら今頃十回は訴えられますよ」

 

 家入と夜蛾が喋る中、汗を拭った甚爾は直ぐ様恵の元へと向かう。

 

「待たせたな恵。さて何して遊ぼうか?」

「じゃあかけっ子!」

「かけっ子か!父さんも負けないように張り切っちゃうぞ〜」

「………」

「………」

「………」

「………」

「……本当に生きてるのか?死んでないか?」

 

 夜蛾がそう言うのも当然だった。

 なにせ四人全員集中し過ぎて、まるでピクリとも動いていないのだ。

 何も知らない通行人が見れば本当に死体だと勘違いして即通報するレベルの光景だ。

 

「恵くんも最初の方は目を隠してたんですけどねー」

「…恵くんはコレを普通に見てるのか?」

「ほら、だって」

 

 かけっ子をする恵だが、その目線は倒れている四人にチラチラと向けられている。

 好奇心からだろうか──と思ったが顔をよく見てみれば笑っている。

 恐らく彼らは今死んだフリ選手権でもやっていると思っているのだろう。……流石にサイコパスの片鱗を見せているとは信じたくはない。

 

 

 四人が倒れてから1分後、家入は四人の頭の上に立つと、四人の顔をそれぞれ見ながら口を開いた。

 

「ギブアップって人、手~上げて〜」

 

 真っ先に手を上げた灰原。

 暫く間を置いて直哉、夏油の順番に手を上げ、三人は立ち上がる。

 

「分からんなぁ。呪力と呪力を掛け合わせる言うても、何をどうすりゃええねん」

「私が教えてあげよーか?」

「硝子ちゃんは説明下手やからなー。傑クンは他に使える人知っとらんか?」

「使えそうな人は知っているけど、多分暇じゃないだろうし…そもそも連絡先とか知らないし…。逆に、直哉は禪院家に心当たりは?」

「ウチはおらんな。居てもこの状況じゃ呼べんね」

「?」

 

 皆が反転術式の習得に悪戦苦闘する中、たった一人未だ起き上がらない者がいた。

 

「残るは悟だけだけど……大丈夫?」

「……」

 

 起き上がるどころが生きてる気配すらしない五条。

 両手を大の字に広げ、瞼を閉じている。

 

「息はしてるけど…」

「……」

「…どうする?」

 1「コツでも掴んだんやないん?起こさん方がええやろ」

 2「問題無いとは思うが…一応声は掛けておくべきじゃないか?」

 3「早く治してあげるべきだと思います!」

 4「もう二、三回腹刺してピンチ感出したほうがいいだろ」

 5「悟にいちゃんはお腹踏んだら起きるよ!」

 

 流石に4と5は無いとして、残りの三択。

 五条の身を案じるならば3なのだろうが、反転術式の核を掴みかけてる真っ最中だとすれば冷水を掛けることになるかもしれない。

 となれば最も丸いのは2だろうか。

 

「悟ー。生きてるー?」

「……」

「…悟ー?」

「ほんとに生きとるんかコレ」

「まだ息はしてるんだけど…」

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………キタ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 目をガン開きにし、勢いよく身体を持ち上げる五条。

 皆が驚く中、五条は立ち上がり全身を忙しなく動かす。

 甚爾に刺された胸は既に治癒されており、これ以上血が流れる様子はない。

 

 そう、遂に反転術式の完全な習得に、五条は至ったのだ。

 

「もう習得したのかよ。随分と早ェな」

「あぁ、アンタのお陰だ!何度も死の淵追いやられ!何度も方法模索して!ようやく掴んだ呪力の核心!まるで昨日までの自分が赤の他人みたいだ!」

「……悟?」

 

 テンションのおかしい五条に思わず引く夏油。

 本人も自分がハイになっていることを自覚しているのか、なんとか落ち着こうと深呼吸を繰り返している。

 

 その様子を見ていた甚爾は恵を直哉に預けると、五条に近寄る。

 

「反転術式を覚えたってことは、もう俺は用済みだな。お疲れさん」

「おいおい、俺が反転術式覚えた途端に勝ち逃げかよ。つまんねぇなぁオイ」

「生憎自分の命が惜しいんでな。推定現代最強術師と戦うなんてリスク背負うのはゴメンだね」

「ケッ。…まいいや。俺もまだ調整済んでねぇしな。…それよりアンタ、俺に渡すもんがあるんじゃねェのか?」

 

 首を傾げる甚爾。五条に渡す物なんてあったか?

 記憶を掘り起こしていると、ふと懐にしまっていたあるものを思い出す。

 

「………あ」

 

 そういえば直毘人から渡された書簡のことをすっかり忘れていた。

 しかし何故そのことをこの男は知っている?

 

「今の禪院家の状況ぐらい把握してるさ。あの当主のジジイの思惑にも大体察しは付いてる」

「何でもお見通しってか。全く、最近会う奴等はIQが高くて困る」

 

 

 直毘人しかり五条しかり。

 話が早いのは助かるが、早ければ早いでこちらの思考が盗聴されてるようで気味が悪い。

 

「何の話をしてるんだ?」

「こっちの話だ、傑。それよりお前も早く覚えたほうがいいぜ?世界が180度変わって見えるんだ」

「180度も変わったら色合い悪そうだけど。コツはないのか?」

「俺も感覚で出来るようになれたからな。一つだけ言えんのは、呪力と違って反転術式は頭で回すって感じだ」

「頭で回す…成程」

 

 夏油との会話を終え甚爾へと向き直る。

 

「ここで渡せばいいのか?」

「ココにいる奴等ならバレてもいいだろ」

「…そりゃそうか。そんじゃコレ────」

 

 

 

 

 

 

 

 その時、甚爾の携帯から電話の着信音が鳴る。相手は未登録。番号から見るに恐らく家電からかかっている。

 五条に目配せを送ると、どうぞというジェスチャーが返ってきた。早速携帯を開き耳元に近づけ、相手を確認する。

 

 

「誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの………とうじ?さん……ですか?」

 

 

 

 電話越しに聞こえたのは、幼い女児の声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………本当に誰だ?」

 

 しかし甚爾には全く心当たりが無かった。

 




「…反転術式って術式も反転させられるんよね。悟クンはたしか、反転したら赫なるんやっけ?」
「同じ御三家だから知っててもおかしくねェか。で、それがどうした?」
「俺が術式反転させたらどうなるんやろ」
「……確かに、私も想像つかないな」
「傑は呪霊操術だろ?その反対は……呪霊消滅?」
「それ私にはデメリットしかなくないか?」
「直哉は投射呪法で…その反対は……身体を遅くするとか?」
「どこで応用すんねんソレ」




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