物理攻撃でひん曲げるブルーアーカイブ(仮)   作:かんばさだー

4 / 5
編入生、水村ナツメです。

 

パンッ パンッ

 

クラッカーの音が心地よく響く。現在行われているこの催しはそう。

 

「入学&入会おめでと〜」

 

アビドス校への編入、対策委員会への入会を記念してのいわば歓迎会である。長机の中心には小さなケーキとちょっとしたお菓子が並んでいた。

 

「用意したものに文句つけないでよね!」

「セリカちゃん、まだ何も言われてなかったのに…」

 

やはりか。みんなの懐事情がここに現れてるのね…。

でもきっとこの小さなケーキやらを用意するのも大変だろうに。

 

「にしてもシャーレから編入なんて。やっぱり先生が一枚噛んでるの?」

「あーそうスね。もろもろの問題解決は先生が到着してからで、私は地元の暴力団殲滅と到着した先生のサポート? が役割らしくて」

 

そっか〜、ちょっとだけ残念そうな返事が帰ってきた。え、選択肢ミスった? 先生がなんの打ち合わせをしないのが悪いんだぞ。とっさにそれっぽいこと言った私を褒めろ。

話を聞いていたシロコがつまり、と言葉をつむぎ話し出す。

 

「…ナツメは問題が解決しようとしまいといつか帰っちゃうんだね」

 

……。

苦しい。苦しいよシロコ! 俺どんな顔すればいいの! たしかにね、切磋琢磨する仲間が一定期間限定ってのは悲しいかもだけどさ、絶対あんのカイザーとか言うやつから開放させますよ。それはもうバッチリに。

空気が苦しい。アヤネにアイコンタクトでパスを出す。この空気頼むぞ…。

アヤネはなにか思いついたように手を合わせる。

 

「と、ところでナツメさんはアビドスについて気になることととか、わからないこととかありますか?」

「うへ〜、いつの間にアヤネちゃんとアイコンタクトできるように…。仲良くておじさんはうれしーよ〜」

「疑問については大方問題なしっだぜ」

 

グッドサインで答える。予習はかんぺき〜。シャーレのデータベースから情報は先に閲覧しておいた。

そして唐突にビビ、ビビ、異変があることを伝える作動音。

 

「敵襲〜、ですねー☆」

 

リトルマシンガンを持ち上げ機械を確認しに近づいた。

あら、と驚きの声を上げる。

 

「…中隊規模の軍団が接近中です」

「ん、相手も大詰めって感じだね」

 

機械を覗き込む二人にセリカとアヤネも参戦する。機械方面の使用に音痴なので大人しくケーキを食べることにした。

 

「ナツメちゃんは結構強いの?」

「どうでしょう…銃を握ったのも一日二日前ですし」

「いまので一気におじさん不安になっちゃったよ〜」

「でもまあ」

 

ケーキの最後のひとくちを頬張る。美味しかった。多分お高いやつだ。

 

「任せといてください。初陣補正があるからね!」

「…おじさんもっと不安になってきちゃったよ〜」

 

本当に任せてほしい。練習により脳内イメトレは完璧なんだ。あとはそれを外に出すだけ。アウトプットがうまく行けば最強だ。

機械を見ていたアヤネが振り返り呼びかける。

 

「あと十分ほどで中隊が校門前に到着です! 先手を仕掛けます。三分で準備、校門前に集合です!」

 

理解したの意を示す返事が出る。こういうところ個性があっていいよね。

 

▶少女準備中〜

 

エンジンを鳴らしながら無骨な車両が門前に到着する。中隊規模らしく、その車の後ろに何台かついてきている。校門に誰ひとりいないのでのんきに校内侵入のための準備を始めだした。

そのときアタッカーの我々、草木に潜り込んでいた。アヤネの作戦はこうだ。飛びつけ! 奇襲大作戦 だ。まあただたんに奇襲である。先生が来てない今、銃弾や物資が枯渇し無駄撃ちできないのが理由だとか。全員の残弾が半分以下になったら校内に逃げ込み迎え撃つ作戦らしい。そうならないようにしないとね。

 

『ザザ 聞こえますか? そろそろ仕掛けます。改めて作戦の確認を。ホシノ先輩とナツメさんで敵中央で撹乱、他皆さんで追い込み撤退を選択させます』

『はい質問! 撤退させる必要はあるの?』

『はい。セリカさん。こちらの物資が不安ですし、長期戦となればこちらが不利です』

 

なるほどね。この戦い相手が冷静に対処したらゲームオーバー。そんな状況でヘルメット共の追い込み漁をするわけね。

 

『じゃあやろうか』

 

ホシノの一言で火蓋は切られた。

草陰から飛び出し中央まで走り込む。準備中で気が抜けていたのか相手の対応もモタついている。ホシノは遠慮なくズカンズカンと散弾をばらまいていた。負けてられないと構え、撃つ。地面を削った。撃つ。後方にとんで消えた。リロードしなきゃ。

 

「…ほんとに初心者なの?」

 

……。

お前まじかよと目で訴えかけてくる。い、いたい! いまは銃に撃たれるよりホシノの目線が痛い!

 

「あで、あだ!」

「止まってたら格好の的だよ」

 

ヘルメット共に滅多打ちにされるナツメをかばいながら敵をなぎ倒していく。

クソ、やってやるさ俺だって。全然当たらないヘボい俺でもやってやるさ。こんな時のためにプランBを考えてきた!

それは~―――。

 

 

ほんとに銃が使えないのかな。そんな娘がシャーレから送られるなんて厄介払いを押し付けたようにしか思えないんだけど。

あ、また変なことしようとしてる?

つかえないのなら面倒だから後ろに…。

 

ヤケクソ気味ではなく、自信があるようにナツメは敵に向かい走り出す。

ただ向かってくる変な相手にヘルメットは一瞬動きが止まった。そこにナツメは構える。

 

その瞬間。

 

撃発。

ゼロ距離ショットガン。

 

やっと敵を一体撃沈させ喜んでいるナツメを遠くに、関心よりも先にホシノは痛みが来た。 

い、いたそ〜。あんな近くで撃たれちゃったら青くなっちゃうよ〜。

 

だがナツメの武器はダブルバレルショットガン。2発打てば再装填必須、そのリロードにより生まれる隙をどうするか。敵もそのことを理解し飛び掛かる。今回は流石にちょっとはかばってあげようとホシノが近づこうとして

 

「プランCだぜッ」

 

そうつぶやき、リロード用の開閉部をパキンと開く。

ここからがバレルショットガンの一つの特徴だが、リロードをする際、開閉と同時に内側に装填されている薬莢は自動で飛び出る、排莢の1種だ。

そのとき飛び出した空薬莢こそプランCの主役ッ!

 

飛び出した薬莢が地面に付く前に新しい弾丸を装填ッ そんでもって落下中の空薬莢にショットガンをバットの要領で握り。

打つッッッ!!!

打たれた空薬莢はホシノの背後の敵にあたった。ヘルメット越しに一撃ノックダウン。

やっていることは野球。だが弾丸一発で二発分の働きを得られる。つまりエコ(バカ)である。

 

短い間でこんな創意工夫を…。

これは…ちょっと期待できるかも。

 

「あ、やばい銃身まがった」

 

前言撤回

 




アタッカー
ホシノ・シロコ・ノノミ・セリカ +ナツメ
サポーター
アヤネ

…なんにも問題ないなうん。ゲーム的には問題大有りだけどこれはルール無用の戦場だし。
あここで一つ豆知識。
大隊300から1000
中隊60から250
小隊30から60
何人かのイメージついてなかったので書いてて驚きました。
あとショットガンの排莢がイメージつかない人はYoutubeで調べてみてね。

そんじゃ次回
砂漠で一人遭難しかけたんだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。