成長、進化、完成
二年目、春が始まった
あの時、葵が死んだ直後、原初の闇との戦闘が再開された
状況は優勢だった。しかも、途中で女神のモイラ様まで来てくれて、無事勝つことは出来た
ただ、モイラ様からはこう言われた
「貴方達が今できる事は三つ」
一つ、このまま闇を狩り続け、終わりの時まで戦い続ける
二つ、闇を狩り、終わりの時になったら逃げること、自分を、そして友達を救うためにはこれが一番安全
三つ、今すぐにこの町から抜けること
モイラ様が言っていた“終わりの時“がなんなのかは分からなかった
けど、あの場にいた四人は、ほぼその終わりの時を分かっていた
原初の闇は闇が完全に消えない限り消えることはない、だがなぜ葵が消し、今あの時まで現れなかったのか
奴はずっとある計画を立てていた
それは奴が完全体になるための準備、世界を終わらせるための準備
「これから二年後、世界を終わりへと導く。これは決して止めることも出来ない...止めれるのは、きっと奴だけだろうな...まあ、そんなお前達の希望も今ここで消え去ったが」
これから一年の間、私達も進化をすることになった
能力を持っている人はとにかく能力を極め、進化、覚醒を目指す
能力を、持っていない人は、まず能力を発現できるか、持っていない人は能力者の手伝い、個人での成長を目指す
そうして、一年が経った
「霧が掛かってきた...もうそろそろ...か」
「皆さん、聞いて下さい」
美兎さんが皆に呼びかける
「この町の遠くの方に黒い柱が立っていますね。あれが霧の正体だと考えます。この学校の戦力を向かわせたいんですが」
闇が動き始め、私達も準備をする
原初の闇が考えた作戦、そう簡単には破れないはずだ
私だって成長した
錬金術の精度を上げ、奥の手まで用意できた
「...よし」
山を登っていくと、開けたところに出た
「...あった」
闇の柱、あれを壊せばいい
(でも...誰もいない...そんなはず...)
気配も感じない、委員長からは最低でもSランク上位、いや、最低でもSSと言われた
SSに勝てるかと言われれば難しいが...やれるだけやろう
(とりあえず、誰もいないなら早く壊して帰ろう)
そう、近づこうとした時...
「...ぇ」
体の内側が突然冷たくなる感覚、視界を下に向けると、見慣れない黒い刃物が、私の体を貫いていた
「ここ、人間だと痛いらしいね」
聞き慣れた声、だが、おかしい
「お...ま..え...」
背中を蹴られると、結構な距離吹き飛ばされた
(やばい...血が...)
自分で治療の魔法を掛け、刺した犯人を見ると...
「....は...?」
その目に映ったのは、私自身だった