魔法少女YUUSHA   作:がまだせ3

3 / 4
Tale 2 魔法少女、起動 2-1

桜井すみれはまじわり市に住む少女だ。ある日、母からおつかいを頼まれ、ココナツモールへ向かったところ、ココナツモールの敷地内で騒ぎが起こっているのを見つけた。すみれが、ココナツモールの敷地内に入ると、そこにはバスの形をした化け物がいた。さらにすみれは少年らしき人物が出した空間「サイバーフィールド」の中に入り、少年らしき人物から、化け物と戦うためのアイテムをもらう。そしてすみれは変身したのだが...

 

「変身」した後のすみれは、確かに服は変わっているが、アニメの魔法少女のような可愛い服ではなく、「桃」という漢字がプリントされているピンク色のTシャツと短パンを着ていたのだ。側から見れば、良く言えばシンプル、悪く言うとダサい、そんな格好だ。

 

「ねえ、どうすれば良いの?これであの化け物と戦うの?」とすみれは少年らしき人物に聞く。

「確かに、この状態でもさっきより身体能力は上がってるけど、あいつと勝負するのは厳しい。だから、『装備』を見つける必要がある。」

「装備?」

「そう、初回起動の時に、このサイバーフィールド内に3つの宝箱が出現して、それぞれ、あたま、からだ、ブキの3つの装備が入ってる。3つの宝箱はそれぞれ距離は離れてて、3つの装備を全て揃えた時、あいつと戦える力が手に入る。」

「なるほど、3つ揃えばいいのね。」

「ああ、本当はこんな状況で君にこんなことさせたくなかったんだけど...」

 

すみれと少年らしき人物、2人がこそこそ話していると黒服の男は口を開く。

「おい、本当にいつまでこそこそ話してるんだ。」

「ご主人〜、もう良いっすか?」と、ブチトバスは黒服の男に聞く。

 

「時間は無さそうだね、準備は良い?」と少年らしき人物がすみれに聞くと、すみれは「うん」と頷いた。

 

「どうやら見た感じ、たった今、新しい仲間ができたみたいだな。じゃあ、せっかくだ、こいつらにも出番を与えるか。」

すると、黒服の男は、ポケットからたくさんの黒い粒を取り出して、そしてたくさんの黒い粒をばらまくと、黒い粒は真っ黒な人間のような形になった。

 

「何あれ!?」

「人形マガイモン、『オドール』。ま、量産に向いてる戦闘人形ってやつだ。」

そして、黒服の男は「やれ!」と言い放ち、オドール達がすみれ達の方向に向かう。

 

「さっきも言った通り、宝箱見つけるにはマップ機能が役立つ。僕がサポートするから、頼んだぞ!」

「うん!」とすみれは言い、オドール達に当たらないよう、横に逃げた。オドール達はすみれ達に迫ってくる。

 

「こうなったら、できれば使いたくなかったけど、『アミーゴカード』使おう。」

少年らしき人物は、ローブに付いているカードデッキケースらしきものから1枚カードを取り出した。

「お、SRだ!」

そして、カードを腕時計にスキャンする。

 

「アミーゴ!クルーミーブレード!」という音声が腕時計から流れ、するとビームソードみたいなものが現れた。

「SR以上なら確実に使えるものだ。それっ!」と言い、少年らしき人物はオドール達を薙ぎ払う。

「絶対すみれの邪魔はさせない!」

 

その様子を少し離れた距離で、走りながら見ていたすみれは、

「すごい、私もああいうの使ってみたい!」と口に出していった。すると、すみれは自分の腰のあたりに、少年らしき人物が持っているものと同じ形のカードデッキケースがあるのを見つけた。

(ここからカードを取り出せば、ああいう剣を...)と思い、1枚カードを取り出す。その取り出したカードは、

「何これ、『ゾウベリー』?」

そう、明らかにクルーミーブレードではない。しかしすみれは、なんでもいいやと思い、そのカードをスキャンする。

 

「アミーゴ!ゾウベリー!」腕時計から音声が流れた。

 

すると、すみれの体が光る。

その光が消えた後、すみれは自分自身に何があったのか一瞬わからなかったが、すぐに目の前に大きな棒があるのが見えた。

 

いや、棒じゃない。くねくねと曲がることもできる、それに灰色だ。

「もしかして、私、ゾウさんになってる!?」

そう、すみれの顔はまさにゾウそのものである。

 

すると後ろから少年らしき人物が来て

「大丈夫か、すみ...れええ!?」

ゾウになったすみれの顔を見て、少年らしき人物は驚く。

「ねえ、私の顔、ゾウさんになったみたいなんだけど、どういうこと!?」

「なるほど、アミーゴカードを使ったな。アミーゴカードってたくさんの種類のカードがあって、それぞれ効果が違うんだ。そういや最近、ゾウになれる効果を持つカードが追加されたって聞いたけど、これがそうなのか。」

 

その時、後ろから「オド〜ル」という不気味な声が聞こえた。

「まずいな、追いつかれる...。ねえ、その長い鼻使えば戦えるんじゃないか?」

「...確かに!やったことないけど、やってみる!」

 

そして、すみれは振り返り、追って来たオドール達を待ち構え、長い鼻を使って薙ぎ払った。オドール達の猛攻は激しかったが、すみれは長い鼻を利用し、オドール達を倒していく。追って来た全てのオドール達を倒した後、すみれ達は再び宝箱へ向かって走った。そして、効果が切れたのか、すみれの鼻と顔は元に戻った。

 

「あ、宝箱!」すみれは宝箱を見つけた。そしてその宝箱を開け、宝箱の中に入っていた何かがすみれの腕時計の中に入っていった。

 

「あたまの装備データを取得しました。あと2つで、変身できます。」と腕時計から音声が流れる。そして2人は、別の宝箱へ向かい、走る。

 

「ねえ、さっき、たくさんの種類のカードがたくさんあるって言ってたけど、どのくらいあるの?」

「数百はあるよ。ただ、できればあまり使わない方が良い。」

「なんで?」

「1日につき、1人5枚しか使えないし、そもそも何が出てくるかわからないんだ。時々、ゴミみたいなものも出てくる。例えば...」

すると後ろから「待て待て待てーーーーーーーーい!!」と大きな声が聞こえた。バスの形の化け物、ブチトバスがすみれ達を追っているのだ。

 

少年らしき人物は、デッキケースからカードを1枚取り出しスキャンする。

 

「アミーゴ!バナナの皮!」

 

そして出現したバナナの皮を地面に投げ捨てた。ブチトバスはそのバナナの皮を踏み、うわあああああと叫びながら横転した。

 

「とまあ、今回はたまたまうまくいったんだけど、時々バナナの皮みたいなゴミも出てくる。」

「なるほど、あ、2つ目の宝箱!」

 

すみれ達は2つ目の宝箱を見つけた。

 

「からだの装備データを取得しました。あと1つで、変身できます。」

 

「これであと1つね。」

「ああ、こっちだ。」すみれ達は最後の宝箱へ向かって走る。

しかし、オドール達に追いつかれ、囲まれてしまった。

 

「まずいな、どうにかして隙を作らないと。」

「大丈夫、さっきのバスみたいな化け物だったら不安だったけど、このくらいなら。」

「え?」

 

すると、すみれは武術の技でオドール達に攻撃し始めた。身体能力は上昇しているとはいえ、実質素の状態でオドール達の体にパンチやキックを当てている。驚くべきことに、オドール達の攻撃もかわしているのだ。すみれはそのまま、オドール達全てを倒してしまった。

 

「お前、戦いのセンスあるな...。」

「ちょっと前まで空手やってたから。」

 

そして2人は再び走る。しばらく数分くらい走り、

「そろそろ最後の宝箱ね。」

もうすぐ最後の宝箱にたどり着きそうだ。しかし後ろから車が走るような音が聞こえる。

「オラオラ待ちやがれーーーー!!」

「これ以上の無駄な抵抗はやめてもらおうか。」

言うまでもなく、ブチトバスだ。その上に、黒服の男が乗っている。

 

「そのまま行け、すみれ!」と少年らしき人物はすみれに言う。

「え、どうして...。」

「ちょっとさっきの傷のことがあって、これ以上走るの無理そうだ。だからせめてここで僕が時間稼ぎしてあいつを足止めする。だから、すみれはそのまま最後の装備を入手するんだ。」

「でも!」

「大丈夫、僕は死なない!」と言い、少年らしき人物は立ち止まり、振り返る。

 

すみれは少年らしき人物のことを心配していたが、今は信じて走り続けた。

 

「お前、さっき思いっきりマガイ光線受けてたのに、ちゃんと戦えるのか?」

「僕を舐めるなよ。」

 

一方、すみれは走り続けていた。最後の装備を手に入れ、あの少年らしき人物を助けるために。そして走り続けて......見えた、最後の宝箱が。

 

そして宝箱を開け、最後の装備、「ブキ」のデータが、すみれの腕時計の中に入る。

 

「全ての装備データが揃いました。変身できます。」

すみれは、少年らしき人物の元へ走った。

 

「おうおう、もう限界なんじゃないか?」

ブチトバスは少年らしき人物を煽る。

「ふっ、まだだよ。まだ、倒れるわけにはいかないんでね。」

「よし、ブチトバス、そろそろこいつにとどめを刺すんだ。」

「合点承知の助!」

「恨むんなら、この運命を決定づけた、神様ってやつを恨むんだな。」

 

「ちょっと待ったーーーーーーーーー!!」

その時、すみれの大きな声が響いた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。