男役ばっかりやってたら「お前、女だったのか!?」とマジの男だと勘違いされてた星野アクアの幼馴染みちゃん   作:SUN'S

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そして、不知火フリルは見ていた。

私は不知火フリル。

 

陽東高校に通っている女優で、今はつかさとアクアの擦れ違って、とにかく面白すぎるハートフルなラブコメをこっそりと観察する事を楽しみにしている普通の女の子だ。

 

「アクアのアホ!」

 

「つかさ、頼むから話を聞いてくれ」

 

ルビー、みなみ、かなちゃん、私は部室棟の端っこで言い争っている二人を盗み見ている。ルビーいわく「お兄ちゃんはいつも間違えてるよ」との事だが。どうやら本当に何かを勘違いし、つかさを怒らせてしまった。

 

……ということなのだろう。

 

「ルビーちゃん、あれどないするん?」

 

「ウ~ン。悩むね。ほんとに」

 

「つかさ、やっちゃいなさい」

 

私達は四人で口論(という名目でいちゃつく)している二人を眺めつつ。まずはアクアのやらかし。どうして、こんなことになったのかを話し合う。まあ、だいたい予想は出来るけど。

 

そもそも二人は付き合っているの?とルビーに聞けば「つかさちゃんはOKなんだろうけど。あのお兄ちゃんだからなあ…」と言いつつ、ジットリとした眼差しをアクアに向けている。

 

ウン。ここだけ湿度高いね。

 

「ルビー、あんた湿気てるわよ?」

 

「あ、ごめん」

 

かなちゃん、ウソでしょ?

 

さっきの湿度高めになってるルビーを簡単に戻せるなんて流石はアイドル女優だわ。…………私もジットリした演技を覚えてみようかな?

 

「頼む。このとおりだ」

 

スッと頭を下げるアクア。そういうことはしなさそうに見えるけど。自分が悪いときはちゃんと謝れるんだ。すごい意外だ。

 

「…………わかった」

 

「ありがとう。それとまずは否定させてくれ。確かに大輝兄さんのところにはいたが、誓って俺はキャバクラに行ったわけじゃないんだ」

 

「でも名刺もらってる」

 

「ただの社交辞令だ」

 

そうアクアは言うも私の後ろに控えて話を聞いていたルビーは「は?お兄ちゃんは社交辞令の名刺を受け取ったりしないじゃん。フーン。ヘーッ。ホーン。そんなウソつくんだあ…」と言っている。かなちゃんもかなちゃんで「なんでなんでなんでなんで」と繰り返し、みなみにドン引きされている。

 

ちなみに私も今の二人は怖い。

 

「「…………」」

 

ピタッと二人は動きを止める。

 

アクアとつかさになにかあったのかと見れば謝罪の段階は土下座に移行していた。いったい、なにがあったの?とみなみに聞けば「お兄さんが『お前の事は女の子だって認識するよ』って言うたんよ」と教えてくれた。

 

なるほど、なるほど、アクアが悪いね。

 

「それはそう」

 

「ほんとにね」

 

「あはは…」

 

こっちもこっちで闇深いのよね。

 

 

 




〈不知火フリル〉

国宝級女優。

わりとマイペースな性格。ただし面白いものに近づくため、なにかとトラブルの現場に遭遇してしまう。そして気がつけば『何でも知ってる不知火さん』というあだ名が付くようになっていた。ちなみに最近のトラブルは「姫川大輝、九度目のストーカー被害にあう」だったりする。


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