ヒロアカ世界の中心で「ユニコォォォォォン!」を叫ぶ 作:粗製海水塩化マグネシウム
ナナチさん、スパークリングウォーターさん、カメラマンTOMMYさん、評価ありがとうございます。
「まぁ、つっても今戦のMVPは飯田少年だけどな!」
Aコンビ
オールマイトの言葉に、何人かは疑問を抱いたみたいだ。
確かに、結果だけ見れば飯田君は敗者側。
それでも、この訓練にどれだけ順応していたかという面で見るなら飯田君が一番だ。
先程の戦いの最終盤、緑谷君は爆豪君にリンチされながらも起死回生の一手を打った。
それは、2階から例の自爆する大技で5階、核兵器のある部屋まで風穴を空けて飯田君と麗日さんの戦況をひっくり返す。というもの。
ただ、このやり方で緑谷君達は勝ったけど、問題点も多い。
まず、この訓練の核兵器は勿論レプリカなんだけど、じゃあ本物だったらどうするのか?勿論今回の手段は取れない。
そんな単純な構造ではないから誘爆こそしないだろうけど、放射性物質が漏れる可能性は十分にある。
あと、作戦が緑谷君の自爆技前提なのもダメだ。
自爆して勝ちを拾うヒーローは、信頼を得にくい。
オールマイトが絶大な人気を誇るのは“負けないから”…この一点が大きいように思う。そして
オールマイトが居れば大丈夫。この安心感こそが今の社会の根幹にある。だからこそ、公安委員会は平和の象徴の交代を画策してる。オールマイトは長く頂点に立ち過ぎた。
国民は『“ナチュラルボーンNo.1ヒーロー”オールマイト』に慣れ切ってしまった。上半期のビルボードチャートが出て、二位のフレイムヒーロー“エンデヴァー”が一位にでもなったら暴動が起きるんじゃなかろうか。
オールマイトのNo.1という称号はそれだけ社会と直結している。…改めて私が背負う物の大きさを感じる。
まぁ、公安委員会が思い描く流れは先輩との分立だから負担が二分割になると嬉しいんだけど…それはないかな。
さて、あ、次の戦いがもう始まってるね。
さっき推薦枠で入った八百万さんの論評を聞いたけど、概ね同意見だった。
ただまぁ…「ヒーローサイドの勝ちは“訓練”だという甘えから生まれた反則のようなもの」…ズバッと言うなぁ…
私はそこまで思っても多分躊躇う。
さて、訓練の様子は…あれ?これもう決着着いてない?
というか、ビルが一棟丸ごと氷漬けなんだけど。
対戦カードはヒーローサイドはBコンビ、
敵サイドの尾白君、葉隠さんは足を氷でビルに固定されてる。私ならあまり気にならないけど、あの二人の個性は恐らく尾白君が尻尾で、葉隠さんが透明化だと思う。氷を力づくでは突破できない。
結果として勝ったのはやはりBコンビ。どうやら彼は炎をも扱える個性らしい。強い。
そうして他の訓練も見ていく。交代の時間に先に終わった人達に軽いアドバイスもしておく。
爆豪君?放置だよ放置。というか彼は今かなり憔悴してる。
今私が話しかけても上の空か嫌味だと思われるだけだと思って近寄ってない。
さて、私を除いた訓練は終わり。ようやく私の出番になった。
「さて、結虹少女と戦いたい人、挙手!」
おぉ、爆豪君以外全員だ。爆豪君は負けのショックがまだ抜けないみたい。それだけでもなさそうだけど、今はそっとしておこう。
「うーむ、やはり皆意欲があっていいな!だが、全員とやらせるのは流石に時間が足りない。…すまないが結虹少女に指名してもらっていいかい?」
うーん、こういうところは新任教師らしいと言えばらしいのかな?ただ、こうなるのは何となく予想してから誰を指名するかは考えていた。
「じゃあ、轟君と飯田君。お願いしていい?」
「あぁ。構わねぇ。」
「うむ!大丈夫だ!」
二人を選んだ理由はシンプル。このコンビが今最も手強いと思ったから。轟君は単騎の方が強いけど、氷の拘束能力、炎の攻撃能力は脅威だ。
次に飯田君。速い。これに尽きる。彼の速さなら私の索敵より速く動けるかもしれない。いい加減に直感頼りから脱却したいところ。
他の人は恐らく私の動きに反応できない、というのも大きい。
そうして、私はくじで敵サイドになり、二人を迎え撃つ事になった。
準備を終えた私は3階の階段前で待機していた。
今はオールマイトの開始合図を待ってるところだ。
…BコンビとIコンビの一戦で、轟君は薄い氷を伝播させていた。ただ、それが出来たのはコンビ相手の障子君が索敵役をしていたから。それがないなら、彼は恐らく中距離戦を仕掛けてくる。
ただ、一番嫌なのは、飯田君が核兵器を最短ルートで確保しに行くパターン。私を轟君が抑えてしまえば、後は飯田君が爆走するだけでいい。1対2かつ、私が罠を張るタイプの個性でない事がわかっているから、一度突破を許せば私に後はない。
まぁ、数の有利があるから確実に確保を狙うと思うけど。
「START!」
さて、ぼちぼちやりますか。
私は階段を落ちるように駆け下りた。
頭ン中がごちゃごちゃしててウゼェ。
デクに負けた、負けたんだよクソが!
そして今、入試で俺を負かした女は、真面目ヤローと氷の野郎を…手玉にとっていた。
初撃の凍結を避け、階段から離れるように動かされた
雑魚が、入試の結果はマグレだった。……そう思ってた。
真面目ヤローが
止まれねぇ真面目ヤローには氷の破片を目眩しにして、顔をガードしたせいでガラ空きになった腹にラリアットを決めて床に沈めやがった。そしてそのまま真面目ヤローの身体を氷の野郎に掬い上げるように投げつけて、自分も突撃。
氷の野郎は、真面目ヤローの身体を氷で逸らして床に軟着陸させてやがったが、それで自分がおざなりになってるのは笑える話だ。
炎を使えば反撃できただろうからな。
そのまま捕縛され、真面目ヤローも気絶してる所を捕縛されてやがった。
エキシビションは終了。敵サイドの勝利だった。
オールマイト曰く
「轟少年は追い詰めるために角まで誘導したのは良かったが、結虹少女に逆に誘導された事に気づかなかったのが敗因だな!」
だとよ。
でもアイツらは今の俺じゃ勝てねぇ。……俺がまだ届かねぇ位置に立ってる奴らが、このクラスにはいる…だから、俺は…!
ふいー終わった終わった。
なんとか勝ったけど、ヒヤヒヤしたなぁ…
氷が効くと勘違いしてくれたお陰の辛勝だった。
炎で来られたらマズかったんだけど、何故か最後まで使わなかったんだよね…轟君。最後に一瞬出して、そのまま急いで引っ込めてた。
まるで、炎を使わない事が勝つ事に優先されるような動きだったけど…彼なりの理由があるんだと思っておこう。
炎を出した後の彼からは、強い憎しみを感じたから。
多分、私みたいな人でなしに解決出来る
授業が終わったあとの反省会には加わらなかったんだけど、興味深いものが見れた。
爆豪君と緑谷君。
緑谷君が何を言っていたかは分からなかったけど、爆豪君は叫んでいたからよく分かった。
「“俺はここで一番になってやる”。か…」
少し爆豪君の事を行動と言動から偽悪的に見過ぎていたのかもしれない。彼もまた、ヒーローに憧れる一人だとわかって、反省した。
明日の朝にでもアドバイスをメモにでも書いて渡しておく事にした。
どうも、にがりです。
初めて別人物視点を入れました。爆豪の口調をエミュレートするのめちゃくちゃ難しくてハゲました。何故やったし。
次回辺りからUSJ編に入れたらな。と思ってます。
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