ぼっち達が集まったら   作:マジック野郎

3 / 4
第3話になります
引き続き、よろしくおねがいします


ぼっちがぼっちの尾行をしたら

「ただいま…」

疲れきった顔で俺は帰宅する

 

女装して、一ノ瀬の家で勉強会

これだけでも疲れるのに、あの厄介な父親の存在

疲れるったらありゃしない

「おかえりーこぎに…

……あおざめてるね…」

「それだけ疲れたってことだよ…」

もうヘトヘトで、何もする気が起きない

でも、晩飯も作らなきゃならない…

 

そんな俺の様子を見かねたのか、

「夜ご飯、私が作る?」

と、梨兎が聞いてくる

「……作れるの?」

「まっっ…任せて!大丈夫!美味しくできる!多分…」

「大丈夫感が皆無なんだが」

「え?“かいむ“って、どういう意味?」

俺は呆れた顔で固まる

…まあ、梨兎が作ってくれる、ということで

疲れきっていた俺は、少し寝ることにした

 

 

あの時任せた俺が馬鹿だった

「なあ…これ、何…?」

「えっあっ…えぇっと……ハンバーグ?」

 

…正直期待はしていなかった

しかし梨兎は、その期待値を軽く下回って見せた

何をどう調理したら、ハンバーグが紫色で筒状の、ドロドロした料理になるんだよ

 

食えた物じゃないと2人ともわかっていた(妹も自覚)ため、その日は白米に納豆をかけて食べた

 

これが夜ご飯…かなり質素だな

 

 

いつも通りの時間に起き、いつも通り一人で、いつも通り無言で登校する

いつも通りじゃ無いことと言うと、俺に話しかけて来るやつが居るということか

 

「数田くん、さっきの問題わからなかったから教えて~!………………ねぇ何で無視するの?」

答えは1つ、めんどうくさい

大体見てみろ、周りの目を

 

ぼっちに話しかけるぼっちの図だぞ

ひそひそ話してるし…

俺のよくない噂が広がりそうで、何か嫌だな

「でさ、このもんだ…

えっちょっ……数田くん!?」

俺はその場でに立ち上がり、歩き出す

これ以上変な目で見られるのは御免だ

 

さすがに罪悪感があったので、俺は一ノ瀬に、

後で教える。今は待ってくれ

と、メールを送っておいた

 

昼休みは戦争である

購買のパン争い

エクレアパンやクリームパンを求める輩が自分の欲するパンを狙い、戦争が起こる

その戦争で負けたやつは、大豆パンや抹茶黒豆なんとかパンみたいなよくわからないやつになる

 

俺は授業後すぐに教室をでて、最短ルートで購買へ向かう

人気のパンにはありつけないが、あんパン程度なら買えるし、俺だって変なパンは御免だ

 

多くの生徒がギャーギャー騒いでるなか、冷めきった顔で俺はあんパンを購入する

 

教室へ戻っている途中のことだった

ふと窓を見たら、とある女子生徒が1人

どこかに向けて走っていた

 

普段の俺なら確実にスルーする

しかしそのときは調子が良かったのか、俺はその子の後をついていくことにした

 

「1人でどこに向かってんだ……?」

しばらく様子を見ていると、彼女は体育倉庫に向かっているようだった

 

彼女は体育倉庫の中に入った

そこで俺は我に返った

「何で俺女の子の尾行してるんだ!?」

端からみたら、その子に気があるのか

もしくは変態か

誰かに知られたらどうしよう……

 

そう思いつつ、教室に戻るのが面倒だった俺は、彼女が入ってる体育倉庫の外で、あんパンを食べることにした

 

その瞬間だった

ふと足を見ると、蟻の軍隊が足を登っていて、

あんパンは多数のハエに狙われていた

「うわぁぁっ!」

やばっ!思わず大声をあげてしまった

その後、俺がそこにいたと女の子にバレたのは言うまでもない

 

気まずい雰囲気だ

よく見たら、彼女は中学の頃の同級生だった

無論、一度も話したことはないが

 

彼女の名前は二川 羊菜(ふたかわような)

黒髪のポニーテールで、眼鏡をかけている

中学の頃から大人しく、あまり喋るタイプじゃなかったと思う

 

…………………………

放課後の教室の沈黙も辛いが、体育倉庫の沈黙も辛いな……

この沈黙の原因を作ったのは俺だ

とりあえず、俺は二川に謝ることにした

 

「何か、ごめんな」

「…えっ?」

びっくりしたような表情をする二川

「いや、俺の行動のせいでこんなことになっちまって…何か悪いなって…」

やばい、言葉が見つからない…

「あっそういうことか

いいよ別に…私こそ何も喋れないで…」

 

一ノ瀬と同じで二川も他人行儀だな

まあ一ノ瀬は元はうるさいが、二川は多分、素で他人行儀なんだろうな

敬語じゃないが、腰が低い

 

「ちなみにさ、なんで二川はこんな所で飯食ってんだ?」

俺はずっと気になっていたことを聞いてみた

「うーん…

私に近づくと、不幸が起こるから…かな?」

「は?言っておくが俺は非科学的なことは信じないぞ」

俺はきちんと科学に基づいて根拠が明確であることしか信じない主義だ

占いや幽霊なんかは全く信じていない

というか、信じるきもさらさらない

「信じないならそれでもいいよ…

でも、私に近づくと、必ずと言っていいほど嫌なことが起こるの。まあ小さいことばかりなんだけどね」

小さいことか……ん?

「てことは、さっき俺が、蟻やハエにたかられたのも?」

「多分…私に近づいたから…」

要するに、偶然近づいたときに、不運が起こることが多い、というわけだな

「虎義くんも、もう私に近づかない方がいいよ

絶対に嫌なことが起こるから…」

「は?」

その言葉に、俺は異様に食いついてしまった

そこから俺は、言葉を続ける

「さっきも言ったが、俺は非科学的なことは全く信じないぞ?自分から近づく気はさらさら無いが、そんなことを理由にして、近づかないなんてことしない」

 

二川は恐らく、こういう体験が立て続けに起こったことにより、周りから遠巻きにされ、ついには自分から近づかないようになったのだろう

そんな二川の様子を見ていると、何だか彼女を助けたいと思ってしまった

 

「まあなんだ…何かあったら俺に言ってくれ

出来る限り相手してやるから…そういう不幸がなんとかとか気にしないから…な?」

 

何だか俺らしくないことを言っている

今まで友達を作らないようにしてきた俺がこんなことを言うなんて、自分でしたことなのに、雨が降るんじゃないかと思ってしまう

 

すると二川がクスクスッと笑い

「うん。ありがとう、虎義くん…」

そう言って、今度はこっちを向いてニコッと笑った

…横顔だったから分かりにくかったが、こいつも中々の美人なんだな……

 

「じゃあ、私、お言葉に甘えて、頼りにさせてもらうね!」

友達が久しぶりにできたようで、二川は嬉しそうだった

友達、というよりか、まだ知り合いという関係なのかもしれないが

友達予備軍ってことかな?

 

こうして、俺に話す相手が2人できた

何か俺の理想の学園生活から遠退いていく気がする

 

 

どうなるのかな、俺……

 

 




というわけで、新キャラが1人増えます

一ノ瀬と二川、何だかキャラが似ている2人…
ちゃんと区別できるようにしていきます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。