聖剣と死神が歌と出会うとき 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
皆さんはどのようなクリスマスを送っているでしょうか?
私はいつものようにぼっちで執筆作業です
今年最後の投稿になります
今年一年ありがとうございました
来年も宜しくお願いします
「……うぅ………久々にガレちゃんとの記憶を夢で見たな」
高級感漂う寝室で水色髪の少年が目を覚ました
「俺としたら四十年前、世界からしたら数百年前の出来事なんだが……未だにはっきりと思い出せる…〝これ〟の所為か?それとも、〝呪い〟の所為か?」
少年は胸に手を置きながらそう言うと胸の中心が淡く光る
「兄上、起きているな?」
その直後に部屋のドアがノックされ、銀髪で紫十字の髪飾りの少女が部屋に入ってきた
「おはよう、ディア。今日の当番はお前だったか?」
「レヴィの奴が起きてこなかったのでな。我が仕方なく来てやったまでよ」
〝ああ、なるほどいつものか〟と少年は頷くとディアと呼ばれた少女は〝うむ、いつも通りだ〟と返した
「俺も直ぐに行くからリビングで待っててくれ」
「早くするんだぞ?ご飯が冷めるとシュテルの奴が怒るのでな」
「わかってるよ、ディア」
ディアはそう言うと部屋を出て行った
少年はドアが閉まって直ぐにクローゼットを開けて私服に着替え、銀色の小さな十字架と小刀のネックレスを首にかけ、金色の剣十字が施された本を手に持ち部屋を出た
「おはよう、みんな」
「も~ソウはお寝坊さんだべし!?」
「レヴィ、貴様も先程起きてきたばっかりだろ?それに、今日、ソウを起こすのはお前の役目だったはずだが?何度目だ?」
「もうクロハネそれだけ言わないでよ~」
「おはようございます、兄さん」
リビングに付いた少年はリビングに既にいた5人に挨拶を交わす
レヴィと呼ばれた水色ツインテールの少女は6人の中で1番背が高い女性に頭を捕まれていた
「ユーリもおはよう」
「うん、おはようお兄様」
ソウは自分の席に座ると正面の金髪ロングで金目、おっとりした雰囲気の少女、ユーリに声をかけるとユーリも挨拶を返した
「4人とも学校への準備は大丈夫か?特にレヴィ」
「ソウはボクをなんだと思ってるのさ!シュテルンのおかげで準備万端さ!!」
「それ、ドヤ顔で言うことじゃないだろう……」
「仕方ありませんよ、レヴィの知識パラメーターはマイナスですから…いつものコーヒーです」
「ありがとう、シュテル」
レヴィに呆れてしまうソウにコーヒーを持ってくるシュテル
シュテルが持ってきたコーヒーを一口飲むソウ
「いつも通り美味しいよ」
「兄さんがブレンドしたコーヒーだからですよ」
平和そうに食卓を囲む6人、6人がこのように食卓を囲めるまでにはいろいろとあったのだった
2年前
「(今人気のツヴァイウィングのライブか)」
その日は快晴、〝ソウ〟として意識が覚醒したのは今さっきであったが、手にはライブのチケットとペンライト、そして意識が覚醒する前の記憶…
「(〝夜天の書〟は……覚醒してないのか持ってきてないな。〝ソードハート〟もないか…〝夜天の書〟が覚醒してない証拠だな。リンカーコアはあるし、魔術回路は開けられる。杖は無いから簡単な魔法しか使えないがなんとかなるだろう)ッ……気のせいか?」
ライブ会場の列に並びながら自身の能力と現状の手札を確認していくソウであるが、列の横を黒服数人が通り過ぎたときに一瞬見覚えのある顔が見えた気がした
【ワーー!!!】
「「~♪」」
ライブが始まる時刻になり、ステージに青色髪の少女と赤みかかったオレンジ髪の少女がライブ衣装に身を包み姿を現し歌い出す
ツヴァイウィングの2人が姿を現した時に会場が揺れたかに錯覚するほどな歓声が溢れ、初ライブで耐性が無いソウは身構えてしまう
「(これが生ライブの歓声!?なんて爆音なんだ!?)」
普段静かな場所を好むソウだったが、適応力は昔から高いために直ぐに慣れて初生ライブを楽しむのであった
「(なかなかどうして、こうも心を動かされるのだろうか……それにしても水色髪の……確か風鳴翼だったか?フェイトに声が似ているな……気のせいか?)」
昔の仲間の一人に声が似ている気がしたソウだったが、気のせいだと片付けてしまった
そして、一曲目が終わり二曲目に入ろうとしたその時…会場中央で爆発が起こった
「(これは…ノイズが……来る!)」
ソウは長年の感もあり爆発後からノイズが出てくると感じとるとその通りに人型、異形のノイズがわんさか現れ、人間を襲いだした
「(今の俺にノイズが倒せるかは正直わからないが……見殺しにはできないから…)」
観客が逃げ惑うなか、ソウは惨劇を見て決意を固め動き出そうとしたそのとき…
「
歌が聞こえてきた
「(なんだ、あれは?この世界のデバイス的な物か…?そして、何故歌っている?!)」
先程、ライブで歌っていた二人がノイズと戦闘を始め、初めての武具と歌いながら戦う姿にソウは困惑していた
「(ノイズはあの二人にできるだけ任せるとして……逃げ遅れた生き残りを助けるか……どこかに……!!??)」
ソウは逃げ遅れを捜そうとしたとき、出入り口に怯えうずくまってる少女を見つける
直ぐ側には灰になっていない人型のノイズがいて、ソウは直ぐさま駆けだした
「カンザシイイィィィィィィィィィィィ!!!!!」
「え?!」
ソウはうずくまってる少女……水色髪の少女の名前を叫んだ
少女の見た目はソウの妹だった〝更識簪〟に瓜二つだったのだ
「簪に手を出そうとしたことを後悔して死ね!ショートバスタアァァァァァ!!!!」
激昂したソウはデバイス無しでも使用できる〝ショートバスター〟を全力で放ち、ノイズを消し炭にする
「(あっ……やっちまった!!この世界の簪は俺のこと知るわけ無いのに名前を叫んじまった!!)」
ノイズを消し炭にし後ろを振り向くと恐怖で顔を歪めていた
「き、君は逃げろ!!会場外まで逃げれば大丈夫だから、良いな!!」
「は、はい……」
ソウは簪に大声でそう言うと簪とよく似た少女は怯えながらも会場外に走り出した
「(ごめん、簪似の子……)後は……あの子か!」
会場が一部崩れ、逃げ遅れていた少女はノイズが一番多く、戦場になってた一番下に落ちてしまう
「おい死ぬな!!」
ソウは会場を走り、時には瓦礫を飛び越え、会場の一番下に向かう途中、逃げ遅れた少女をオレンジ髪の少女がノイズの攻撃から守る中、装備が破損し破片が逃げ遅れた少女の胸元を直撃してしまう
「生きるのを諦めないでくれ!!」
「生きるのを諦めるな…か」
オレンジ髪の少女の言葉にソウは脚を止めてしまう
「生きるのを諦めるな」、ソウは何十年も前に難病と戦っていた姉妹のことを思い出していた…自分の最愛でもあった姉妹の妹のことを
「デバイスか魔導書があれば…ッ!!」
ソウの呟きは静かに消えていった
だが、ソウは逃げることも見てるだけも出来ず、駆け下りノイズの前に立つ
「何やってんだ!?直ぐに逃げろ!」
「俺の名はソウ・
オレンジ髪の少女がソウに怒鳴るがソウは気にも止めず高らかに名乗りを上げた
ノイズには感情は勿論無いがソウの放つ圧にほんの数秒足を止め、散らばっていたノイズがソウ目掛けて進行してきた、このままではソウの後ろの二人も巻き込まれてしまうだろう
≪ソウ、貴方はいつも無茶してますね≫
女性の声が聞こえ、時が止まった
「そんな…どうして?」
ソウの前には光り輝く両刃のロングソードが浮かんでおり、ソウはあるはずの無いその剣が目の前にあることに戸惑いを隠せなかったが、それ以上にその剣から女性の声が聞こえたことにソウは涙する
≪私にもわかりません。ベディヴィエールに聖剣の返還させたはずですが…この私も聖剣に宿った残留思念です。この会話が最後でしょう≫
「そう、ですか…」
≪貴殿には碌な報償を与えた記憶が無かったので、この期に貴殿に……ソウに報償を与えようかと…なぜ、この聖剣…〝
ソウの目の前に浮かんでいたのは伝説の聖剣にして神造兵装〝
≪〝席次無円卓〟ソウ。あまり早くこちらに来ないことを王として厳命しておきます≫
「厳命、お受けしますアーサー王。この力は民のため、仲間のため、そして友のために振るわせていただきます。アーサー王、最後の御言葉ありがとうございます」
≪ソウ、あなたには沢山助けてもらいました。……ありがとう≫
最後の会話を交わすと聖剣と鞘はソウの胸から体内に入り込み、ソウと同化した
時間が戻り、世界の色が取り戻される。ノイズは足を止めており後ろのオレンジ髪の少女も何が起こったかわからずにいた
「聖剣……抜剣…」
ソウが呟くと胸元から柄が伸び、ソウは右手で引き抜く
刀身は両刃のロングソード、光り輝く剣の名は伝説の聖剣〝
そして、聖剣を抜いたソウにも変化が訪れ、青いドレスに白銀の甲冑を纏い、見目麗しい金髪翠眼、そして少女の姿になっていた
「それはエクスカリバー!?おいお前!」
「煩い。お前はその子を守っていろ。青いの…風鳴翼だったか?今すぐにそこを離れ、俺の後ろにこい!巻き込むぞ!」
「わ、わかった!」
後ろのオレンジ髪の少女がソウに何か言おうとするがソウは一言いい、未だノイズの群れのなかにいた青い武具に刀を持つ風鳴翼に叫ぶと、風鳴翼はソウに怯えていたが言われた通りにその場から離脱しソウの後ろ、オレンジ髪の少女の隣まで移動した
「宝具展開……エクス……カリバァァッ!!」
聖剣を両手で振りかぶり振り下ろす、簡単な一連の流れだったがソウの持つ剣はそこらの剣では無く神造兵装の聖剣〝
振り下ろされた〝
「やった……のか?」
「ああ、そのはずだ」
オレンジ髪の少女にそう答え、倒れている少女に聖剣を持ったまま近づき少女に聖剣の剣先を向ける
「おいお前!?」
「黙っていろ。〝ユン・ユリ・ソノ・ミウラ・スキル・マギステル〟【
少女に光が当てられると胸元の傷が塞がっていく、傷が治っていくことに二人は驚愕していた
「さっきも言ったが俺は魔導、魔法、魔術の3魔を操る。このぐらいならなんとかなる…」
「お前はなんだ?」
「俺はソウ。蒼い死神だ。それよりも、おかわりが来たみたいだぞ」
ソウの言うとおり、ライブ会場の中央にいつ現れたかわからない黒いノイズが佇んでいた
「あれは、強化されたノイズだ。普通のノイズに苦戦していたお前達じゃ勝てないだろう。お前達はその子を連れて逃げろ」
ソウはそう言うと二人を無視し黒いノイズに剣先を向ける
「さあ、始めようか!弔い合戦だ!」
「…ここ、は?」
ソウが目を覚ましたのは何処かの病因らしき部屋だった
目覚めて直ぐに運が良いのか看護師が病室を訪れ、男性の医者を連れてきた
「君はあの日から1週間も寝ていたんだよ」
「1週間…も?」
医者はソウが運ばれてきた時のことを話した
1週間前、ライブ会場から血まみれで運び込まれてきたのを最初に見たのはこの男性の医者で、大きな怪我は無いものの心臓の鼓動が弱く、いつ心停止してもおかしくなかったとか、1週間の間担当医として見てくれていたらしい
「そうでしたか…ありがとうございました」
「いえ、私は経過観察しか出来ることを無かったので気にすることもありませんよ」
怪我自体は既に治っているため、リハビリも込みで来週には退院できると男性の医者は言うと看護師を連れて病室を出て行く、医者達と入れ替わるように水色髪に赤目の男性がソウと同い年ぐらいの二人の少女を連れて入ってきた
ソウには3人とも見覚えがあった、うち二人はこの世界では無かったが
「(父さんにカタナ姉さんに簪…)」
「私は更識家16代目当主の更識楯無だ。単刀直入に簪の…娘の命を助けてくれて感謝する!!」
「簪ちゃんの姉の刀奈よ。私からも簪ちゃんを助けてくれてありがとう!!」
「か、簪です…あの時はお礼を言えなくてごめんなさい…そして、助けてくれてありがとうございます!!」
3人それぞれ、頭を下げ、ソウに感謝を伝えてくる
「感謝は受け取ります。だけど、俺は自分が出来ることをやったまでのこと……彼女を助けられたのも偶然でしかない」
「それでもだ、偶然でも娘を助けてくれたのは君だ。頭を下げる理由にはなるさ」
「そうですか……」
「あの……」
「簪さん?」
見た目どころか性格も同じなのかと呆れて苦笑いするソウに簪が恐る恐る手を上げソウに聞きたいことがあったみたいだった
「なにか?」
「えっと…その、あの時に私の名前を、知っていたのを知りたくて…」
「……俺はあの日…ライブ以前の記憶がどういうわけか殆どありません。残っているのは自分の名前、ライブか……ツヴァイウィングが好きだったこと、そして〝
「そう…なの?」
「はい、気弱で、今にでも姉の刀奈さんに隠れようとしていたのも全く同じです。だからこそ、俺は助けれたんです。死んだ妹が目の前にいたと勘違いして……ね」
嘘ではあったが本当のことに隠された嘘であるため3人は嘘を見抜くことが出来ていなかった
「君はこれからどうするのだ?」
「見寄なんて無いはずですから一人で記憶を取り戻していくだけですよ」
「そうか……君に提案があるのだが?」
「提案ですか?」
「ああ、簪を助けてもらったお礼としてしばらくの間、家で君の面倒をみたい。私達と瓜二つの家族がいたのであれば記憶が戻りやすいかもしれない、どうだろうか?」
楯無が身寄りの無いソウに提案してきたのは家で面倒を見たいということだった、娘を助けてもらった恩もあるだろうが他にもありそうだった
「お父様、それ私も大賛成です。簪ちゃんを助けてくれた彼にお礼をしたいです」
「私も……恩返しが…したいです」
「娘達もこう言っているのだが…どうだろうか?」
ソウは姉と妹に似た二人に両脇を固められ父親に似ているから提案を断ることも出来なくなっていたのだった
続く