何がどうなって…
「あ〜あ、死ななかったじゃん」
声も、見た目も、全部が自分だった
「やっほ〜。本物のアンジュ」
「だ…れ?」
「まあ…この霧見れば分かるでしょ。この不穏な霧、今は町まで広がって無いから効果は無いけど、ここら辺は霧が濃い。この霧は相手になれる霧なんだ」
「…は…?」
「まあ、他の所にも居ると思うけど、要するに近くにいた人と全く同じの体が生まれる。しかもその人より強い個体で」
「まあ、君たちで言う覚醒とかないし、今の力から進化も、覚醒もないのが欠点だけど…まあ、先に死ぬから関係ないか」
…やばい…体…動かな…
「じゃあね。これからは私が『本物』として生きていくよ…それで、君の体で君の大切な人達を殺してあげる」
「…そんな…こと…」
させる訳ないだろ
「まだ…ある…奥の手…」
「そんなの物ないよ。私が一番君を知ってる。そんな物ないって、一番知ってる」
死ぬ気で立ち上がり、私に目を向ける
「…葵さん。力を」
「…死んだ奴の事をまだ考えてる」
私は目を瞑って、過去を思い出す
「影について知りたい?」
「うん。私も強くなりたいし、影について理解出来たら色々便利だし」
「まあ、良いですけど…強度はどれぐらいで?」
「できるだけ硬く!」
「分かりました」
葵が影の壁を作り出す
「作りましたけど…危険だと思ったら、直ぐに辞めてくださいよ」
「うん…それじゃあ」
私がゆっくりと手を壁に付けると…
「っは…!?」
私の鼻から血が出た
「大丈夫ですか?」
「う…ん」
体が…震える…動かな…
「っ!」
思わず足の力が抜け、へたれこむ
「…辞めますか?」
「…いや」
初めてかもしれない。こんな感情
「もっと理解したい。楽しい」
「…なら、どんどんやってください」
「…ありがと」
私は再び立ち上がり、壁に手を付ける
脳をフル回転させ、道の世界を見ていく
どんどん…深く…深く…深く…
目を開けると、決まった覚悟の目と、底なしのオーラを自分に感じさせる
「…まじか」
「数秒間だけ…影を完全に再現出来る…それで終わらせる」
「…はは!!面白い!」
影ででかい一本の刀を生み出す
「っ!!行け!」
「来い!」
もう一人の私は巨大な火の玉を私に放つ
投げた刀はその火の玉を真っ二つに切る
「っち!」
とっさに避けるが…
「なっ…!」
「っくらえ!」
私は奴の後ろを取り、影のナイフを突き刺そうとするが…
「甘い!」
相手も錬金で作られた武器が心臓に近い位置に突き刺される
「っぐ…」
「このまま…っ!」
その瞬間、地面から先端が鋭い影でもう一人の私の心臓に突き刺す
「っがは…」
「…私の事は…私が…一番知ってる!」
「く…そ…」
そのまま、相手は消滅した
「はぁ…はぁ…っぁ…」
鼻からも、口の中も血の味がする…手足も感覚が…それより…
「…壊す」
私は今ある力を柱に向けて放つと、そのまま壊れ、霧が晴れた
「はぁ…はぁ…」
心拍がはやくなってる…やばいかも…
「後は…まかせ……」
そのまま、私は意識を失った
一応回復魔法も特訓してかけておいたけど…生きてるといいな…