魔法少女YUUSHA   作:がまだせ3

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ココナツモールの敷地に入ったすみれは、少年らしき人物を追いかけていく。追いかけている最中、まるで車が暴走しているような音が聞こえた。少年らしき人物を追い続けて走っていると、その少年らしき人物は立ち止まり、「待て!」と叫んだ。すみれはその時、少年らしき人物と少し距離を置き、様子を伺う。少年らしき人物の向こう側には、黒服の男と、バスみたいな形をした化け物がいた。

 

黒服の男は喋る。「我々『ヘキサゴン機関』に楯突こうとするお前は何者だ、と言いたいところだが、ボスが言ってたな。『スターアライズ』という我々に楯突こうとする組織がある、と。本当にどの世界にも追ってくるものなんだな。しかし、スターアライズはたくさんの仲間がいると聞いたが、仲間はどうした?」

 

「うるさい!」と少年らしき人物は叫び、腕に付けている腕時計らしきものを触りながら、「サイバーフィールド、起動!」と叫んだ。

 

すると、腕時計らしきものから光の玉が現れ、光の玉はどんどん大きくなり、少年らしき人物、黒服の男、バスのような化け物を包んだ。その様子を見たすみれは、目の前で起こった状況を不思議に思い、大きな光に近づいた。その光に触れてみると、自分の腕が光の中に入れることができることがわかり、すみれは、どうしようかと少し考え、目の前で何が起こっているのか知りたいと思い、光の中へ入った。

 

光の中へ入ると、そこには草原があった。さっきまでの周りはコンクリートだったのに、今、すみれの周りは大草原の如く、草が覆い茂っている。「ここは一体どこ?」とすみれが思っていると、どこからか爆発音が聞こえた。爆発音が聞こえた方向を見ると、さっきの少年らしき人物と、バスのような化け物が戦っている様子だ。

 

「たった1人でも轢き殺すんだ、ブチトバス!体当たりだ!」と、黒服の男は、ブチトバスという化け物に指示をしている。高速スピードで動くブチトバスに、少年らしき人物は避けることで精一杯の様子だ。

 

(くそっ!魔道士の魔法で、どう攻撃すれば良いのかわからねえ...。どうにかしてこいつの攻撃パターンを読み取れば良いが、問題は...僕の後ろに、もう1匹、マガイモンがいる...!もちろん、念のため、救援要請はしたけど...それまでに持つか...)

 

「おいおい考え事してると、お前の命無くなっちまうぜ?」と、ブチトバスは少年らしき人物を煽る。すると、ブチトバスは何かに気づいた。そう、すみれを見つけたのだ。

 

ブチトバスは止まり、「ご主人様〜、なんかいますぜ。」と黒服の男に伝えた。黒服の男は、ブチトバスの見ている方向を見た。少年らしき人物も、ブチトバスの見ている方向、つまり後ろを見ると、すみれという女の子がサイバーフィールドにいることがわかった。

 

(え、女の子...?)と少年らしき人物は思った。すると、

「あれは、お前の仲間なのか?」と黒服の男が少年らしき人物に聞いた。少年らしき人物は、

「え、何言ってるんだ。あれはお前らの仲間じゃないのか?」と答えた。

「お前が何言ってるんだ。あんなの、俺の仲間にいねえよ。あ、もしかして、逃げ遅れて、サイバーフィールドってやつを出すときに、巻き込まれたやつかもしれないな。なら...」

黒服の男は不敵な笑みを浮かべた...。そして、

「ブチトバス、あれに向かって、マガイ光線だ!」とブチトバスに指示した。するとブチトバスは口を開き、何かを溜め始めた。何かを発射しようとしているようだが、その方向はすみれに向いていたのだ。

「まずい!」と言いながら、少年らしき人物はすみれの方へ走り寄る。少年らしき人物が、すみれの所に着く前に、ブチトバスは自身の口から禍々しい色のビームを放った。ビームのスピードは速い。その、とても速いスピードで近づいてくるビームが、すみれに当たりそうになった時、ギリギリの所で少年らしき人物が防御魔法でビームを防いだ。しかしビームは放たれ続けている。「今のうちに避けろ!」と少年らしき人物が叫び、すみれは横に逃げた。少年らしき人物は、防御魔法によるバリアでビームを防ぎ続けていたが、しばらくしてバリアにヒビが入った。ついには、耐えられなくなり、ビームは少年らしき人物に直撃した。少年らしき人物は悲痛な叫び声を上げる。

 

その様子を見たすみれは、少年らしき人物のもとへ駆け寄り、「ねえ、大丈夫!?」と聞いてみる。ビームが直撃した痛みからか、少年らしき人物は「うう...」としか言えない様子だ。

 

「所詮は若造。せめて仲間を連れてくるべきだったな。」と、黒服の男は言う。

 

少年らしきの痛々しい様子を見たすみれは、この時怒りを感じた。もちろん、この時何がどうしたのか、すみれはわからなかったはずだ。でも、目の前にあるのは、黒服の男が操る怪物の攻撃によってボロボロされた子供。すみれにとっては、これだけで、目の前のことを「ほっとけない」、十分な理由になる。すみれは、黒服の男に向かって叫ぶ。

 

「あなた、どうして、こんな小さい子供にここまでひどい事ができるの!?今の、この子の様子を見て、あなたはなんとも思わないの!?」

 

すると、黒服の男は答えた。

「我々の計画の邪魔をする者は排除するだけだ。我々のユートピア実現のために。」

 

「何がどうなってるかわからないけど、それって自分達さえ良ければ、他人を傷つけても良いってこと?そんなこと、お父さんお母さんに教えてもらわなかったの!?」

「お父さんお母さん...?あいにくだが、俺にとって今の親はボスだけだ。」

「だったら、そのボスって人にも、これはいけないことだって教えてあげる!!」

「お前、正気で言ってるのか?俺とも、そこの子供とも初対面のはずなのに、よくそんなことが言えるな。威勢の良い奴だ。だが、お前には何が出来る?おそらく、魔法は使えないんだろ?」

「私は魔法は使えないけど、小学生の頃、空手の全国大会で1度優勝したことがあるわ。その後、辞めさせられたけど。」

「なるほど。しかし、その程度で、このブチトバスを止められると思っているのか?」

「望むところよ。」

「ふっ、ここに来てしまったことを後悔するんだな。」

 

「どうするんすか、ご主人様?」とブチトバスは黒服の男に聞く。

黒服の男は、「轢いてしまえ。」と答えた。

 

ブチトバスがすみれに襲いかかろうとしたその時、「クロックストップ!」と誰かが叫んだ。その瞬間、黒服の男とブチトバスの動きが止まる。すみれは一瞬びっくりしたが、後ろを振り向くと、止まっている時間の中で、ふらつきながら立っている少年らしき人物を見つけた。

「大丈夫?無理しちゃダメよ!」とすみれは、少年らしき人物に言う。それに対し、少年らしき人物は、

「バカ言え、無理してるのは、君の方だろ...。時間を止める魔法の効果、あんまり続かないから...、今から僕の言う事を聞いてくれ...。一旦、サイバーフィールドを解除する。で、君は逃げろ。はっきり言って、あの化け物は君の力で勝てるものじゃない。いくら空手が強くても勝てる相手じゃないぞ。だから逃げろ。で、この名刺の裏に書いてある番号に電話をかけるんだ。そして今ここで見た事をありのまま話してくれ。そうすれば僕の仲間が助けに来る。いいね?サイバーフィールド解除するよ。」

「待って、あなたはどうするの?」

「.........大丈夫だ。そもそもここで起きている事は多分仲間にも伝わっているはず。それに、僕は...こんな所でやられてたまるかってんだ。」

「ダメ!そんなの許さない。あなたがやられるかもしれないのに、私だけ逃げるわけにはいかないわ。」

「言う事を聞いてくれ!じゃないと死ぬぞ!」

「目の前に困っている人がいるのに、助ける事ができないのは嫌なの!」

「......」

「なにがどうなのかはわからないけど、私はあなたを守りたい!あなたを助けたい!だから、私に出来ることがあるなら、私はあなたに協力するわ!」

 

この時のすみれの表情は真剣だった。後で語るが、彼女の過去を考えれば、当然のことだ。そんなすみれの表情を見た、少年らしき人物は「...なんで...君は...ここまで...」と言う。

 

その時、少年らしき人物が着ているフードのポケットが輝く。

「え、何?」とすみれは驚く。「この光、もしかして...」と言いながら、少年らしき人物はポケットに手を入れ、少年らしき人物の腕に付けている同じ形をしていて、色はピンクの、腕時計らしきものを取り出した。

「まさかそんな...しかもよりにもよってこの色が...」

「どうしたの?」

 

 

(........もしかしたら、この人なら、

 

 

やってくれるかもしれない...!!)

 

少年らしき人物はすみれに質問する。

「もう一度聞きたい。君は、僕の敵か...?」

「何言ってるの?私は、あなたの味方よ。もし、あなたが、私の助けを求めるなら、私は協力する!」

「よし、ぶっつけ本番になってしまうけど...あの怪物を倒せるほどの力をあげる。でも、これは、君のような年齢の子にとってはとても厳しいものだけど、できる?」

「うん、できるわ!」

「君の名前は?」

「....すみれよ。」

そう、すみれが答えると、少年らしき人物はすみれの腕に、ピンク色の腕時計(みたいなもの)を付けさせ、小さく四角いものを腕時計の側面にある穴に差し込む。その後、電源を起動した。すると、腕時計からアナウンス音声が流れる。

 

「初回起動確認、使用ユーザーを確認中、ユーザーを認証中、認証中....

 

ユーザー登録完了しました。それではDreamland.exeをお楽しみください。」

 

何がなんだかわからず、「え?どういうこと?」とすみれは言った。その瞬間、既に時間を止める魔法の効果が切れたのか、さっきまで動きが止まっていた黒服の男がすみれ達に対し、話かけた。

 

「おい、お前ら、いつまでごちゃごちゃ話してんだ。そろそろ轢くぞ。」

「もう、勝手に自己判断で動いていいっすか、ご主人様〜?」

 

すみれは、自分の腕に付けている腕時計が気になる。その様子を見ていた少年らしき人物がすみれに対して話しかける。

「さあ、真ん中のボタンを押して、変身するんだ。」

その説明を聞き、すみれは3つあるうちの真ん中のボタンを押す。

 

「Dreamland.exe!!!」とアナウンス音声が流れ、その後腕時計が光り、その光がすみれを包み込んだ。

 

光に包まれているすみれは、何が起こっているかわからないと思いつつも、力を強っていると感じた。これなら、あの怪物に勝てる!とも思った。

 

しばらくして、すみれを包み込んでいた光は消えた。

 

「これで、私は変身もののヒーローに...」と言いながら、下を見ると、自分がさっきまで着ていたサッカーのユニフォームとは違う服を着ていたことがわかった。

 

しかし...

 

 

すみれの今の格好は、「桃」という漢字がプリントされているピンク色のTシャツと短パンだったのである。

 

「へ?」とすみれは思った。そりゃそうだろう。少年らしき人物が「変身」って言ってたんだから、変身もののアニメみたいに可愛い格好になると思っていたのだから。

 

「ねえ、これ、どういうこと?格好が違くない?」とすみれは少年らしき人物に聞く。

「いや、一応合ってる。」

「おかしいよね?こういう流れになったら、なんかこう、もっと可愛い格好になるものなんじゃないの?なんで、この格好なの?」

「当たり前だろ、君は今初めてこのソフトを起動したばかりだ。つまり、君は当然、まだ『装備』を1つも持ってないんだから、最初はその格好なの、当たり前だろ。」

 

「え...

 

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!??」

 

突然、不思議なことに巻き込まれたすみれ。さて、一体どうなることやら...

 

この不思議な物語は続く。続くったら続く。

 

 

 

 

 チュートリアル01

 

「魔法戦士」は選ばれし者しかなれない。とはいえ、辞退することは可能である。

 

 

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