ウルトラマンネクサス×ULTRAMAN アナザーストーリー 作:模造品ザギさん
28年前に起きたこと。ノヴァスタの記憶...
その頃、別次元では大規模な争いが勃発していた。
ザギ「もう時間は無い。...ブラックの事は頼んだぞ」
カディートスはダークザギを見て言った。
カディ「ザギ様にもこんな一面があったとはねぇ...
ザギ様のためにも、ブラックちゃんを守るんだぜェ?」
カディートスは真っ先に戦場へと飛び出していった。
すると、空間の一部が歪み、そこからイヴェルザが現れ言った。
イヴェ「...これを」
イヴェルザはブラックの腕輪に何かを入れた。
イヴェ「ブラックちゃんの身を守るための最終手段です。...気を付けて」
イヴェルザは空間の歪みの中へ消えていった。
そして、ダークザギは振り返り、ブラックの姿を見ると何か寂しそうに飛んで行った。
???「ブラック様。ザギ様は死にません。行きましょう」
ブラック「...うん。...わかったよ...ゼロ」
ゼロ。ビースト・ザ・ゼロ。そう呼ばれているのはノヴァスタの過去の姿だ。
ゼロ「空間展開...行きます」
空間が歪み始め、ブラックと手をつなぎその中へ飛び込んだ。
そして、一瞬である星に辿り着いた。
ゼロ「地球...か。下等生物の蔓延るこの星なら何も問題はなさそうだ」
すると、ブラックは何かを指さして言った。
ブラック「この茶色くて緑色のがもさもさってしてるの何?」
ゼロ「おそらく、木でしょう。この星のごく一般的な植物」
ブラック「ふーん」
ゼロ「降り立ったのは山の上…少し暗いが...日はある。
ブラック様。一旦ここに拠点としましょう。しばしお待ちを」
ブラック「うん」
ブラックは近くの草むらまで翔り、そこで走り回った。
その間、空間の歪みから小屋を取り出し柱を地面にめり込ませた。
すると、ポタポタと小雨が降り始めた。
ゼロ「ブラック様、風邪を引いてはなりませんぞ。」
ゼロはブラックの方へ向かうと、ブラックを背負い、小屋の中へ入った。
ブラック「ねーねー、さっき小さいのが跳ねてたけどあれってなんだったんだろ」
ゼロ「おそらく甲殻類の一種でしょう。...ブラック様。」
ブラック「どうしたの?ゼロ?」
ゼロは重い口を開き言った。
ゼロ「...しばらくはこの星で生活します。でも、安心してください。
この俺が、ブラック様を守り切ります。何があっても...守り切ります。」
ブラック「ふーん、ザギ様としばらく会えなくなるってことでしょ?
守ってくれるなら僕は何も心配しないから...大丈夫だよ!ゼロ!」
予想外の軽い答えが返ってきてゼロはクスクスと笑った。
ブラックはゼロが何故笑っているのか分からず、きょとんとした。
ゼロ「それなら、大丈夫そうですね...!」
そして、ブラックはゼロと一緒に小屋の中で遊び始めた。
ボール遊びにじゃれあい。そうしている間に日が暮れ、外は大雨になっていた。
ブラック「外、うるさいね。」
ゼロ「そうですね...食事としましょうか。」
ゼロは小屋の引き出しから餅や汁物,水を取り出した。
ブラックはそれを美味しそうに食べた。その姿をゼロはずっと眺めていた。
すると、ブラックが口に食べ物を入れたまま言った。
ブラック「ゼロは食べないの?」
ゼロ「...っは!そ、そうですね...俺はまた後で食事をしますから。
これもブラック様を守るため。見張っておく必要があるからです。」
ブラック「ここにいるときは大丈夫だと思うんだけど」
ゼロ「もしかすると。という事が起きては取り返しがつきませんのでね...」
ブラック「じゃあ、僕がゼロに頼らなくていいように強くなれば...」
ゼロ「そうかもしれませんね。」
そう話している間に、ブラックは食事を終え、小屋の端にあるベッドに横たわった。
ゼロ「立派になれるといいですね...。おやすみなさい。ブラック様。」
ブラック「うん、おやすみ。ゼロ...」
ゼロは小屋の照明を消し、ブラックが寝付くまでずっと見守った。
...そして、ブラックが寝付くとゼロは小屋を出た。
ゼロ「恐怖...肉...足りぬ...足りぬ...!...駄目だ...
もし俺が肉の味...恐怖の味を...ブラック様を喰らってしまう...!」
ゼロは大粒の雨に打たれながら、外を歩き回り始めた。
雷が鳴り響き、空が青白く光り続けた。
ゼロは突然近くの木に噛みつくと、木を根元から引き抜き、幹を嚙み砕いた。
ゼロ「...はっ」
何とか自我を取り戻し、木を口から離した。
ゼロ「何故だ...何故木なんかを...この匂いはなんだ?」
ゼロは匂いに誘われ、山を下って行った。
その時のゼロの眼は血走り、正気を失っているように見えた。
ゼロは突然動きを止め、意識を正気を取り戻すとそこには...
ゼロ「まさか...」
眼鏡をかけた女性の死体がうつ伏せになっていた。
周りには人影はなく、雨で血は広がり、血の流れた形跡がはっきりとしていた。
ゼロ「...いや、駄目だ...ブラック様を喰っては...駄目だ...!」
しかし、すでに右手が死体の肩に触れていた。
よだれが垂れ、女性の死体を持ち上げようとしたその時だった。
ゼロの頭の中でブラックが泣いている姿が浮かんだ。
そして、ゼロは左手で無理やり右手を引きちぎった。
ゼロ「グオァァァ!!」
腕の断面からは藍色の体液が噴出し、千切られた腕は女性を離さずにそのまま落ちた。
そして、腕は一瞬にして再生した。体液の噴出も止まり、ゼロは坂に座り込んだ。
ゼロ「ハァ...ハァ...ブラック様の為だ...」
ゼロは立ち上がると、死体から離れるように小屋へ走った。
...その翌日の事。
ブラック「...ふわぁあぁぁ...おはようゼロ...あれ...ゼロー?」
ブラックは小さな靴を履いて、小屋から出た。
外は晴れており、日の光が水たまりで反射されて木々が美しく見えた。
その木々の間にゼロは背もたれしていた。
ブラック「...ゼロ!起ーきーろー!」
ゼロ「ブ、ブラック様...今日もお元気で...」
ブラック「今日は暖かいからこの星を探検しようよ!」
ゼロはブラックの顔を見た。
ブラックの表情はキラキラとし、希望で満ち溢れていた。
そして、ゼロは渋々「分かりました。」と言い、ブラックと共に山を下りた。
山下り中の事。
ブラック「あっ!ゼロ!見て!すごく大きなのが倒れてるよ!」
ブラックの指さす方を見てみると、そこにはゼロが昨日切り倒した木があった。
ゼロは肩をビクッとさせ、「ここの獣の仕業でしょう。」と言い、先に進んだ。
ゼロ「おっと...変身しなければ...」
ブラック「ゼロー、なんで変身なんてするの?」
ゼロ「この星の生物は俺の姿に見慣れてないので...でもブラック様は大丈夫ですよ。」
ゼロは歩きながら人間に姿を変えた。
ブラック「ゼロ、いつもと見た目が違うね。」
ゼロ「そんなはず...え?」
ゼロの姿は昨日の死体で発見された女性の姿だった。
ゼロは頭を抑え、座り込んでしまった。
ゼロ「うっ...」
ブラック「...ゼロ、大丈夫?」
ゼロ(なんだ?この痛みは...?記憶か?あの人間の記憶なのか...?)
ゼロの脳内では何者かから逃げている記憶が映し出された。
そして、胸元を刺される記憶も...
ゼロ「ハァ...ハァ...!!!」
ブラック「ねぇ...ねぇ...ゼロってば!」
ゼロ「...もう大丈夫です...心配かけてすいません。ブラック様...」
ブラック「心配させないでよね...」
ブラックは何か悲しそうな表情をしていた。
しばらくブラックの顔を見つめるとゼロは立ち上がり、
何も言わず静かにブラックを背負うと山下りを再開した。
それから数分後、山の麓の街に出た。
ブラック「すごい...ここもこんなにたくさんの文明があるんだね...」
ゼロ「足元はアスファルト...建造物の多くは木材が使われているようですね」
ゼロはブラックを背負ったまま、街の中心部へぐいぐいと進んでいった。
徐々に人々の声や車のエンジン音,機械音が近づいてくる。
そして、2人は繁華街へとたどり着いた。
ブラック「あっちにもこっちにも...僕みたいな生き物がいる!!」
ゼロ「ブラック様と遺伝子上の構造は似ていますからね。それに重力もあなたの母星と同じ...」
ブラックはゼロの背中から飛び降り、人ごみの中へ翔って行った。
ゼロ「元気ですね...ブラック様は...」
遠くの方から足音が近づいてくる...
すると、ゼロの背中を何者かが抱きしめた。
ゼロ「なんだっ...?」
咄嗟に振り向くと、そこには一人の男性が居た。
男性「今までどこ行ってたんだよ...心配したじゃないか...!」
ゼロ「あの...人違いでは...?」
男性は目を大きく開き、ゼロから離れた。
そして、下を向いてどこかへ行ってしまった。
ゼロ(なんだったんだ?...まさか、この姿に原因が?)
ゼロは人ごみの中からブラックを見つけ出すと、
次々とブラックの欲しがっているものを買った。
日が暮れるまでずっと...
夕日が美しく照り輝く頃...
ゼロは大量の荷物を持って人気のない所まで行き、亜空間に放り投げた。
そして、ブラックを背中に背負うと、山の中へと戻って行った。
その後、夜になり、ブラックと共に買ったおもちゃで遊んだりした。
ゼロ「今日はもう寝ましょう。ブラック様。」
ブラック「えーもうー?」
ゼロ「こーら、早く寝ておかなければ大きくなれませんよ。」
ブラック「はぁーい」
ブラックは顔をムスッとさせながらもベッドの上に横たわり、眠りに就いた。
それから1時間後の事...
ゼロは昼間の男性の事が気になり、じっと空を見つめていた。
ゼロ(あの男...会ったことないはずだが...懐かしく感じたぞ...あの女の記憶か?)
ゼロは立ち上がると、亜空間の中へ入り込み、男性の元へ向かった。
ゼロが亜空間から出たその先には、
崖に追い詰められているあの男性と刃物を持った女性が居た。
ゼロ(何が起きている...ヤツは俺に向かってしたことを他の女にもして恨みを...)
すると突然男性が叫んだ。
男性「お前と死ぬくらいなら...ここから落ちて死んでやる!!」
男性は崖に身を投げ捨てた...
女性は手に持っていた刃物を落とし崖下を見つめた。
数秒後、女性は再び刃物を拾い上げると、崖から歩いて離れていった。
ゼロ(...?)
ゼロはその女性が居なくなったことを確認すると、崖を飛び降りた。
ゼロが顔を上げると、肩が大きく外れ、頭から血を流した男性が倒れていた。
ゼロ「何故死を選んだのだ...ヤツは...分からん...分からぬぞ。」
突然、大きな波がゼロを襲った。
その際、流れていた血が大きく巻き上げられ、海水と共にゼロの顔に掛かった。
すると、ゴン!とゼロの後頭部に衝撃が走った。
振り向くと、そこにはあの女性が金づちを持って立っていた。
女性「あなた...どうして生きてるのよ?あの時私が確実に殺したはずよ!?」
ゼロ「...一体何のことを言っているのだ?」
ゼロは人間の姿を解除し、本来の姿を露わにした。
女性「...ア...アナタ...」
女性は金づちをゼロの顔面に投げつけ、どこかへ走り去っていった。
ゼロは男性のじっと見つめた。
ゼロ「まただ...あぁ...喰らってしまう...」
ゼロの左手が外れかけた男性の肩を引きちぎろうとした。
そして、今度はブラックの怒っている姿が脳裏を駆け巡った。
ゼロ「ダメだ...ブラック様のため...!!」
ゼロは今度は自分の左腕を引きちぎり、体液を岩礁に散らしながら立ち去った。
ゼロ「まただ...また喰らいそうに...ブラック様の為。ブラック様の為ェェ...」
左腕の傷が塞がると同時にゼロは亜空間を伝ってブラック様の居る小屋の前へと戻った。
ゼロは扉の前に立ち、ゆっくりと扉を開けた。
そこにはブラックの姿は無かった。
ブラックとノヴァスタ(またの名をゼロ)の過去の物語。
27年前の真実がまもなく明かされる...
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