ヒロアカ世界の中心で「ユニコォォォォォン!」を叫ぶ 作:粗製海水塩化マグネシウム
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「なんだかなぁ…これは。」
なんということでしょう。私が向かう先には大量のマスコミが!
たまたま事件現場に突き当たってしまったとかなら納得行くけど…ここ雄英の校門前なのよね。つまり邪魔。
私が向かうとカメラが一斉にこちらを向く。
いい
…どうしようか。
①無視無視、校門まで直行。
…ダメだ。マスコミに嫌われるのはマズい。
もし平和の象徴を継承出来れば、必然マスコミとの接点も多くなる。不都合な記事でも書かれたら、面倒どころの騒ぎじゃない。
却下。
②他科なので…と偽る。
…ダメだ。『雄英体育祭』でクラスがバレる。目立たなければワンチャンあるかもしれないけど、体育祭では優勝を狙いに行く。目立つのは必然だろう。
却下だ。
③諦めて質問に答えて、教師陣の誰かが来るのを待つ。
………これしかないかぁ。採用で。
「おはようございます、結虹さん。お疲れみたいですね…」
「おはよう。八百万さん。マスコミに嫌われないようにしつつできるだけ雄英の情報を絞って茶を濁してたら
「前半は兎も角後半は必要でしたか…?」
ただの意地なんですすみません…ウザイ奴らにできるだけ得をさせたくないという感情は皆持ってるような気がする。嫌がらせの精神さ。ヒーローらしくないって?私もそう思う。
「おはよう。」
すると、相澤先生が入って来た。
思ったより早かったけど、そういえば今日は最寄り駅の道から来たから遠回りだったんだよね…マスコミに家を特定された日には嫌悪感で寝込むかもしれない。朝起きて窓の外マスコミだらけとか絶対に嫌だ。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。」
「爆豪、お前もうガキみてぇなマネすんな。能力はあるんだから。」
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。個性の制御…いつまでも“出来ないから仕方ない”は通させねぇぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。
とのこと。言及されたのは私的問題児のツートップ緑谷爆豪コンビだった。あ、爆豪君で思い出した。後でメモ渡しとこう。
「さてHRの本題だ…急で悪いが君らに、学級委員長を決めてもらう。」
するとクラスがドッと湧いた。
「「「「学校っぽいの来たー!」」」」
皆が立候補をしていく。勿論私も手を上げる。
私が目指すのは孤高の象徴ではなく、皆と歩む象徴なんだから。
ただオールマイトを次ぐだけなら、私に存在価値はない。
がここで飯田君が声を上げた。
「静粛にしたまえ!」
「“多”を牽引する責任重大な仕事だぞ…!“やりたい者”がやれるモノではないだろう!」
「周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…民主主義に則り真のリーダーを決めるというのなら…ここは投票によって決めるべき議案!」
言葉は凄い立派だった。ただ…飯田君自身もすっごく委員長をやりたそうに手を上げていた。そびえ立つように。
実際、クラスメイトの一人、切島君にめちゃくちゃツッコミを入れられていた。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん。」
「そんなん皆自分に入れらァ!」
「だからこそ複数票を集めた人物こそ、真の委員長に相応しい人間という事にならないか!?」
最終的に相澤先生に結論が委ねられ、先生は「時間内に決まるなら何でもいいよ」と言ったためにそのまま投票という流れに。
そして投票結果は…
「僕三票!?」
驚いている緑谷君が得票率一位、という事になった。続く二位は八百万さん。私は自票のみの一票。まぁ妥当だった。
ただ凄いのが飯田君で…
「0票…分かってはいた、さすが聖職という事か…」
彼、自票すらなかった。あれだけやりたそうだったのに、票を放棄して他に入れてた。多分入れた先は緑谷君だろう。
八百万さんも少し呆れ気味だった。
ただ、そういう奉仕精神がヒーローの本質なのかもしれないと、漠然と思った。
さて、学生の本分は学業。そんな訳で普通科目もしっかり集中して受講した。時間は経つのが早いと老人ムーブをかましてみる。
昼休みになって、今日も今日とて弁当生活だ。
ただ、一つ思ったのは…弁当を真っ先に取り出す人を食堂に行こうとは誘わないのではないか、ということだった。
明日からは最初は少し弁当を取り出すのを待って、読書に時間を使う事にした。
…そんな時だった。何者かの嘲笑うような悪意を感じて振り向くと、突如校内に警報が鳴り響いた。
セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください
雄英バリアーは敷地内への不法侵入を防ぐセキュリティシステムで、それが突破されたって事は…
嫌な予感に急いで廊下から窓を覗いて階下を確認した。
そこにいたのは朝も校門前にいた、マスコミだった。
拍子抜けだった。てっきり凶悪な
かと言って、入学前に見た雄英バリアーの概要は、高々マスコミが突破できるものでも無い…
「誰かがマスコミの侵入を手引きした…?」
確証はないけれど、あの“悪意”は本物だった。
轟君の憎悪とはまた別ベクトルの、ドス黒い悪意。
私は皆が教室に戻ってくるまでの間、悪意の矛先について考えを巡らせていた。
んで、他の委員を決める段になった時に緑谷君が委員長交代を提案した。新たな委員長として飯田君を推す形で。
何でも、食堂で生徒達のパニックを咄嗟の機転で沈めたんだそうな。それを勘案して“人を纏められる人に”ということらしいのだけど…
皆が賛成する中悪いけど、私は手を上げた。
「緑谷君。発言いいかな?」
「あ、うん。何かな結虹さん。」
少しだけ納得出来ない事がある。
「委員長交代の話、八百万さんにした?ここで話を持ち出す前に。」
「あっ…」
八百万さんの少し不服そうな顔を見て、何となく察してたけど、そっか。
「ねぇ八百万さん。八百万さんは、委員長交代に賛成?それとも反対?」
「…私も食堂で飯田さんに助けられた身です。彼に人を纏める能力があるのは事実だと思うので、特段反対はしませんが…」
「なるほど、話は通して欲しかった。と。」
まぁ元々悔しそうではあったけど、八百万さんも基本的にはお人好しだからなぁ…
「私も賛成…はしないけど反対もしない。交代に賛成するって事は緑谷君に委員長をやって欲しいと思った人の思いを無碍に扱うことになるから。緑谷君も、そこのところしっかりね。」
「う、うん!」
「よし、嫌味な話は終わったところで…飯田君は壇上へどうぞ。」
「あぁ、委員長の指名とあらば仕方あるまい!誠心誠意務めさせてもらう!」
そんなこんなで飯田君が新たに委員長になったことで、思った以上にスムーズに他の委員も決まって行ったのは、委員長交代の恩恵だったのかもしれない。
「相澤先生。お話が。」
「なんだ?」
帰りのHRが終わった後、私は相澤先生に昼の事を話していた。
「昼のマスコミ侵入の一件、手引きした者がいる様に感じました。」
私の言葉に相澤先生は目を細めた。
「個性届にも記載のあった、お前の“直感”か?」
「その通りです。敵らしき悪意を感じ取りました。」
「数は?」
「敵と思しき人物は恐らく二人居ました。が、直ぐにマスコミに紛れて分からなくなりました…すみません。」
「いや、いい。伝えてくれて助かった。取り敢えず今日は帰れ。」
「分かりました。失礼します。」
私はそのまま職員室を出て帰宅した。
通り過ぎた校門には昼に感じ取った悪意の残滓が補修された後もしっかり残っていた。
どうも、にがりです。
飯田君0票のくだりで“利己的な遺伝子”という書籍の事を思い出してました。利他行動は自己保存と矛盾しない…という奴です。我ながら浅い思考回路ですね。
さて、偽インテリの現実逃避はやめます。
このままアンケート通りだと6000文字以上確定になるので、次回からは死ぬ気で書きたいと思います。
次回からUSJ編。アンケートは明日朝9時までとさせて頂き、次回から結果を反映していきたいと思います。
皆さん…今からでも3001文字以上~4000文字に投ひょ( '-' )ノ)`-' )
ついでに感想募集してます。