桜井すみれはまじわり市に住む少女だ。ある日、母からおつかいを頼まれ、ココナツモールへ向かったところ、ココナツモールの敷地内で騒ぎが起こっているのを見つけた。すみれが、ココナツモールの敷地内に入ると、そこにはバスの形をした化け物がいた。さらにすみれは少年らしき人物が出した空間「サイバーフィールド」の中に入り、少年らしき人物から、化け物と戦うためのアイテムをもらう。そしてすみれは変身したのだが...
「変身」した後のすみれは、確かに服は変わっているが、アニメの魔法少女のような可愛い服ではなく、「桃」という漢字がプリントされているピンク色のTシャツと短パンを着ていたのだ。側から見れば、良く言えばシンプル、悪く言うとダサい、そんな格好だ。
「ねえ、どうすれば良いの?これであの化け物と戦うの?」とすみれは少年らしき人物に聞く。
「確かに、この状態でもさっきより身体能力は上がってるけど、あいつと勝負するのは厳しい。だから、『装備』を見つける必要がある。」
「装備?」
「そう、初回起動の時に、このサイバーフィールド内に3つの宝箱が出現して、それぞれ、あたま、からだ、ブキの3つの装備が入ってる。3つの宝箱はそれぞれ距離は離れてて、3つの装備を全て揃えた時、あいつと戦える力が手に入る。」
「なるほど、3つ揃えばいいのね。」
「ああ、本当はこんな状況で君にこんなことさせたくなかったんだけど...」
すみれと少年らしき人物、2人がこそこそ話していると黒服の男は口を開く。
「おい、本当にいつまでこそこそ話してるんだ。」
「ご主人〜、もう良いっすか?」と、ブチトバスは黒服の男に聞く。
「時間は無さそうだね、準備は良い?」と少年らしき人物がすみれに聞くと、すみれは「うん」と頷いた。
「どうやら見た感じ、たった今、新しい仲間ができたみたいだな。じゃあ、せっかくだ、こいつらにも出番を与えるか。」
すると、黒服の男は、ポケットからたくさんの黒い粒を取り出して、そしてたくさんの黒い粒をばらまくと、黒い粒は真っ黒な人間のような形になった。
「何あれ!?」
「人形マガイモン、『オドール』。ま、量産に向いてる戦闘人形ってやつだ。」
そして、黒服の男は「やれ!」と言い放ち、オドール達がすみれ達の方向に向かう。
「さっきも言った通り、宝箱見つけるにはマップ機能が役立つ。僕がサポートするから、頼んだぞ!」
「うん!」とすみれは言い、オドール達に当たらないよう、横に逃げた。オドール達はすみれ達に迫ってくる。
「こうなったら、できれば使いたくなかったけど、『アミーゴカード』使おう。」
少年らしき人物は、ローブに付いているカードデッキケースらしきものから1枚カードを取り出した。
「お、SRだ!」
そして、カードを腕時計にスキャンする。
「アミーゴ!クルーミーブレード!」という音声が腕時計から流れ、するとビームソードみたいなものが現れた。
「SR以上なら確実に使えるものだ。それっ!」と言い、少年らしき人物はオドール達を薙ぎ払う。
「絶対すみれの邪魔はさせない!」
その様子を少し離れた距離で、走りながら見ていたすみれは、
「すごい、私もああいうの使ってみたい!」と口に出していった。すると、すみれは自分の腰のあたりに、少年らしき人物が持っているものと同じ形のカードデッキケースがあるのを見つけた。
(ここからカードを取り出せば、ああいう剣を...)と思い、1枚カードを取り出す。その取り出したカードは、
「何これ、『ゾウベリー』?」
そう、明らかにクルーミーブレードではない。しかしすみれは、なんでもいいやと思い、そのカードをスキャンする。
「アミーゴ!ゾウベリー!」腕時計から音声が流れた。
すると、すみれの体が光る。
その光が消えた後、すみれは自分自身に何があったのか一瞬わからなかったが、すぐに目の前に大きな棒があるのが見えた。
いや、棒じゃない。くねくねと曲がることもできる、それに灰色だ。
「もしかして、私、ゾウさんになってる!?」
そう、すみれの顔はまさにゾウそのものである。
すると後ろから少年らしき人物が来て
「大丈夫か、すみ...れええ!?」
ゾウになったすみれの顔を見て、少年らしき人物は驚く。
「ねえ、私の顔、ゾウさんになったみたいなんだけど、どういうこと!?」
「なるほど、アミーゴカードを使ったな。アミーゴカードってたくさんの種類のカードがあって、それぞれ効果が違うんだ。そういや最近、ゾウになれる効果を持つカードが追加されたって聞いたけど、これがそうなのか。」
その時、後ろから「オド〜ル」という不気味な声が聞こえた。
「まずいな、追いつかれる...。ねえ、その長い鼻使えば戦えるんじゃないか?」
「...確かに!やったことないけど、やってみる!」
そして、すみれは振り返り、追って来たオドール達を待ち構え、長い鼻を使って薙ぎ払った。オドール達の猛攻は激しかったが、すみれは長い鼻を利用し、オドール達を倒していく。追って来た全てのオドール達を倒した後、すみれ達は再び宝箱へ向かって走った。そして、効果が切れたのか、すみれの鼻と顔は元に戻った。
「あ、宝箱!」すみれは宝箱を見つけた。そしてその宝箱を開け、宝箱の中に入っていた何かがすみれの腕時計の中に入っていった。
「あたまの装備データを取得しました。あと2つで、変身できます。」と腕時計から音声が流れる。そして2人は、別の宝箱へ向かい、走る。
「ねえ、さっき、たくさんの種類のカードがたくさんあるって言ってたけど、どのくらいあるの?」
「数百はあるよ。ただ、できればあまり使わない方が良い。」
「なんで?」
「1日につき、1人5枚しか使えないし、そもそも何が出てくるかわからないんだ。時々、ゴミみたいなものも出てくる。例えば...」
すると後ろから「待て待て待てーーーーーーーーい!!」と大きな声が聞こえた。バスの形の化け物、ブチトバスがすみれ達を追っているのだ。
少年らしき人物は、デッキケースからカードを1枚取り出しスキャンする。
「アミーゴ!バナナの皮!」
そして出現したバナナの皮を地面に投げ捨てた。ブチトバスはそのバナナの皮を踏み、うわあああああと叫びながら横転した。
「とまあ、今回はたまたまうまくいったんだけど、時々バナナの皮みたいなゴミも出てくる。」
「なるほど、あ、2つ目の宝箱!」
すみれ達は2つ目の宝箱を見つけた。
「からだの装備データを取得しました。あと1つで、変身できます。」
「これであと1つね。」
「ああ、こっちだ。」すみれ達は最後の宝箱へ向かって走る。
しかし、オドール達に追いつかれ、囲まれてしまった。
「まずいな、どうにかして隙を作らないと。」
「大丈夫、さっきのバスみたいな化け物だったら不安だったけど、このくらいなら。」
「え?」
すると、すみれは武術の技でオドール達に攻撃し始めた。身体能力は上昇しているとはいえ、実質素の状態でオドール達の体にパンチやキックを当てている。驚くべきことに、オドール達の攻撃もかわしているのだ。すみれはそのまま、オドール達全てを倒してしまった。
「お前、戦いのセンスあるな...。」
「ちょっと前まで空手やってたから。」
そして2人は再び走る。しばらく数分くらい走り、
「そろそろ最後の宝箱ね。」
もうすぐ最後の宝箱にたどり着きそうだ。しかし後ろから車が走るような音が聞こえる。
「オラオラ待ちやがれーーーー!!」
「これ以上の無駄な抵抗はやめてもらおうか。」
言うまでもなく、ブチトバスだ。その上に、黒服の男が乗っている。
「そのまま行け、すみれ!」と少年らしき人物はすみれに言う。
「え、どうして...。」
「ちょっとさっきの傷のことがあって、これ以上走るの無理そうだ。だからせめてここで僕が時間稼ぎしてあいつを足止めする。だから、すみれはそのまま最後の装備を入手するんだ。」
「でも!」
「大丈夫、僕は死なない!」と言い、少年らしき人物は立ち止まり、振り返る。
すみれは少年らしき人物のことを心配していたが、今は信じて走り続けた。
「お前、さっき思いっきりマガイ光線受けてたのに、ちゃんと戦えるのか?」
「僕を舐めるなよ。」
一方、すみれは走り続けていた。最後の装備を手に入れ、あの少年らしき人物を助けるために。そして走り続けて......見えた、最後の宝箱が。
そして宝箱を開け、最後の装備、「ブキ」のデータが、すみれの腕時計の中に入る。
「全ての装備データが揃いました。変身できます。」
すみれは、少年らしき人物の元へ走った。
「おうおう、もう限界なんじゃないか?」
ブチトバスは少年らしき人物を煽る。
「ふっ、まだだよ。まだ、倒れるわけにはいかないんでね。」
「よし、ブチトバス、そろそろこいつにとどめを刺すんだ。」
「合点承知の助!」
「恨むんなら、この運命を決定づけた、神様ってやつを恨むんだな。」
「ちょっと待ったーーーーーーーーー!!」
その時、すみれの大きな声が響いた。