ではどうぞ
俺の名はアレク、このフリーデンの騎士団に入隊し、門番を任されて4年になる。
もうすっかり馴染みの通行人もでき、この仕事に生きがいを感じていた。
街を守り、市民を守り、旅人を労う。訓練も大変だが俺にはこの位がちょうど良い。
そんなことを考えていると初めて見る少年が列に並んでいた。
身長は120~130cm、10歳から13歳と言ったところか。
不安げに周りの様子をきょろきょろ見まわしている。
俺もこの街に初めて来たときは同じだったなと昔を思い出し少しおかしくなった。
その少年の番になった。
「お、見ない坊主だな、どうした?お使いか?」
ポンと頭に手を置きワシワシと撫でる。
ポワーンと嬉しそう中を押している。弟も昔こんな感じだったが今はもうすっかり・・・
いや、あんな奴のことは忘れよう。
「えっと、初めて来たのですがどうやったら入れますか?」
やっぱり初めてか、初々しいな、よし、この坊主は俺の心の弟だ。
「そうか、初めてか。偉いなぁ、よし、じゃちょっとこっち来い、しばらく頼むぞー」
相方のリーブにその場を任せ坊主を連れて詰所へと入る。
「まずはここに座ってくれ、飲物持って来てやるからな」
なんかソワソワしていて小動物のようでかわいい。
俺は台所へ行き、レモンティを生活魔法で冷やし、はちみつを混ぜて部屋に戻る。
「まぁ、疲れたろ、飲んでみな」
恐る恐るコップに口をつけてコクリと一口飲み込む
「あ、甘い」
パーっと明るい笑顔になる、うん、かわいい。
「そうだろ、はちみつティーだ、疲れた時は甘いものが一番だからな」
「おいしかったです、ありがとうございます。」
一気に飲み干して例を言う、俺の弟と違い礼儀も正しい。
「そーか、んじゃ手続きと行きますか。まずはこの書類に・・・って
坊主、字はかけるか?」
俺が初めて来たとき字が書けなくてワタワタしたのを思い出した。
ここは兄としてしっかりとサポートしてやらねば。
と、思ったのだが
「だ、大丈夫です。読めるし書けます」
まだ小さいのにもう字が書けるのか、まさかどこかの貴族の坊ちゃんとかか?
にしては一人で街まで来るのもおかしいし、まぁそのうち仲良くなれば教えてくれるだろう。
「そうか、偉いなぁ坊主」
そういいながらまた頭をワシワシと撫でる。
サラサラとして珍しい黒髪に黒目の坊主、やばい。持ち帰りたい(父性本能)
「あ、あんまり撫でないで下さいよ」
と言いながらもニコニコと嬉しそうに書類に必要事項を記入していく。
どうやら文字が書けるというのは本当のようだ。
書類が書き終わったようなので受け取りながら
「はっはっは、すまんすまん。よし、かけたな。どれどれ・・・・ん?」
1ヵ所おかしなところに目が留まる。
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
年齢:28歳
「な、何かおかしかったですか?」(上目づかい)
他の部分はちゃんとかけている、ここだけ間違ったのだろうか?
「お、おお、このな、年齢の所なんだが・・・・28歳?」
「え?ええ、10日ほど前に・・・・あ」
何かを思い出したようだがやはり間違ったのだろうか。
「そ、そうか・・・・とりあえず審議器にかけるが・・・・・・・本当だった・・・」
審議器が示したのは記載事項に問題のない緑マーク。
と言うことはつまり、このかわいらしい少年は
レイ:28歳
と言うことになる・・・
「そ、そうか・・・すまなかった、頭をなでるとか失礼だったな」
と、この俺アレク:22歳はレイ:28歳に謝る。
「いえ、なんか懐かしかったですし気にしてませんよ、それよりこの後は?」
ここから先は茫然としていてあまり覚えていない。
事務的な対応をしたのだけは覚えている、
最後に
「ありがとうございました、門番さんのお名前は?」
と名前を聞かれた
「アレクだ、では・・・またな・・・」
そして握手をして別れた、小さな手だった。
もう年齢とか関係ない、レイは俺の弟だ!
門に戻ると相方のリーブが最後の通行人を通すところだった。
「なぁ、リーブ・・・・さっきの坊主な・・・・・28歳だった」
リーブは「ハァ?」と言う顔をしてこちらを見ている。
俺もハァ?と言いたかったが審議器で間違いないことを確認したので
間違いないのだろう、あれはいわゆる生命の神秘だったのだろう。
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「こんにちはー」
少女だ。目の前には初めて見る少女が立っていた。
「はい、こんにちは。今日はどうしたのかな?」
同じ目線まで腰を落とし対応する。レイと変わらない身長だ・・・まさかな。
「初めてなので照明証の発行お願いします。」
珍しいな、子供一人の登録が1日で2人目か。(現実逃避)
親子連れや、大人だけなら1日5人や10人は当たり前だったが、
こんなに短期間のうちに子供だけと言うのは今までになかった。
「リーブ、すまないがまた頼むよ」
そう言い少女と詰所へと入る。
レイ君(年上だが)に出したものと同じはちみつティを出す。
同じようにニコニコしながらおいしそうに飲み干す。
この少女も自分で読み書きができるそうだ。最近の子供は識字率が高いのだろうか。
そして書き終えた書類を受け取る
( -。-)フー ( -_゚)チラ
名前:ミル 年齢:28歳
( ゚_゚)
( ゚_゚ )
俺は無表情のまま審議器へと書類を通す・・・・グリーンシグナル
「ミルちゃん、少し待っててね」
そう言い残し、魔法ギルドへと駆け出す。
もちろん審議器の故障を直してもらうためだ。
結果
審議器に故障は見られなかった。
俺&魔法ギルドの技術部員&リーブの3人は目が点になりながら
こちらに向かって手を振りながら街へと消えていくミルちゃん(28歳)を見送ったのだった。
「なあリーブ、レイ君とミルちゃんって何か関係あるんかな?」
「兄弟とか?」
「はは、否定できない」
今日は本当になんていう日だ、早く帰って寝たい。
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次にやって来たのは白い口髭を生やした、白髪の老紳士だった。
確か燕尾服?と言っただろうか、貴族の屋敷で働いている男性が着る服だったはずだ。
「初めてなのですが、照明証の発行をお願いできませんかな?」
「はい、では詰所までどうぞ、リーブあとはよろしく」
しかしこの歳まで照明証を持たないというのも・・・この年?
まさかこの人12歳とかじゃなかろうか・・・
「こちらを飲んで少々お待ちください」
今回はストレートのアイスティを用意した。が、一口飲むと少し渋い顔をする。
「はちみつもございますがお入れしま「ぜひお願いします」・・・」
食い気味に返事をしてきた。甘党なのだろうか。
はちみつを入れるとものすごくよい笑顔で飲み干した。
その間に書いてもらった書類には
名前:ジェントル 年齢:64歳と書かれていた。
もちろん審議器の結果はグリーン。良かった、どうやら年下ではないようだ。
今日一日で人の年齢を見極める感が大幅にくるってしまったようで怖かった。
ジェントルさんは礼儀正しいお辞儀をしたのち街の中へと消えていった。
「俺もあんな大人になりたいもんだ」
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どうやら今日は新人さんラッシュの様だ。
次にやってきたのは少し地味な、しかし見た事も無い服を着た少女だった。
名前はシャドーちゃん、15歳だ、そして見た目も15歳くらいだ、これ重要。
少し無口の様で右目と左目で色が違う、何か吸い込まれそうな不思議な魅力のある女の子だ。
ただ、時折不思議なポーズを決めたり、よくわからない単語を話していた。
組織の追手が何とか、12賢者の末裔がどうとかヨクワカラナカッタ。
最後に「さらば」と言って目の前から一瞬で消えた・・・・
今日はモウナニモオドロカナイ・・・
門に戻り無表情で前方の一点を見つめる。何も考えない、それが一番楽だ。
「おい、大丈夫か?」
リーブが声をかけてくる。
「大丈夫だ、問題ない」
微動だにせずそう答える。
リーブが「目のハイライトが無い・・・」
とか言っているが何のことだろうか?
そして俺は運命の出会いをする。
しばらくすると一人の女性が前方からやって来た。
「あの、初めてなんですが証明書発行お願いできますか?」
「ハイ喜んで!」
「あ、目のハイライト戻った」
リーブよ、だからハイライトって何?
女性を詰所へ案内する。
「どうぞ、こちらをお飲みになってお待ちください。
あ、あとクッキーもいかがですか?」
「え!クッキーですか!?」
なぜか驚いているようだ。さっきまではゴニョゴニョと何か難しい顔をしている。
「それではお名前は?」
俺はペンを持ち書類の記入を始める。
「あれ。自分で書くのでは?」
「ええ、そういう場合もございますが、時間が有るときは私共が代筆するんですよ」
「そうなんですねー」とニコニコクッキーとはちみつティを飲んでいる。
そして胸が・・・机の上に乗っています!!
女性の名前はエヴァさん、年齢は25でテイマーをしているらしい。
フリーデンへは仕事を探すために出てきたらしく、まだ宿も決まっていないらしい。
ここは安くて信頼のおける宿屋を紹介し、ポイント・・・
じゃなくて旅人の安全を確保しなければ。
「ここから中央に道なりに行くと左手に武器屋が有ります。そこを左に入ってしばらくすると
宿り木亭と言う宿が有ります。少しメインストリートから離れますが安くて治安もよく
エヴァさんも安心して泊まれると思いますよ。」
「本当ですか?ではそこに行ってみたいと思います」
そして別れ際に
「ありがとうございます」
と俺の手を取ってお礼を言ってくれた・・・
俺は・・・俺は・・・門番をしていてよかったーーー!!!!!
門に戻るとリーブが
「さっきの人、なんていう名前なんだ?」
と聞いてきた。
「エヴァさんっていうんだ、テイマーをしているらしくてな、25さいだってさ」
ニコニコと答える。
「へー、ミルちゃんより年下なんだな」
・・・・・・・・・・・・・・
「あ、目のハイライトが」