名前のない怪物   作:ハッピーエンドの話をしよう

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気まぐれで書きました。見切り発車です。


準一級術師殺人事件

この世界は、素晴らしい色とりどりのカラーに道溢れている。それは例えば、澄み渡るような青空の青。大自然に満ち溢れた緑。朝と昼の役割を担う赤。他にも、色というものは、この世界の至るところに存在している。そんな素晴らしい世界を見れるこの目を、この世界を!私は愛している。故に、この世界に邪魔をする色は、あってはならない。よってそんなあしき存在は、即刻排除されるべき最優先事項、だ。

 

「何人足りとて、この世界を汚す事は許されてはならんのだよ。」

 

私の目の前に、怯え、土下座をし、許しをこう下世話な人間。この世界で言う『呪術師』に対して、私はなんの躊躇もなく、ただそれが当然の報い、行いであると考え、実行する。呪術界の極致。極僅かな者にしか出来ない、呪術の最高峰。

 

 

 

 

 

『領域展開』

 

 

「――さぁ、貴様を。この世界にあった色に染め上げてやろう。」

 

世界は、色とりどりのパステルカラーに塗り替えられた。

 

――――

 

『昨夜未明、東京の世田谷区にあります廃ビルにて、身元不明の遺体が発見されました。警察によりますと、廃ビルにて発見されましたこの遺体は、―――』

 

――――

 

呪術高専東京校。学長室とされているその一室には、ある二人の人物がいた。一人はこの学校の校長であり、呪骸のスペシャリストともされ、その見た目は元プロレスラー蝶野を彷彿とされるほどに鍛え上げられた筋肉を備えた男。名を夜娥正道と呼ばれる男と、もう一人は、白髪長身の眼帯を着けた男。呪術界において『最強』の名を関する人物であり、呪術界の重鎮である御三家。そのうちの1つの『五条家』の当主であり、日本で三人しかいないとされる『特級術師』である人物。名を五条悟と呼ばれるその男は、今朝流れたニュース番組の録画を見ていた。

 

「お前には今から、先程ニュースにもなったこの事件の調査をしてもらう」

 

夜娥はそう言いながら、再度同じシーンまで巻き戻し、再生する。

 

「へー、‥で、事件の詳細は?」

「基本的な情報はニュースの通りだ。‥ただし、今回身元不明の遺体として発見された人物は、折本公平24歳。準一級術師だ。」

「準一級術師、ねぇ‥。それ、任務に失敗して呪霊に殺されたとか、そういう線はないの?」

「勿論その可能性も考えられたが、硝子による検死によって、折本は呪霊ではなく、人間の手によって殺害された物だと断定された。‥もっとも、遺体の状態が余りにも損傷が大きすぎて、アレは検死する所なぞあってないようなものだったがな。」

「硝子の検死の事も気になるけど、僕的には、それ以上に遺体の状態が気になるな‥」

「お前がそういうだろうと思って、俺の方で既に用意している」

 

夜娥は懐から1つ茶封筒を取り出すと、それを五条に手渡した。茶封筒は、それなりに物が入っている様で、夜娥からそれを受けとった途端、五条は「重ッ!」と、呟きつつ、自身の近くにあった机に置くと、漸く茶封筒の中身を取り出した。

 

「えーっと、何々。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!?‥え?いや、マジ?」

 

「あぁ、その紙に書いてある通りだ」

 

紙に書かれていた内容。それは、遺体には血液が一切存在さておらず、また遺体発見時、遺体はまるで雑巾を絞るかの如く、ねじ曲がっていたという。此処まででも相当遺体の状態は酷くグロテスクなものであったが、それだけではなかった。

その遺体には無かったのだ。脳みそが、舌が、内蔵が、‥彼のなかにあったありとあらゆる物、そのすべてが無かったのだ。

 

「折本は準一級術師の中でも、相当な手練れで、あの冥冥によって一級術師への推薦が決まっていた。そんな中での、この事件だ」

 

夜娥の話を聞き、五条は事件に対する思考を深める。

準一級術師が遺体として発見されたというのなら、俄然不思議な事ではないのでまだ分かる。そういうことは、ザラにあるからだ。しかし、準一級術師が、人の手によって此処まででも凄惨に殺される等、到底あり得ない。それも、あの冥さんに一級術師に推薦されるほどの人物であったのだ。その事も含めて考えてみれば、俄然こんな状態で殺されるのはあり得ない。と、五条は結論づけた。

 

(‥これは、本格的に調べた方が良さそうだ。その為に、まずは――)

 

夜娥に渡された全ての紙に目を通し、その内容を把握した五条は夜娥に紙を全て押し付けるようにして渡すと、どこかふざけた様子で部屋を後にした。

 

 

「五条なら大丈夫だと思うが、‥嫌な予感がするな」

 

夜娥は、先程五条に返された紙を見直しながら、そう呟いた。

 

――――

 

学長室を後にした五条が訪れた場所。そこは今朝ニュースにもなっていた事件の舞台である廃ビルであった。廃ビルの入り口とおぼしき場所には規制線が張られており、 また入り口前には二人の警察が立っていた。事件から少ししか経ってないというのもあり、入り口付近の警察以外にも、ちらほらと事件現場周辺を調べる警察の姿がちらほらと見えた。

 

(ま、どうせあの人いるし、僕には関係ないか。)

 

警察の事を一切気にせず、事件現場の入り口へと何の躊躇もなく近づく五条。当然、それを入り口にいた警察は無関係な一般人(と、警察は考えている五条を)止めようと立ち塞がろうとして、

 

「何してんだお前らぁ!!」

 

突如として耳に入った声を聞き、動きを止めた。その声の持ち主はどうやら建物の中にいるようで、此方へ向かっている事が、足音が近づいてきている事からも直ぐに分かる。そうして、数秒経った時、声の持ち主。元準2級術師であり、現在警察一課の課長を勤めている男。篠山烈(しのやま れつ)が現れた。

 

「ウチの部下が無礼を働き、申し訳ありません。これは一重に、俺の教育が行き届いて居なかったばかりに起きた出来事!ここはどうか、俺の首だけd「いやいや、そんな頭下げなくても、別に僕怒ってないし、気にしてないから」‥そ、そうですか。な、なら良かった。」

 

ふぅ、と一息ついた篠山であったが、彼の部下達は、自身の上司の対応に驚いていた。それも無理は無いだろう。何せ、五条は御三家の当主の1人と特級術師という肩書きを持ってはいるが、それは呪術の世界に限った話である。故に、そういう世界に片足突っ込んでない人たちからすると、五条達呪術師とは一般人と何ら変わりない。決して、彼らの行動は間違っていなかったのだ。

だからこそ、そんな一般人である目の前の人物に対して、敬意を払った篠山の姿に、驚いていたのだ。

そんな彼の部下は未だに驚きを隠せず、今尚それが続いているが、そんな事を気にせず、篠山は五条と話をしながら現場へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥漸く、彼が来てくれたか。」

 

そこはどことも分からない真っ白な空間。その中に置かれている机と椅子、違和感だらけなそこに、ソレはいた。真っ白な髪、膝辺りまであるフード付きのマント身につけ、メガネをかけた少年。彼は目深にフードを被っており、よく顔は見れない。そんな彼は所謂アルビノと呼ばれる者達と同じレベルに肌が白く、一見すれば彼が病弱であるようにも見える。

椅子に座り、ホットミルクを飲んでいた彼は、ホットミルクを一気飲みすると、椅子から立ちあがり、トコトコと、歩き出した。

 

「"彼等"を止めるには、もう五条悟しかいない。」

 

 

「もう僕では、どうすることも出来ない。」

 

 

「僕は、"彼等"を倒す為に、力を貸すよ

 

 

 

 

 

 

 

――彼等の"持ち主"だった、者として」

 

 

 

これはまだ、これから起こりうる呪術界を震撼させる事変のきっかけに過ぎない。今より語られるのは、そのまだほんの序盤。決して誰にも語られる事のない彼とそれに纏わる者の、お話である。




折本公平24歳。男性
準一級術師
術式『篭目篭目(かごめかごめ』
効果:術式対象者を一人に絞る事で、絶対な効果を発揮する術式。術式対象に選択した一人の背後へ回る事ができる。という必中効果を持っている。また、術式を発動するには「かごめかごめ」を歌わないといけず、その間だけ相手の背後へ回れるという必中効果が発生する。
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