なぜ、こうなっているのか私には分からない
ただ、目の前の“ナニカ“に対して『絶対に勝てない』と私の脳ではなく本能で訴えかけていることだけは分かる
「なんだ。ここじゃなかったか」
だが、そんな事を分かっていても剣を構える。じゃなきゃ何も出来ずに殺される事が分かっているから
「お前...俺に剣を向けるのか」
人ではない白い肌色と足まで伸びる髪は神々しく、まさしく神と言わざるおえない
「お前、名前は?」
「...フレンEルスタリオ」
「フレン、貴様は神に剣を向けている自覚はあるか?」
「あります。でも...何もしないと殺されると思ったので」
「...勘が良いな」
「だが、そんな事どうでもいい。俺は一人の男を探している」
「男?」
「どいつかは知らんが、見れば分かる」
「...あまり知っている男の人はいません」
「まあ、いい」
そう言うとその神は帰ろうとしたが...
「その男は、俺ら神々にも影響を与えるほど強大な力を持っているらしい」
「ここで一つ大きいのでもぶっ飛ばせば寄ってくるだろ」
その瞬間、目の前が光り...
砂埃が巻き上がり、私は相手の攻撃をモロに食らったと...思った
「っ...大丈夫?」
「え...」
相手の攻撃を素手で受け止め、衝撃で倒れ込む私を見てくれたのは...私の憧れの人だった
「死んで...ない。と思ったら誰だお前」
「この子の友達や」
「友達...ねぇ、そんな化け物みたいな圧掛けときながら言うセリフじゃねえだろ」
「...とこ先輩」
「お前、なんでこの攻撃に気付けた」
「偶然通りかかったら、町を壊そうとしてる阿呆と、大切な後輩を見つけたからな。助けない理由なんてあらへん」
「へえ、そりゃまたいい理由だ」
奴は笑うように言うと、じっと目を凝らした
「お前...人じゃねえ。地獄の者だろ」
「よう分かっとるやん。私はケルベロスや」
「ケルベロスか...いいね」
「本当は男探してたんだけど、お前でもいい」
奴の周りの空間がおかしくなり始める
「おれん、お願いやから下がとって」
「分かりました」
その数秒後、空間が歪む程の戦闘が行われる
妙な気配を感じた
「...なあハデス、聞こえてるか」
『なんのようだ』
「早速だけど、力を貸して欲しいかもしれない」
『理由は?』
「...このままだと、低く見積もっても日本壊滅、数億の死者が出る気がする」
『そこまで予想するか』
「当たるかは分かんないが、念には念をだ」
『良いだろう。向かえ』
「了解」
数分後、広場が戦場へと変わる