物理攻撃でひん曲げるブルーアーカイブ(仮) 作:かんばさだー
アビドス。
砂嵐によって借金が莫大になっている全校生徒5人の学校。
“ナツメはどの程度知ってる? これから起こることについては共通で知っておかなければね”
「あー、えっとー、」
期待しているところ、本当にすまない。
「私、何にも知りません…」
“……“
あからさまに先生は口を閉ざす。それはどういう意味だと顔に張り付けていた。
「私が思い出せる範囲は、デジャブといいますか。既視感ある光景に立つことでようやく思い出せるんです」
あの戦場の時がそう。ここがブルーアーカイブの世界と知れたのもその既視感から。確かに少しは知識がある。現にアビドス校についてツラツラと出てきた。ただ深いところまでの記憶はない。これから何が起こりあるのかも分からない。
“弱ったな…。情報共有ができない…だがナツメがいることにより展開が変わる可能性もある…事前に知れてしまう情報や展開は危ないか? …それ以前に私の知ることが起こらない可能性も……”
ブツブツと顎に手を当てて考える人になってしまった。
そこから少し経って。先生の出した結論はこう。
“下手な情報共有は危険だ。これから起こることは分からないことが多い。ナツメは報連相を大ッ切にすること。私は確実性のある情報を君に流す”
なるほど。普通は外からの異物が一つのところ二つになっている。先生は自分の知る情報で出来うる限り対策を練るんだろう。
…もしかして私あまり頭を使わなくていい?
“外から来た以前に今ナツメは生徒だから。学校生活を楽しんでね”
……おう。楽しませてもらおう。それはもう存分に。
ところで私はどこが家なんだろうか。先輩四人は解散したようだし、というか自分の今の格好すら俺は確認してなくないか?
“シャーレの空き部屋を君の部屋としよう。疲れただろうから今日はもう自由にしていいよ”
シャーレに住むのか……なんだか住み込みの高校生って危なくない? まあいいけども。
早速、空き部屋に行った。
ちょっと広い気もするけど、こじんまりとしていて良いと思う。というかもうベットとか必要最低限のものが揃ってる。知ってましたよと言わんばかりの備え。もはやあの先生とアロナって妖怪の類だろう。
脱衣所には鏡があった。
…これはこれは。
外に小さく跳ねているのが特徴的な緑色と黄緑まじりのショートにちょっと細めのライトグリーンの瞳の整った顔立ちは、俺の壊滅している美的センスでもわかる文句なしの美人さん。少し下に目を落とせばよく言えばスレンダー、悪く言えばぺったんこな胸。そして何より目を引くのは、自分の頭上。
白色の球体が八個、円形に並んでいるヘイロー。
なんだかチェスのポーンを連想させる。
それより、やっぱり何もない胸。虚乳である。
……。
まあいいか。
疲れた身体をベットにぶん投げた。ふかふかだ。
今日はいろんな事があった。夢から覚めれば戦場へ。
あの戦場で。砲弾を弾ける確信があった。体も勝手に動いた。弾くまでの動きが何度も繰り返した慣れた動作のように出来た。
でも、手は怪我をしている。
この原因は直感が訴えている。
筋肉である。この細い体では弾くに足りる筋力がなかったんだ! つまり私のやるべきことは、この自由時間は!
トレーニング!!!!!
⬛︎
「編入生?」
「うへー、そうだよー」
と間延びした返事がされる。声の主人は小鳥遊ホシノ。対策委員会にはすでに編入生の書類はすでにアビドスに届いていた。
机に広げられた書類をペラペラとめくる。
「…ん、これ編入元がシャーレだ」
「え!? シャーレからアビドスに編入してくるって事!?」
「うーん、これはシャーレに手紙が伝わったと思って良いんでしょうか」
「どちらにせよ、今日もやることは変わらないけどねー」
「新しく増える可愛い後輩のためにパーティの準備でもしますか〜☆」
にぎやかな話はひと段落と言わんばかりにガシャコンと銃を構える。
索敵装置がピピっと音を鳴らした。
「今日もしっかりと掃除しないとね」
⬛︎
武器?
トレーニングが一段落した後。先生から呼び出しがあった。
“そう。もっていないようだしね。持っていた方が得もある。それに私を守ってもらうことだってあるだろうからね”
「でも使える武器なんてないんですけど」
そこで来たのは、シャーレに付属している射撃演習場。
色々な武器が置いてある。
“大雑把な種類わけだけど、何かしっかりとしたものを選ぶと良いよ”
…大雑把と言われてもね。
やっぱここはロマンの代表格のスナイパーライフル? 凸スナは強い人はとことん強いと聞いたゾ。ハンドガンは単発高火力に期待する感じかな。あ、でも単発最強出会い頭最強はやっぱりショットガン。んー、でも扱いがしやすいマシンガンの方も捨てがたいような。
“…決まるまで付き合うよ”
長くなる事が知ってか知らずか。先生は付き合うことにした。
スナイパーライフル。
反動は耐えるが狙いが定まらない。プラスもし長距離からの狙撃になったときの計算もできないので却下
ハンドガン
腰回りから咄嗟に引き抜けるが、ハンドガンを咄嗟に抜くような事態では拳が先に出るので却下
マシンガン
離れた対象に全然当たらず。却下
もしかして、俺は銃の才がないのか。狙いが悪すぎねぇ? キリノでも……同じくらいか。
凡人だったのだから銃を扱えないのは当然だと思うが、ゲームで蓄積されているイメトレとプライドが何も使えませんでしたという結果を拒んでいる。何か一つは使えないと……。
と、これは?
ショットガン…バレルが縦に2本…。
ダブルバレルショットガン。上下二連式。
近接の相手に対する仕様だがシンプルな構造ゆえにバカみたいな使い方をしても壊れにくそうだ。
けど……俺遠距離攻撃ができる手段なくない? 中距離攻撃もできなくない? あれ。もしかして俺クソ雑魚? いや。なら体力でカバーだな。うん。つまり筋肉。
“ダブルバレルショットガン?”
「うん。どうやらこいつが良さそう。ピーンと来たってやつ、だぜッ」
クルリと回転しある程度離れた対象に向ける。さあ、お前の罪を数えろ…ッ!
豪快な音を鳴らし散弾が激発する。
“ズレてるね”
「……」
散弾は対象の左側を吹き飛ばしただけだった。胴体を狙ったはずなんだがな……。こんなに近いのにズレがでかい…。
まあいいか。
“決まったのなら、準備しておいてね。ナツメは私より数日はやくアビドスに向かうことになるから”
はいはいと返事をしてまた構える。こういうのは練習でどうにかなるだろう。どうにかなれ。どうかしろ。
色々な銃火器の反動により肩が痛みを発し始めている。
射撃演習場には豪快な音が響き続けた。
早速前回の次回予告を裏切りました。
ブルアカのキャラクターのショットガン見たけど、ダブルバレルを使うキャラクターいないんですよね。当たり前ですね。2発撃ったらリロード必須なんだし。ちょっとだけピーキーなキャラになってわたしゃ嬉しいよ。
そいじゃ次回
編入生、水村ナツメです。