仮面ライダーヴェスタ   作:虎ノ門ブチアナ

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13TH LOVE Vが勝利を導く

 また、紅子を守れなかった。

 

 その絶望が信真の心を打ちのめし、哀しみで満たされる。

 彼の感情に呼応するように、急な雨が人々を濡らしていた。

 

「信真、とりあえず店に戻ろう。体を冷やしたら戦いにもなんねーぞ」

「…戦うって、なんですか。俺にはもう戦うパワーなんて無いですよ」

 

 信真はその場で膝を落とし、うつむく。

 彼の腕を持ち上げて無理やり店まで引きずろうとする店長の手を、信真が払う。

 

「この世界に生きる人々を守るってのは、戦うための力にはならねぇのかよ」

「真白は死んだ! 紅子さんはヤツに取られた! もう…守るものなんかねぇんだ!!」

 

 店長の拳が炸裂(さくれつ)する。

 見知った人から振るわれた初めての拳に、信真は呆然とする。

 

「…”困ってる人がいたら助ける”って、それが約束だって、そう言ってただろお前。ソイツはもういいのか? 投げ出しちまっても」

「……いえ」

「紅子が取られたって言うが、アイツは死んだのか? CDのもとに自分から行っちまったのか?」

「…いいえ」

「だったら、まだ間に合うんじゃねぇのか何もかも! 俺の世界みたいに全部終わっちまう前に、できることあるんじゃねぇのかよ!!」

 

 何も守れなかった悔しさを抱くのは、信真だけじゃなかった。

 自らの世界そのものを(うしな)った店長、世界の終焉を目撃してきた陽炎。

 彼らも信真と近い哀しみにさいなまれ、克服してきた。

 そんな彼らだからこそ、今の信真の背中を叩く。

 

「やれることは全部やろうぜ、信真」

「はい、店長…陽ちゃんもありがとう」

「おうよ、トコトンまでついてくぜ」

 

 2人の仲間のおかげで信真はようやく立ち上がり、笑顔を見せた。

 降りしきる雨が、信真には心地よく感じた。

 

 

 と、信真の携帯が鳴る。トワイライトの感知ではなく、普通の着信音。

 その相手は、彼の父親であった。

 雨をやり過ごせる近くの屋根の下に走ると、信真はゆっくりと電話を取る。

 

「信真、今平気か」

「ああ…大丈夫だ」

「突然なんだが、一旦仕事を打ち切ってお前の所へ行こうと思ってな。母さんも一緒だ」

 

 いきなりじゃねぇか、と冷淡に返す信真に父はなんとも言えない小さな(うな)りをあげる。

 と、今度は母親が電話に出る。

 

「信ちゃん、今までごめんね…真白ちゃんのことがあってから、ずっと悩んでいたのだけれど…ようやくひと段落して帰ってこれそうなの」

「ずっと仕事仕事言ってたアンタらが急にな…なんの風の吹き回しだ?」

「遅くなったけれど、私たちはもっと信ちゃんと向き合う時間が必要だったのよ」

「寂しくなったのかよ、仕事がお友達のアンタらが」

 

 信真の悪態が激化する。彼を止めようとする店長だったが、陽炎に制止され、信真にゆだねることにした。

 

「…そうだな、俺たちは自分たちの責任や使命感のみを第一にしてきた。しかしそれもすべて、信真が何不自由なく生活するための経済、人脈、環境をつくるために身を削ってきたのだ」

「その結果、俺は一人ぼっちになっちまった…本当は、お金や家よりも、家族と一緒にいたかったのに!」

 

 雨音が静寂に挟まり、一層けたたましく感じられる。

 

「今までの時間を埋め合わせられるとは思わないが…こんなに不出来でお前を見てこなかった親に、チャンスをくれるだろうか」

「あの進路とか将来の話をガミガミネチネチ言うヤツ禁止なら許す、俺の道はもう決まってるからな。だから、そのためにアンタら不出来な両親を利用させてもらう」

 

 いいだろう、と答える父に信真はよっしゃ、と子供のように喜ぶ。

 

「だからさ…俺がこれから突っ走ってくために、アンタらの”愛”が欲しいんだ。それが俺にとって一番足りてなかったモンだ」

「…本当に、今まですまなかった」

「信ちゃん、これからはずっと一緒だからね!」

「ずっとは一緒じゃねぇだろーが! …それでも、一緒にいられるなら、俺も…嬉しいよ。お父さん、お母さん」

 

 電話が終了する。

 携帯をしまった信真は1回だけ深呼吸をすると、瞳をぬぐった。

 

「家族を守れるのも今のうちだぜ」

「わかってます、絶対に守りますよ…前に店長が聞いてた、”大切な人や家族が殺されても~”のヤツ、もっかい答えさせてください」

 

 店長が少し微笑んでうなづくと、信真は自信満々に答える。

 

「そうはならない、俺がそうさせません」

「100万イケメンポイントの回答だ、最高だぜ信真」

 

 店長からの言葉をもらうと、信真が照れくさそうに笑う。それにつられて陽炎も笑いながら2人の肩を抱く。

 

「あれこそが負けても(くじ)けない(オトコ)の友情ですか。とても熱いですね」

「なるほど…かつてハルカ殿がおっしゃっていたジョンプの”王道展開”にござるな」

 

 ユカリが購入した傘をさしながら、2人のパートナーが解説する。

 同じく傘をさしている陽炎のパートナー、『カナタ』が2人の様子をながめる。

 

「君たち…仲良し…」

「陽炎殿のパートナー殿! 名前はなんと仰ったでござろうか」

「カナタ……人と話すの苦手…でも仲良くしたい」

 

 そう呟くカナタにユカリは名乗りながら握手を交わす。ハルカもそれに気づき、ユカリと同様に名乗りつつ握手する。

 

「最終決戦前、お互い短い付き合いになると思われますが、どうぞよろしくお願い致します」

「ところでカナタ殿、貴殿のダメージファッション、非常に良い着こなしでござるが一体どちらで?」

「どっかの世界の原宿…コミュ障でも目立って、話しかけてもらえそうだから……」

「あっ話題づくりなんですね、その派手な格好」

「ハルカちゃんも…お話のために、メイドさん?」

「―――趣味です」

 

――

 

 ようやく店に戻った一行は、最後の敵であるトワイライト首領、クリアー・デザイアラヴとの決戦準備を整える。

 それと時を同じくして端末の通知音がトワイライトアバター出現を知らせる。

 ハルカが確認したところ、その数は―――100体。

 

「なんか、すげー多くない?」

「おそらくCDはここで俺たちを足止めして世界を破滅させるための算段をおこなうんだろう。まさかこんだけの数を用意してくるとは夢にも思わなかったがな」

 

 あごに手を当てる店長に、大丈夫っす、と信真が声をかける。

 

「俺たちの力なら、数にならないっすよこんな奴ら。それよりもトワイライトアバターの出てきた場所なんですが…」

「東京都庁…いかにもアンニャローが好みそうな場所だな」

「ラスダンにするにはインフラ(つかさど)りすぎだろ、ココはよ。人的被害が心配だ、急ごうぜ」

 

 陽炎に促され、全員がマシンワールドシフターで決戦の地、都庁へ向かう。

 

――

 

 都庁に到着すると、3人を大量のトワイライトと、一面の炎が待ち構える。

 

「…もうこんなに被害が…!」

「実際にこの光景を目の当たりにすると改めてふざけんなって感じだな」

「信真、トワイライトアバターは俺と陽炎で引き受ける、お前は紅子とCDを探せ!」

 

 店長と陽炎がワールドシフターで次々とトワイライトアバターを蹴散らしていく。

 その隙に信真は都庁の屋上ヘリポートを目的地に、バイクを瞬間移動させる。

 

 

「…お、来たか。早かったな」

 

 ゲートから飛び出してくるバイクを前に、ヘリポートで寝転がっていたクリアーが立ち上がる。

 

「教えちゃいねーのによくここがわかったな」

「バカは高いところが好きって言うじゃねーか。アンタ好きだろ、テッペンとか」

(いただき)に立つ趣味はねぇが…天辺(てっぺん)と言えば存在の証明たりうるな」

 

 クリアーが笑うが、信真の視線は彼には無かった。

 その横で大雑把(おおざっぱ)に横たわっている紅子を注視していた。

 

「紫のこども、お前しっかりしてるな。ここで紅いのめがけて飛び出してたら殺してたぞ」

「そうかい…怒りや憎しみでチャンスを逃さない、それもまた愛だってお前の辞書に刻んどけ」

 

《ジェネレートドライバー》

 

「変身」

 

 リンドの姿へと変身し、戦闘態勢を整える。

 一方のクリアーもリンドの闘志に触発され、その姿を怪人態へと変貌させる。

 

 半透明な結晶によって構成された、流星を思わせる体躯。

 彼が人間由来では無い別の生命体であることを裏づけるようなシルエットにリンドは息を()む。

 と、怪人化したクリアーは続いてその腕部から紅子を取り込む。

 

「!?」

「驚いたか…コイツが持つオリジンオブラブを消費してオレはさらに強くなるぞ、そのときはもっと驚くといい」

 

 紅子を吸収したクリアーはその体を肥大化させ、都庁ヘリポートを覆うほどの巨大な怪物と相成(あいな)った。

 

「驚いたか?」

「ハルカさんの読んでた漫画に出てきた図体だけの雑魚ボスみたいだぜ」

「言ってろ」

 

 クリアーの巨腕がリンドを狙い定めて振るわれる。

 が、リンドは飛翔し難なく回避する。

 

「本当に図体だけじゃねーか―――!?」

 

 が、クリアーの腕から無数の腕が生えてきて、リンドを掴む。

 

(あなど)ったな、紫の。オレはクリアー、何色にもならない、そして何色でもある透明―――だから形はどうとでも変えられるんだ」

「反則かよ…」

 

 身動きが取れないリンドへと、腕から変化した剣が向けられる。

 その剣が一斉にリンドに突き刺さる……と見せかけて、その翼で自らを掴む腕を切り落とし、剣の攻撃を防いでいた。

 

《インジェクト・エフェクト・ジェネレート―――イクイップメント・”アームド”》

《掴み取れ!》

 

 ユカリセイバーを手に、今度はリンドが攻勢に出る。

 クリアーの体から変容した数多(あまた)の腕、剣、(ハンマー)、銃をかいくぐってクリアーの顔面を縦に両断する。

 が、顔を斬られたクリアーは痛みなど無いように笑う。

 

「残念、オレには痛みなど無い! さぁて、紅いのを取り除かないと勝ちは無いぜ」

 

 余裕の表情で(あお)りたてるクリアーに、リンドは新たなるアイテムを使用する決心を固める。

 一度クリアーから距離を取り、ヘリポートの反対側、都庁南側屋上部にてベルトを操作する。

 

「オリジンオブラブってのは、原始の愛の力っつったよな…だったらその力は俺の中にも流れてるハズだぜ」

 

《リンド・ブーストアップ》

 

 ラヴァーズ・アダプターの起動音声が鳴る。

 一旦変身を解除してベルト中央部と付け替えると、両スロットに”ドラゴン”、”ホーネット”のロムカードを差し込む。

 以前の音声にメロディが追加された待機音が信真を鼓舞する。

 

「…アイツ、何をする気だ?」

 

 思わずクリアーが見つめているうちに、リンドはその姿を新生させる。

 

《インジェクト・リンド・ジェネレート―――フォーム・アット…ヴェスタ!!》

 

 新たに構成された変身音と共に、強化されたリンドの装甲が信真に装着される。

 その姿はまるでヴェスタとリンドの姿が融合したようでもあった。

 竜胆(りんどう)色と(べに)色が各部に配された竜人がごときシルエット。

 翼は巨大化し、背部には2門のビーム砲が取り付けられていた。

 

 クリアーが感嘆する間も無く、その戦士は一気に彼へと距離を詰め、拳を放った。

 

 …痛みは無かった。しかし、その衝撃は絶大、数mはあろうという巨躯(きょく)が、たった一撃で揺さぶられたのだ。

 

「凄まじいパワーだ…何をしやがった」

「アンタが言ってたオリジンオブラブ…その力をもっとも正しい形で出力した愛の真髄による、ただのパンチだ」

 

 戦士が着地すると、クリアーの攻撃をはねのけて彼に指を差す。

 

「覚えて失せろ透明ヤロー、俺の名前は竜胆信真! そして―――仮面ライダーリンド(ブイ)だ!!」

 

 リンドV。それこそがリンド最強フォームの名であった。

 その口上にクリアーはただ感心していた。

 

「イヤイヤ、ンー…オイオノスですらオレの顔をブン殴るまでは至らなかった。流石に褒めるしか無いな」

「…そろそろアンタのその軽口、嫌になってきたぜ」

 

 リンドVが飛翔すると、大きく息を吸って、叫んだ。

 

「紅子さああああんんん!!」

”―――そんなに叫ばなくても、ここにいるよ”

 

 その瞬間、リンドVはクリアーの下腹部を切り裂き、紅子が格納されているカプセルを露出させる。

 

「? 何が起きた、位置がバレてしまったぞ」

「実はこの形態に変身してるときはよ……なんと紅子さんの電脳と俺の脳が接続されてんだよ」

 

 カプセルごと紅子を取り出したリンドVは大事にカプセルを抱えると、高笑いを浮かべる。

 

「っはーはっはッ! 以心伝心ってヤツだな!! というワケでお前のエネルギー供給源は絶ったぜ!」

「イヤイヤ、ンー…!」

 

 いつもの口癖をつぶやくクリアーだったが、その声には怒気が含まれていた。

 

 

「紅子さん、起きてください」

”いやぁ、助かったよ”

 

 リンドVの脳内に紅子の声が反響する。彼女の電脳から発された言葉が電気信号としてリンドVの脳内に送信されてきているのだ。

 

 カプセルを破壊し、紅子を抱きかかえたリンドVはクリアーの追撃をかわしていく。

 

「リンド…紅子(ソイツ)を返せ…ッ!!」

「そうは行くかよバーカ!」

 

 段々(だんだん)と体が縮小していくクリアーの攻撃を退けながらも、リンドVは流れてくる紅子からの信号(ことば)を読み取る。

 

”ところでさ、眠り姫は王子のキッスで目覚めたそうだが、どうだい?”

「何言ってんですかこんな時に!?」

”いやだってさ、(みそ)ぎたくは無いかい? 私はあんな下衆(ゲス)に唇を奪われてるんだぞ? ファーストキッスだぞ!?”

「それは死んでも殺しても許せませんが…仮面してんすよ!」

”だったら変身解除したまえ”

「なんてわがままな人なんスか!?」

 

 脳内で口論を続ける2人の様子を見て、クリアーは過去の自分のことを思い出す。

 天涯孤独(てんがいこどく)であった彼は人々から忘れられ、いつしか世界からも忘れ去られた。

 人になれず、霊にもなれず。自分を見てくれるものなど誰もおらず、ただ彼は世界というシステムに巣食うバグ、すなわち癌として()るしか無かったのだ。

 

「オレの存在をかき消した、透明にした世界に…オレは復讐しなければならない、反逆しなければならない! そのためにオリジンオブラブを…愛の力を……よこせ!」

 

 クリアーの攻撃が強くなる。彼が言っていたオリジンオブラブ、その力を失ったはずだったが…。

 

「愛を…透明なオレに色を、存在をくれるモノ―――愛を、返せよ!!」

「一体どうしたんだ、アイツ…?」

「返せ! 返せ返せ!! それを使ってオレは…世界を壊す!!」

 

「返せだと? 散々お前が奪ってきたモノを返す道理は…ねェ!」

 

 クリアーが放つ苦し紛れの攻撃を、リンドVの背部キャノンが撃墜する。

 おおよそヤケともいえるクリアーのさらなる突撃を、蹴りで押し留める人影が2つ。

 

「店長、陽ちゃん!」

「コイツがCD? 今までの気迫がねぇぞ…?」

「信真が弱体化させたんだな! やるぅ」

「あの量の怪人をさばいた2人も凄いッスよ….」

 

 2人の加勢にクリアーは歯ぎしりする。

 

"さて、そろそろ私もアイツに仕返ししてやりたいんだが?"

 

 紅子の頼みにリンドVは変身を解いて、意地の悪い笑顔を見せる。

 

「おいバカボス!!」

「バカボス!?」

「お前紅子さん返してほしいんだってな?」

「ああ、早く返せ!」

 

 信真は切迫するクリアーをあざけるように笑うと―――。

 

 ―――紅子の唇を奪い返した。

 

「えっ…信真?」

「なんかスゴいこと起きたぜ今よォ!?」

 

 はしゃぐ店長と陽炎をよそに、信真は不敵な笑みを浮かべたまま、紅子をその場に立たせる。

 

「ハッ、この私を信真以外のヤツに渡すものか」

 

 ようやく意識を取り戻した紅子が鼻で笑うと、クリアーは思惑(おもわく)通り激昂していた。

 

「よくもオレの、オレの(オリジンオブラブ)をぉぉお!」

「紅子さんの愛はお前のモノなんかじゃない! お前が誰かに愛されたい気持ちはわかったが、人から奪ったモンで物事が解決するほど世の中甘くねーよ!」

 

 荒ぶるクリアーの狂気を目の当たりにした店長は、かつての仇敵であることを忘れたように哀れんだ。

 

「CD、お前の目的は一体なんだ?」

「オレは……誰かから愛され、見られ、この世界に存在している確証が欲しいんだ」

「じゃあ俺と同じじゃねーか」

 

 クリアーの目的を聞いた陽炎がため息をこぼす。

 

「オメーが言ってた透明で無くなるってのは、自分が生きてる理由を持つってことか? それが欲しいなら誰かのために生きてみせろよ」

「違う! 間違っているのはオレじゃない!! オレを透明にした世界だッッ!!」

 

 クリアーの咆哮(ほうこう)と共に攻撃がその場を揺れ動かす。

 都庁直下に揺らめく炎はたちまち広がり、新宿の街を焼かんと進攻する。

 

「…これ以上は危険だな」

「なら早速変身だYO!」

 

 店長、陽炎の言葉を受け信真、紅子がうなづく。

 

「そうだ紅子、これを受け取れ!」

「店長、これは…」

「お前用のベルトだ! 信真と一緒に世界を守れ!!」

 

 店長から受け取ったジェネレートドライバーを装着する。

 

「店長、黒木君、信真少年!」

「おう!」

「任せてちょ」

「行きますよ!」

 

《ジェネレートドライバー》

 

「変身などさせるかァ!!」

 

 クリアーの攻撃が変身途中の4人を襲う。

 が、その不意打ちを彼らのパートナー3人が防ぐ。

 

「3人集えばもんじゃの知恵です」

「それを言うなら文珠(もんじゅ)でござるよ」

「さんにん…カナタも一緒…うれしい」

 

 彼女らが気をそらした隙にライダーらは変身のシークエンスを完全に整えていた。

 

「―――変身!!」

 

《インジェクト・エージェント・ジェネレート―――フォーム・アット・”ホーネット”》

《激しく刺し穿(うが)て!》

 

《インジェクト・エージェント・ジェネレート―――フォーム・アット・”ドラゴン”》

《激しく(ひるがえ)せ!》

 

《インジェクト・エージェント・ジェネレート―――フォーム・アット・”パンドラ”》

《希望を指し示せ!》

 

《インジェクト・エージェント・ジェネレート―――フォーム・アット・”シャドウ”》

(くら)く忍び寄れ!》

 

 

 ついに、クリアー(世界の癌)を打ち倒す4人の戦士が立つ。

 

「それじゃあ折角だしお決まりの口上、みんなで言いましょっか」

「え? どれどれ?」

 

 何も知らない陽炎に店長が耳打ちする。

 

「準備はいいかい? それじゃ―――」

 

「刺激的にいこうか!」

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