ウルトラマンネクサス×ULTRAMAN アナザーストーリー   作:模造品ザギさん

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Episode.34 翼 -ウィング-

 

 「これが...俺の過去だ...」

 

 「急にしゃべりだしたかと思ったらそれかよ。

  俺は先に行く。ヤツらの暴れ具合が気になってね...」

 

 イオリはメフィストに変身すると、外へと飛び立った。

 

 「俺には...やらなければいけないことがある...」

 

 

 28年前...

 

 

 「ブラック様...ブラック様...!」

 

 山小屋から姿を消したブラックを探し、山道を翔るゼロ。

 

 「...落ち着け、ブラック様の場所ぐらい見つけ出せる...それくらいの力...」

 

 ゼロは立ち止まり、ブラックの居場所を見つけ出した。

 ブラックは知らない人間と手をつなぎ歩いていた。

 

 「ブラック様...!よくもォォォォ!!」

 

 ゼロの叫びは山中に響き渡るほど大きく、地面を蹴りブラックのもとへ翔って行った。

 

 そのころ、ブラックは...

 

 「…」

 

 暗い顔で手をつなぎながら歩くブラック。

 

 「突然僕が来たから驚くのは仕方ないよね...でも、もう大丈夫。

  街の方に出れば、そのゼロ(?)って言う人も見つかるから!

  たぶん、僕だけじゃ何もできそうにないから、警察の人の所に一旦...」

 

 「お兄さん、悪い人?」

 

 「えっ?...悪い人じゃないよ。ま、悪い人役はやってるけどね。」

 

 「遊んでくれる?」

 

 「別にいいけど、僕も仕事があるし、

  夕方になってもゼロが来なかったら遊んであげてもいいかな。」

 

 「...ほんと?」

 

 その言葉を聞いた途端、ブラックの表情は一気に明るくなった。

 

 「ほんとほんと!」

 

 「やったぁ!」

 

 (遊び足りないんだろうな~...親が多忙なのか...それとも?)

 

 「まだ時間かかりそうだし、この飴を一個あげる。」

 

 「いいの?」

 

 「うん、もちろん。僕がそばに居る間はずっと守ってあげるから。」

 

 「ありがとう!」

 

 その時だった。

 その青年の上半身と下半身が真っ二つになった。

 

 「お兄さ...!」

 

 「一体...何が...起こっ...」

 

 青年はブラックから手を離し、路上に転がり落ちた。

 ブラックは青年に駆け寄り、身体を揺さぶる。

 必死に揺さぶる...しかし、青年は目元からゆっくりと涙を流し絶命した。

 

 「ブラック様...!」

 

 ゼロが近づいていた。

 

 「ゼロ...お兄さんが...お兄さんが...!」

 

 「...!ブラック様、その生物に近づいてはなりません。」

 

 「...え。」

 

 すると、ゼロは青年の亡骸を跡形も無くなるほどぐちゃぐちゃにした。

 ブラックの目の前で。

 

 「怖い思いをさせてすいません。ブラック様。これでもう...」

 

 「嫌い...ゼロなんか大っ嫌い...」

 

 「ブラック様...?」

 

 「ゼロなんか...うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 ブラックは大泣きしながら腕輪をギュッと握った。

 上空に赤黒い雲が生成させる。

 

 「ブラック様!それは...!離してください...」

 

 ゼロはブラックの手を腕輪から引き離そうとするも、

 ブラックの周りに生成された謎の壁に阻まれ近づけない。

 そして、雲の中から二足歩行の巨大怪獣が現れた。

 

 「やってしまった...」

 

 「グルォアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 巨大怪獣は街の中心部に進行を始めた。

 そして、ゼロは巨大怪獣によって踏みつぶされた。

 

 ...

 

 「ブラック様...」

 

 ゼロは目を覚ました時には、街は完全に破壊されていた。

 ゼロは起き上がり、ほぼミンチ状態となった青年の亡骸に自分の腕を与えた。

 

 「これで...ブラック様は...許して下さるのだろうか...」

 

 辺りを見渡しても人影が全くない。ゼロは何もかもが嫌になった。

 瓦礫に背を掛け、残った自分を全て捨てようと...自爆した。

 

 …そのころ、ブラックは瓦礫の下でずっと泣いていた。

 あの時のゼロの姿が全て脳裏に刻まれ、何もできない。

 ただ、涙を流しうずくまるだけ。うっすらと見える怪獣の影。

 

 …ゼロは死にきれず...ノヴァスタとして...再臨した。

 

 「...ブラック様、あの時のゼロはもういません...これでブラック様は...」

 

 ノヴァスタはブラックの居場所を突き止め、移動を始めた。

 目の前に倒れてくる燃える柱を払いのけ、炎上する自動車を投げ飛ばしながら...

 

 …そして今。

 

 「...計画を実行するとしよう。」

 

 ノヴァスタはその場から姿を消し、どこかへ行ってしまった。

 

 その頃...街は大混乱に陥っていた。

 生物のビースト化。それによる人間不信...勝手に人間同士の殺し合いが始まっていた。

 

 「やっぱり、暴れてる暴れてる。やはりこういう種族ほど早く滅んじゃうよな。」

 

 メフィストは折れたメフィストクローを手に、ビースト化した人間や犬を次々と刺し殺した。

 そこから聞こえてくるのは悲鳴と感謝の言葉。嘆き。怒り。哀しみ。

 人間と言う者の感情が空気中に飛び回っていた。

 

 「しかし、久しぶりの大量殺戮だ。今なら殺してもだーれも来ない。殺し放題...」

 

 メフィストがそう言って嘲笑う中、空中を飛び回るビーストと戦うネクサス。

 メフィストは首を搔きながら、『ワン』を取り出すと、それで先ほど殺した者を吸収し、

 巨大なビーストを創り上げた。

 

 「便利なモンだ。」

 

 創り出されたビーストは早速行動を開始し始める。

 その時、突如として現れた光線がビーストを消滅させた。

 

 「何だ!?」

 

 数百メートル先に居たのはビーストキラーだった。

 

 「次こそ決着をつける...!」

 

 ビーストキラーから出されるライの声がメフィストに届く。

 

 「忌々しいガラクタめ...」

 

 メフィストは巨大化すると同時にビーストキラーに襲い掛かった。

 

 「今だ!」

 

 「...!」

 

 ビーストキラーの後ろから飛び出してきたファウストの光線がメフィストの胸部に命中した。

 メフィストは光線によって遠くへと飛ばされた。

 

 「クソがよぉ...」

 

 

 そのころ、上空では...

 

 

 「キィヤァァァァァァァアアア!!」

 

 ノスフェルの手が翼に変形した合成ビーストの叫びが空間を歪ませる。

 すると、その歪みからドゥーファの群が次々と飛び出てくる。

 ネクサスはセービングビュートでドゥーファを焼き払う。

 しかし、それさえ躱してきたドゥーファはネクサスの顔を狙って切り裂いてくる。

 

 「グッ...」

 

 顏に付いたドゥーファを叩き潰している間に合成ビーストは姿を消した。

 そして、周りをうろきょろしていると背後から突然現れ、背中を斬りつけられる。

 次は下から現れ、脚を斬りつけられる。別次元を経由して攻撃を仕掛けてきている。

 ネクサスは息を吐き、下を向く。

 

 「...」

 

 背後から何かが来るのを感じ、振り返る瞬間オーラミラージュで動きを封じた。

 動けなくなったビーストは地上へ急速に落下していった。

 ネクサスは徐々に高度を上げ、上空2000m付近からスピニングクラッシュキック。

 凄まじい勢いで地面に叩きつけられた合成ビーストに当て、ビーストは一瞬で爆散していった。

 ネクサスのエナジーコアが赤く点滅し始める。

 

 「...その程度か。」

 

 振り向くとそこにはノヴァスタがつっ立っていた。

 辺りが鎮まりかえる...

 

 「お前は...何が目的でこの小さな星を守る?

  お前は...何故俺たちに抵抗する?

  お前は...どうしてそこまで残酷なんだ。」

 

 「...全部答えは同じだ。家族と...仲間と生きる為だ!」

 

 「面白い。」

 

 ネクサスはジュネッスブルーへと姿を変化させ、ボードレイフェザ―を何十発も放った。

 しかし、一発どころか全ての攻撃が当たらない。

 

 「...!」

 

 「次は俺の番だ...」

 

 ノヴァスタは腕に炎を纏い、ネクサスの胸部を連打。

 体力がほとんど残っていないネクサスはその攻撃を全て受けてしまう。

 

 「今のお前はもう抵抗すらできまい...」

 

 ノヴァスタはネクサスを拘束し、ネクサスの頭を掴んだ。

 

 「そんなにこの星を守りたいなら...見守らせてやろう。」

 

 ノヴァスタの手からは黒いガスが発生し、ネクサスは頭から徐々に石化していく。

 そして、ネクサスは完全に石となってしまった。

 

 「...ザギ様の復活まであとわずか。」

 

 ノヴァスタは巨大なその姿を消していった。

 

 

 その頃、ファウスト,ビーストキラー,メフィストは...

 

 

 「超電磁...デルタマイトクロー」

 

 ビーストキラーの一撃がメフィストクローを弾き飛ばす。

 丸腰になった瞬間をファウストは逃さなかった。

 メフィストの脚をかっしり両手でつかみ、メフィストクローから離れた場所にぶん投げた。

 

 「2対1とはな...なら、俺も同じように...」

 

 メフィストの胸部から『1』が生え、右手で抜き取ると、エメラル鉱山に向かって投げた。

 すると、『1』はエメラル鉱山に刺さり、『1』が赤黒く光る。

 そして、瞬く間にエメラル鉱山はビーストとなっていた。

 

 「...ドルドレイだ。最強個体であり...最悪個体。極めつけは純度100%だ。」

 

 ドルドレイは4足歩行でビーストキラーに向かって突進してくる。

 しかし、そこまで速くなく余裕をもって横に避けた。

 その時、ドルドレイは立ち上がり口から赤黒い光線を放った。

 ファウストは瞬時にビーストキラーの前でガードを張った。

 

 「グオアァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 雄たけびをあげると、両腕を地面に叩きつけファウストたちの足元に亀裂が走る。

 ビーストキラーは横へ、ファウストは上へ飛び地割れを回避した。

 

 「俺が居なくてももう十分らしい。」

 

 そう言うとメフィストは姿を消した。

 

 「ゴォァォアォォ...!」

 

 ドルドレイの全身が翡翠色に輝き、眼から赤いオーラを放つ。

 

 「あの時とは段違いの強さ...もう放つしかない!」

 

 ライはレバーを最大まで押し上げ、最高火力の超電磁光線を放った。

 ビーストキラーから放たれる強力な光線はドルドレイに命中した。

 しかし、砂埃が落ち着くと無傷のドルドレイが光線を溜めていた。

 

 「...!」

 

 ファウストはドルドレイを後ろに倒そうとするも全然動かない。

 そして、光線は放たれた。

 ビーストキラーは倒れ込み避けることが出来た。

 しかし、外れた光線は10キロも離れた山岳に大穴を開け、大爆発を引き起こした。

 

 「このままじゃ...」

 

 「...私がヤツをフィールド内で一時的に封印する。だから今のうちにソウの手助けを...」

 

 ファウストはフィールドを展開し、ドルドレイごとその場から姿を消した。

 

 「急いで対策を...」

 

 

 その頃、ソウは...

 

 

 「これでもう170体目...くらいか?」

 

 「キュラァァァァ!!」

 

 「まだ居たのかよッ!」

 

 ソウはビーストの首を掻き切った。

 ビーストは弱々しい声でゆっくり倒れた。

 

 「もう慣れてきちまった...ハァハァ...」

 

 「はぁはぁ...たすけてくれ...」

 

 遠くから包丁を持った男性が駆け寄ってきた。

 

 「全然減らねぇ…いったいどういう事だ?」

 

 男性の後を追うように20体ものビーストが押し寄って来た。

 

 「『2』もそろそろ限界っぽいしな...いや、一気に片付けるか!」

 

 ソウはビーストの達の首を次々と掻き切り、20体ものビーストは全滅した。

 すると遠くから人影が見えてきた。

 

 「またビーストか?」

 

 うっすらとその姿が見えてきた。

 

 「あっ!あの時の!」

 

 「...その声はミキトさん!」

 

 「その声はライか!」

 

 遠くから走ってきているのはライだった。

 そして、ライたちは一旦自分たちの基地に戻るためビーストキラーに乗った。

 

 「操作が上手になったな!ライ!」

 

 「それほどでは...ソウさんこそ、大丈夫でしたか?」

 

 「あたりめぇだ!なんなら傷一つついてないぜ!」

 

 「すごい...そういえば、ミキトさんよく生き残れましたね。」

 

 「はい。ちなみに、この事態が起こる前まで海岸の清掃をしてたんですよね。

  その時、大きな爆発音が聞こえて変な雪みたいなのが降ってきて...

  周りのボランティアの仲間たちが次々と怪物になっていって...

  瓦礫の中にあった包丁を咄嗟に拾い上げて、怪物から逃れてきました...」

 

 「心苦しかったよな...絶対...俺が追っかけて来てた怪物化した仲間を殺して...」

 

 「心苦しかったですが...もう自我が失われてたので、衝撃はその時には尽きてました。」

 

 「この出来事は絶対に許されない...残りのビーストを完全に倒さないと...」

 

 そして、LVC基地に帰還した。

 

 「ここがあなた達の基地ですか...結構殺風景ですね。」

 

 「いや、ここまで殺風景だったことはねぇ。」

 

 「...まさか」

 

 ライは研究所に駆けり降り、固く閉ざされた扉をこじ開けた。

 

 「...!」

 

 研究所の中には研究員の死体がゴロゴロ転がっている。

 

 「そんな...」

 

 すると、モニターの電源が入った。

 そこに映っていたのはノヴァスタだ。

 

 「...お前たちの希望はもう失われた。ネクサスも...

  石となり...お前たちの頼りになる研究者一同は皆、

  抹殺した。俺に逆らうからこうなる。お前たちの大切な仲間の1人も...俺の手元に...」

 

 映し出されたのは椅子に拘束されたゴウキだった。

 

 「ゴウキ!!」

 

 「彼を救いたければ...藤見...ヤツのエメテラスターと交換だ。」

 

 映像は終わった。

 

 「あの野郎...どこまで自分勝手なんだよ...」

 

 「記憶倉庫内になら生存者がいるかも...」

 

 ライは生存者の可能性を信じ、記憶倉庫内のカードキーをソウに渡してもらった。

 ミキトは研究所内を物色し始めた。

 そして、研究員の死体が握っているエネルギー銃をゆっくりと取った。

 

 「...変だな」

 

 そう思いつつ、ミキトはソウのそばに戻った。

 

 

 記憶倉庫内...

 

 

 「誰か!生存者は居ませんか!」

 

 しかし返事は一言も帰って来ない。

 倉庫内をくまなく探していると、ア行と書いてある札が視界に入った。

 そして、その分厚い資料を取り出し、自分の苗字『天野』を探した。

 数十ページめくると、自分の苗字のページが見つかり、そこには父親の名前と祖父の名前があった。

 

 「...まさか」

 

 ライは完全に見入ってしまい、生存者の事など忘れていた。

 そして、死因を確認した。

 そこに書いてあったこと。コウキ:『戦死』 ユウ『ビーストによる殺害』

 




 登場ビースト

・マルチュードファイラル ノヴァスタ

 体長 10㎝~58m

 体重 0㎏~測定不能

・フィンディッシュタイプビースト リガロエル

 体長 62m

 体重 6万9000t

☆説明
 ノスフェルの手のような翼、マガロドゥのような不気味な眼,
 そして、リヴィのような美しい腕...
 人間の形跡の残った合成ビースト。
 爪に毒を有し、鳴き声には空間を歪めるほどの音が含まれている。

・ジェムズタイプビースト ドルドレイ ピュア―

 体長 67m
 
 体重 140万5000t

☆説明
 『1』そのものと融合して誕生した最悪のビースト。
 全身が純度100%のエメラル鉱石で出来ており、
 全身のエネルギーを使って放つ光線の威力はアークベリアルに並ぶほど。
 さらに、通常個体と違い下半身も丈夫なため、二足歩行が可能。 
 足の速さ以外なら最強と言っても過言ではない。

・その他ビースト

 平均体長 1.54m

 平均体重 79kg

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